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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
アスタロト戦
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#1266 世界の秘密の告白と再会の約束

俺は帰って来るとシルフィに俺が秘密にしていたことを話すことを伝えてからリリーたちにも言う。


「予定を変更して今からみんなに俺がずっと秘密にしてきたことを話そうと思うから集まってくれ」


「やっと話す気になってくれたんだね! タクト」


「リースのお陰ですか?」


「あぁ…隠し事はよくないと怒られてな」


俺がそう言うとリースがみんなに褒められる。まぁ、これは俺が悪いよな。


「来ましたよ。タクト」


「速いな…ここでは話せないから島に行こうか」


俺たちは島に転移する。


「さて、どこから話したもんかな…」


「それっていっぱいあるってことですか? タクトさん」


「睨まないでくれよ。イオン…みんなに伝えるのはかなり残酷な話なんだよ。まずは別の秘密から話していこうか…みんなはサタンを知っているよな?」


「もちろん。今、戦争を仕掛けてきている悪い人だよね?」


リリーがそこまで理解しているとは思わなかった。


「まぁ、概ね正解だな。で、俺が隠していた事って言うのがそのサタンは俺の父親みたいなんだよね」


「「「「へー。そうなんだ。ん? えぇ!?」」」」


全員同じくらい驚くまでの時間がかかったな。ファリーダが言う。


「ちょっと待ちなさない。タクト。サタンはお父様でも手も足も出ない最強の魔王よ。その子供があなたってどういう事よ」


「あぁ~…説明が難しいな。まず俺たちはこの世界の住人じゃないことは前にも話したよな?」


リリーたちは頷く。


「サタンも元は俺たちの世界の住人なんだ。そして俺たちの世界のサタンが俺の父さんって話なんだが、理解出来るか?」


「「「「全然分からない!」」」」


まぁ、理解出来る人と出来ない人に別れるよな。ここでセチアが纏めてくれる。


「つまりタクト様の世界ではタクト様とサタンの関係は親子でこの世界では関係は違っているという事ですか?」


「そうだ。色々あって、この世界では敵対関係となっている」


「全部話してね! タクト」


「そうだな…じゃあ、俺の人生の全てを話そうか」


俺は今までの人生の全てをリリーたちに話した。すると予想通りリリーたちは俺の過去について、辛そうな顔をしながら感想を言う。


「そんな辛い思いをしてたんだ…タクト」


「タクトさんが強い理由が分かった気がします」


「そうね…それに神様を嫌う理由もはっきりしたわね。そんな過去があったなら神を嫌うのは当然よ」


「…にぃ。ぎゅっとしてあげる」


「「「「抜け駆け禁止!」」」」


ノワは本当に優しいよ。この空気を変えるためにこんなことを言ってくれるんだからな。まぁ、あわよくばの気持ちが半分くらいありそうだけど、そこはノワだし、いいだろう。


「俺の過去についてはこれで終わりだ。俺の両親は話した事故の後、この世界にやって来て父親はサタン。まだ確認はしていないけど、母親はルシファーをとしてこの世界で生きているんだ」


「ちょっと待ってください。それならどうして先輩とお二人が敵対関係になっているんですか? 親子なんですよね?」


リアンが質問中だが、ここでシルフィが思い出したように言う。


「あ! もしかしてロキがタクトを誘ったのはこれを知っていたからですか?」


「多分サタンかルシファーの話を盗聴か何かして、俺をサタン側に出来ると思ったんだろうね。そしてリアンの質問だけど、俺の両親がこの世界で悪い事をするというならやっぱり息子の俺が止めないといけないと思っている。だから俺がサタンたちの味方になることは絶対にない。みんなももし敵対する日が来たら、いつも通り戦って欲しい」


「わかった!」


「リリーお姉様!? あの…それで本当にいいんですか? 主」


「ブランちゃん。タクトは悩んでそうするって決めているんだからそれでいいんだよ。そうだよね? タクト?」


リリーの問いかけに俺は頷いて返した。これだけ俺のことを理解してくれているからこそ次に言う事のリリーたちへの精神的ダメージが心配になるんだよな。それでも約束した以上、話さないといけない。


「これで俺とサタンたちとの話は終わりだ。次はもっとショックな話をすることになるんだが、覚悟はいいか?」


「これ以上にショックな話なんですか?」


「結構ショックな話だったぞ」


「それでもわたしたちは聞きたいぞ! タク!」


みんなが頷いたのを確認して、俺は一番重要なこの世界の終わりについて、話した。


「「「「え…」」」」


ほらー。めっちゃ泣きそうな顔されたじゃん。イオンなんて絶望的な顔をしているよ。そんな中、シルフィが聞いて来る。


「この世界が無くなることは避けられないって…サタンを倒してもダメなんですか?」


「ダメだ…この世界が無くなることはもう確定している。サタンに負けてこの世界が消えてなくなるのか。それともサタンに勝って、消えてなくなるかの差だ」


「それはわたしの星も無くなると言うことですか? マスター」


「そうだ」


流石にみんな暗い気持ちになる。


「そんな…この事はみんな知っているんですか?」


「メルたちも知っているけど、その理由とかまでは知らないはずだよ。俺が話していないからな」


「ということはタクトは理由を知っているわけですね?」


「あぁ…聞きたいなら話すよ」


みんながお互いに顔を見合わせてから頷く。


「まず一番の原因はさっき話したサタンの話だ。俺たちの世界では一度死んだ人間は基本的に蘇生することはない。魔法という言葉はあっても、魔法は存在しない世界なんだ。だからこそ死者がこの世界で生きている事はタブーに当たる。まだ俺たちの世界の人たちはこの事を知らないけど、タブーを犯した責任は取らないといけないと考えているみたいだ」


「そんな理由で…身勝手過ぎませんか?」


「俺もそう思うよ。更にもっと身勝手な理由も存在している」


「まだあるんどす?」


和狐の言葉に頷くと一番言いにくい事を俺は離す。


「俺たちの世界の人たちからするとこの世界の人たちは強さに関わらず、みんなが特別な力を持っているんだ。その特別な力はいい事にも悪い事にも使えてしまう。この世界を作った人たち…そうだな。この世界風に言うと創造神を作った人たちはみんなが悪い事に使われることを望んでいないんだ。だからどんな結果になったとしてもこの世界を消すしかないらしい」


「そんな…」


「リリーたちは何も悪いことをしてないよ? それなのに消えないといけないの? リリーたちはタクトと一緒にいたら、ダメなの?」


俺は感情が爆発したリリーの頭を優しく撫でる。


「リリーたちは本当に悪い事はしていないよ。悪いのはリリーたちを悪用しようとする人だ。本当にごめんな…俺たちの世界がリリーたちにとって、もっと優しい世界だったら、こんなことにならなかったかも知れない…ただリリーたちは俺がみんなとした約束を覚えているか?」


「「「「約束?」」」」


「ずっと一緒にいるって約束しただろ? この世界は消えてなくなってしまうけど、俺はみんなを消すつもりはない。世界が終わってから暫く再会までの時間はかかっちゃうかも知れないけど、必ず再会するつもりだ。それがみんなと交わした約束だからな」


「「「「タクト!」」」」


この事を話したら、笑顔になって、リリーたちに抱きつかれてしまった。


「リリーたちは何をすればいいの? タクトと一緒にいる為ならなんでもするよ!」


「あぁ~…この話はもう創造神を作った人ともう話してあるから大丈夫なんだよ。だから本当にこの事をみんなに言いにくかっただけなんだ」


「確かにショックはかなりの物でしたけど、タクトさんが私たちを守ってくれて、また再会を約束してくれるなら私たちは大丈夫です」


「…寂しい癖に」


「それはノワもでしょうが!」


素直に頷くノワである。ここでファリーダがあることに気付てしまう。


「ちょっと待ってくれる? タクトの話が事実ならサタンたちと戦う意味がそこまでないような気がするんだけど、違うのかしら?」


「勝っても負けても世界が終わるなら確かに意味はないな。ただサタンに負けた瞬間に世界の終わりは確定するがサタンの勝った場合は確定していない。これは俺たちの予測だけど、サタンに勝てたら、少しの間はこの世界は続くと思っている。つまりサタンに勝って、平和になったこの世界で戦う事を止めて、みんなと思いっきり結婚生活をする時間が作れるかも知れない」


リリーたちの目が爛々と輝き、当時にサタンへの闘志を燃やす。


「それが本当なら絶対にサタンには負けないよ!」


「例えタクトさんのお父さんでも私たちの結婚生活を邪魔すると言うなら敵です!」


「戦いの果てにそう言う時間があるのならそれが某も何が何でも勝ちに行く所存です」


「覚悟は決まったみたいだな…最後に一つ重要なことを言うがこのことは他言無用で頼む。メルたちにも話さないでくれ。シルフィもグラン国王や女王様、サラ姫様やアンリ姫様に話すのはやめて欲しい」


「混乱や不安を与えるからですね…分かりました。このことは秘密にしておきます」


こうして俺の秘密の告白と俺の未来への覚悟と約束は伝え終わった。後はこのゲームが終わってから俺がどれだけ頑張れるかだ。現実は甘くないことは知っている。それでもリリーたちと約束したんだ。頑張って再会の未来を勝ち取れるように頑張るしかない。


この話し合いで時間を使ってしまったけど、最後に修練の塔のギルガメシュに挑むとしよう。

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