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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
135/1716

#130 赤毛の少女と決闘

大部修正しました。

ゲームにログインした。すると恋火がいた。何か怯えているみたいだが、どうしたんだ?


「ひ…人がたくさんいて…」


恋火と下に降りるとプレイヤーがたくさんいた…おいおい。しかも何か盛り上がっている。どうやらリリーと赤毛の女の子が言い争ってるみたいだ。


「あ、タクトだ!」


「ふん! あいつがあんたたちの召喚主? 大したことなさそうね」


「タクトお兄ちゃんが…大したことない…」


恋火が握りこぶしを作り、静かに怒ってる。飛びかからないだけ大人だな。我慢出来ないやつもいるし。


「あったまに来た! これ以上、タクトを悪く言うと許さないよ!」


「上等よ! やれるもんならやってみなさいよ!」


「タクト! 決闘の許可をして!」

「クズ! 決闘の許可を出しなさい!」


そんなこと言われてもな…来たばかりで状態がわからないんだが…すると一人のプレイヤーが赤毛の女の子を止めに入る。


「花火、勝てっこないって。悪いことは言わないから決闘なんてやめて」


「誰に口を聞いてるの? あたしがいないと何も出来ないクズは黙って許可をすればいいのよ!」


「……はい」


打たれ弱っ!?いや、俺もリリーたちには世話になってるからあまり強く言えないけどさ。それとあの子の名前は花火って言うのか。恋火と漢字一文字違いだな。


「わかればいいのよ! 後はそこのあんただけよ!」


「ここでは無理だ。喧嘩をするなら外でやってくれ」


お店の中での喧嘩はマナー違反です。開いていないからいいと言う問題じゃない。


「はぁあ? あんた誰に命令を」


「お前にだ。ここは俺が預かっている店だ。喧嘩をするなら外でしろ。言うこと聞かないなら実力で放り出すぞ」


「なめたこといってくれるわね…」


花火の戦闘態勢を見て、リリーたちが俺を守ろうと動こうとするがシンクロスキルを使う。


『全員、手を出すな』


『いいの? タクト』


『あぁ』


「はぁああ!」


花火が殴り掛かってくる。俺はその攻撃をかわし、花火の首根っこを掴み、持ち上げる。


「な!? この! 離せ卑怯者!」


手足をぶんぶん振り回すが、残念ながら届かない。


リリーたちはその光景を見て、ざまーって顔をしている。


「く! この! はーなーせー!」


リリーたちの顔を見たせいか花火は更に暴れるが、むしろ必死に暴れる姿が可愛く見れるから不思議だ。


「はいはい。で、何がどうなっているんだ?」


「それについては俺から説明するよ。まずは花火が殴りかかって悪かった。ほら、花火も謝れ。お店で暴れて、人に殴りかかることは悪いことだって分かるだろ?」


「…ごめんなさい」


意外に素直な子なんだな。落ち着いたみたいなので、殴りかかって来たことは許してあげて、地面に下ろす。


「俺の名前はTAKUMA。ローマ字にしているのはゲーム名っぽいからだ。普通にタクマと呼んでくれ。あんたの次にドラゴニュートを召喚した召喚師だ」


「この子、ドラゴニュートなのか!?」


「何よ? ドラゴニュートで悪いの?」


「悪くはないが、リリーたち以外では初めてだからな。驚いた」


言われてみれば服装とかも最初のころのリリーたちに似ているな。気づかないとは盲点だった。と名乗らないとな。


「タクトだ。リリーたちの召喚師だよ」


「幼女サモナーの名前はタクトって言うのか。なんと言うか…素直で優しいドラゴニュートにするコツとかあるか?」


「そんなのあるわけないだろ…リリーたちは最初からあんな性格だよ」


「く…お、俺も素直で優しい女の子が欲しかった」


「へぇ…そう」


花火ちゃんに怒りの火が宿る。地雷を踏み抜いたな。


「花火!? 今の聞いて!?」


至近距離で話していたんだから、それは聞こえるだろ。


「聞こえたわよ。悪かったわね。素直じゃない女の子で…ふん!」


花火は不機嫌そうにそっぽを向く。


「性格はこの通りで困ってる」


「そうは見えないな」


「……わかるか?」


「あぁ」


少しやり取りを見ただけだが、仲が良いのは伝わってきた。特殊な関係かも知れないけどね。さて、本題を話そうか。


「それで喧嘩の原因はなんだったんだ?」


「あー…リリー様が自分が強いことを自慢したら、花火がライバル心を剥き出しにして、そのまま」


なるほどね。ならこちらにも非があるわけだな。


「それは悪かったな。リリーたちに悪気がなかったんだ。嫌な思いをしたなら、謝るよ」


「別に嫌とかじゃないわよ。ただ白黒はっきり付けたいだけよ」


「だから決闘なんて負けるからやめろって」


それを聞いた花火は怒りの視線をタクマに向ける…なるほど、そういうことね。


「わかった。決闘を許可しよう。リリーたちもそれでいいな?」


「もちろん! 勝負だよ!」


「望むところよ! 返り討ちにしてやるわ!」


俺が決闘を許可したことでタクマは慌てる。


「お、おい!?」


「確かにレベル差とかもあるし、花火ちゃんだったか? 彼女が勝つのは厳しい決闘になるだろう」


「それがわかっているならどうして!」


「花火ちゃんがそれを理解した上でリリーと闘うことを望んでいるからだ」


恐らく花火ちゃんは負けることがわかっている。それでもリリーに戦いを挑む意味が花火ちゃんにはあるんだろう。


「決闘はフィールドで行うぞ」


「見学していいですか?」


「俺、審判やりたいっす!」


結局シーク街道でプレイヤーたちの見学付きで決闘が行われることになった。審判も公平を期すために自ら名乗り出てくれたプレイヤーに任せた。


リリーがリープリングの大剣を取り出す。花火は素手だ。お手並み拝見だな。


「はじめ!」


「闘気!」

「猛火!」


お互いスキルを使う。花火が燃え上がる。初めて見るスキルだな。


「ふふん! 猛火は触れた相手を燃やすスキルよ! これで触れたら、あんたは丸焼けよ」


説明してくれるんだ。優しいな。だが、決闘で手の内を教えるのは減点だな。


そして構えを取り、両者走り出す。


「やぁあああ!! ヘビースラッシュ!」

「はぁあああ!! ストレート!」


リリーの大剣と花火のパンチがぶつかりあい、花火は綺麗にぶっ飛ぶ。


あーあー…フェイントか何かすると思ったら、まさかの正面衝突。それは自転車でダンプカーに正面衝突する行為だ。こうなるのは必然だな。観客も絶句してるよ。


「は、花火~!」


タクマの悲しい叫びが決闘フィールドに響く。何かショボいコントを見ているようだ。


「勝ったよ! タクト!」


リリーが嬉しそうに戻ってくる。頭を差し出す。はいはい。撫でればいいのね。さて、花火は無事かな?


「ん…あたしは一体…」


「リリー様にぶっ飛ぶされたんだよ。だから言っただろ」


「う、うるさい! うるさい! 次! そこのクールぶってる青髪のぺちゃぱい! 勝負よ!」


イオンからかつてない殺気が放たれる。


「…いいでしょう。二度と生意気な口を利けなくしてあげます」


結果は察してあげてください。リリーと正面衝突をするような子だ。イオンからしたら、リリー同様鴨だ。ぼろ雑巾の有り様だ。


「これに懲りたら、口の利き方には気を付けなさい」


そう言われても頑なに負けを認めない花火はセチア、恋火に戦いを挑む。セチアはきついかなと思ったが、セチアは弓矢で花火の足を撃ち抜く。すると矢の効果で猛毒になった花火をバインバインドで拘束して詰み。


「どうしました? 何かしないんですか? 毒で死んでしまいますよ?」


「ならこの蔓を消しなさいよ! 正々堂々戦え!」


「ふふ、嫌です」


全く誰に似たんだか…俺しかいないか。


恋火は瞬殺。距離を一瞬で詰めて、ガラスの剣が花火の首を捉える。


「降参…しますか? しないなら首を刎ねます」


「…降参します」


これで決闘は終了。すっかり花火ちゃんは拗ねてしまった。


「…おい。どうすればいいんだよ」


「タクマのために花火ちゃんは一生懸命戦ったんだぞ? なら言うことがあるんじゃないか?」


「あ…」


きっと花火ちゃんはタクマに自分の力も認めて貰いたかったんだろう。タクマがリリーたちの肩を持ったのを見て、自分も強いことを証明したかったんだと思う。


すると観客からルークが出てくる。


「お疲れ様です。タクトさん。タクトさんは知らないでしょうけど、彼以外にも亜人種の召喚報告は出ているんですよ? 男ばかりですけど」


「へぇ。男のドラゴニュートとか出てきたのか?」


「出てきてないですね。亜人種で多いのはゴブリン、リザードマンみたいです。ドライアドとか召喚出来てもおかしくないと思うんですけど」


あーあー。ルークも口を滑らせやがった。こいつ、地雷を踏むために出てきたのか?物好きだな。


「ゴブリンサモナーはお姉ちゃん萌えか…掲示板に書き込まないとな」


「ゴブリンたちを使って、ドライアドに何する気だ!」


「あれか! あれなのか!」


「ちょ!? みんなだって気になってるでしょ!? それに何もしないから!」


俺はルークの肩を叩く。


「ルーク…セチアに近付くの禁止な」


「タクトさん!?」


なぜ驚く。当然の措置だろ。


その後、ルークはギャラリーにいたチロルに連行されました。無事を祈ろう。


その後、俺はチロルたちに相談を受ける。理由はこれだ。


「シープがリスト召喚で追加されないんです!」


「識別したのにか?」


「はい」


さて、原因はなんだ?思い当たることは…あるな。


「俺が中級召喚師になったときに一部召喚獣の解放がインフォで流れたからそれが原因かな?」


「たぶん、それでしょうね。僕らは急いでレベル上げに行ってきます!」


「あぁ。頑張れよ」


「待っててね! 私のシープ!」


あいつら大丈夫かな?ちょっと心配だが、俺もやることがある。


俺はその後、獣魔ギルドへ向かう。そして合成召喚を月夢で試す。実はさっき未希からとある可能性を指摘されたのだ。


『スピリットの合成召喚には召喚獣が一体必要です』


未希の予想通りか…いや、正しいかまだわからないけど、狙う価値がある。


というわけで相手になる可能性があるキャラをリスト召喚する。


魔石が魔法陣に吸い込まれ、魔法陣が輝く。そして召喚されたのが芋虫。恋火が少し引く。まぁ、仕方無いよな。さて、名前は…真っ先に浮かんだ蝶の名前でいいかな。


名前 モンシロ グリーンキャタピラーLv1


生命力 5

魔力  10

筋力  5

防御力 8

俊敏性 2

器用値 8


スキル


粘糸Lv1 


有名な蝶の名前から取りました。漢字だと嫌だからカタカナにした。しかし緑色の芋虫に付ける名前じゃないな。


さて、もう一体はスネークにしよう。狙いはシースネーク。未希の話ではシースネーク2体でヒュドラになる可能性があるらしい。ならば狙おうじゃないか!


というわけでリスト召喚を実行。


先ほどと同じように召喚成功。では、名前をつけよう。ここは勝負に出る!


名前 セグロ スネークLv1


生命力 16

魔力  2

筋力  10

防御力 6

俊敏性 8

器用値 8


スキル


噛みつきLv1 巻き付きLv1 毒Lv1 熱探知Lv1


ウミヘビが黒だったら、俺の勝ちだ。これでカラフルだったら、終わりだ。召喚が終わったからレベル上げに行くとしよう。


掲示板で出たタクト以外の火のドラゴニュート花火ちゃんの登場回でした。


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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
ルーク...建前でもドライアド以外にこの街にいる種族も一緒に言えば助かったものを...どっちも小さいからロリコン疑惑つけられるだけか? ウミヘビが海水を飲めないことを最近知った今日この頃、何故それで…
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