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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
アスタロト戦
1348/1718

#1264 オシリス戦

オシリスとの戦いでは約束通り月輝夜を代えて、ルミを召喚する。そして俺たちは武器を構えてオシリスと対峙して、改めて識別する。


オシリス?

? ? ?


まぁ、無理だよね。それでもスキルアップの為にしないといけないことなのです。そしてオシリスは両手にヘカ杖とネケク(しゃく)を構える。オシリスの手にする武器として有名な組み合わせだ。


「行くぞ」


「あぁ」


「死滅光線!」


いきなり目から死滅光線を放ってきた。ファラオが撃てるなら神も当然撃てるよね。これをファリーダも死滅光線で相殺すると燎刃が飛び出し、オシリスに襲い掛かる。


「星光刃! ぬん!」


「溶断!」


オシリスはネケク笏を振ってからヘカ杖に星光刃を発生させて、燎刃の強烈な一撃と激突する。


「気持ちが籠ったいい攻撃だ。だが」


「え?」


燎刃の身体から寄生種による植物が発生する。ネケク笏を振った時に仕込んだな。恐らく罠設置と迷彩か幻術のスキルで空間に設置した寄生種を見えなくしたんだ。


「く…はぁあああ!」


「それでも力で来るか…しかしそれでは俺には勝てん! 樹海支配!」


「かは!?」


燎刃は地面から生えた木の柱が腹に命中して、ぶっ飛ばされる。しかし燎刃の後ろからファリーダが距離を詰めて来ていた。これに対してオシリスは下がる。


「デモンクラッシャー!」


「大地壁!」


燎刃をぶっ飛ばした木の柱を破壊して、現れたデモンクラッシャーは大地壁に阻まれる。ここでデモンクラッシャーを放つ前にファリーダが投げたイフリートバトルアックスと投げなかったイフリートバトルアックスを手にファリーダはオシリスに襲い掛かる。


「伸縮!」


オシリスがネケク笏を振ると鞭のようにネケク笏が伸び、イフリートバトルアックスを弾くと同時にファリーダまでぶっ飛ばした。ファリーダはイフリートバトルアックスで一応ガードしていたがそれでもファリーダをぶっ飛ばしてしまう。


取り敢えずこれでネケク笏という武器が木属性の武器で鞭のように使用される武器であることが分かった。そして燎刃の寄生種が治せないことも判明する。厄介なことになった物だが、こちらも着実に準備を進めていた。


「さて、あれをどうするべきか…」


オシリスがそういうとルミが呼び出した雪だるまさんたちが一斉に冷凍光線が放たれる。これを躱すオシリスにジークの拡散光線が放たれるとオシリスはヘカ杖を構えると光線が霧散する。あれは粒子支配か。


更にジークの羽投擲は天候支配による風で吹き飛ばされ、ファリーダの獄炎が炎熱支配で無力化される。これがヘカ杖の能力だな。ヘカという言葉は支配するや支配者という意味があるらしいし、間違いない。まさかこちらが神剣エスカトンリープリングの宝玉効果と同じ効果を持つ武器と戦う日が来るとは思って無かった。


ただそんなオシリスも攻撃に対処しながらこちらの様子を伺っている。ファリーダをぶっ飛ばす程の威力があるネケク笏なら一撃で雪だるまさんたちを倒すことは出来るだろう。ただ問題はその攻撃を俺とルーナ、ルミが待っていることだ。そして時間をかけると更に雪だるまさんが増えていく。そうこれは先程のクレオパトラ戦と同じ流れだ。


しかし全く同じというわけではない。燎刃が寄生種の効果でじわじわ生命力が減らされている上にオシリスは攻撃を防ぎながらネケク笏を振り出した。空間のあちこちに寄生種の罠を設置しているんだろう。これに対してこちらはファリーダと燎刃が炎で設置された寄生種を焼き払おうとしたがそれは出来なかった。罠撤去スキルがないと無理か。


それならこちらもルミがプレゼントスキルで罠設置をしていく。更にルミはプレゼントの箱を出すと念動力でオシリスに向けて、飛ばすとプレゼントの箱に寄生種スキルが発動し、プレゼントを爆発されて、撤去する技を見せてくれた。


互いに戦術の読み合いになって来た戦いだが、ここでオシリスが仕掛けて来た。


「やむを得んか…我が楽園に眠りし、亡者たちよ! 王の呼び声に答えよ! 神技! アルル・カー!」


オシリスがそういうと動物や人の形をした黒い靄の生物たちが現れた。識別するが識別不能だった。識別スキルのレベル不足ではなく、識別自体が出来ない敵っぽいな。そっちが仲間を呼び出すならこちらもそうしよう。


「「「妖精の輪!」」」


ファリーダ、ルーナ、ルミの妖精の輪から妖精たちが現れて、謎の敵と激突する。数ではこちらが勝っているが流石に神技で呼び出した敵が相手では妖精たちの苦戦は必須だ。


「ファリーダ」


「えぇ…魔軍!」


「そなたが自分の軍を呼び出すならこちらも呼び出すまで! 神軍!」


アヌビスの神官たちが地面から現れた。そう来るよな。お互いの軍が激突し、お互いに設置した罠で軍の被害が大きくなる。


「なんか可哀想だな…」


「言わないでよ…タクト。私たちも酷い戦場だと思っているんだから」


「悪い」


オシリスに勝つためにここは心を鬼にしなければならない所だったな。それでも俺は罠でやられていくアルルの生物たちと妖精たちを見て、言わずにはいられなかった。


「押されていますね」


「あぁ…ルミ」


「…うん。雪だるまさん。お願い」


ここで雪だるまさんたちも戦いに参戦すると軍のぶつかり合いは拮抗して来た。雪だるまさんたち、強い上に妖精たちは壁役を得たことで戦いやすくなったようだ。雪だるまさんたちが通った道は間違いなく安全になるしね。


しかしアヌビスの神官たちが邪魔だな。雪だるまさんの爪での攻撃を躱して、次々破壊している。流石に技量ではあちらの方が上か。


「悔しいが軍での戦いはこちらの負けだな…」


「軍で負けてもリーダーに勝てばそれは軍の勝ちでしょ」


「そうなんだけどさ。やっぱりここは素直に負けを認めないと気持ちよくマリッジバーストを使えないだろ?」


「タクト殿らしいですね」


ファリーダと燎刃が二人同時にマリッジリングを掲げる。


「その二人のマリッジバーストで来るか!」


「「「マリッジバースト!」」」


降臨するのは魔神の角を頭にある炎の竜騎士だ。竜騎士の鎧は綺麗な赤ではなく、赤褐色となっている。両手の武器はイフリートバトルアックスで腰には旭光近衛と守護竜刀、背中には神剣天羽々斬と生大刀がある。


「…神威解放」


ルミが本気を出す。


「一気に勝負を仕掛けて来たか! ならば来い!」


「行くぜ!」


俺たちが空を飛んでいるオシリスに襲い掛かると寄生種に掛かるが俺たちの攻撃を受け止めようとしたオシリスはぶっ飛ばされる。


「流石に火竜と炎の魔神に二柱の神との契約者が相手ではパワーでは負けるか…っ!?」


『デモングランドクラック!』


俺たちの踏みつけ攻撃は回避されて、オシリスはネケク笏を振って来るが俺たちはイフリートバトルアックスで弾き、接近戦を挑む。


一方軍でのバトルは一瞬でケリがつく。


「…氷獄」


「キュー!」


アルルの生物たちとアヌビスの神官たちが一瞬で氷漬けにされたところにジークが突っ込み、尻尾と爪で一掃する。しかしジークにも寄生種が生える。しかしもう俺たちはそんなこと、お構いなしだ。寄生種に生命力を全て吸われる前にオシリスとの決着をつける。


そのオシリスは俺たちに押されっぱなしだ。寧ろヘカ杖とネケク笏でよく防げている。しかしここで俺は相打ち覚悟の攻撃をした。しかしお互いに障壁でこれを守り、お互いに吹っ飛ぶ。


「ネケク! 神棍棒解放! ヘカ! 神杖解放!」


フレイルのような武器だから鞭じゃなく、棍棒に属していたのか。さて、この二つの武器はどんな能力を持っているか試させて貰おう。俺たちが飛び出すと早速必殺技を披露して来た。


「神棍棒技! アルル・ラブドス!」


オシリスはネケクで地面を叩くと俺たちの頭上の空間から危険なオーラを宿した棒が俺たちを貫こうとしたが翼をはばたかせて、緊急回避すると俺たちは地面に転がる。


「はぁ!」


「っ!」


オシリスがネケクで地面を叩くたびに地面や空間から謎の棒が現れる。ここで俺たちはイフリートバトルアックスで棒を折ろうとしたが擦り抜けた。そして別の棒が地面から現れて、回避する。


ファリーダの危険予知であの棒に触れただけで即死することを知る。厄介なことになった。棒は破壊出来ず、既にオシリスへの接近を阻むように棒が配置されてしまった。しかしまだ正面がそうなっただけで無理をすれば棒を潜り抜けて接近することも出来るだろう。


ただ怖いのが後ろに棒がある状態でオシリスにぶっ飛ばされた時だ。やはり攻めるならまだ棒がないオシリスの背後からだろう。俺たちはオシリスの背後に回るとその間にオシリスは背後にも謎の棒を複数設置した。こうなるともう行くしかない。


「頼むぞ! 燎刃!」


『承知しました!』


俺たちは棒を掻い潜ろうとするとオシリスはヘカから冥波動を使い、牽制して来た。俺たちはしょうがなく距離を取るとこの間にまた棒が増える。このままじゃあ、オシリス相手に遠距離戦に突入してしまう。相手は一応杖装備の神だ。遠距離で勝てるか正直自信はない。


「さぁ、どうする?」


「聖剣解放!」


「何!? ぐぅううううう!?」


俺たちが最初にいた正面の棒エリアをルーナが空虚で透明になりながら掻い潜って、オシリスへの至近距離での二つの剣での聖剣解放の一撃がオシリスを襲った。ルーナへの警戒を怠ったオシリスの落ち度だ。


「く…やってくれる。っ!?」


『ドラゴンダイブ!』


俺たちの突撃をオシリスは止める。


「さっきのようなチャンスはもう与えないぜ」


俺たちの連続攻撃をオシリスはなんとか耐えるが遂にネケクが弾かれて、俺たちの斬撃がオシリスの首を飛ばした。手ごたえあり。


「死滅光線!」


「く…」


「神技! ゴッドクラッシャー!」


首が飛ばされた状態でオシリスは目から死滅光線を放ってきた。それを躱すがネケクを弾いたことでフリーになった拳からデモンクラッシャーの神技バージョンのスキルでぶっ飛ばされてしまう。


「リフレッシュ。ふぅ…残念だったな」


オシリスは溶断の効果を消し去ると首がくっつく。加護無効は発動している。つまりオシリスは加護だけでなく、元々不死身のスキルをもっていたようだ。


「それなら武器を変えるしかないな」


俺はイフリートバトルアックスの一本をしまい、神戦斧イフリープアックスを装備する。これで決める。俺たちが飛び出すとオシリスはヘカを構えた。


「神杖技! イブ・カルトゥーシュ!」


オシリスに止めを刺そうとした俺たちの動きが止まる。


『何よ!? これ!?』


『体が動きません! タクト殿!』


ヘカの必殺技は体を支配する技かよ。これはやばいと思っているとジークが飛んで来て、助かったと思った瞬間、俺たちにドラゴンクローを放ち、俺たちはぶっ飛ばされた上に半減の効果を受ける。


『ジーク』


『ジーク殿』


「キュー!?」


ジークは自分の意志じゃない事を必死にアピールするような声を出したが次の瞬間、ドラゴンブレスを放たれ、俺たちは身体が動かず、直撃すると続くルーナとルミの攻撃を俺たちは受ける事になる。


『どうすることも出来ないわよ!? これ!』


『このままではやれてしまいします! タクト殿?』


考えろ。効果範囲全体の身体を支配する必殺技だとしても必ず攻略法は存在する。イブ・カルトゥーシュ…イブは心臓。カルトゥーシュは魔法の縄という意味だったか。なら攻略法はこれしか思いつかない。この一手にこの勝負の命運を賭ける。


「終わりだ。最後は俺の手で終わらせてやろう! 神撃!」


「炎化!」


俺たちに神撃が直撃するが同時に炎が燃え上がる。


「イブ・カルトゥーシュを破るか!」


「肉体を支配する技なら肉体が無くなれば支配の効果から外れる…ってことで良かったか?」


「…正解だ。仲間からの攻撃を受けながらよく我が必殺技の弱点を見抜いたな。しかし半減の効果を受けた状態でどこまで戦える?」


「もちろんどこまでも戦えるさ。仲間を操ってくれた分は倍で返させて貰うぞ! オシリス!」


俺の怒りの心にファリーダと燎刃が答えてくれる。


『行くわよ! タクト! 神格解放!』


『いざ! 我らの怒りを冥界の神に見せて上げましょう! 竜化!』


俺たちから暗黒の炎が発生すると暗黒の炎は暗黒の太陽となり、天に上がっていく。そして俺たちが竜の雄叫びをあげると暗黒の太陽は超爆発し、アルルに火の雨が降り注ぐ空に新種のドラゴンが降臨する。


名前 タクト 究極の召喚師Lv47→クリムゾンシャイターンドラゴンLv47


生命力 653→1561

魔力  1136→2355

筋力  775→2529

防御力 570→1340

俊敏性 899→1831

器用値 1022→2,101


スキル


高飛翔Lv50 魔力飛行Lv41 竜爪Lv15 竜尾Lv15 格闘Lv50 

蹴技Lv50 杖Lv50 片手剣Lv50 槍Lv50 戦斧Lv50 

刀Lv50 二刀流Lv50 太刀Lv42 舞踊Lv10 軍略Lv43 

強激突Lv58 恩恵Lv10 念動力Lv60 神気Lv76 魔神覇気Lv49 

英気Lv44 竜気Lv44 気力融合Lv1 神瞳Lv50 天竜眼Lv44→神竜眼Lv44 

精霊眼Lv50 爆破の魔眼Lv47 炎熱装甲Lv43 竜鱗装甲Lv43 神障壁Lv35 

溶岩壁Lv30 黒霧Lv31→魔霧Lv31 詠唱破棄Lv50 魔力支配Lv60 荷重操作Lv39 

炎熱支配Lv47 引力支配Lv30 重力支配Lv40 瞬間再生Lv1 魔力超回復Lv70 

再生の炎Lv58 太陽炉Lv1 時間遅延Lv32 魔力切断Lv73 溶断Lv60 

時空切断Lv67 溶輪Lv30 万物破壊Lv67 防御無効Lv59 戦闘高揚Lv78 

肉体活性Lv60 魔法破壊Lv29 多連撃Lv68 多乱刃Lv67 焼失弾Lv51 

消滅弾Lv27 空振Lv32 重圧Lv14 超集束Lv34 堅固Lv45

空間歪曲Lv37 空間転移Lv25 空間索敵Lv34 他心通Lv41 第六感Lv66 

天言Lv62 危険予知Lv41 魔力感知Lv37 神感覚Lv82 堕落Lv29 

獄炎Lv50 召喚魔術Lv50 封印魔術Lv48 ルーン魔術Lv46 阻害無効Lv43 

騎手Lv57 錬金Lv33 採掘Lv44 伐採Lv44 解体Lv70 

鑑定Lv68 識別Lv83 疾魔法Lv35 炎魔法Lv50 地魔法Lv36 

海魔法Lv33 暗黒魔法Lv46 神聖魔法Lv40 雷魔法Lv71 爆魔法Lv80 

木魔法Lv59 氷魔法Lv67 時空魔法Lv80 竜魔法Lv31 魔神魔法Lv25 

惑星魔法Lv14 獣魔魔法Lv29 遅延魔法Lv37 禁呪Lv6 連続詠唱Lv50 

遊泳行動Lv42 爆心Lv60 転瞬Lv84 神速Lv36 心眼Lv61 

無我Lv72 灰燼Lv1 紅炎Lv63 融解Lv19 大気震Lv17 

海震Lv8 星震Lv46 次元震Lv1 帰還Lv14 叡智Lv37 

星波動Lv12 料理Lv56 釣りLv23 シンクロLv43 エンゲージLv31 

マリッジLv15 超連携Lv50 絶対防御Lv15 物質化Lv1 雷化Lv11 

光化Lv7 陽炎Lv44 神鎌鼬Lv28 星光刃Lv41 焼尽Lv41 

熱波Lv46 大噴火Lv8 溶岩流Lv21 黒雷Lv26 火山雷Lv26 

猛爆Lv16 大雷霆Lv13 逆鱗Lv11 炉心暴走Lv2 炎分身Lv24 

竜技Lv42 英雄技Lv15 魔神技Lv37 魔素解放Lv33 魔素化Lv12 

炎化Lv14 放射熱線Lv41 日光Lv32 死滅光線Lv27 魔神波動Lv35 

溶波動Lv37 冥波動Lv18 覇撃Lv33 王撃Lv10 溶ブレスLv28 

ドラゴンブレスLv30 ゴッドブレスLv1 冥ブレスLv1 流星群Lv14 核爆Lv6 

星核Lv10 黒星Lv1 倍化Lv1 魔神域Lv4 煉獄Lv11→大煉獄Lv11 

精霊門Lv1 妖精の輪Lv13 魔軍Lv11 捨て身の一撃Lv16 耐性無効Lv36 

加護無効Lv34 起死回生Lv4 不屈Lv1 奇跡Lv5 大自爆Lv1 

不死殺しLv1 神殺しLv1 魔神殺しLv1 竜殺しLv1 精霊殺しLv1 

巨人の加護Lv48 星霊の加護Lv30 破壊神の加護Lv38→破壊神の加護Lv80 炎精魔神の加護Lv38 終焉龍王の加護Lv44 

アテナの加護Lv44 スサノオの加護Lv36


俺たちの誕生の際に発生した爆風に耐えながらオシリスは俺たちの姿を見る。そこにいた二足歩行に紅の竜の翼を十も持ち、暗黒の身体には紅のヒビが入っている悪魔の角があるドラゴンがいた。


『『大煉獄!』』』


オシリスがアルルと言った世界が灼熱の炎と空には無数の火の粉が飛び交う世界に変貌する。ルミには一番辛い世界だけど、なんとかルーナの領域操作で守って貰って欲しい。


「炎の竜が魔神として覚醒したドラゴンか!」


そしてオシリスは目の前にいる化け物はアポカリプスドラゴンに匹敵する力を有し、この場所アルルを壊滅される力を持っていると悟る。そこからのオシリスの判断は速かった。弾かれたネケクを拾う。


「神棍棒技! アルル・ラブドス!」


俺たちに降れることが出来ない即死の棒が俺たちの周囲の空間から一斉に現れた。これでオシリスが手加減していたことが分かった。最早手加減無しだ。


『物質化!』


『灰燼!』


「何!?」


透明なアルル・ラブドスを物質化し、灰燼スキルで消し飛ばした。この間に倍化の効果で俺たちがジークから受けた半減の効果がかなり解消される。そして俺たちはオシリスを見る。


『行くぞ』


『炉心暴走!』


暗黒の竜鱗が真っ赤に染まり、赤いオーラが俺たちの身体から発生すると息を俺たちは吸い込む。


『ドラゴンブレス!』


真紅のドラゴンブレスがオシリスに放たれると受けると死ぬことを理解して、回避を選択すると

次の瞬間、俺たちはオシリスの頭上に現れ、それを見たオシリスは咄嗟に頭上をガードする。


『デモングランドクラック!』


「ぐぅううううう!? っ!?」


『大噴火!』


「霊化!」


俺たちの大地を砕く踏みつけをオシリスはガードして見せたが次の瞬間、地面から大噴火が発生する。それを察知したオシリスは霊化で回避した。そしてすかさずヘカを構える。


「神波動!」


『陽炎!』


オシリスの神波動が俺たちをすり抜ける。そして俺たちのドラゴンクローとオシリスの王撃が激突し、お互いに弾け飛ぶ。


『見せてやるわよ! 燎刃!』


『はい! 炎化!』


俺たちが再び炎となって、オシリスに炎のドラゴンが襲い掛かる。


「く…炎熱支配!」


『私たちの炎を支配なんてさせないわよ! 炎熱支配!』


ファリーダがオシリスの炎熱支配を相殺したことで炎のドラゴンがオシリスに激突すると爆心と紅炎の効果をオシリスは受ける。だが、俺たちの狙いはそこじゃない。オシリスの周囲は俺たちの炎で包まれていた。


『物質化! 思いっきりやってやれ! ファリーダ! 燎刃!』


『承知! ドラゴンクロー!』


『炎魔神竜ってところかしら? この力、とくと味わいなさい! シャイターン・ラッシュ!』


「っ!?」


オシリスを包み込んでいる炎から次々ドラゴンクローとシャイターン・ラッシュが付与された炎の爪や拳がオシリスに襲い掛かる。


「遮断ーーーぐわぁあああああ!」


遮断結界を貼るよりも早くに俺たちの攻撃がヒットし、オシリスは四方八方からタコ殴りにされて、空に無数の大爆発に包まれる。俺たちの炎化の効果が消えるとぼろ雑巾状態のオシリスが落下するとインフォが来た。


『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント4ptを獲得しました』

『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント4ptを獲得しました』


まさに瞬殺だったな。そしてここで俺のレベルアップが来たぜ!これで俺の残りスキルポイントは413ptとなった。ステータスポイントは旭光近衛が使えるようになったから俊敏性だな。俺たちが元に戻るとオシリスが言う。


「ここまで一方的にやられると清々しいな…いや、このコンボを思いついた発想を褒めるべきか。とはいえ妹たちに申し訳ないな」


「どんな戦いをしようともあの二人が愛想つかすような女神には見えなかったが?」


「そうね。寧ろ今から襲い掛かって来ても不思議じゃないわ」


「ふ…確かにそうかも知れないな…まぁ、俺としては全力を出せた戦いだった。もう少しあのドラゴンとの戦いを味わいたかったがそこは俺の弱さが招いた結果だ。次の機会があるならリベンジさせて貰おう」


そういうとオシリスは俺たちに鍵のアイテムを二つ投げて来て、俺はそれを受け取ると鑑定する。


砂天(さてん)の鍵:重要アイテム

砂漠の天界ヘリオポリスに行くための門を開くために必要な鍵。


砂冥(さめい)の鍵:重要アイテム

砂漠の冥界ドゥアトに行くための門を開くために必要な鍵。


そう言えばこの試練のせいで錯覚していたけど、ここって天界でも冥界でもなくて、この試練は神との契約する試練でもないんだったな。しかし結構他のプレイヤーたちがサンドウォール砂漠を捜索したはずなんだけど、天界や冥界の話は聞いたことがない。ダメもとで場所について聞いてみた。


「流石に場所は教えられんがラーを倒すことが出来たなら教えてくれると思うぞ。もちろん普通に探せば見つかる所にある。大変ではあるだろうがな」


このゲームの性格上、何かしらのヒントは残されている。そう考えた時に見つけるのが大変という言葉と合わせて、俺の中で砂漠に隠されていたブラッティウォーズの拠点を思い出した。まさかね。


ここでオシリスの身体が光に包まれる。


「時間のようだな…魔神の娘よ」


「何よ」


「ラーとの決戦、頑張れよ」


そういうとオシリスは消えた。それを聞いたファリーダは額に手を置く。


「自分の最高神の敵に何言っているのよ…あいつ」


「まぁ、頑張れは応援だからいいんじゃないか?」


オシリスからは純粋にラーと俺たちの戦いを楽しみにしている感じを受けた。俺の中のオシリスは戦闘が好きな神じゃない。セトに殺され、現実世界のドロドロ関係が嫌いになったことで冥界の神となったという理解でいた。


このゲームではそういう設定ではないのか。それともドロドロ関係は嫌いだけど、神に挑む人間は好きという設定なのか分からない。そこはオシリスと運営のみ知る所だな。


「そうかもしれないわね…ところで後ろで何しているのよ? あなたたち」


俺が後ろを見るとジークとルーナ、ルミが土下座をしていた。


「「攻撃してごめんなさい! 殺さないで下さい!」」


「キュー!」


どうやらクリムゾンシャイターンドラゴンは三人に相当な恐怖を与えたらしい。


「オシリスの技のせいだって、分かっているし、謝らなくていいよ」


「そういうわけにはいきません! けじめは必要です!」


「…うんうん」


「それじゃあ、お仕置き」


俺は三人の頭を乱暴に撫でた。


「ほい。終わり。帰るぞ」


「それ、罰なの?」


「寧ろご褒美のような気が…」


「…燎刃お姉様、ご褒美発言について、詳しく聞かせて欲しいです」


「は!? いえ、今のはそういうのが好きというわけではなくてですね! あぁ~! でも、嫌というわけではなく! あの! その!」


ルミのまさかの追及に燎刃が慌て出して、すっかりいつも通りになった俺たちは燎刃がやばい発言をする前に話を止めて、ステータスの操作をさっさと済ませてからホームに帰った。

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