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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
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#129 姉妹の襲撃

翌日の学校の朝。海斗の奴がげっそりしていた。


「何かあったのか?」


「あぁ…EOで筋肉ムキムキの男の石像にアスリート走りで追いかけられた挙げ句、捕まってな…」


「なんじゃそりゃ」


どうやら海斗は悪夢を味わったようだ。


「誠吾はどうだったんだ?」


「似たようなもんだよ。お店開いてみたら、大変でな…」


「そんなことしてんのかよ…ん? ちょっと待て! お店って、まさかリリーちゃんたちもいるのか?」


「当然だろ? メイド衣装で手伝ってくれたぞ」


俺が事実を告げると海斗の感情が爆発する。


「う…うわあああ!! 全然似てねーだろ! 俺なんてな! 俺なんて!」


「怒るなよ。見たけりゃフリーティアにくればいいだろ…というかお前、どこ行ったんだよ」


「…帝国だよ。男の兵士だらけのむさい国だよ」


うわー、帝国に行ったのか…しかしなんでだろう?


「帝国は強い武器が手に入る可能性が高いと言われているんだよ。兵士が銃を持っているからな」


マジか!ファンタジーなのに銃まで出て来るのか…まぁ、まだゲットにはいっていないみたいだけどな。


「しかしいくら強い武器が手に入るからって、お前ならフリーティアに来ると思ってたよ」


「俺も行きたかったがパーティーリーダーがな…」


あぁ、断れなかったんだな…ドンマイとしか言えないな。



学校が終わり、俺はスーパーに直行。明日からイベントだからな。海斗の話では今日の深夜にプレイヤーは強制ログアウト。明日の昼からログイン可能でイベント開始は13時からと言う話だ。


少しでもゲームに時間を使えるようにご飯をまとめて買う。


これでゲームに集中できるぜ。と思っていたわけだが、世の中全てが予定通りには行かない。その原因が俺の家の前にいる。


「あ! 兄ちゃんだ!」

「兄様、遅い」


なぜ理恋、未希がいる…約束もないもしてないはずだが。


「明日から休みだから遊びに来た!」

「兄様とゲームしたい」


この二人は本当にゲームが好きだな。俺も人のこと言えないが…そういえば佳代姉の姿がないな。まてよ…まさかこの二人。


「二人だけで来たのか?」


「そうだよ!」


「誰にも言わずに?」


「そうだよ!」


「お姉ちゃん、それは秘密!」


「あ!?」


はい。アウトですね。未希が理恋を止めようとしたが既に手遅れだ。


「二人だけで来れたのは凄いが、おじさん達に黙って来たらダメだろ?」


「でも~」

「兄様の所に遊びに行くって言ったら反対される」


それはそうだろう。そもそも俺が一人暮らしを始めたきっかけが佳代姉たちに配慮したところもある。


義理の弟や兄が必ずしも周りから受け入れられるわけじゃない。賢吾がいい例だろう。子供の喧嘩ならいいが、近所の大人からも嫌味を言われたのは一度や二度じゃなかった。


俺だけなら無視するだけだが、流石に理恋たちが言われることを考えると一緒に暮らすわけにはいかなかった。


そんな下らないことがあり、俺には自分の両親が残してくれたこの家があったから、一人暮らしを始めたのだ。


二人が泊り込みで遊びに来るなど、本末転倒だ。


「どんな理由があろうと黙ってくるのはダメだ。誘拐されたかも知れないって心配させちゃうだろ?」


俺がそういうと二人は何も言えなくなる。この二人なら賢いからこれだけで反省するだろ。とりあえず二人を家に入れ、おじさん達に連絡する。


やはり心配していたらしく、そのままお叱りモードに移行する。


二人は俺に助けを求めていたが、助けません。いけないことをしたんだからしっかり怒られなさい。


お叱りが終わり、俺から佳代姉に連絡する。


「ずるい! 二人とも! 抜け駆け禁止って約束したのに!」


…来るつもりだったのかよ。


「先手必勝だよ」

「先手必勝」


難しい言葉知ってるね。でも、反省しなさい。


その後、二人を迎えに来た佳代姉だったのだが…凄い荷物を持ってきた…おいおい。


「今日はもう遅いからお泊まりしよっか?」


「「賛成!」」


現在の時刻は午後5時です。車なら午後7時までには彼女たちの家に着くだろう。全然遅い時間じゃありません。そんな俺の心のツッコミ空しく、三人が泊まることが決定した。


しかしこの荷物量からしてイベントの間、居座る気満々だろ。


で、久しぶりの四人での夕飯だが、何故か俺が作ることになった。とはいえ作ったのは水炊きだ。人数が増えたから、急遽、鍋にしたのだ。


「うぐぐ…美味しそう…お姉ちゃんの威厳が…」


「兄ちゃんが姉ちゃんより料理上手な噂は本当だった!」


「トドメ刺しちゃダメ」


「水炊きで大げさだな。それより早くしないとゲームする時間が無くなるぞ」


「「「そうだった!」」」


慌てて食べる三人。そんなにゲームをしたいか…いや、俺も似たようなもんだな。


今日の夜はイベント前、最後の時間だ。明日になるとアップデートでゲームが出来なくなる。


というわけでご飯を食べて、お風呂に入る。さて、ゲームをと思ったがまだやることがあった。


佳代姉たちが寝泊まる準備をする。部屋は幸いたくさんあるからな。問題ない。だが三人は俺の部屋を所望する。


当然却下。完全に俺の部屋を物色する気満々なのがバレバレだ。俺は以前、未希にパソコンのパスワードを突破された過去がある。どうやったかは謎。問い詰めたが…


「女の秘密を聞くのはマナー違反」


こう言われたら何も聞けない。ただその時の未希にだけはマナー違反を指摘する権利はないと思った。


まぁ、そんなことがあり、断固阻止の構えだ。鍵をしっかりかけ、トラップを設置してから、ゲームにログインした。

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