表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
アスタロト戦
1337/1718

#1253 ラグナロク告知

アザトースのコアがアイテム名で重複していたので、名前をアザトースオーブに変更しました。

俺はシルフィに教えて貰う事にした。どうやら宣戦布告をしたのはロキらしい。画面にロキが表示される。


『今日より七日後の昼に中央大陸にいる全ての人間と神、それに組する全ての生き物に対してラグナロクを発動させる。精々悪足掻きをして、僕を楽しませてくれ』


今日から七日後の昼。つまり日曜日の昼にイベントが開始されるわけだ。それまでは一先ず自由だが、暗黒大陸の攻略を進めていくことにはなるだろう。何せもう二週間ぐらいしか残された時間がないからね。


俺もそろそろドラゴニックマウンテンの攻略を考えないとサタンやルシファー戦に契約が間に合わなくなる。他にもエデンの攻略にオーディンに開示されたクエスト、砂漠神の試練もしないといけない。これらも踏まえて今日の夜に予定を決めないとね。


俺はホームに帰ってからグレイたちを全員回復させるとその間に地下の訓練場で旭光近衛を思いっきり使う。


「よし! 使える!」


ステータスが一気に180も上がったから行けるとは思ったけど、どうやら完全に旭光近衛を使えるようになったらしい。これを確認できたので、ステータスポイントは全て俊敏性に回すことにした。


「むぅ~…タクトばっかり強くなってずるい」


「「「そうだ! そうだ!」」」」


リリーたちの言い分は俺もよくわかる。何せ今回の強化で俺のステータスは全てリリーを超えてしまったからな。ただ称号の効果をリリーたちにまで反映させたら、召喚師が強くなりすぎる。だから称号の効果は個人限定なんだろう。


「召喚師のステータスポイントやスキルポイントを召喚獣に与えることが出来ればいいんだけどな」


「それだよ! タクト!」


みんなは俺の意見に賛成するが俺は考え直した結果、呟きを否定する。


「なんで!?」


「いや、例えばだけど俺がリリーだけに全てステータスポイントを与えたら、イオンたちはどう思う?」


「そんなの反対に決まってます」


「だよな。それなら均等にステータスポイントを分けるのが正解ということになるだろうけど、それだとそこまでの強化にはならない。それに良くも悪くも召喚師が起点になるからな。結局召喚師が強くなることが一番強くなりそうな気がする」


シンクロバーストやマリッジバーストの起点は召喚師だ。それに召喚師がやられたら、負けるという弱点もある。だからこそ召喚師が強くなることが一番いいと運営は考えたんだろうね。後は召喚獣たちのリーダーとしての面目を保つとかありそう。召喚獣の性格も色々あるからそういうのが必要な側面がある。召喚獣に頭が上がらない召喚師も実は結構いるからね。


「それはそうだけど…」


「タクト様は強くなりすぎじゃありませんか?」


「それはみんなが頑張ってくれたお陰だよ」


「そんな言葉で濁らそうとしても無駄よ。タクト」


そうかな?リリーたちの尻尾はパタパタ動いているぞ。ファリーダ。グレイたちが回復したので、ここでまず成長をさせる事にした。


『ノワの成長が完了しました。無波動、弱化毒、氷雷、煉獄、氷獄、毒吸収、腐蝕ブレスを取得しました』

『飛翔スキルが高飛翔スキルに進化しました』

『斥力操作スキルが斥力支配スキルに進化しました』

『引力操作スキルが引力支配スキルに進化しました』

『ブランの成長が完了しました。破魔、格納、超加速、衝撃放射、光分身、神軍、不屈を取得しました』

『慧眼スキルが心眼スキルに進化しました』

『聖櫃スキルが神櫃スキルに進化しました』

『天候操作スキルが天候支配スキルに進化しました』

『セフォネの成長が完了しました。格納、無我、領域操作、魔力回復、石化雷、炎ブレス、黒星を取得しました』

『魔眼スキルが吸収の魔眼スキルに進化しました』

『魔王波動スキルが魔神波動スキルに進化しました』

『魔王覇気スキルが魔神覇気スキルに進化しました』

『ユウェルの成長が完了しました。金剛装甲、樹海操作、星震、領域無効、不屈、奇跡、破壊竜の加護を取得しました』

『堅固スキルが堅城スキルに進化しました』

『荷重操作スキルが荷重支配スキルに進化しました』

『復活スキルが強化復活スキルに進化しました』

『アリナの成長が完了しました。二刀流、格納、時空操作、空間置換、拡散光線、星震、物理無効を取得しました』

『空間装甲スキルが時空断層スキルに進化しました』

『電磁操作スキルが電磁支配スキルに進化しました』

『雷霆スキルが大雷霆スキルに進化しました』

『燎刃の成長が完了しました。気力融合、瞬間再生、火山雷、太陽炉、不屈、耐性無効、加護無効を取得しました』

『飛翔スキルが高飛翔スキルに進化しました』

『炎輪スキルが溶輪スキルに進化しました』

『炎熱操作スキルが炎熱支配スキルに進化しました』


『虎徹の成長が完了しました。破魔、武装射出、超加速、荷重操作、肉体活性、不屈、捨て身の一撃を取得しました』

『虚空切断スキルが時空切断スキルに進化しました』

『多刀流【封滅(ふうめつ)(じん)】を取得しました』

『コノハの成長が完了しました。天槍、天盾、紅炎、神感覚、蜃気楼、影潜伏、放射熱線、黒雷、烈日を取得しました』

『チェスの成長が完了しました。神感覚、流星群、氷山、多連射、月光、大海波動、光化、光球を取得しました』

『虚空切断スキルが時空切断スキルに進化しました』

『ルーナの成長が完了しました。杖、星矢、破魔、空虚、念動力、領域操作、精霊域を取得しました』

『ルーナの魔力回復スキルが魔力超回復スキルに進化しました』

『ルーナの樹海操作スキルが樹海支配スキルに進化しました』

『ジークの成長が完了しました。星角、衝撃放射、荷重操作、光分身を取得しました』

『ルミの成長が完了しました。透過、氷爆、死滅光線、魔力回復、道連れを取得しました』

『ルミの守護結界スキルが精霊結界スキルに進化しました』

『スキアーの成長が完了しました。流砂、重力操作、封鎖、道連れを取得しました』

『スキアーの暗黒ブレススキルが冥ブレススキルに進化しました』


これでひとまずオッケーだが、色々言いたいことがあるな。見た目が一番変化したのはコノハだ。コノハの周囲に槍と盾が追加されている。次がルーナだ。チェスのように背後に星矢が追加された。


「ホー!」


そのコノハは早速俺の影に飛び込んで俺の影からほっこりした顔を見せた。これに反応したのがもちろんノワだ。


「…なんでも可愛かったら、許されると思ったら、大間違い」


俺の影の中で戦闘が発生する。その一方で虎徹が自分の尻尾を見て、溜息を付いていた。尻尾が増えなかったのが残念だったらしい。その武器を欲しがる性格は完全に俺の影響を受けているだろうな。拗ねている姿まで似ている気がするから不思議だ。ここでアリナと視線が合う。


「お兄様は今、今頃アリナが二刀流を覚えるのかと思っているに違いないの」


正解です。もっと言うならルーナの杖にも色々言いたい。成長が無かったからなんだろうけど、もっと早くに覚えさせて良かっただろう。


ジークの成長は少ないと思ったが、光分身は相当やばいと思う。レベル10の成長だし、こんなものなんだろうな。


これで後は成長でレベルアップが止まっているみんなのレベルをあげるために一回戦闘をしよう。


「どうせ訓練するならスキルの確認も含めてスキルのレベルも狙うか」


「「「「賛成!」」」」


みんなの士気が高いな。どうやら俺の異常なステータスアップが影響しているんだろう。取り敢えず生産作業を終わらせてから訓練をする。回帰を覚えた人数がかなり増えたので、素材がたっぷり集まった。これを見るとお金の心配から解放されるよ。


訓練前にルーナには俺が昔使っていた水樹の杖をあげることにした。


「いいんですか!? 大好きです! パパ!」


「「「「…」」」」


ルーナに抱きつかれるほど喜ばれるとリリーたちの視線が痛いです。みんなにもあげたりしているんだけどな。ここでユウェルが予想外の提案をして来た。


「スキル上げなら鍛冶して来ていいか? タク」


「いいけど、いいのか? 新しい竜魔法を覚えられそうだぞ?」


「大丈夫だぞ! ドラゴニュートの中でわたしが一番竜魔法のレベルが高いからな! それにずっとダウンしていたから鍛冶が全然進んでいないんだ!」


なるほど。そりゃあ、まずい。ユウェルに全く悪気は感じられなかったがリリーたちがちょっとムッとする。ユウェルは地魔法しか覚えていないから魔法訓練すると竜魔法を結構使うことになるんだよね。その結果が出ている。リリーたちが更にやる気が出た所で無敵のクマムシ君に相手をお願いする。


まず新しく覚えた技を見ていこう。とはいえその名前に今は使えない和狐の火界の護符と爆発の護符について説明しよう。


火界の護符の護符は念じると発火する護符だ。この護符の炎は浄炎でアンデッドや幽霊、妖怪、悪魔に効果抜群となっている。基本的な使い方は雷撃の護符と同じなのだが、昨日の戦闘で空天狐は護符を周囲に展開して、念動力で相手に貼り付ける戦術を教えてくれていた。これには和狐も興味津々で早速使いたそうにしているので、後で紙を購入しよう。


プレイヤーが考えた使い道としては爆弾樽などに貼り付けることで導火線タイプの時限爆弾のようなものを作ることに成功している。ただこれはこの後、説明する爆発の護符でも出来るので、ちょっと微妙。


それよりも武器に護符を付けて、浄炎の武器として使うのがプレイヤーの中では人気。見た目が呪いの武器みたいになるので、そういうのが好きな人が使っている感じだ。因みに俺は好きです。


爆発の護符は銀たちも使っていたものだ。投げ物武器や爆弾の起爆、罠に一般的に使われており、火界の護符のほうが弱いという評価だったが空天狐の戦闘を見て、爆発の護符の弱点が浮き彫りになった。


火界の護符は貼り付けたら、護符が破壊されるまで効果が発動し続けるが爆発の護符は爆発した瞬間、護符が無くなっているのが確認されている。威力では爆発の護符が上回ることも確認されているが火界の護符が手が届かないところに貼られるとうざいだろうな。


それでは戦闘を始めよう。最初はブランが見せてくれる。


「エンジェルストライク!」


エンジェルストライクは近接格闘技だった。拳や足に宿した天使の光が打撃後に敵に追撃する技みたいだ。ドラゴンクローと違って、足にも使えるのはヴィーザルサンダルを装備しているブランによってはかなりプラスな技だ。


次のブランが覚えた天使魔法であるエンジェルプレアーは全体蘇生魔法。ただしこの蘇生は起死回生での蘇生と同じらしい。それでも全体蘇生魔法はかなり強いね。


では、ここからは今日覚えた技タイムだ。最初はアリナが覚えた空間置換だ。


「こっちに来るの! 来た! 空間置換!」


アリナの前にイオンが現れる。


「へ? きゃぶ!?」


イオンがクマムシ君に潰された。空間置換は見えている範囲の空間と空間を入れ替える技だ。相互置換やチェンジリングと似ているが人が対象ではなく、空間が対象なので応用範囲の広さでは上位互換と言える。


何せ敵を強制的に遠ざけることも出来るし、物も移動させることが出来る。俺が思いついただけでもかなりの応用が効く能力だと思った。


「大成功なの! イオンお姉様、油断大敵なの」


「ア~リ~ナ~!」


「いつもリリーお姉様だと思っているからそうなるの」


悪戯好きのアリナとも相性が良さそうだ。二人が追いかけっこをしている間に虎徹がクマムシ君に技を決める。


「虎徹先生。お願いします」


「ガウ!」


虎徹の周囲に謎の小太刀が十本出現するとクマムシ君を囲むように小太刀が突き刺さると小太刀から稲妻が発生し、クマムシの全スキルを封印する。


これが虎徹が覚えた封滅の陣の能力だ。ダメージは無いが敵単体のスキル全てを封印する。かなり強いがこれを決めるのが結構大変だろう。まず技のアクションでバレバレだ。それに綺麗に小太刀を配置しないと決まらないらしい。つまり一本でも弾かれたら、失敗する。


これに加えて、もちろん陣の外に逃げられても失敗する。初見で小太刀が自分に向かって来たら、対処に動くのが普通だ。その場にとどまるのは相当余裕がある人だろう。ただその代わりにどうやら封印耐性や封印無効をすり抜ける能力があるみたいだ。俺たちのフォローがほぼ必須のような技だが、決まれば必殺に近い能力だな。


これで技の確認は終了。後は魔法スキルのレベル上げをしてから今回はクマムシの止めを狙う。封印の状態異常が無くなるのを確認してから全員で魔法を持ち込んでから最後はノワに任せる。


「…任せて。無波動!」


遂に通常状態のクマムシが倒される。流石に無限属性の技には耐えられないみたいだな。いくら地球最強の生物でも無限属性まで耐えてしまうのはやり過ぎってことだろう。これで成長後のレベルアップも来る。


『セチアの疾魔法のレベルが20に到達しました。疾魔法【タービュレンス】、【フライト】を取得しました』

『恋火の時空魔法のレベルが50に到達しました。時空魔法【ディメンションフォールト】、【テレポーテーション】を取得しました』

『ノワの暗黒魔法のレベルが30に到達しました。暗黒魔法【サクリファイス】、【ベルセルク】を取得しました』

『リアンの杖のレベルが25に到達しました。杖【マジックジャベリン】、【レジスト】を取得しました』

『リアンの神聖魔法のレベルが30に到達しました。神聖魔法【リヴァイブ】、【ジャッジメント】を取得しました』

『和狐の時空魔法のレベルが50に到達しました。時空魔法【ディメンションフォールト】、【テレポーテーション】を取得しました』

『ブランの爆魔法のレベルが50に到達しました。爆魔法【デトネーション】、【ナパーム】を取得しました』

『セフォネの連続詠唱のレベルが40に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』

『セフォネの爆魔法のレベルが50に到達しました。爆魔法【デトネーション】、【ナパーム】を取得しました』

『ファリーダの暗黒魔法のレベルが30に到達しました。暗黒魔法【サクリファイス】、【ベルセルク】を取得しました』

『アリナの二刀流のレベルが5に到達しました。二刀流【デュアルエッジ】を取得しました』

『アリナの疾魔法のレベルが20に到達しました。疾魔法【タービュレンス】、【フライト】を取得しました』

『アリナの竜魔法のレベルが30に到達しました。竜魔法【エアリアルカースバインド】を取得しました』

『燎刃の竜魔法のレベルが30に到達しました。竜魔法【ドラゴニックラバーシャワー】を取得しました』

『ルーナの杖のレベルが5に到達しました。杖【マジックアップ】、【マジックバレット】を取得しました』

『ルーナの連続詠唱のレベルが50に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』

『ルーナの連続詠唱のレベルが上限に到達しました』

『ルーナの同時詠唱のレベルが50に到達しました。同時詠唱の最大数が1増加しました』

『ルーナの連続詠唱のレベルが上限に到達しました』

『ルーナの爆魔法のレベルが50に到達しました。爆魔法【デトネーション】、【ナパーム】を取得しました』

『千影の暗黒魔法のレベルが20に到達しました。暗黒魔法【ダークネス】、【エクリプス】を取得しました』

『叢雲の闇魔法のレベルが30に到達しました。闇魔法【シャドールーム】、【ダークレイ】を取得しました』

『叢雲の闇魔法が暗黒魔法に進化しました。暗黒魔法【ナイトメア】、【カース】を取得しました』

『リースの連続詠唱のレベルが10に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』

『リースの風魔法のレベルが30に到達しました。風魔法【ダストデビル】、【フライ】を取得しました』

『リースの風魔法が疾魔法に進化しました。疾魔法【ソニックブーム】、【スーパーセル】を取得しました』


魔法のレベルも上がってよかった。最後にアリナと燎刃の竜魔法を見よう。


エアリアルカースバインドは風の身体を持つドラゴンたちが正面にいる敵全てに巻き付き、拘束する魔法のようだ。呪いも同時に付与され、魔法が解かれてもこの呪いの効果は継続される。最も実体がない風を呪いでスキルを封じられた状態で吹き飛ばすのはきつい。アイテムを使うなら爆発で風を吹き飛ばせそうだけどね。それは自爆になるだろう。


ドラゴニックラバーシャワーは魔方陣から飛び出した溶岩の竜が空に上がると爆発し、溶岩の雨を広範囲に降らせる魔法だ。この溶岩に触れるとやけどと回復無効、復活無効が付与される。ダメージも高いし、回復無効はかなりえげつない魔法という印象だった。


次に聖杯を使って、呪霊玉を出す。もちろん使うのはさっき手に入れたアザトースオーブだ。聖書の神の呪いも吸い取った呪霊玉だから無事に呪いの吸収に成功する。


「これでよし…うーん」


「どうかしたか? タクトさん」


「いや、アザトースの呪いである神すら異星の存在に変えるって意味をちょっと考えていた。異星の神になったら、元の神の性格とか色々変化して俺たちと敵対するのかな?」


「どうなんでしょう? アポさんの話ではアザトースの意志がないという話でしたので、意識が乗っ取られるとは思えませんが」


「ちょっと改めて、神について調べないといけないかもな」


というわけで神に詳しそうなセチア、イクス、リアン、和狐、ブラン、ファリーダ、伊雪、クリュスに聞く。最初に答えてくれたのはセチアだ。


「神の種類によりますが基本的に神はこの星とこの星に生きる生命の味方です。何故なら神は星があるから存在し、星に生きる生命の信仰があってこそ成り立ちます。だからアザトースも異星の神であると言うなら必ず自分を信仰している星があるはずなんですよ」


「セチアの言う通りだと思います。マスター。逆に言うと信仰している星があるなら神は基本的に不死身の存在ともいえます」


「シルフィもそんなことを言っていたな…じゃあ、この世界の神が異星の存在になるとどうなるんだ?」


ここからが結構重要なところだが、みんなが悩む。


「実際に見たわけではないので、予想になるんですけど、この星の神としての力が無くなる可能性があると思います」


「リアンお姉様に同意するわ。ただそれが弱体化になるのか強化になるかは分からないところね。少なくとも異星の存在になったら、この星を守る意味も信仰も必要ではなくなることは確実よ。それが即刻神の消滅を意味している可能性もあるけど」


「異星の存在になっても、この星にいる人間とかが信仰しているからイクスも言ってたけど、消滅はないわよ。クリュス。まぁ、確実に言える事はこの星から得ている力はまず使えなくなるわね。その代わりに異星の力を獲得するからそれが強さにどう影響するかによるんじゃないかしら?」


「ファリーダの場合だとどうなるんだ?」


「怖いこと聞いて来るわね…まぁ、私の力はお父様によるところが大きいから普通に強化されそうな感じかしら? 言っとくけど、あんな奴になるつもりなんてないからね。期待した目で見ても無駄よ。あなたたち」


流石にファリーダには使うつもりはない。ここは本家の神たちにも聞いてみるか。気軽に聞けるケーリュケイオンでヘルメスに質問する。


『それは神の種類によって違うね。僕たちのように星と関わりがある神にとってはそこまでの影響はない。最初のうちはこの星の力は使えなくなるぐらいの影響はあるだろうけどね。ダゴンたちの場合だとこの星の神として認められる条件に異星の力を失って貰っている。それでもこの星で自分たちと眷属たちの安住が得られるなら異星の力などいらないと即決していたよ』


ダゴンは結構凄い設定だったんだな。つまりダゴンたちはアザトースの元を放たれた後、眷属を連れて、この星を見つけて、神たちと交渉した後にこの星に住み着き、自分たちの眷属とそしてこの星の人間の信仰を集めて、現在の強さになっているわけだ。


俺にはそれがどれほどのものなのか分からないが仲間の平和な暮らしのために自分のレベルが1になる決断をしたと言うなら俺はダゴンを信仰したくなるね。かっこいいじゃん。でも、俺は塩害被害を忘れていないので、信仰はしません。


「では、星と関係がない神には結構なダメージになるんでしょうか?」


『僕も実際に見たわけじゃないから予想の範囲での話になるけど、神にとっては自分の存在が全く異なる生物に変化するレベルの話になるからかなりきつい事になると思うよ。少なくともこの星と関わりが強ければ強いほど、ダメージがでかくなるだろうね』


「そうですか…ありがとうございます」


これで連絡が終わるとみんなが俺を見ていく。


「何を考えているの? タクト?」


「まぁ、神殺しを狙っているんでしょうけど、あまりオススメはしないわよ。神の中にも仲間意識は存在しているから黙っているとは思えないわ」


「心配しなくても神に使うつもりはないし、暫く使うつもりもないよ」


俺にはこの呪いが聖戦イベントの攻略に必要なアイテムのような気がしている。だから取り敢えずイベント内容を見てから色々判断したい。この後、俺はノアとヘーパイストスとパンドラと今後の話をする。


「僕はノアズ・スクナを修理しないといけない。かなりダメージを受けちゃったから資材を貰っちゃうね」


「はいよ。ヘーパイストスとパンドラはどうだ?」


「ギャラクシータロスもダメージは受けちゃったので、修理しないといけないですね」


「物凄く撃たれちゃったし、次々船の体当たりとか来たから大変だったんだよ。まぁ、全部倒したけどね!」


ギャラクシータロスがいてくれたお陰で黒鉄とのタゲが分散された形だ。ここにエクスマキナのロボ軍団も加わっていたから他の人たちは結構攻撃に集中することが出来たんじゃないかな?感謝感謝だ。


「修理にはどのくらいかかりそうだ?」


「一日は欲しいですね。ただ急を要するのはタクトさんたちの武器ですからそっちを優先します。こちらは明日には完成させれますよ」


「余った時間でギャラクシータロスを修理してあげてもいい? おじ様」


「もちろんいいぞ。素材は渡して置くな」


これで今後の予定をある程度、決めれる。取り敢えず今はもう夕飯の時間なので、ログアウト。今日の夜には魔王同盟の会議をしてからファリーダの試練の続きをする予定だ。


その後の予定は魔王同盟の会議で決まるだろう。取り敢えず、ログアウトすると言うことでリアンを呼ぶ。


「失礼しまーす」


「どうぞ。何かリクエストとかあるか?」


「え!? それはその…なんでもいいんですか?」


「いいぞ」


リアンもみんなに遠慮しちゃうタイプだからな。二人きりの時ぐらいなんでも望みを叶えてあげたい。


「あの…でも…嫌ったりしませんよね?」


「しないって」


リアンはかなり言っていいか悩んでいる。面白いし、可愛いけど、だんだん怖くなってきた。


「で、では…すー…はー…先輩を抱きしめて寝たいです」


めっちゃ早口で小さな声で言われた。


「いいぞ」


「本当にいいですね…で、では失礼します」


俺が先に横向きでベッドに寝るとリアンが後から入り、背後から抱きしめて来た。完全に俺は抱き枕化している。


「こんな寝方がいいのか?」


「はい…先輩がちゃんと私の腕の中にいると思うと安心するんです」


「…そっか。それじゃあ、寝るぞ」


「はい。お休みなさい。先輩」


リアンの言葉には寂しさも感じられたが、それよりも心配要素が強く感じられた。もしかしたらリアンは俺たちの別れが近づいて来ている事に気付いているのかも知れない。


今の俺にはリアンをなるべく安心させてあげることしか出来ないのがもどかしく感じながら俺はゲームからログアウトした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ