#1252 テューポーンとの約束と異星戦争の報酬
#1217でタクトは50レベルの木魔法と65レベルで覚える氷魔法が書かれていませんでした。
また65レベルで覚える氷魔法オーロラベルトとパーマフロストの説明しているところが無かったと思いますので#1218に説明を書きました。
#932でオリハルコンゴーレムの試練の内容に条件が水瓶座の試練のクリアとなっていました。この条件を無くし、#932を一部を修正しました。
翌朝、俺は朝飯を食べずにダッシュしていた。
「はぁ…はぁ…セーフ」
見事に寝坊しました。それでも学校に間に合ったので、ギリギリセーフだ。そして俺に遅れる事数分後に海斗の奴が入って来る。
「ぜぇ…ぜぇ…やれるだけのことは…やりました」
「それでも遅刻だ」
原因が二人揃って、ゲームのやり過ぎって言うのが辛いところだ。しかもその後、普通に授業中に寝た。これは悪いことなので良い子は節度を持って、ゲームして欲しい。そんなことはあったが無事に学校が終わり、スーパーで買い物をして帰宅するとゲームにログインする。
そこには意識不明のイクスがいて、俺は動けない。ここでテューポーンの声が聞こえて来た。
『ようやくお目覚めかよ』
『どうかしたのか?』
『癪に障るが昨日の戦闘を見たからには俺様もお前を認めるしかない。ただ俺様がお前たちに力を貸すのには条件を付けさせて貰うぞ』
『なんだ?』
『ゼウスと戦え。そして俺様をその時に召喚して、ゼウスの野郎をぶっ殺せ。それが条件だ』
まぁ、条件ならそういうのが来るよね。時間足りるかな?まぁ、元々リアンの関係で水瓶座の試練は受けるつもりでいたからね。アテナもメティスとの因縁がゼウスにはあるし、対戦する価値があると思っている。
「分かった。約束しよう」
『決まりだな。俺様からの話はこれで終わりだ』
これでテューポーンの封印石が使える。後で注文しないとね。今はともかくこの状況を何とかしないといけない。
「誰かいませんかー」
「はい。起きられたのですね。ルインという人間から回復アイテムを預かっています」
エキスマキナが部屋に入って来ると回復アイテムを使ってくれて、復活する。
「助かった。ありがとう」
「いえ。それではわたしはこれで失礼します」
行ってしまった。なんか最初の頃のイクスとやはり似ているな。そのイクスを復活させる前にリリーたちを復活させる。先に復活させないと後が怖い。
そして最後にイクスを起こすのだが、リリーたちに最初の頃の服装のイクスが寝ている姿が映る。
「「「「これはどういうこと?」」」」
先にイクスを起こした方が良かった説が俺の頭の中に過ったがここはしっかり説明して、イクスをカプセルに寝かせて、俺が苦手な魔力供給をしてイクスを目覚めさせる。
「おはようございます。マスター。昨日は楽しんでくれましたか?」
リリーたちが一斉に俺を睨んで来る。
「何もしてないって」
「なるほど。そういうことにしておけばいいんですね」
「そんな言い方をするとみんなが誤解するだろうが」
「ふふ」
最初の頃の命令、命令しか言わなかったイクスがよくもまぁ、ここまで変わったものだよ。取り敢えずこの笑みは完全に確信犯なので頭を軽く叩いておいた。
俺たちは取り敢えずアポに会いに行くと改めて感謝と共に報酬の話がされる。プレイヤーにはそれぞれアポが選んだ人間でも使えるエクスマキナの武器の中から一つ選ぶ形式を取ったらしい。俺が知らないのだとエクスマキナが作った鎧があった。
こういうロボットの装甲は結構人気がありそうだ。
「さて、君たちへの報酬だが、まず壊れたマザーシップと装備は既に用意させてある。これに加えて、アザトースが死んだ時に落とした物とイクスにこれを与えようと思う」
アポが取り出したのは一冊の禍々しい本と入れ物に入った禍々しい宝珠、機械の杖だった。杖の先端は時計のようになっており、エクスマキナの武器に通じているデザインとなっていた。
「これは?」
「デウスエクスマキナの中でも特に優れた者にしか使うことが許されていない専用装備だ。イクスならば持つことが出来るだろう」
やはり専用装備か。こういうのはアザトースと戦う前に欲しい物だが、俺たちの戦いはまだまだ続く。活躍する機会はたくさんあるだろう。鑑定するとこちら。
神書ネクロノミコン:レア度10 魔導書 品質S+
重さ:40 耐久値:300 魔力:500
効果:無詠唱、複合詠唱、全属性アップ(究)、神気、星気、魔力超回復、魔力吸収、虚無壁、次元転移、次元封鎖、星渦、星波動、流星群、彗星、惑星、黒星、蘇生、強化復活、魔軍、神威解放、創造神の加護、異星の加護
宇宙の創世神話が書かれていると言われている魔導書。圧倒的な宇宙と死の力が宿っており、力を解放すると宇宙魔法の禁呪を使用することが出来る。
アザトースオーブ:レア度10 素材 品質S+
アザトースの力の源である宝玉。創造神と無限、宇宙の力はあるが神すら異星の存在に変えてしまうほどの極めて強力な呪いが付与されている。
神杖コズミックトラベラー:レア度10 専用装備 品質S+
重さ:なし 耐久値:なし 攻撃力:1000
効果:武装創造、金属創造、神気、星気、魔力超回復、自動修復、灰燼、空間歪曲、次元圧縮、次元歪曲、次元転移、次元封鎖、時間加速、時間停止、時空支配、時空断層、天変地異、時空波動、星波動、星震、流星群、彗星、惑星、星核、神撃、支援要請、号令、神威解放、時空神の加護、異星の加護
特殊効果:エクスマキナの装備の魔力チャージ時間短縮(究)
初代デウスエクスマキナが使っていた宇宙と時空、創造の力がある神の杖。初代デウスエクスマキナはこの杖を使って、エクスマキナの星に文明を作ったと言われている。
アポよ。杖は絶対にアザトース前に渡すべき装備だったと思うぞ。もしかしたら自分が戦う流れもあったのかもしれないな。その場合、この装備を使ってアザトースに勝てたのか微妙なところだ。
俺の体感ではまず勝てないと思う。あのシンクロバーストコンボであそこまで苦戦したからな。取り敢えず貰えてよかった。
魔導書のネクロノミコンはクトゥルフ神話に登場する架空の書物だ。クトゥルフ神話の中でも重要なアイテムで和名では死霊秘法とされることから蘇生などのスキルがあるんだろう。
ファンタジーに登場する魔導書の中でも最強クラスのイメージが俺にはあるがそれはこのゲームでも設定されているみたいだな。禁呪の宇宙魔法てなんだろう?普通に考えるならビックバンやハイパーノヴァなんだろうけど、この二つじゃないんだよね。
となると俺には一つ心当たりがある禁呪がある。恐らくはあの魔法かな?
アザトースオーブは要相談。一応アポに安全について、聞いてみたけど、アザトースが復活するようなことはないらしい。理由はこちら。
「君たちに負けたあいつはさっさと別次元に存在している別個体に魂を移動させた。だからこのアザトースオーブには力があるがあいつの意識は最早ない。それでも使われたくないのか呪いを付与したようだが、それだけだ。呪いさえなんとか出来れば君たちが手に入れたアザトースのかけらやアザトースのコアのように使うことが出来るだろう」
呪いといえば呪霊玉だね。ただアイテムとして使用するのはきついのかな?異星の存在に変えてしまったら、色々面倒臭い気がする。
神杖コズミックトラベラーを手にしたイクスが言う。
「マスターとおそろですね」
またプレイヤーたちから変な言葉を覚えたな。そしてリリーたちから無言の尻尾攻撃が来る。俺の尻穴を狙ったのは間違くなくリビナだな。賭けてもいい。
これに加えて、好きなデウスエクスマキナの装備を一つ貰える。俺はまだ作ったことが無いエクスデストロイヤーを選択した。
どうやらエクスマキナを召喚している人もこれは同じらしい。みんな、デストロイヤーユニットを取りそうな気がするが俺たちの星で使うのが相当きつそうなんだよね。それならジェノサイドユニットや最強クラスの装備を手にした方がいい気がする。
この後、宇宙戦闘が起きる可能性がかなり下がったからね。ただ素材集めをするのに宇宙にはどうしても行くからデストロイヤーユニットがあれば安心度は相当上がるだろう。
召喚していない人にはエクスマキナのカプセルを貰えるらしい。もちろん通常の職種の人たちが貰っている装備を貰ってもいい。これで報酬の話はお終いだ。ここからは今後の話をアポとする。
「フリーティアとエリクサーラピスとはこれから改めて友好を結ぶつもりだが、君たち同士の戦いには口出しするつもりはない。もちろん今回提供した装備についても我々は一斉責任を持たない契約をするつもりだ。イクスのマスターよ。お前ならこの意味が分かるな?」
「はい。その判断は正しいと思います」
つまり人間同士の戦いには一切関わることをせず、自分たちが与えた武器で戦争が起きても、自分たちは一切責任がない事にしたわけだ。
これを他国はいい顔しないだろうがプレイヤーたちがエクスマキナが影響した武器を持っているからな。自国の冒険者が装備を持っているなら強くは出れないだろう。それでもエクスマキナの恐怖はちらつくだろうな。この辺りはグラン国王やエジソン王の手腕に期待するしかないかな?
「一ついいですか?」
「なんだ?」
「君たち同士の戦いに口出ししないということは我々と敵対している勢力と戦う場合には手を貸していただけると考えていいですか?」
「うむ。我々は君たちに多大な恩義を受けた。君たちがアザトースのような敵と戦っているというなら喜んで力を貸そう。ただアザトースとの戦争でこちらもぼろぼろだ。すぐには手助け出来ないことは理解してくれ」
「もちろんです」
最低でもサタン戦に参加して貰える約束を出来たのは大きいね。その後、俺は新しいマザーシップに乗り込むと新しいサブエクスマキナとナノエクスマキナを起動させる。名前は結局変えないことにした。これを決めたのはイクスだ。
「彼女たちは消滅してしまいました…だからこそ彼女たちの名前を彼女たちに与えたいと思います」
死んでしまった彼女たちの意志を受け継ぐ彼女たちに同じ名前を付けるというのは俺としては結構新鮮な考えだった。マークツーとか結構付けたりするからね。因みに俺は別の名前にするつもりだったけど、イクスの意見を尊重することにした。
これでマザーシップを動かせる人員は揃ったので、アポを乗せて、フリーティアに帰還する。そこで俺はアポとグラン国王とエジソン王の面会に立ち合い、友好条約の見届け人をした。
「良かったですね。タクト」
「うん。でも、これから色々大変だろうな」
「そうですね。他国はまず何か要求してくるでしょう…まぁ、そこはこちらに任せて下さい」
一緒について来ていたシルフィが自慢げに言うとここで俺に聞いて来た。
「そう言えばタクトはサタンからの新しい宣戦布告を見ましたか?」
まぁ、テューポーンとアザトースを倒したんだから次のイベントが告知が来るわな。




