#1246 ヨグ=ソトース戦
ちょっと年末年始の更新予定を変更させて、貰います。2日、3日と23時に連続更新で行こうと思います。
改めて、新年も『Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~』をよろしくお願いいたします。
俺たちは敵艦隊を撃破しつつ、補給と休憩を繰り返す。その上でマザーシップでは監視が続けられていた。プレイヤー全員が最低でもアザトースにもう一柱、やばい敵がいる事を理解している。そいつがいつ来るか全く分からない緊張感の中、戦闘を続けていた。
こういう時に夕凪やアスピドケロンの存在はプレイヤーたちの癒しになっている。戦場において絶対の安心できる場所があると言うのは、想像以上にありがたいものだとみんな思い知る。
「つっかれた…もう武装カエル星人は見たくないぃ~」
「ここにいるみんながそういう気持ちだよ…リサちゃん。あぁ…ミントティーが美味しい」
「夕凪君を進化させてくれたタクト君には感謝だな」
「凄いですよね…クエストをクリアすることもそうですが短時間でここまで快適空間を作った財力が羨ましいですよ」
夕凪の別荘空間にはベッドに絨毯やソファや冷蔵庫、こたつを使う為の発電機などが設置されていた。流石にリリーたちの個室よりも戦争まじかだったので、みんなの休憩スペースというコンセプトにした。
後は事前にみんなが休憩の際に使いたいものや食べ物、飲み物を持ち込んでいる。もちろん炬燵はノワのリクエストである。
「あははは…でも今回の戦闘準備でかなりお金使って、本気でやばいとか言ってたよ」
「クロウたちが大喜びしていたな…鉱山持ってて良かったってよ」
「これで俺たちの装備も値段も値下げしてくれるといいんだがな」
「みんな商売人だからね…一応伝えるだけ伝えてみるよ」
完全に他の国のプレイヤーたちとの交流の場と化しているがここでマザーシップの超次元レーダーが新たな敵艦隊を捉えた。
『みんな、敵のおかわりが来たぞ。しかもさっきより艦隊の数が多いらしい』
「まだ敵艦隊残っているのに来るんだね…」
「普通のゲームなら全滅させてから来るもんだが、このゲームの運営は本当に容赦がないな」
「回復タイミングやボス戦前のバフのかけ直しとか出来ませんからね。とにかくバフをお願いします」
「「「「はい!」」」」
みんなが外に出ると目の前に人際大きいシュブ=ニグラスと情報通りの大艦隊が目の前に広がる。この瞬間、今までの一回の戦闘で一番の長期戦になることが決定した。そしてシュブ=ニグラスから声が聞こえて来る。
「まさか四元の支配者が全滅する結果になるとはな…なかなかやるではないか。しかし後どのくらい踊れるか俺様が試してやろう。全軍! 攻撃開始せよ!」
また艦隊戦になるがこちらの補給にも限界がある。敵はそれを理解した上でエネルギーや弾薬を消耗する遠距離戦を仕掛けて来た。本当に嫌らしい敵だ。そして戦争をよく理解している。
「イクス、またいけるな?」
「はい。補給もばっちりです。マスター」
「なら頼む。少しでも砲撃の数を減らしてくれ」
「イエス、マスター」
イクスがデストロイヤーユニットで再度出撃し、敵艦隊にダメージを与えるが敵の数からすると微々たるものだ。しかし敵艦隊の前を結構潰したのがでかい。ここからはこちらも本気だ。
『シルフィ。リリーたちに切り札の使用を許可してくれ』
「わかりました。皆さん、切り札を使っていいですよ。今こそ召喚獣の力を異星の魔神に教えてあげて下さい!」
「「「「おぉー!」」」」
リリーたちが竜化、恋火たちが獣化を使用して、他の召喚獣たちも次々切り札を使用する。ただしグレイたちだけは切り札を温存している。
前方の敵艦隊にリリーたちが突撃して、敵艦同士を接触事故させる。ただこの間にもリリーたちは重火器の攻撃に晒されている。それでも攻撃を続けて、艦隊を次々撃破していった。
「ほぅ…まだそんなに暴れられるか。しかしこうしてみると空元気にしか見えんな。それに的を大きくして良いのか?」
シュブ=ニグラスの触手がリリーたちに襲い掛かる。必死に両手の爪で引き裂くが数が多すぎる。その援護にグレイたちが参加する。
「本命はあいつらか…いいぞ! 召喚するがいい!」
「いくよ! 封印石召喚! 来て! ケツァルコアトル!」
「出番ですよ! 封印石召喚! 麒麟!」
「さぁ。新しい杖での初陣だ! 存分に暴れていいぞ! 封印石召喚! 黄龍!」
リリーたちの切り札に加えて、封印石召喚三体が暴れる。黄龍は周囲にあるたくさんの黄金の宝玉を敵艦隊に飛ばすとそこから黄金の雷が敵艦隊に襲い掛かり、次々麻痺させることで敵艦隊を無防備にした。
そこに麒麟が光速の突撃で直線上の敵艦隊を一撃で落とし、ケツァルコアトルは日輪と八つの太陽で敵艦隊を破壊する。三体とも見事な戦いだが、リリーたちも負けていない。黄龍の麻痺がアブホースなどのバリアの展開まで封じているのがでかい。何よりシュブ=ニグラスまで効いているのはかなりでかい。
更に敵艦隊の攻撃の全てを味方艦隊に反射障壁をてんかいすることで敵艦隊に返している。おかげで敵艦隊の被害が尋常じゃない。
そしてこの怒涛の攻撃に合わせて、プレイヤーたちがシュブ=ニグラスや敵艦隊に接近する。敵艦隊はリリーたちや黄龍たちの対応に手一杯でプレイヤーたちはノーマークだ。それにここまでの戦闘でずっと同じ敵と戦って来たからみんなも流石にそれぞれの敵の倒し方を確立しており、敵の担当まで決めているから動きに無駄が無くなっている。
「「「「はぁあああああ!」」」」
メル、ユーコ、シフォン、ミランダ、アーレイと同じ英雄や勇者たち、サラ姫様、鉄心さん率いる侍たちが触手を手あたり次第斬ってくれる。これで魔力吸収は無理だ。
「全艦、巨大シュブ=ニグラスに火力集中。ミサイル攻撃の後に主砲攻撃で一気に落とす!」
「「「「イエス、マスター」」」」
エクスマキナの艦隊からの一斉攻撃が放たれる。ミサイルが巨大シュブ=ニグラスの正面の装甲を剥がして、そこにエクスマキナ艦隊の一斉のビーム攻撃が巨大シュブ=ニグラスの内部に炸裂し、巨大シュブ=ニグラスは爆散する。
ここまでは驚くほど簡単に行ったが、問題はここからだ。爆煙から白い光が発生すると爆煙や巨大シュブ=ニグラスの破片が一瞬で消えて、このイベントの中ボスがいよいよ登場した。
異星時空魔神ヨグ=ソトース?
? ? ?
ヨグ=ソトースの姿はソトースを白くしたような姿だった。ただし尻尾のような触手がたくさん生えており、背中の翼は虹色で一つ目がたくさんがあった。そして周囲には虹色の眼球が七つ展開されている。ヨグ=ソトースが言う。
「俺様の妻をよくぞ倒した。その栄誉を称え、俺様に拝謁する権利を与えてやる。喜べ。人類とエクスマキナたちよ」
ここに来て、初めて俺たちの事を人類、エクスマキナと呼んだな。
「そして絶望を知れ。魔神技イリミタブル・リターン」
ヨグ=ソトースがそういうとこの戦闘中に倒したシュブ=ニグラスを含めた艦隊が復活する。
「「「「嘘…」」」」
これが異星の時空神の力か。出鱈目だな。そしてここに来て、最初からやり直しのような状態にみんなの心が挫けそうになる。ぶっちゃけ飽きもあるだろう。それだけみんな同じ敵をたくさん倒している。そんな状態だけど、それでも戦うしかない。
「いいことを教えてやろう。四元の支配者たちは敗北者。復活などアザトース様が許可しない。だから安心して掛かって来るがいい。我が名は異星時空神ヨグ=ソトース! 宇宙の時空を支配し、生命を無に帰す魔神なり!」
時空神が相手となると時空属性の有利性は全部向こうにあるだろう。更に無限属性まであるみたいだ。これで中ボスか。まぁ、ボスが創造神クラスなら中ボスはこのくらいの強さになるだろう。
上位プレイヤーたちがヨグ=ソトースに武器を構える。流石にみんなは戦意が消えないね。俺も出来るだけの援護をしよう。向こうが数を増やすならこっちも対抗させてもらう。
「「「「大精霊召喚!」」」」
「「「「妖精の輪!」」」」
「「「「式神召喚!」」」」
「「「「天使召喚!」」」」
「「「「号令!」」」」
精霊や妖精たち、式神によって召喚される妖怪たち、天使の魔導書シリーズから召喚された全天使たち、英雄や勇者の号令によって、召喚された死んだ英雄や勇者が召喚される。
彼らはこの場にいる全員にエリュシオンから加護が与えられ、宇宙での戦闘が可能となっている。これはセチアから教えられいた。
「俺様の力を見てなお倒そうとするか…それでこそ異星の生命だが、分をわきまえろ。塵芥ども」
ヨグ=ソトースの姿が時空転移で姿が消えるとマザーシップの目の前に現れる。やっぱり最初に狙われるのは俺たちだよな。
「ガァ!」
優牙が反応し、爪で攻撃するとヨグ=ソトースは手を優牙に向ける。
「虚無弾」
消滅弾のような漆黒の弾が優牙の爪に触れると優牙の前右足が消し飛ぶ。消滅弾の上位スキルか。見た感じ強制的に部位破損させる技みたいだ。直撃するともちろん即死だろうな。
優牙が離れると黒鉄のミサイルがヨグ=ソトースに飛んで来る。
「虚無壁…くだらん時間稼ぎだな」
ミサイルが虚無壁で消されても、黒鉄は機関砲、優牙は毛針で攻撃するが虚無壁を突破出来ない。それでもくだらないことはない。こいつ相手に防御させるだけ二人は立派だ。おかげでマザーシップの防空システムであるデウスエネルギーマシンガンとガトリングフライヤー、レーザーフライヤーがヨグ=ソトースに襲い掛かる。
「ふん。次元震!」
マザーシップが激しい衝撃波で揺れて、俺たち全員ダメージを受けて、マザーシップは吹っ飛ばされた結果、下に展開していたバトルシップの甲板にぶつかってしまう。更に黒鉄と優牙にはヨグ=ソトースの周囲に展開されていた球体が襲い掛かる。
灰色の光線が放たれると黒鉄の防御を貫通し、黒鉄の手に命中すると黒鉄の手が塵になっていく。危険を感じた黒鉄はロケットパンチの要領で手を外して、全身に塵になるのを防いでミサイルで球体を破壊するが破壊した球体がすぐさま元に戻ってしまう。
優牙も光線を回避して、ブレスで破壊したが結果は同じだった。そしてこの球体が艦隊にも襲い掛かり、次々塵にしていく。
そんな状況だが、俺は言う。
「頼んだぞ。ノワ」
ノワがヨグ=ソトースに襲い掛かる。
「虚無壁」
「…虚無壁。ドラゴンクロー!」
虚無壁をぶつけることで相殺し、ドラゴンクローで攻撃するが時空転移で躱される。転移の速度が滅茶苦茶速い。
「お前も無限属性の使い手か…異星の無限属性の敵と戦うのは稀だ。相手をしてやろう。だが、その前に邪魔を消さねばな」
ヨグ=ソトースの尻尾の触手がエクスマキナの艦隊を貫くと触手が心臓のように鼓動して何かを吸い取ると次々バトルシップが機能停止する。バトルシップの魔力を全部吸収しやがった。
「魔神技ナッシングネス」
機能停止した全てのバトルシップが乗組員共々、灰燼に帰す。無限属性の時空神…想像以上に出鱈目だな。それでもこっちにはちゃんと倒せるカードがある。
「これでさっぱりしたな。俺様の虚無壁を相殺した褒美だ。来い! ウムル・アト! タウィル!」
ヨグ=ソトースの手に白く輝く一つ目がたくさんある剣と宇宙のような刀身に柄に一つ目がある剣が現れる。ここに来て、二刀流かよ。ウムル・アトとタウィルという名はウムル・アト=タウィルという名前で登場しており、ヨグ=ソトースの配下ではあるが詳細は描かれていない結構謎な存在だ。だからこそ剣という解釈をして来たんだろう。
「いくぞ」
時空神なだけあって、光の速度に残像が見える速さでノワに襲い掛かる。使ったのは白い剣であるウムル・アト。
「無に帰せ。ウムル・アト」
ノワに当たりそうになった瞬間、次元歪曲が剣に発生して、剣が止まる。
「小癪な真似をする…時空支配!」
次元歪曲は消滅するがノワは距離を取って、攻撃を躱す。叢雲とのコンビだ。
「貴様の仕業か…時空神の力を教えてやろう。タウィル! 幼体化!」
叢雲に宇宙の剣が向けられると叢雲が光に包まれるとドラゴキッドになってしまう。時空神なら時間を巻き戻して子供にするぐらいの芸当ぐらいは出来るだろうけどさ。これって、ちゃんと元に戻るよね?また叢雲のレベル上げと進化素材を集めることになんてならないか滅茶苦茶心配だ。
これでウムル・アトが無限属性、タウィルが時空属性の剣だと予想が付いた。どちらも危険だが、敵を倒す能力的にはウムル・アトのほうが危険だろう。恐らく蘇生や復活を許してくれるような武器を時空神が持つとは思えない。
『…あえてあのスキルを受けて、にぃを独り占めするのはあり?』
『なしだ。ここでノワがやられたら、俺たちは負けるぞ』
『…むぅ。残念』
本当に残念そうに言わないで欲しい。ノワらしいけどね。ここでスクリームペガサスに乗ったシルフィたちとメルたちが戦いに参加する。しかし連続で時空転移を繰り返すヨグ=ソトースを全く捕らえられない。
寧ろみんなはよく反応して攻撃を躱している物だ。しかし時間が立つにつれて対応出来ない者が現れて、どんどん子供になっていく。どうやら剣に触れただけでも幼体化してしまうらしい。
「く…! この! しまっ」
「サラ! この野郎! うお!? やべ!?」
サラ姫様は剣の打ち合いの末にタウィルで斬られ、助けに入ったアーレイはウムル・アトの斬撃を躱した際にバランスを崩して、その後に来たタウィルの斬撃に触れて、仲良く子供の姿になる。
「わぁ! 子供の頃のサラです!」
「幼体化」
「あ」
完全に油断したシルフィはタウィルを向けられて、光に包まれるとスクリームペガサスと仲良く幼体化する。あれが子供の頃のシルフィの姿か。可愛いね。この事に関してはヨグ=ソトースにグッジョブと言いたい。
「魔力吸収!」
あぁ。でも触手でシルフィを襲うのは許し難い。だが、俺が出るまでもなく虎徹が触手をバラバラにする。
「時空修復」
時間を巻き戻すことで斬られた触手を元に戻す。こんなことが出来るならダメージを与えてもきつそうだな。少なくともあれらの武器とスキルを封じないとまず勝てない。一応いつでも行けるように準備して貰っているんだけどな。ここはみんなを信じるしかない。
ここでヨグ=ソトースと虎徹が激突する。
「やるな」
最初のぶつかり合いは虎徹が制した。虎徹が扱う武器の多さは人型にはない強みだ。いくら武器が強くても次々色んな方向から攻撃されるのが本当にきつい。しかも尻尾でフルスイングしてくる虎徹の斬撃はかなり重たい。虎徹は俺と剣で戦いたがるので、俺も付き合っているけど正直虎徹とは接近戦はしたくないレベルです。
その結果、ヨグ=ソトースはプレイヤーたちとの戦闘で見せたように時空転移を繰り返して、虎徹の隙を付こうとするが転移しても虎徹はすぐさま現れた場所に虚空切断と多乱刃の斬撃を放つ。
虎徹の攻撃範囲はほぼ全方位カバー出来ている。全く隙が無い虎徹の姿には流石のヨグ=ソトースも称賛した。
「時間停止」
虎徹の時間が止まるとヨグ=ソトースは虎徹に襲い掛かる。流石にこれはやばい。しかし虎徹には俺たちが付いている。
『時間加速!』
イオンが停止していた虎徹の時間を加速させることで時間停止から虎徹を解放した。そしてヨグ=ソトースは虎徹の間合いに自ら入ってしまう。
「ガァアアア!」
「ぬぅううう!」
ヨグ=ソトースは二刀流で必死にガードするが虎徹の激しい連続攻撃に対応出来ていない。やはり剣の腕前は全然ないな。それを理解したのか距離を取り、尻尾を使って来るが虎徹は全て切断して、距離を詰める。
虎徹は激しい斬撃の末に両手の剣を弾き飛ばすことに成功する。更に十拳剣を神格解放する。しかしここでヨグ=ソトースの球体が飛来する。だが、蒼穹の球体が荷電光線で球体を破壊した。これで虎徹を邪魔するものはない。天魔雄神が俺たちに使った火之神裂きがヨグ=ソトースに炸裂する。
「ふ…くだらん。時空修復。そのような攻撃、俺様には何の意味もない。死ね。無波動!」
『…やらせない。虚無壁!』
「そうか…ならば俺様の攻撃を止めてみろ!」
虎徹を守っているノワの虚無壁がひび割れる。どうやら単純に威力の差で負けているようだ。ヨグ=ソトースの顔はもう勝ちを確信しているかのような顔をしている。俺も人の事は言えないが、勝ちを確信している時が一番危ないことを教えてやる。
「ヒヒーン!」
「神刀解放! 奥義! 火之滅神斬!」
スピカに乗ったカグヅチの刀を持つ侍ちゃんが炎の斬撃をヨグ=ソトースに炸裂させる。これが俺たちの切り札だ。ただどうなるか分からないんだよね。どうだ?
「ふん…無駄だっと言ったは…ぐわぁあああ!? なんだ!? この炎は!?」
やはり効果あり。侍ちゃんが説明する。
「この炎はかつて創造神を死に至らしめた炎です。その効果は加護スキルの破壊。これであなたは時空神では無くなりました。そしてこの炎はあなたを焼き殺すまで消える事はありません」
これがイザナミを死に追いやったカグヅチの炎の力か。俺も鉄心さんもうかうかしてやられないね。契約する神様によっては一気にトッププレイヤーを超える事が出来るのがこのゲームだと教えられた気がする。
「馬鹿な! そんなこと許せるものか! 時空!」
『やらせない! 神櫃!』
ヨグ=ソトースがリリーが作り出した光の箱に閉じ込められると全てのスキルが封印された状態になる。神櫃は神の力を封じるスキルだ。加護スキルが無くなった今、ヨグ=ソトースに封印を防ぐ術はない。
火之神裂き
「あなたもまた私たちを甘く見すぎです。お覚悟を」
ヨグ=ソトースに止めを刺そうとした時だった。誰かの声が宇宙全土に聞こえる。
「何をしている? ヨグ=ソトース」
「あ…あぁ…」
時空神であり、俺様口調のヨグ=ソトースが声だけで震え上がる。止めを刺そうとした侍ちゃんは声だけで麻痺と恐怖の状態異常となり、動けなくなってしまった。そしてマザーシップのレーダーがボスの襲来を告げる。
「敵拠点! 別次元を超光速でここにやって来ます!」
「来たか」
みんなには本当に感謝しかない。ここまで俺はだいぶ休ませて貰った。全ては俺の切り札をみんなが信じてくれたからだ。そしてかなり理想的な形で挑める。ここからは俺がみんなの頑張りに答える番だ。




