#1236 神造金属兵
帰って来た俺はみんなに結果を報告する。
「流石、先輩と黒鉄さんです! ポセイドン様の試練をクリアするなんて凄い事ですよ!」
やはりリアンが一番大興奮だ。流石にこのリアンを見て、アトランティスを守る為に戦った時にポセイドンは戦力を出し惜しんだことは伝えられないな。アトランティス人のことも含めて、俺の胸の中にしまっておこう。
そして小休憩が終わるとシルフィを呼んで島で先に黒鉄を進化させることにした。進化先はもちろん一つ。
オリハルコンゴーレム
問題は説明だ。あんな石碑まで用意されていたんだからかなり気になる。それでは見てみよう。
オリハルコンゴーレム…神と遥か過去にこの星にやって来た異星人のオーバーテクノロジーによって作られた最強のゴーレム。本来の役割はアトランティスの守護で召喚獣の中では最強の守りを誇っている。自らオリハルコンの武器を作り出す能力を持っており、どんな戦闘にも対応する
思いっきりアトランティス人が異星人だと暴露されているね。名指しはされていないけど、神がポセイドンで異星人がアトランティス人なのは確実だろう。さて、それじゃあ、進化行ってみようか。
俺が黒鉄に神金属の宝珠を差し出すと黒鉄はそれを受け取り、俺は進化を実行する。神金属の宝珠が浮かび上がると黒鉄の胴体の真ん中に神金属の宝珠が吸い込まれると黒鉄から七色の光が放たれ、浮かび上がると黒鉄の装甲が変化し、巨大化していく。
そして進化が終わると俺たちの前に黒鉄の名とはかけ離れたオリハルコンの身体になった黒鉄がジェット噴射をしながら着陸した。そしてインフォが来る。
『黒鉄がオリハルコンゴーレムに進化しました』
『万物武装、武装創造、自動修復、格納、念動力、神装甲、防御無効、灰燼、神気、次元転移、爆心、次元照準、必中、ガンマ線、変光、後光、烈日、量子演算、追尾光線、拡散光線、斥力場、多連射、神撃、魔力吸収、光吸収、物理無効、衝撃無効、領域無効、太陽炉、神障壁、時空断層、重力砲、荷電砲、星核、リミッタ解除、炉心暴走、神殺し、不死殺し、破魔、不屈、破壊の加護、楽園の加護、ポセイドンの加護を取得しました』
名前 黒鉄 アダマントゴーレムLv32→オリハルコンゴーレムLv1
生命力 286→486
魔力 240→540
筋力 502→702
防御力 502→802
俊敏性 57→107
器用値 48→198
スキル
格闘Lv41→神拳Lv41 万物武装Lv1 武装創造Lv1 自動修復Lv1 格納Lv1
堅固Lv60→堅城Lv60 念動力Lv1 超変形Lv41 煽動Lv54 強激突Lv31
金剛装甲Lv56 反射装甲Lv33 神装甲Lv1 万物破壊Lv41 防御無効Lv1
灰燼Lv1 高熱切断Lv26→溶断Lv26 虚空切断Lv14→時空切断Lv14 神気Lv1 英気Lv36
採鉱Lv28 伐採Lv22 土潜伏Lv8 水中行動Lv14→星間行動Lv14 魔力感知Lv31
空間探知Lv25→次元探知Lv25 危険予知Lv32 行動予知Lv27 次元転移Lv1 鋼索Lv29
伸縮Lv25 射出杭Lv12 鉱石砲Lv23→魔導砲Lv23 爆心Lv1 機関砲Lv16
衝撃放射Lv13 バリアLv31→神バリアLv31 複数照準Lv28→多照準Lv28 次元照準Lv1 必中Lv1
放射熱線Lv22 日光Lv39 荷電光線Lv28 ガンマ線Lv1 変光Lv1
後光Lv1 烈日Lv1 超集束Lv13 天波動Lv21→神波動Lv21 雷波動Lv21
量子演算Lv1 狙撃Lv41 暗視Lv30 望遠Lv28 超電磁Lv37
電磁操作Lv23→電磁支配Lv23 電気網Lv17 妨害電波Lv21 荷重操作Lv26→荷重支配Lv26 回転射出Lv39
自動追跡Lv33 誘導弾Lv34 追尾光線Lv1 拡散光線Lv1 加速Lv27→超加速Lv27
雷放電Lv21→電弧放電Lv21 電磁場Lv16 斥力場Lv1 多連撃Lv32→無限連撃Lv32 多連射Lv1
覇撃Lv17 神撃Lv1 強化復活Lv13 魔力吸収Lv1 光吸収Lv1
雷無効Lv30 寒無効Lv17 熱無効Lv39 毒無効Lv33 病気無効Lv23
腐蝕無効Lv22 物理無効Lv1 衝撃無効Lv1 領域無効Lv1 瞬間回復Lv45
魔力超回復Lv32 太陽炉Lv1 遮断結界Lv26 英雄障壁Lv31 神障壁Lv1
時空断層Lv1 重力砲Lv1 荷電砲Lv1 星核Lv1 自爆Lv2
リミッタ解除Lv1 炉心暴走Lv1 神殺しLv1 不死殺しLv1 破魔Lv1
不屈Lv1 王の加護Lv25 破壊の加護Lv1 楽園の加護Lv1 ポセイドンの加護Lv1
進化した黒鉄を見たシルフィが感想をいう。
「これが最強のゴーレムさんですか…大きくてかっこいいですね」
大きさはクリュスとほぼ同等。超覚醒などがない分、スキルの多さではフェンリルを超えているね。そして黒鉄のステータスを見た俺は黒鉄の倒し方が全然分からないくらいの防御能力が格段に増した。ただ無敵ではない事はナイアーラトテップとコインヘンによって証明されている。結構なダメージを受けていたかたからね。
そう考えるとやはり無効スキルの無効化が一番しっくり来るかな?後は防御無効などや確定ダメージが入る攻撃なら黒鉄を倒せる可能性が出て来る。それでもかなり厳しく思えるけどね。
進化した黒鉄は両肩に魔導砲を装備している。そして背中には魔導砲を連動しているバックユニットがあり、そこには大型のロケットブースターが二基が装備されていた。更に小型のロケットブースターがバックユニットに二つ、後ろの腰辺りに二つ両足の裏にあることで今まで一番速かったミスリルゴーレムを超える速度を手に入れた。
更に全身のオリハルコンからホーミングレーザーが発射され、ミサイルも体中に隠されており、他の装備と共に無限に撃つことが出来る。これを可能にしているのがどうやら武装創造らしい。これで無限にミサイルや銃弾を生産しているようだ。
更に武装が壊れても自動修復で直してしまうらしい。これによりリミッター解除のデメリットを気にすることなくぶっ放すことを可能にした。最も武器が壊れた時に発生する爆発や修復するための時間が掛かるみたいだけど、武装が壊れる事はないのはかなり大きい。イクスはそれを気にして、リミッター解除を中々使えないでいるからな。
かなりイクスと似ている気がするが黒鉄にはイクスにはない装備があった。それが灰燼スキルなのだが、この灰燼スキルが他と異なる。黒鉄の灰燼スキルは黒鉄がマイクロナノマシンを身体から発進させることで発動する。このマイクロナノマシンが触れるだけで灰燼スキルを発動させるナノマシンという設定のようだ。
新しいスキルとしてはまず時空断層。空間装甲の上位互換スキルだ。自分の周囲に時空の層を何枚も展開するスキルで時空切断や時空貫通を使わないと突破することが出来ないスキルらしい。ただし時空切断だと一枚しか破壊することが出来ず、時空貫通では全てを破るのに時間が掛かるようだ。
そしてポセイドンの加護は水中で陸上と同じ動きを可能になる加護で水圧や寒さ、呼吸制限を打ち消すと共に水中戦闘の場合は全ステータスを少しだけ上げてくれる加護らしい。
最後に黒鉄の万物武装を披露して貰う。黒鉄が選んだのはオリハルコンランスで黒鉄サイズのオリハルコンランスを黒鉄はぶんぶん振っている。どうやら黒鉄が作る装備は自分のスキルと一致しているらしいが結構装備を器用に使えることを知った。こうなると温存していたステータスオーブを黒鉄の器用値に当てるのはちょっと悩むな。それでも200は超えさせよう。
そんなわけで保留にしていたステータスオーブの二つは黒鉄に使い、残りの二つはリリーとグレイにあげる事にした。しかしいつもは真っ先に喜ぶリリーだが、聞いて来る。
「いいの? タクト。タクトが怪我しないようにタクトが使ったほうがいいじゃない?」
「あぁ…旭光近衛のことか。あれは俺の未熟さも影響しているから大丈夫だよ。ステータスを二つ挙げて何とかなるものでもないだろうしな。それよりも俺たちの冒険を最初から支えてくれた二人に上げたいんだ」
「え…えへへ。それじゃあ、貰っちゃうね?」
「ガウ!」
そんなわけでリリーの希望で魔力。グレイの希望で防御力にそれぞれ使うことになった。それぞれ二人なりの考えがあるっぽい。リリーは俺の部位破損を見たせいか回復や強化の意識が強くなったみたい。あれだけパワー重視だったリリーがみんなを回復で助けたいと言った事はかなりの衝撃でした。俺や仲間を大切に思っているリリーらしくはあるんだけどね。
グレイは攻撃を受けることが多くなってきたことで防御力の意識が強く出て来たみたい。優牙がフェンリルに進化したことも影響しているのかも知れない。ここは本人のみが知ることだ。
ここでタイムアップ。俺は夜の作戦会議に参加する。アポもアインシュタインさんがエクスマキナと共同開発した通信装置で会議に参加してくれている。
そこで俺たちが奪った中継基地に何度も攻撃があった報告がされた。確認されたのがケートス、コインヘン、トールグレイを中心にしたUFO部隊、シャンタクスだった。
コインヘンは謎だが、恐らくケートスとコインヘンは野生で雷電さんがコインヘンのテイムに成功したらしい。
アポの話でトールグレイたちはアザトースとは別勢力という説明を受けた。シャンタクスはもちろんアザトース軍でこちらは何度も確認されたがエクスマキナの協力もあって、防衛に成功している。
そして俺たちが手分けして、動いていた保険の準備もほぼ完了。これで俺たちは遠慮なくアザトース軍と戦える。ここからは本題に入る。まずはアポが現状を説明してくれた。
『アザトースが恐らくいる船は確実にこの基地に向かっている。君たちの情報から推測するに私たちの星を壊滅された部隊以上の戦力を連れていることが予想される。君たちの時間で21時にここに到達するだろう』
アポの言う情報はツァトゥグァがエクスマキナの星攻略に参加していなかったという話だ。更にナイアーラトテップが派遣されている事からもアザトースが相当俺たちの星を欲しがっていることが伺えるらしい。
「奇襲を仕掛けるか。陣形を整えて、迎え撃つかだね」
「敵の戦力が未知数なだけに奇襲はハイリスクハイリターンですね」
サバ缶さんが言うように奇襲を仕掛けると謎の大規模な部隊と交戦することになる。敵の能力が知れるという意味ではメリットはかなり大きい。しかしその分、謎の敵部隊からの攻撃に晒されるので、倒されるリスクが存在している。
「奇襲を仕掛けるなら少数精鋭ね…逃げきれる足のことを考えると」
「俺とチロルたち、アルさんたちが適任でしょうね」
「あ、俺も行けるで。ギルマス。アキレウスの戦車が手に入ったからな。宇宙でもすいすいや」
おぉ~。レイジさん、やるね。アルさんたちにはヒポグリフやスターペガサス。チロルにはヒポグリフ、ティンダロス、スターペガサス。フェルトにはバハムート、デルピーヌスとスターペガサス、ララにもデルピーヌス、ヒポグリフなどがいる。
彼らを使えば少しはプレイヤーも運べるだろう。その結果、各ギルドのリーダーが奇襲作戦に参加することが決まった。ただし帝さんだけはみんなの推薦でここに残ることとなった。それだけ防衛戦での帝さんの指揮能力の評判が高いということだ。
他にも各自の戦力や陣形、作戦が決められ、基本的には中継基地を目指してやって来るアザトース軍を迎え撃つという戦略が組まれた。そしてここで俺は今日の聖杯を使って、呪霊玉を手に入れた。そしてみんなの協力で呪いを入れた。後はこれを試すだけだ。
俺はまず最初の奇襲作戦で敵戦力の把握と誘導をした後はマザーシップで指揮を取ることになった。更にエクスマキナ最終兵器であるプラネットデストロイヤーのトリガーも俺に任された。責任重大だが、マザーシップをゲットしたプレイヤーだからね。覚悟を決めてやってやろう。
最後にアポからこの戦争での報酬が伝えられる。エクスマキナの武装を人間用に改良された武装が贈られるそうです。これにはプレイヤーたちは大いに喜ぶ。現状ではかなり技術力は追い付いているがそれでもエクスマキナの武器は魅力いっぱいだ。
奇襲作戦は夜八時に決行することが決まったので、ここでログアウトすることにした。一緒に寝るのはリビナだが、何故か部屋で待ちように言われた。何を考えているやら。そう思っていると部屋がノックされる。
「リビナ」
「わたしです。マスター」
「イクス?」
俺が部屋を開けるとそこにはシルフィの服装をしたイクスがいた。これは反則だろ!?そして左右から視線を感じると俺の様子を伺っていたリリーたちがしてやったりの顔を浮かべていた。
「君たちねぇ…決戦前なんだぞ」
「分かっています。だからリビナが譲ってくれました」
俺がリビナを見るとリビナは顔を背けた。何気にリビナはこういう気が利く行動をするんだよね。まぁ、シルフィの服装をイクスに勧めたのも間違いなくリビナだろう。そこまで考えるとイクスに譲る条件にシルフィの服装ドッキリを条件に出したのかも知れない。
「それでは寝ましょう。マスター」
「ちょっと待て。その服装でか?」
「もちろんです。シルフィとは王女の服装でまだ寝ていないことは調べがついています」
どんな調査だ!たぶん本人から服装を選んで貰う時に聞いたんだろうな。こうなるとイクスは絶対に譲らないことを俺は知っているので、諦めて寝る。
「決戦が終わったら、わたしが考えたとっておきの服もあるので、頑張って勝ちましょう。マスター」
「…なぁ。イクスは俺のことをどう思っているんだ?」
コスプレ好きとか思われていないかとても心配です。俺の質問にイクスは即答する。
「もちろん最高で最強のマスターだと思っています」
「そういう質問じゃないんだが…ま、いいか」
「はい。必ず勝ちましょう。マスター」
「任せとけ」
イクスの頭を撫でて、ログアウトした。




