#1228 世界を照らすタクト最強の刀
お昼のカップラーメンを食べて、ゲームにログインする。そりゃあ、俺もカップラーメンを食べたくなる時もありますとも。カップラーメンは主婦や主夫に休みをくれる素晴らしい発明品です。しかも美味い!
まぁ、ゲームにログインすると普通の料理を作ることになるんだけどね。リースと起きた俺はドアを開けるとやけに重い。確認するとリリーがドアにへばりついていた。
「セミのものまねか?」
「違うよ!? タクト! お昼ご飯! 焼き鳥! 唐揚げ!」
「はいはい」
新しくゲットしたフレースヴェルグとヴェズルフェルニル、グリンカムビの肉を料理する。味付けがされているフレースヴェルグとヴェズルフェルニルは焼き鳥、グリンカムビの肉はリリーのリクエストで唐揚げする。
「おお! いい匂いだな~」
「そうですね。このお肉なら食べれそうです」
セチアたちが好むということはリリーたちはダメということになる。まぁ、お肉なんだし、最初は食べるだろうけどね。ここでバジルやレモンの美味しさに目覚めて欲しい所だ。完成したのがこちら。
フレースヴェルグの焼き鳥:レア度9 料理 品質S-
効果:満腹度50%回復、一時間俊敏性アップ(究)、一時間魔力アップ(究)
フレースヴェルグの肉を串焼きにした料理。味付けが一切なくフレースヴェルグの肉を使う料理の中で一番シンプルで人気がある。
ヴェズルフェルニルの焼き鳥:レア度9 料理 品質S-
効果:満腹度50%回復、一時間俊敏性アップ(究)、一時間風無効
ヴェズルフェルニルの肉を串焼きにした料理。味付けが一切なくヴェズルフェルニルの肉を使う料理の中で一番シンプルで人気がある。
一時間風無効は強いな。そしてリリーたちが食べるわけだが、やはり匂いが気になるみたいだ。
「うぅ…」
「あれ? どうかしたんですか? リリーお姉様? まさかとは思いますがタクト様が作ったお肉料理を食べないなんていいませんよね?」
「も、もちろん食べるよ! 頂きます! はむ! ふぅ~ん」
リリーがなんとも情けない声を出して撃沈した。ただ恋火や和狐は悪くないらしい。他にもイオンはヴェズルフェルニルの焼き鳥が良くて、ユウェルは両方好きだった。
「タクト!」
「はいはい。今、作っているからな」
ここでヘーパイストスがドアを開けて、飛び込んで来た。
「タクトさん! 完成しましたよ! タクトさんの新しい刀が!」
「本当か!? おっとと。料理中、料理中」
「タクトお兄ちゃんが刀より料理を取りました!?」
「どっちが大切なのか気にはなっていたけど、料理だったんだね」
恋火はショックな顔を浮かべて、リビナが納得顔だ。
「あのな…俺としては刀を優先したいが料理中に余所見は出来ないんだよ。ましてや油を使っているからな」
あのまま刀を見ていたら、現実なら火事になる自信がある。このゲームだと料理自体が黒焦げになって、腹ペコリリーにどんな顔をされるのか分かった物じゃない。なのでここは料理に集中して、完成させる。
グリンカムビの唐揚げ:レア度10 料理 品質S+
特殊効果:英雄が食べた際に全ステータス+30
効果:満腹度75%回復、一時間経験値アップ(究)、二時間生命力アップ(究)、二時間筋力アップ(究)、英気
グリンカムビの肉を醤油、ニンニク、生姜に付けた後に片栗粉を付け、油で揚げた料理。英雄が食べると力が沸き上がる料理で子供が食べると英雄の才覚に覚醒するとまで言われている。
うん。英雄が食べたら、かなり強いがそれ以外でも十分強いね。
「頂きます! んん~! タクトの唐揚げ最高~!」
食べるのが滅茶苦茶速かった。そして俺に英雄の強化が発生しているのを確認した。残りはみんなと戦闘直前に食べるとしよう。
「残すならリリーが食べて」
「リリーは全部食べただろう?」
「ぐりぐりしないで~! タクト~!」
リリーを解放した後にヘーパイストスが焦るほどの刀を確認する。そこには青が基準で白い稲妻が描かれている鞘があった。
「これが俺の新しい刀か…」
「はい。桜花の師匠の手を借りて完成させました。青生生魂と緋緋色金の合金で作製した最高傑作の刀です。ご確認下さい」
何!?合金に出来たのか…しかもわざわざ安綱さんの所まで言って完成させたのかよ。後でお礼の品を持って行こう。
「「「「ごくり…」」」」
「抜くぞ…」
「「「「う、うん…」」」」
何故かみんなまで緊張する。いや、この鞘に収まっている状態でもビンビン力を感じるのだ。俺が刀を抜くと青い光がホームを照らす。
「「「「眩しい!? あ…」」」」
「これが俺の新しい刀…」
現れたのは金色の刀に青い霊気が宿った神秘的な刀だった。その美しさは見惚れてしまう程だが刀を手に持ち俺には早く戦いたいという強い意志を感じた。スサノオの力が宿った刀だ。大人しい訳がないのだが、相当やばいな。
「名前はどうしますか?」
「そうだな…近衛の意志を受け継ぎ、世界に夜明けを告げる刀。旭光近衛って名前にしようかな」
名前を決めて、セチアに刻印をしてもらい、俺の最強の刀が完成する。
旭光近衛:レア度10 刀 品質S+
重さ:150 耐久値:10000 攻撃力:8000
効果:神殺し、竜殺し、不死殺し、破魔、万物切断、時空切断、魔力切断、万物吸収、英気、神気、電磁場、超電磁、電子分解、溶接、電弧放電、雷光刃、黒雷、雷雨、天雨、雷光、光速激突、雷轟、荷電光線、日光、浄炎、空振、多乱刃、旋風刃、天候支配、電磁支配、重圧、烈日、後光、陽光、神速、全滑走、超加速、蘇生、復活、光化、雷化、耐性無効、加護無効、物理無効、神刀解放、神威解放、次元震、帰還、覇撃、奇跡、太陽の加護、破壊神の加護、スサノオの加護
刻印効果:無限のルーン、瞬間回復、魔力超回復
青生生魂と緋緋色金の合金にスサノオの力が宿った本来なら存在することすらない創造神すら想定していない刀。その輝きは闇を払い、その刃は斬ったあらゆる物を吸収し、持ち主に力を与える。
そりゃあ、青生生魂と緋緋色金の合金なんて伝説上では登場していないから創造神も作れない刀ってことになりますよね。これを可能にしたのはヘーパイストスの力だろうな。神話の中ではトップクラスの鍛冶神故にこと武器においては創造神を超える力があるんだろう。
ただ合金に出来ても未知の桜花の金属をヘーパイストスは扱えず、日本の歴代刀鍛冶の中でもトップクラスの実力者である安綱さんの力を借りて、完成させてくれたんだろう。本当に二人に出会えてよかったよ。この二人との出会いが無ければ俺はこの刀を手にすることはなかったかもしれないからね。
感動する一方で恐怖も感じる。この能力で神刀解放と神威解放まであるとか俺に制御できるのか不安になる。
「ボクの力を与える事が出来なかったところだけが心残りですね」
「あぁ…確かにないが十分すぎるぞ」
「そうですよ。というかこの刀、殺意強すぎませんか?」
「イオンの言う通りでこの場にいる全員に殺意をばら撒いているわよ」
まぁ、ドラゴンや魔神とかが仲間だからな。取り敢えず鞘に納めると気が付く。
「この鞘…」
「あ、近衛の鞘が無事でしたので、新しい刀用にデザインを変えました」
「そっか。ありがとうな」
「いえいえ」
これで俺の戦闘準備は完璧だ。この後、ヘーパイストスは草薙剣の強化に入るらしい。これは夕方までには間に合わせてくれると言ってくれた。とここでシルフィが転移でやって来た。
「今、凄く光ったんですけど、何事ですか!?」
「あ、俺の新しい刀が出来上がったんですよ」
「私の召喚獣がみんな物凄い警戒感を出したんですけど…」
「「「「わかる」」」」
「まぁ、タクトと一緒に居たら、こんなことは日常茶飯事よ」
それはないと思うが、これからはどんどん強い武器が出て来るだろうから余り否定しないことにした。それじゃあ、俺たちはトリプラースラ砦とトリプラースラの都市トリプラの攻略に挑むとしよう。




