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#1213 最強の魔狼

フリーティアに帰って来た俺たちはシルフィのスターペガサスと一緒に優牙の進化をする事にした。最初にシルフィが進化させる。


「ヒヒーン!」


「わぁ! やりました! スプリームペガサスです!」


シルフィが感極まって、スプリームペガサスに抱きついた。こういう反応を見るとシルフィが子供っぽく見えて微笑ましい。


さて、次は優牙の進化の番だ。進化先はもちろん一つのみ。


フェンリル


一応説明を見てみよう。


フェンリル…神々が最も恐れる最強の魔狼。その爪と牙は神を殺し、毛皮は神の武器であってもびくともしない強度を誇ると言われている。召喚師の間では最強の召喚獣の一角に数えられており、その力はドラゴンに引けを取らないことから絶大の信頼と人気を誇る。


さて、それじゃあ、進化させようと魔狼神王の宝珠を置くと優牙は魔狼神王の宝珠を咥えて、グレイの前に置くと後ろに下がって伏せをする。


グレイにフェンリルになって欲しいのかと一瞬思ったがグレイが魔狼神王の宝珠を咥えると優牙が前に置く。どうやら優牙はグレイに魔狼神王の宝珠を置いて欲しかったみたいだ。グレイがどれだけ優牙に慕われていたか分かった。これならたぶん優牙を進化させてもグレイと優牙の関係が変わることは多分無いだろう。


俺は安心して、優牙の進化を実行すると魔狼神王の宝珠から超膨大な魔素が吹き出し、優牙を包み込むと吹雪と魔素が吹き荒れて、地面が凍り付くと氷が地面から隆起し、優牙の叫び声で氷は砕け散ち、魔素と吹雪が吹き飛ぶと毛並みが青いフェンリルが姿を見せた。


『優牙がフェンリルに進化しました』

『万物破壊、他心通、堅城、威圧、空間転移、空間捕食、時空切断、瞬間再生、魔力回復、暴食、粒子分解、肉体活性、神魔毒、腐蝕、重力支配、魔素支配、死滅光線、冥ブレス、ゴッドブレス、冥ブレス、消滅弾、不死、転瞬、無我、星震、火山雷、常闇、呪滅殺、呪滅封陣、道連れ、魔素化、魔霧、日食、重力球、黒星、超覚醒、神殺しを取得しました』

『宇宙魔法【フェンリール】を取得しました』


名前 優牙 ハティLv35→フェンリルLv1


生命力 180→380

魔力  480→680

筋力  302→502

防御力 409→609

俊敏性 290→490

器用値 173→373


スキル


噛み砕くLv46 万物破壊Lv1 星間行動Lv6 天耳通Lv45 他心通Lv1 

第六感Lv45 氷河爪Lv41→金剛爪Lv41 天眼通Lv40 堅城Lv1 氷結の魔眼Lv25→恐怖の魔眼Lv25 

威圧Lv1 先制Lv29 空間支配Lv23→時空支配Lv23 空間歪曲Lv14 空間転移Lv1 

空間捕食Lv1 防御無効Lv43 耐性無効Lv44 時間遅延Lv22 時空切断Lv1 

瞬間再生Lv1 魔力回復Lv1 魔力喪失Lv27 暗黒魔法Lv20 氷魔法Lv43 

時空魔法Lv40 宇宙魔法Lv2 氷柱Lv34→毛針Lv34 餓狼Lv49 暴食Lv1 

魔力吸収Lv29 粒子分解Lv1 戦闘高揚Lv25 肉体活性Lv1 魔氷装甲Lv36→金剛装甲Lv36 

多重障壁Lv22 瘴気Lv25 神魔毒Lv1 腐蝕Lv1 引力操作Lv10→引力支配Lv10 

重力支配Lv1 魔素支配Lv1 天候支配Lv9→天変地異Lv9 全反射Lv28 乱反射Lv29 

冷凍光線Lv23 死滅光線Lv1 拡散光線Lv8 極寒ブレスLv43 ゴッドブレスLv1 

冥ブレスLv1 超冷凍弾Lv38 消滅弾Lv1 不死Lv1 猛吹雪Lv8 

雪潜伏Lv27→次元潜伏Lv27 雪分身Lv23→影分身Lv23 氷原操作Lv17 神速Lv32 超加速Lv8 

転瞬Lv1 神足通Lv31 騎乗Lv16 強激突Lv27 無我Lv1 

空振Lv25 星震Lv1 火山雷Lv1 黒雷Lv22 氷雷Lv5 

常闇Lv1 呪滅殺Lv1 呪滅封陣Lv1 道連れLv1 氷獄Lv12 

氷牢Lv14 氷爆Lv6 多連撃Lv30 多乱刃Lv31 氷雪刃Lv26→魔素刃Lv26 

氷旋風Lv15→暴旋風Lv15 雪崩Lv4 即死Lv38 魔素化Lv1 魔霧Lv1 

寒冷無効Lv26→環境無効Lv26 加護無効Lv22 魔狼の咆哮Lv22 月光Lv7 月食Lv10 

日食Lv1 幻月Lv7 重力球Lv1 黒星Lv1 狂戦士化Lv13 

逆鱗Lv8 超覚醒Lv1 神殺しLv1 巨人の加護Lv28 ロキの加護Lv31


これが俺のフェンリル!爆誕である!俺が感動していると優牙が伏せをしてくれる。それを見た俺は優牙の頭や頬を撫でる。


「おぉ~」


俺が感動しているとそれを見ていたリリーが笑う。


「あははは! タクトとシルフィ! 同じ顔している~!」


「お二人共、まだまだ子供ですね。可愛いです」


「俺たちを子供にしても自分が大人になるわけじゃないぞ。イオン」


イオンがむっとした顔を向けて来るが可愛いだけです。ここで俺はシルフィに質問する。


「俺のフェンリルとちょっと違いません?」


「進化先が違うからですよ。私のフェンリルはスコルから進化させて、攻撃特化なんです」


そう言えば進化先でステータスが変化するとか教えて貰ったな。ウルフはそれぞれタイプが明確に分かれているから進化先次第でステータスが変わるのは継承する時点で当然のことだ。その違いを見た目で分かるようにしているんだろう。これを聞いたブランが言う。


「そのフェンリルと私が戦ったわけですか…」


「よしよし。頑張った。頑張った」


ブランが不貞腐れそうな感じだったので頭を撫でて回復させる。ここでシルフィに野生のフェンリルについて聞く。


「野生のフェンリルも基本的に同じですよ。さっきのロキと言う神が出したフェンリルは神狼の進化先でした。私も最初に戦ったのがこのタイプのフェンリルでしたね。ただオリジナルのフェンリルについては全く分かりません」


きっと森の精霊界に登場するフェンリルが神狼タイプのフェンリルなんだろうな。そしてロキのフェンリルが野生のフェンリルと同じだとは思えない。まぁ、これについてはみんなと会議する時に話し合おう。


俺たちが話している間にフェンリルになった優牙はグレイの前でも伏せをしていたから関係はしっかりしているらしい。グレイのリーダーシップとグレイに忠義を示す優牙は素晴らしいね。


さて、残り時間を確認すると結構微妙。クエストをやる時間は無さそうだ。やるなら一勝負かレベル上げと言った所だが、俺は恋火と和狐を連れて、平安の都に転移する。取り敢えず伏見稲荷大社を見つけることにした。


「普通ならこっちだな」


富士山みたいな山があるからややこしいが取り敢えず平安の都を平安神宮(へいあんじんぐう)京都御所(きょうとごしょ)付近だと想定して、南に向かう。


「あちゃー…フィールドの外に出るな。モンスターとか無視して行っちゃうか」


「行っちゃいましょう!」


「少しは考えた方が大人っぽく見えるよ。恋火」


「そうなんですか!?」


確かに即断即決は子供っぽく感じるかも知れない。色々な事を考えてから答えを返すようになるからな。あれ?俺って結構おっさん化が進んでいるのかも知れない。


そんなわけで恋火たちは觔斗雲の術で俺はスサノオの加護で飛行して、向かう。途中には鬼や落ち武者ゾンビ、変な妖怪などが出て来たが完全に無視し飛行を続けていると山が見えて来た。


その山には紅の鳥居が道を作っていた。間違いない。ここが現実で言う所の稲荷山だろう。それを証明するように鬼火が飛んできた。俺たちは攻撃を躱して、敵を目視する。


銀狐(ぎんこ)Lv50

通常モンスター 討伐対象 アクティブ 


金狐(きんこ)Lv55

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


召喚獣には登場しない銀色と金色の毛の狐が空を飛んで襲い掛かって来た。確か二匹とも善狐に属していたと思う。流石にレベル差があって、可哀想だな。


「ちょっと待ってください。あたしたちは戦いに来たわけじゃありません!」


「空天狐様の試練を受けに来ただけなんどす!」


二人が説得するが聞く耳持たず、思いっきり炎ブレスで攻撃してくる。完全に自分たちの住処を荒らしにやって来た敵扱いだな。


「戦いたくないなら動きを封じるしかないよな? 和狐」


「は、はいな! 千本鳥居!」


「「コーン!?」」


二体は降り注ぐ鳥居に拘束されて、地面でバタバタしている。俺たちはそんな彼らを放置して、伏見稲荷大社の千本鳥居の入り口に立つと白髪の年老いた狐のセリアンビーストが姿を見せた。


白蔵主(はくぞうす)

? ? ?


この白蔵主は白蔵主稲荷(はくぞうすいなり)のことかそれとも白蔵主本人か悩ましい所だな。白蔵主は稲荷大明神を常に信仰していた僧侶の名前だ。伝説では白蔵主はある日、足を一本失った白狐と出会い、慈育したとされている。


その白狐が狩猟が好きな白蔵主の(おい)に殺生の罪を教えるために白蔵主に化けて、教えるのだが、化けているのがバレて狩られてしまうという話だ。その後、この白狐は白蔵主稲荷という名前で奉拝されることになる。


つまり現状では僧侶と白狐かわらからないのだ。装備は錫杖で僧侶要素は出しているが姿と伏見稲荷大社の近くであることを考えると白蔵主稲荷のほうが可能性的が高いかな?


「殺生をしないのは感心だが、ここに何用で来た? 若いの」


「ここには空天狐様の試練を受けて来ました!」


「通してくれまへんか?」


「ほぉっほぉ。空天狐様の試練を受けに来たというなら通すわけにはいかんのぅ」


そういうと年老いた白蔵主は錫杖を構えた。


「えーっと…」


「どないしたら…」


「これは二人の試練だから俺は戦闘に参加しない。だけど一つ忠告していくと白蔵主を甘く見ていたら、負けるぞ」


「ほぉっほぉ。なぜそう思うか聞いても良いかの?」


質問されたので、答えよう。


「さっきまでよぼよぼな感じだったのに錫杖を構えた瞬間に折れていた腰が伸びて、足が自然な流れで動いていた。よぼよぼではまずそんな動きにはなりはしない」


「うむ…人間というのは相も変わらず目ざといのぅ…まぁ、烏丸天狗に勝ったお主を騙せるとは儂も思っておらんかったがな」


ここで爺さんの名前が出るか…俺が想像したよりも強そうだな。


「えーっと…とにかく手加減しないほうがいいんですね!」


「そういうことなら本気で行かせて貰います!」


「ほぉっほぉ。来なさい」


「閃影!」


最初に恋火が恋白で白蔵主に斬りかかるが恋白が白蔵主に届いていない。


「え?」


「まだまだじゃな。出直して来い」


「きゃあああああ!?」


恋火が念動力で動きを止められて、吹っ飛ばされる。


「恋火!? はぁあああああ!」


和狐が大天狗の錫杖で打ち合いになると普通に攻撃が次々入る。


「錫杖の扱いが甘すぎじゃよ。お主も出直してこい」


「かは!?」


白蔵主の錫杖の薙ぎの一撃が和狐の横腹に命中し、吹っ飛ばされる。どうしてこのゲームの老人キャラはこんなにも強いのかな?ただこれで諦める恋火や和狐じゃない。


「まだ終わってませんよ!」


「そうどす! 恋火!」


二人が飛び出すと白蔵主は錫杖で地面を叩く。


「樹海操作」


地面から生えた木の根が二人の足を縛るとそのまま動いて、地面に叩きつける。すると追撃はなく、樹海操作は解除される。


「どうじゃ? まだやるかの?」


「と、当然です!」


「うちらは強くならないといけないんどす!」


うーん。二人は相当焦っているな。二人がまた戦いを挑む。


「大地支配。ほれ」


また白蔵主が地面を錫杖で叩くと岩が隆起、念動力で岩が浮くと恋火と和狐に襲い掛かる。二人は岩を破壊して間合いを詰める。恋火の斬撃は錫杖で弾かれ、その瞬間に白蔵主の掌底が恋火の腹に決まり、吹っ飛ぶ。


ここで和狐が大天狗の錫杖を振り下ろすと躱され、空振りに終わる。和狐は自身も回転して次の攻撃に繋げようとするが尻尾を掴まれて、投げ飛ばされてしまった。


「強い…けほ!?」


「儂が強いのはない。お主たちが弱いんじゃよ」


この容赦がない指摘に二人は本気になる。


「「血醒!」」


二人の本気の姿を見た白蔵主だが、全然余裕そうだ。


「「はぁああああ!」」


「お座りせい」


襲い掛かろうとした二人は白蔵主の前でお座りをしてしまう。空天狐様が使っていた言霊か。


「二人して修行をし直して来るがよいぞ」


二人がデコピンされると召喚石に戻ってしまった。これはもうスキルのレベル差があり過ぎたな。修行をし直して来いというのはもっとスキルのレベルを上げてから来るようにという意味だろう。


「二人が倒されたなら俺はこれで失礼しますね」


「うむ。何時でも来るがよいぞ。さっきの二人にもそう伝えて貰ってよいかの?」


「もちろん。それでは失礼します」


俺は帰って、二人を再召喚すると二人は滅茶苦茶凹む。そして俺は白蔵主の言葉を伝えた上で問題点であるスキルのレベル上げを提案した。


「結構上げて来たつもりなんですけど…まだまだ足りなかったってことですか…」


「最低でも言霊だけでもなんとかせやなあの白蔵主には勝てまへんね…」


「そういう事だな。改めてスキルのレベル上げがどれだけ重要か教えて貰った気がするよ」


恐らく普通の強さなら恋火と和狐が勝っていた。武器の技量とスキルのレベル差はステータスや進化の強さを超える事もあると今回の戦いで証明された。それならこちらもすることが決まって来る。


「ちょっと本腰を入れて、全員のスキル上げをする時期が来たのかもしれない。俺の方で色々考えてみるよ」


余った時間で伏見稲荷大社に行ければいいな程度に思っていたが予想外の収穫を得る結果になった。これはこれで良かったと俺は思う。恋火と和狐のフォローは大変だけどね。そこは俺の役目だ。頑張るとしよう。


ここでログアウトのためにリビナを呼ぶ。


「タクトの部屋にいるよ」


また忍び込んだのか…俺が自室に入るとネグリジェ姿のリビナがベッドで寝転がっていた。


「いらっしゃい。タクト、さぁ、魅惑の時間を楽しみましょう」


リビナがいつもと違う言葉遣いをしている時は夢魔のスイッチが入っている時です。


「はいよ」


「もう! タクト! 折角ボクが頑張ってネグリジェ姿になっているんだからもっと雰囲気を出してよ!」


「しょうがないな」


俺はリビナの隣に寝転がるとリビナの耳元で囁く。


「その服、可愛いな」


ちょっとイケボを意識して言ってみた。


「ふぇ!? あ!? きゃ!?」


リビナがベッドから落ちると顔を真っ赤にして俺を睨んで来た。


「今のは反則! というかボクが求めていた雰囲気と違うし、いつもと声音(こわね)も違ったよ!」


「だろうな」


これでスルーされていたら、ダメージを受けていたのは俺のほうだった。効果があって良かった。


「く~! いいもん! シルフィ姫を誑かしてすんごい事をしちゃうからね!」


果たしてリビナにシルフィを誑かせることが出来るのかちょっと疑問だ。リビナの悪ふざけには乗りそうな気がするけどな。事前に告知されたからある程度の覚悟は出来るから簡単には照れたりして挙げないとしよう。そう心に決めて、リビナと寝て、ログアウトした。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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