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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
シルフィ姫様との結婚とテューポーン討伐戦
1244/1718

#1170 ブランVSシルフィ姫様のフェンリル

鞍馬神威の刻印で書かれていた格納は千影が覚えているので、奇跡の間違いです。修正はしたはずなんですが更新してなかったみたいです。すみませんでした。修正はしておきました。

ブランを見たシルフィ姫様が言う。


「イクスさん、セフォネさん、ファリーダさんを使わないとは…それにあの厄介な鎧とは違う鎧ですね。舐めてますか?」


「そう思っているなら負けますよ? うちのブランは強いですから」


「自身満々と言う事ですか…フェンリル、本気で倒しちゃってください」


「ワオーン!」


俺はフィールドを選択する。俺が選んだのは何もない昼間の荒野。遮蔽物があるほうが有利な気もしたが恐らくフェンリルくらいのレベルになると建物に隠れても、攻撃や防御に使ってもびくともしないと思う。


そうなると逆にダメージを喰らい、フェンリルを見失うリスクがあるからブランが不利になると考えて、それなら何もない荒野が一番有利だと考えた。


ブランが腰にあるウリエルの聖双剣をフェンリルに構える。


「主とみんなから託されたこのウリエル様の聖双剣を恐れぬならばかかって来るがいい」


「グルル…」


フェンリルが姿勢を低くして戦闘態勢になる。そして勝負が始まる。


「はぁ!」


「がぁ!」


「く!? 白熱刃! 溶断! 硬い…きゃ!?」


最初に飛び出したブランだったが攻撃するよりも先にフェンリルが噛み付こうと来るがこれは躱して、ウリエルの聖双剣で斬りかかるが毛皮が剣山のように固く、刃が通らなかった。その硬さにしかめた顔をしていたブランにフェンリルの尻尾が襲い掛かり、ぶっ飛ばされる。


しかし攻撃は当たり判定なので紅炎が発動するが謎の加護で弾かれる。


「尻尾でこの威力ですか…っ!?」


「ガァ!」


空間転移で空から現れたフェンリルが噛み付きに来る。するとブランは光化で躱してフェンリルの上を取る。


「エンジェルダイブ! はぁああ!」


フェンリルが地面を食し、顔を上げたタイミングでヴィーザルサンダルの一撃を狙う。これがどこまで決まるかがフェンリル攻略には重要な事になる。


「グゥウウ…ガァ!」


「く! きゃ!?」


確かに一瞬怯んだように見えた。流石はフェンリル退治に活躍した武器だ。しかし上に上げられたブランはまた尻尾でぶっ飛ばされる。


「ワオーン!」


フェンリルは毛針を飛ばしてきた。


「く! 大地支配!」


ブランがぶっ飛ばされながら体勢を整えるとヴィーザルサンダルで地面を踏みつけて地面が次々隆起し、ブランの壁になる。だが、巨大な岩を次々フェンリルの毛が突き刺さる。しかも隆起した岩がフェンリルの腹の下に命中するが岩が逆に砕けてしまった。しかも岩に毒が付いており、岩を融かしている。


グレイの毛も固くすることは出来るがあのレベルには至っていない。そこに最低でも神魔毒と腐蝕がある能力とかえげつない。これが狼の頂点に君臨する主神オーディンを殺した魔狼の実力か。


ブランはたまらずその場から放れるとブランがいたところに毛針が襲い掛かる。


「上です! フェンリル!」


「ガウ!」


フェンリルが尻尾を振ると毛針がブランに向かっていく。それをブランは動きながら回避しながら反撃に出る。


「拡散光線!」


『『『ディメンションボム』』』


『『『ファイヤーストーム』』』


拡散光線は弾かれ、魔法は強制解除されるとフェンリルの体に魔力が吸収される。更にフェンリルが叫ぶとブランの魔力が失われてしまった。そりゃあ、優牙が使える魔力喪失ぐらい覚えているよな。しかもその魔力をフェンリルが吸い取ってしまう。


ここでブランは魔力の回復を余儀なくなされて、空を飛び回るとフェンリルは餓狼でブランを吸い寄せて来た。ブランは必死に耐えて、魔力を回復させる。


「放射熱線!」


「ガァ!」


ウリエルの聖双剣から放たれた放射熱線はフェンリルが発生させた濃密な魔霧に防がれる。


「なら! 溶波動! 天波動!」


ウリエルの聖双剣両方からそれぞれ異なる波動が襲い掛かるが魔霧はびくともしなかった。そしてフェンリルが突っ込んで来る。ここで初めて爪を使って来る。ブランはウリエルの聖双剣をバツの字にして受け止めようとするがぶっ飛ばされて、墜落する。


「ガァアアア!」


「エンジェルガード! きゃあああ!?」


フェンリルの強烈な冥ブレスがブランに襲い掛かり、ブランはエンジェルガードで止めようとしたが破壊され、冥ブレスを受ける。そして倒れているブランの上からフェンリルが来る。


「絶対防御だ! ブラン!」


「使わせません! フェンリル! 恐怖の魔眼!」


「あ…」


フェンリルの目を見たブランが恐怖の状態異常になり、身体が動かなくなる。そしてブランにフェンリルののしかかりが決まってしまう。そして足をどかしたフェンリルの口が開く。フェンリルに噛まれたら、一度の攻撃しか防げない絶対防御では守れない。


「ブラン! お前がそんな状態になっても離さなかった剣の力はこんなものじゃないはずだ!」


「主…神威…解放!」


ウリエルの聖双剣が輝きを放ちながら、ブランはフェンリルに噛まれてしまう。するとフェンリルの口の中が炎に包まれる。


「ガァ!?」


流石のフェンリルも口の中は弱いのは熱くて口を開けると炎が空に挙がり、ブランの姿になる。


ウリエルの聖双剣(神威解放):レア度10 専用装備 品質S+

重さ:200 耐久値:3000 攻撃力:2000

効果:天使技【ウリエル・フランマ】、天使装備時全ステータス+50、魔神殺し、紅炎、破魔、魔力超回復、再生の炎、白熱刃、溶断、時空切断、魔力切断、放射熱線、日光、光速激突、多乱刃、烈日、溶波動、神波動、炎熱支配、光吸収、耐性無効、炎化、煉獄、日輪、ウリエルの加護、神の加護

四大天使ウリエルが持つ炎と光の剣。ウリエルがセラフィムになった際にエデンの神より授かった双剣で大魔神サタンと戦う為に作られたとされている。


炎化で上手く逃げたようだ。ウリエルに感謝しないとな。ブランが双剣で円を描く。


「日輪!」


「フェンリル! 常闇です!」


「ガァアア!」


昼間の荒野が闇に包まれる。その結果、日輪の光も消滅し、俺からブランの姿も見えなくなった。


『ブラン、どんな状況だ?』


『フェンリルの口に吸い込まれています!』


『ということは場所は分かるんだな?』


『は、はい。吸い込まれているので、大体の位置は分かります』


『ならここで勝負を仕掛けよう』


吸い込まれているブランが剣を構えて、フェンリルの口に飛び込む。


「天使技! ウリエル・フランマ!」


「ガァ!? グゥウウ!」


フェンリルの口に回転する炎の巨剣が突き刺さるとフェンリルはそれを噛み砕こうとしてくる。するとフェンリルの牙が回転する剣に突き刺さり、回転を止めるとウリエル・フランマをかみ砕く。その瞬間をブランは狙う。


「神威解放! 神技! アースヘリヤ!」


「フェンリル! 魔素化です!」


躱された!?やばい!


「く…!? きゃあああ!? あぅ…かは!?」


フェンリルの爪にぶっ飛ばされたブランは地面に倒れ込み、血を吐く。


『あ…主』


フェンリルがブランを踏みつけると口でブランを噛み砕くとブランは光になり、奇跡の効果で蘇生する。


『ここからが勝負だ。ブランに託した力、存分に暴れてこい!』


『はい!』


「神威解放!」


噛み付かれそうになったブランの姿が消えると神威解放したブランは暗闇の天から現れる。


名前 ブラン セラフィム(神威解放)Lv25


生命力 281→361

魔力  544→624

筋力  372→452

防御力 406→486

俊敏性 354→434

器用値 301→382


スキル


飛翔Lv47→高飛翔Lv47 天盾Lv50 槍Lv46 二刀流Lv5 強行Lv38 

神瞳Lv32 慧眼Lv26→心眼Lv26 指揮Lv12→軍略Lv12 空間跳躍Lv19 時間遅延Lv28 

光速激突Lv33 空振Lv22 第六感Lv32 神感覚Lv32 天言Lv31 

他心通Lv31 神速Lv29 格納Lv1 帰還Lv1 疾魔法Lv14 

炎魔法Lv17 神聖魔法Lv16 爆魔法Lv39 時空魔法Lv42 融合魔法Lv6 

浄炎Lv27 聖櫃Lv11→神櫃Lv11 天鎧Lv27→神鎧Lv27 神障壁Lv28 魔法無効Lv26 

暴風壁Lv24 羽投擲Lv27 神気Lv37 封印魔術Lv16 神波動Lv32 

後光Lv20 超集束Lv16 天雨Lv29→神雨Lv29 光輪Lv43 神雷Lv25 

雷霆Lv21 雷轟Lv15 瞬間再生Lv25 天鎖Lv19→神鎖Lv19 星芒Lv20 

大気震Lv1 星震Lv18 流星群Lv1 神弾Lv36 魔力回復Lv21→魔力超回復Lv21 

聖療Lv18→神療Lv18 神域Lv12 多重結界Lv28 遮断結界Lv6 神岩結界Lv1 

神撃Lv27 天候操作Lv8→天候支配Lv8 魔力支配Lv28 同時詠唱Lv30 連続詠唱Lv30 

残像Lv25 絶対防御Lv5 光閃Lv39 拡散光線Lv8 日光Lv7 

日輪Lv1 変光Lv5 光化Lv13 天使技Lv21 天使魔法Lv21 

神域Lv1 惑星魔法Lv6 多連撃Lv38 物理無効Lv1 大天使の加護Lv40 

神の加護Lv24


その両手には盾と槍が装備されていた。


「ガァアア!」


恐れずフェンリルは飛び込むと巨大な大気の壁が襲われる。それでも怯まずブランに飛び込むフェンリルだが、ブランに貼られた多重障壁に爪で襲い掛かるが多重障壁の壁を一枚破壊するだけに留まる。


それを可能にしたのが神盾アイギスが持つ貫通無効だ。数多くある神話の中でも最強と呼び声高い盾は伊達ではない。


それを見たフェンリルは連続で攻撃するが巨大な大気壁でぶっ飛ばされるとすぐさま爪でこれを破壊すると次々大気壁が飛んで来る。それをフェンリルは爪と牙で向かい打つ。全て破壊するフェンリルは大概だな。


「神鎖!」


「ガァ!」


空間から現れる神鎖をフェンリルは避けると次々大気壁が襲い掛かり、地面に押し付けると遂に神鎖が決まる。


「そんなことは無意味です! 全部噛み砕いちゃってください!」


「無意味じゃありませんよ。これで時間が稼げた」


「神盾アイギス! 伝説解放!」


神盾アイギス(伝説解放):レア度10 盾 品質S+

重さ:10 耐久値:なし 防御力:12000

効果:伝説技【アルゴル・ノヴァ】、堅城、破魔、神気、星気、星間行動、全滑走、全属性耐性、神障壁、帰還、多重障壁、大気壁、暴風壁、魔力超回復、慈雨、石化光線、石化の魔眼、拡散光線、後光、全反射、乱反射、絶対防御、超集束、超充電、天候支配、電磁支配、時空支配、回帰、自動防御、星震、大雷霆、神波動、英雄波動、物理無効、貫通無効、加護無効、神威解放、巨人の加護、ゼウスの加護

ゼウスがアテナの為にアマルテイアの革から作った盾。その後、アテナがメデューサの首を取り付けることでメデューサの能力まで得たことで最強クラスの盾となった。その輝きは邪悪を滅ぼし、あらゆる災厄を払うと言われている。


「フェンリル!」


フェンリルは全ての鎖を噛み砕いて、ブランに襲い掛かるがもうブランは技の体制になっている。


「世界よ! 石化せよ! 伝説技! アルゴル・ノヴァ!」


「ガァアアア! ア…アアア…」


神盾アイギスから放たれる光に飛び込んだフェンリルはブランに噛み付こうとしたがその直前で石化した。


「え!? 何が起きたんですか!? フェンリル!?」


石化したら、シンクロビジョンでも何が起きたのか判断出来ない。何せ完全に石化したら、目の前が真っ暗になって、金縛りのように動けなくなるからな。


「神域!」


ブランが自分の領域を展開したことで常闇の効果が切れて、ブランの姿を初めてシルフィ姫様は確認した。


「あれは…アテナ様の槍に盾!?」


俺からブランにパラス・アテナの槍を託させて貰った。ブリューナクは光の神ルーの武器だ。フェンリルと光の神とでは相性が悪く感じたので、装備させた。


「エンジェリックレイン! エンジェリックシンフォニー! 行きます! 神威解放!」


しっかり回復と強化をするところが堅実なブランらしい。パラス・アテナの槍と神盾アイギスの二つの神威解放が発動する。


神盾アイギス(伝説解放、神威解放):レア度10 盾 品質S+

重さ:10 耐久値:なし 防御力:15000

効果:神盾技【ゴルゴネイオン】、伝説技【アルゴル・ノヴァ】、堅城、破魔、神気、星気、星間行動、全滑走、全属性耐性、神障壁、帰還、魔力放射、多重障壁、遮断障壁、大気壁、暴風壁、魔力超回復、慈雨、石化光線、石化の魔眼、拡散光線、荷電光線、後光、全反射、乱反射、絶対防御、超集束、超充電、天候支配、電磁支配、時空支配、回帰、自動防御、星震、大雷霆、雷轟、神波動、英雄波動、彗星、星核、物理無効、貫通無効、加護無効、巨人の加護、ゼウスの加護

ゼウスがアテナの為にアマルテイアの革から作った盾。その後、アテナがメデューサの首を取り付けることでメデューサの能力まで得たことで最強クラスの盾となった。その輝きは邪悪を滅ぼし、あらゆる災厄を払うと言われている。


ブランは空を飛び回って、超加速で思いっきり加速してフェンリル目掛けて高速垂直落下する。


「さっきのお返しです! 神技! アースヘリヤ!」


石化したフェンリルにブランの蹴りが直撃し、粉々になる。石化したら、身体を固くするためのスキルも使用できない。ただ体が石になっているから防御力は上がっている。しかし石なら今のブランなら問題なく破壊出来る。


「まだ終わっていませんよ! フェンリル!」


「ワオーン! ガァ!」


蘇生し、呪滅殺と呪滅封陣、道連れなどのスキルがブランに発動するが神盾アイギスが輝き、全ての効果を打ち消す。


「もう! こんなのばっかりです! フェンリル! 魔素解放と逆鱗、超覚醒、狂戦士化です!」


「ワオーン!」


フェンリルが逆鱗と狂戦士化を発動させると超巨大な狼になる。これがフェンリルの本当の姿か。グレイの大口真神の二倍ぐらいの大きさはありそうだ。


「これで終わりです! フェンリル! 餓狼と暴食です!」


「ガァアア!」


本気となったフェンリルの暴食は本物のブラックホールのような吸い込まれれば抜け出す事が出来なくなるほどのとんでもない吸引力を発揮した。しかもちゃんとこの状態でもシルフィ姫様のいう事を聞いている。暴れん坊のイメージがあるが案外忠犬なのかもしれないな。


「ブラン!」


「神盾技! ゴルゴネイオン!」


アイギスから放たれた光の蛇にフェンリルが縛られるとフェンリルは強制的に元の姿に戻る。


「へ?」


まぁ、何が起きたのか分からないよな。俺の時もそうだった。


「決めろ! ブラン!」


「石化の魔眼!」


「ガ!? グゥウウ…ワオーン!」


足から石化していくフェンリルは超巨大な魔狼の咆哮を使って来る。これを防げるかどうかで勝負が決まる。


「ガーティアンエンジェル! 絶対防御!」


ガーティアンエンジェルはぶっ壊されるが絶対防御を使い、ブランは無傷で乗り越えた。


「グゥウウ! ガァアア!」


完全に石化する前にフェンリルは幻狼、群狼を作り出す。石化しても意識はあるから彼らへの指示出しは出来る。石化の際の対処法を咄嗟に動けるフェンリルはシルフィ姫様との冒険でそういうことを学んできたんだろう。


「決めろ! ブラン!」


「はい! 神槍技! クイーントリートーニス!」


「「「「ガァアアアア!」」」」


殺到する狼たちをぶつ抜いて、最後に石化したフェンリルも貫通すると石化したフェンリルは召喚石に戻る。


「やった…」


そう言うとブランは神威解放が解除されて、倒れ込むとインフォが来る。


『ブランのレベルが30に到達しました。成長が可能です』


完全に満身創痍だが倒れ込んだブランは拳を握ると天に突き上げた。ブランがこんなことをすることなんて俺の記憶にはない。それほどの強敵に勝てたことが嬉しいんだろう。この勝負を残念ながら観客のみんなはほとんど見えないが感想を言う。


「いやー、正直天使がフェンリルに勝つとは思って無かった」


「通常の天使ではまず無理でしたね。それに神の武器でも選択を誤っていたら、勝てなかった勝負でしょう」


「あぁ…ブリューナクならまず間違いなく負けていた。それを読んだ上に最適の武器を選んだタクトの慧眼には恐れ入るな」


「狼系の召喚獣に土属性はいないものね。それを理解した上でタクト君はフェンリル相手に石化で攻める選択をした。まぁ、偶然強い武器がそれだったのかも知れないけどね」


そんなことはありませんよ?ちゃんと考えましたとも。まぁ、俺たちが持っている盾で一番勝機があったのはアイギスであることは事実だけどね。アテナとの勝負の時に石化能力とゴルゴネイオンを知った瞬間、これを使えばフェンリルに勝てるかも知れないとは考えていた。


シルフィ姫様がフェンリルを労い俺たちを見て来る。


「完敗ですね…神の装備は揃えて来ると思っていましたがフェンリルの強さを過信していたのがダメでした」


「信じて上げることも必要な事だと思いますよ? 正直強い装備を与える事がいい事なのか最近ちょっとした悩みになっていますから」


「えぇ!? そうなんですか!? 主!?」


一番驚いたのがブランなのがちょっと笑えるな。


「みんなが喜んでくれているからそこまでの悩みにはなっていないけど、強い武器を与えるということはみんなの力を信じていない裏返しになるんじゃないかと思う時があるんだ」


武器というものの起源がそこにある。人間はマンモスとかには素手では勝てないから槍などの武器を作り出した。もし人間が最初から素手で全生物の頂点に君臨していたら、武器という概念は生まれなかったかも知れないとニュースで紛争などを見ると考える時がある。最も人間同士で争い始めるだろうから武器はどうあがいても誕生していたのかも知れないけどね。


「それは…あう」


「言っておくと武器は使い手次第で強くも弱くもなる。ブランはしっかり武器を使いこなしてフェンリルに勝った。それは間違いなくブランの実力だから誇ってくれ。ただ武器がなかったら、勝てなかったことも事実だ。武器に頼るばかりじゃなく、いつか実力で勝てるように成長してくれ」


「は、はい!」


ブランはいい笑顔で答えてくれた。これを聞いていたシルフィ姫様が言う。


「ふふ。タクト様の召喚獣が何故ここまで強いのかよくわかった気がします。では、最後の戦いと行きましょうか」


「はい」


「あの…見学してもいいですか?」


ブランの提案に俺はシルフィ姫様を見る。


「もちろんいいですよ。流石にグレイさんたちは無理ですがセチアさんたちならそこに入り切るでしょう。ただし応援ならいいですが助言をしたら、反則負けにさせて貰います」


「わかりました! ありがとうございます!」


セチアたちを召喚して事情を説明するとブランがみんなから撫でられる。そしてシルフィ姫様のところにもティターニアと夜叉が戦いを見守る。俺とシルフィ姫様が何もないフィールドで相対する。いよいよフリーティア最強の竜使いとフリーティア最強のドラゴニュート使いの激闘が始まる。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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