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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
シルフィ姫様との結婚とテューポーン討伐戦
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#1169 ルーナVSシルフィ姫様のティターニア

俺が選んだのは森のフィールド。ティターニア二人が戦うには相応しいフィールドだろう。ただ木が邪魔でこのシステムでは指示出しがしにくい。シンクロビジョンを使いながらの指示出しとなる。


そして二人がそれぞれ武器を構えて、魔導書を展開する。シルフィ姫様のティターニアの魔導書はフリーティアの国旗が描かれている魔導書だった。あれがどんな魔導書かがポイントだな。


いよいよ二人の戦いが始まる。最初に仕掛けたのはルーナだ。


「やぁあああ!」


「そこ!」


「あ!?」


ルーナの振りかぶった攻撃をピンポイントでエクスカリバーの柄を突くとルーナはバランスを崩し、エクスカリバーが。武器のどちらも勝利の加護がある場合、効果は打ち消される。ルーナの場合は神鎧バシリッサアルマトシアに原初の加護があるので、完全に弾かれるのを免れたがバランスを崩したルーナは距離を取る。


「神波動!」


「星波動!」


二つの武器の波動がぶつかり合い、ルーナは押されて、負ける。


「強い…でも私も負けませんよ!」


ぶっ飛ばされたルーナは木を利用して魔導書から放たれる魔法を躱しながらシルフィ姫様のティターニアを探すが見つからない。


ルーナも撃ち返しているが魔導書が水鏡でルーナの魔法を弾いて来た。どうやら水と光の魔導書みたいだな。


やはりシルフィ姫様のティターニアの方がレベルもスキルレベルもルーナを上回っているみたいだ。使う魔法の種類ではっきりとわかる。こうなるとルーナに焦りが生まれる。


「私も!」


『待て。ルーナ。このまま攻撃を躱しながら鱗粉をばら撒いたほうがいい。先に魔力が尽きるのは向こうだからな』


『なるほど! わかりました! パパ!』


ルーナが逃げ回っている時に俺は最初の攻防を思い出していた。シルフィ姫様のティターニアが使った技は剣道で言う所の片手突きと呼ばれる技だった。ただ剣道の片手突きとは型が微妙に違っているように見えた。


『ルーナ、接近戦は訓練通りに攻めて見てくれ』


『え? でも、さっきは止められましたけど』


『分かっている。だからそれを前提にして攻めるんだ。ルーナにはもう一本剣があるんだからな』


『わかりました。やってみます!』


鱗粉を森中にばら撒くルーナに対して、シルフィ姫様のティターニアはダウンバーストで鱗粉を飛ばしてきた。まぁ、順当な作戦だ。現時点でルーナはシルフィ姫様のティターニアの居場所がわかっていない。しかし精霊眼は魔力を目視する。即ち魔法を発動している魔導書の場所は分かっている。


『ルーナ! 魔導書を狙え!』


『はい!』


「やぁあああ!」


ルーナが森の上空にある魔導書を斬り裂こうとすると森の中からまた突きでルーナのエクスカリバーが弾かれた。


「く!」


「ふふ。やらせませんよ。これはシルフィから頂いた大切なものですからね」


「や!」


「ふ…はぁあああ!」


シルフィ姫様のティターニアはエリュシオンカリバーを弾くとルーナに高速の連続突きで突きさすと魔導書から展開された魔方陣がルーナを周囲に描かれる。


『『『『『ニュークリアエクスプロージョン』』』』』


「神バリア! きゃあああああ!?」


周辺に発生した核爆発を喰らったルーナは爆風に晒される。上手いな。本来なら神鎧バシリッサアルマトシアの効果で魔法でダメージを与えることは出来ない。しかしシルフィ姫様のティターニアはルーナをターゲットにせず、魔法の結果発生した爆風でダメージを狙って来た。衝撃無効もあるからそこまでのダメージは受けていないが魔法無効にはこういう攻略法もあるんだな。


俺が感心しているとシルフィ姫様のティターニアの容赦がない攻撃が来る。


「神剣解放! 神技! イングナ・フレイ!」


イングナ・フレイはフレイの古い呼び名とされている。この斬撃に包まれたルーナは森に落下する。


「いたた…あれ? でもあまり痛くない? さっきの攻撃のダメージが…へ? きゃあああああ!? いた!? いた!? 身体の自由が!?」


攻撃を受けたルーナは謎の黄金の光に包まれており、あちこちの木や地面に頭や背をぶつけられる。さっきの必殺技はダメージは無かったようだが、恐らく攻撃を受けた者を操る効果がある攻撃だったんだろう。


「うわー…王女がこんな剣を持っているとか普通に引くわ」


「口に出さないでください! せめて心の中で留める所ですよ! それに仕方ないじゃないですか! こんな剣だったなんて知りませんでしたし、フェンリルとティターニアを進化させる過程で偶然気に入られちゃったんですから!」


フレイは妖精の国アルフヘイムを贈られており、妖精の支配者に位置している。ロキとは結構不仲だ。ティターニアは支配者として、フェンリルは恐らく警戒したんだろうな。こうして考えるとシルフィ姫様とフレイに意外と接点があったことが分かる。


俺はこの間にルーナにシルフィ姫様のティターニアが抱えている不安要素を伝えた。そしてボコボコにされたルーナはシルフィ姫様のティターニアに向かっていく。


「終わりです」


ルーナがフレイの勝利の剣に向かっていき、串刺しにされそうになる。シルフィ姫様のティターニアの優しいイメージが木端微塵に砕けた。滅茶苦茶ショックだ。


「終わらせません! 閃光! エクスカリバー! エリュシオンカリバー!」


「く!? きゃ!? かは!? 何…?」


エリュシオンカリバーから閃光が弾けて、視界を奪われたシルフィ姫様のティターニアに弾かれたエクスカリバーが飛来し、フレイの勝利の剣を弾いた。更にルーナは操られながらもエリュシオンカリバーを複製し、攻撃の機会を狙う為に森の中に隠しており、それがティターニアに突き刺さったのだ。


神鎧バシリッサアルマトシアの防御スキルを使ったことで攻撃を受けながらも冷静に木の裏に隠していた所は上手だった。


そして操られたルーナはそのままシルフィ姫様のティターニアに体当たりをすることになった。ここで千載一遇のチャンスがルーナに来る。フレイの剣に攻撃を当てたからか。それともティターニアにダメージが発生したせいか分からないがルーナに纏っていた黄金の光が消えていた。


『ルーナ! 自由に動けるぞ!』


「っ! 星震!」


「自然…な!? きゃあああああ!?」


「光化! やられたお返しです! 星震!」


至近距離からルーナの拳から放たれた星震がシルフィ姫様のティターニアに決まる。ティターニアは武器以外に近接戦闘用の技を持っていない。一応波動技を至近距離で放つことは出来るが波動技には貯めがいる。


このため、シルフィ姫様もシルフィ姫様のティターニアも完全な不意打ちとなった。そして二回目の星震で墜落されたルーナは更に追撃で二刀流状態で構えて振り下ろす。


「やぁあああ!」


「く!」


それをシルフィ姫様のティターニアは受け止める。そしてルーナはごり押しせずにすぐに放たれて、二刀流で攻め立てる。


「はぁあああ!」


「く!? やぁ!」


必死にルーナの攻撃をガードしていたティターニアがガードしきれずに斬られたことでティターニアも反撃を試みる。しかしその上段からの攻撃をルーナは片手で止めた。


「な…」


「そんな腰に力が入っていない剣はあたしには通用しません! パパに鍛えられていますからね!」


「く…!?」


「剣はこう使うんですよ! スヴェールトアルフ!」


シルフィ姫様のティターニアが抱えている不安要素は他ならないフレイの勝利の剣にあった。恐らくシルフィ姫様のティターニアが普段使っている剣はフェンシングなどで見る細剣なんだと思う。突き攻撃の際に構えが違って見えたのはこのためだ。普段から染みついた型というのは中々取れるものじゃないからね。


シルフィ姫様のティターニアは下段から放たれたスヴェールトアルフの直撃を喰らって、木を次々貫通し、最後は木に叩きつけられる。


「かは!? …やはり見抜かれていましたか。しかしわたくしもシルフィの召喚獣として簡単に負けるわけにはいきません! 全回復!」


シルフィ姫様の魔導書が光るとティターニアの生命力が全回復した。チートだ!こんなことをされたら、こっちも手加減する余裕はない。


「神波動!」


ルーナがいたところに神波動が放たれるがそこにはルーナの姿が無かった。


「いない!?」


『空です! ティターニア!』


「しまった!」


「エリュシオンカリバー、宝玉解放!」


星核の精霊剣エリュシオンカリバー(宝玉解放):レア度10 片手剣 品質S+

重さ:10 耐久値:5000 攻撃力:7500

効果:精霊剣【ゾディアック・エリュシオン】、星気、複製、武装射出、光速激突、魔力超回復、精霊障壁、絶対防御、時空切断、透過、帰還、星雨、星震、星波動、星虹、星光刃、流星群、彗星、陽光、閃光、拡散光線、星光、ガンマ線、超集束、全反射、乱反射、幸運支配、奇跡、光化、回復無効、大精霊召喚、原初の加護、星霊の加護

星の大精霊エリュシオンの力が宿っている星剣。攻守、補助全てにおいて最高レベルを誇るバランスが非常に取れている剣で魔法と星の大精霊エリュシオンを召喚することが出来る。


エリュシオンカリバーから宝石の力が解放され、エリュシオンカリバーが真の力を解放する。空から十三本の巨大なエリュシオンカリバーが現れる。


「「うそ…」」


「精霊剣! ゾディアック・エリュシオン!」


ルーナがエリュシオンカリバーを地上に向けると十三本の巨大なエリュシオンカリバーが星の光を放って、流星のように落下する。


「に、逃げて下さい! ティターニア!」


ティターニアは逃げ出すが落下した十三本の巨大なエリュシオンカリバーはまるで巨大隕石が落下したかのような大爆発と衝撃波で森のフィールドを更地にした。


「なんですか…これ…」


「まだ…まだ…はぁああああ!」


ボロボロになったシルフィ姫様のティターニアはフレイの勝利の剣を持ち、空にいるルーナに向かう。全回復したことで耐えきれたみたいだな。逆に言うとそれだけの破壊力をこの技は持っていると言える。


「流石ですね。ならあたしも容赦はしません! 精霊魔法! スターアーチ!」


星の帯がシルフィ姫様のティターニアに襲い掛かり、落下する。


「くぅうう!」


『『『『『スーパーボルト』』』』』


『『『『『ウルトラバイオレットレイ』』』』』


スーパーボルドは雷魔法で単体対象の魔法だ。雷魔法の中では一発のダメージが一番高い魔法らしい。現実でも存在しており、通常の雷の千倍強いと言われている。


ウルトラバイオレットレイは放射線の英語読みでゲームでは炎魔法に属している。放射熱線より範囲が広い放射線で敵を攻撃する直線範囲攻撃だ。これがルーナに襲い掛かるがルーナにもティルタクトがある。


『『『スターレイヤー』』』


星の壁が何層にもルーナの前に展開されるとスーパーボルトとウルトラバイオレットレイを跳ね返した。この結果、大切だと言っていた魔導書とシルフィ姫様のティターニアに魔法が直撃する。それに気付いていないルーナは勝負を決める。


「星核! これで終わりです!」


「もう倒れてますよ!?」


シルフィ姫様の声も虚しく星の塊が落下して、爆散した。そしてインフォが来る。


『ルーナの二刀流のレベルが5に到達しました。二刀流【デュアルエッジ】を取得しました』

『ルーナの疾魔法のレベルが20に到達しました。疾魔法【タービュレンス】、【フライト】を取得しました』


ルーナが満面の笑顔で俺の元にやって来た。


「勝ちました! パパ!」


「やったな! ルーナ!」


「はい! 頭なでなでしてください! パパ!」


「いいぞ」


「いいぞじゃありません! うぅ…酷い…酷すぎます」


最後は見事なまでにぼこぼこにしたからな。この結果にみんなが感想を言う。


「なんというか…頑張ったわね。シルフィ姫様のティターニアは」


「あぁ…あそこまでルーナが急成長しているとは流石に考えてなかった。たった数日でどうやったらあそこまで強くなるのか謎過ぎるぞ」


「恐らく星の精霊と契約したのではないでしょうか? 星の技を使っていましたから」


アンリ姫様、名推理である。ティターニアの召喚石を持って、色々励ましているシルフィ姫様が俺を睨んで来た。流石に怒っていらっしゃる。


「もう手加減しませんからね!」


「勝利の剣を渡して置いて本気じゃなかったんですか? あり得ないでしょう」


「う、五月蠅いですよ! 今度はこっちの番です!」


完全に今の勝負で俺との結婚が決まったことを忘れているな。娘のこの姿を見て、グラン国王様は頭を抱える。


「結婚が決まった勝負も勝負だが、結婚が決まったのに結婚のけの字も出ないとは…」


「ふふ。いいのではありませんか? シルフィがあそこまで感情をむき出しにしてぶつけられる人は今まで誰もいませんでした。私たちにも色々気を使う子ですから」


第一王女であり、フリーティア最強の召喚師であるシルフィ姫様には家族であっても中々言えないことがたくさんあったんだろう。


「私にも思う所はたくさんあるが、あれは喧嘩していないか?」


「夫婦というのはあれくらいがいいと思いますよ? 私たちも色々喧嘩して来たじゃないですか」


「むぅ…確かに喧嘩しないより喧嘩したほうが夫婦の仲は上手くいくのかも知れんな」


二人のこの会話に興味津々な娘二人である。さて、次で一対一の勝負は終わりだ。当然最後を任せられるのはシルフィ姫様の愛犬だ。


「容赦はなしで倒しますよ! 来てください! フェンリル!」


「ワオーン! グルル!」


完全に敵意むき出しだ。神殺しの狼に俺の天使が挑もうじゃないか。


「さぁ! 狼退治の時間だ! ブラン!」


召喚されたブランがフェンリルと相対する。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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