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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
シルフィ姫様との結婚とテューポーン討伐戦
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#1157 メガロス海域とグライアイ三姉妹探索

今日の船旅メンバーはチロルたちとチロルに強制参加させられたルークだ。チロルたちはメデューサの進化素材を餌に釣った。


「良いんですか? タクトさん」


「あぁ。これはアテナのクエストが目的だし、もしかしたら別の神石とかも手に入るかも知れないからな。そっちを貰うよ」


「じゃあ、交渉設立だね!」


他の素材はいつも通りの分配で行く。するとシャローさんからノアズ・スクナの武装は使えないとの話が来た。理由はテューポーン戦とかが近いからだ。なるべく弾薬はボスに使いたいと思うのは当たり前だからここは船員の腕の見せ所だ。


俺が選んだのはスピカ、クリュスはレベル上げで回復させて続投。残りはリアン、サフィ、夕凪だ。イオンを使いたい所だが、夜にスサノオとの戦いがあるので、使えなかった。


俺たちが火山島からの火山雷の範囲から離脱すると早速目当ての敵が出てきた。


グライアイLv53

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


見た目は黒いローブ姿に一つ目の老婆で背中から白鳥の羽が生えており、足は白鳥の足になっているモンスターだった。こいつがまず無数に飛んできた。


「「「「死滅光線!」」」」


一つ目から死滅光線を撃って来た。しかノアズ・スクナのシールドは突破出来ない。代わりにシャローたちが銃撃を加えると次々墜落する。


「弱い?」


「まぁ、本命の三姉妹ではないみたいですからね。でも、火山島の先の海でこのレベルは変」


「先輩! 水中から高速で敵が向かって来てます! この速度、マーメイドです!」


「ノアズ・スクナを空へ!」


「イエッサー! 空舵いっぱい!」


空舵は初めて聞くな。きっと飛行時に何か言いたくてシャローさんたちかプレイヤーが名付けたのだろう。そして海からマーメイドが顔を出す。


ネーレーイスLv55

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


ヒッポカンプスLv30

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


ケルピーLv50

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


オーケアニスLv70

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


アレイオーンLv65

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


まぁ、強い敵は出て来るよな。ヒッポカンプスとケルピーに騎乗しているのがネーレーイスでアレイオーンに騎乗しているのがオーケアニスだ。


アレイオーンはケルピーの進化で見た目はケルピーががっしりした体格になった感じでケルピーの美しさは残念ながら無くなっている。その代わりにバショウカジキの背鰭のような翼が左右にあり、馬鎧が装備されていた。


アレイオーンはギリシャ神話きっての名馬として知られており、ヘラクレスも騎乗し、アルゴス王として知られているアドラーストスがテーバイという都市を攻めた時にも騎乗したとされている。


このテーバイ攻めはアルゴス側の敗北に終わり、アドラーストスはアレイオーンのお陰で生還できた伝説がある。因みにこの馬はポセイドンと豊穣神デメテルが馬の姿で交わったことで誕生したとされている。


そんな彼女たちは容赦なくリアンたちに襲い掛かって来た。リアンが攻撃を受けながら聞く。


「いきなり何をするんですか!」


「ここはポルキュース様が支配する海だ! 侵略者は排除する!」


ポルキュースはギリシャ神話の海の神でグライアイとゴルゴーン三姉妹の父だ。なのでこの海がポルキュースの海なのは納得がいく。


『先輩』


『向こうからしたら、ポセイドンがこちらに攻めてきたと見えているのかも知れないな。俺たちは完全にこの海神とは敵対している…』


俺はリアンに同族との戦いを強要するか悩む。すると俺の考えをリアンは察知した。


『ふふ。大丈夫です。先輩。私なら戦えます。例え同じオーケアニスでも先輩の敵は私の敵ですから』


『そっか。なら頼む』


『はい!』


リアンは受け止めていた槍を弾くと槍を構える。


「私の名前はリアン。あなたたちが私たちの邪魔をすると言うなら容赦はしません!」


「言ったな! このブサイクが!」


「そういうことは結婚してから言ってください。これが私が結婚している証拠です!」


リアンの証拠まで見せた反撃にオーケアニスは引く。結婚しているリアンと結婚していない自分。ブサイクはこの際おいておく。ブサイクだから結婚出来ないとは俺は考えていない。ただ女性として既婚者と未婚者の差がそこにあることは間違いなかった。


「ぐ…結婚したからなんだと言うんだ!」


海中で女のバトルが勃発していると海が大荒れになる。オーケアニス同士の海での戦いに巻き込まれる訳にはいかないな。そう考えていると空から新しい敵が追加された。


セイレーンLv70

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


まただよ。こいつらの相手はルークのエルフとティターニアが戦っていると何かが海中から飛び出し、ノアズ・スクナに激突した。


「スピカ!?」


戦っていたがぶっ飛ばされたようだ。相手はアレイオーンでスピカに止めを刺すべく、突っ込んで来ていた。


「大気震!」


俺が側面から蹴りと共に大気震でぶっ飛ばした。すると上から声が聞こえてきた。


「ふぇっふぇっふぇ。面白い戦いをしておるな。ワシも加わらせて貰おうかの」


俺が視線を向けると杖を持っているグライアイがいた。


デイノーLv65

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


ここで出て来るか。なんか完全にこちらのピンチを見てから来た感じだ。みんなが攻撃すると攻撃を躱しながら、魔方陣を展開する。


「落ちるがよい。ラージキャタラクト!」


ノアズ・スクナに瀑布のような滝が落ちて来た。しかしノアズ・スクナは高度を下げるだけに留まる。


「厄介なシールドを貼っておるの。ならばこれでどうじゃ! パーマフロスト!」


滝ごと凍らせてノアズ・スクナを閉じ込めて来た。上級魔法の連発。結構強いじゃん。


「ヒヒーン!」


「おっと。踵落とし!」


アレイオーンが突っ込んで来たが俺は一回転して、角を避けて頭に踵落としを決めた。海神と豊穣神の子供だから空はそこまで強くない。


「強いのぅ。小僧。じゃが、終わりじゃ」


デイノーがそう言うと海から巨大な蛸足が出現する。


デスクラーケンLv70

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


みんなが捕まっていた。現れる敵の数が滅茶苦茶なんですけど、運営さん。


「ふぇっふぇっふぇ! 絶体絶命じゃな!」


「あぁ。そうだな」


「ん? 随分余裕そうじゃな」


「余裕はないと思うけど、お前が来てくれて助かったよ。折角の切り札が無駄になるのは避けられたからな」


この状況をひっくり返せる存在を俺は知っている。俺はリアンに指示を出した。


「神槍カリュブトライデント! 神威解放!」


デスクラーケンに捕まっているリアンの槍から神の光が放たれると巨大な蛸足が食われて消滅する。


神槍カリュブトライデント:レア度10 槍 品質S+

重さ:10 耐久値:12000 攻撃力:5000

効果:神技【アビス・ゲブマ】、神殺し、魔神殺し、不死殺し、大物殺し、大暴食、空間捕食、神気、英気、星気、万物切断、魔力切断、時空切断、水圧切断、神速、光速激突、神障壁、神感覚、時間遅延、超加速、魔力吸収、生命力吸収、重圧、流星群、彗星、星震、ガンマ線、星渦、光化、超集束、引力支配、海流支配、重力支配、水圧支配、荷重支配、瞬間再生、大渦潮、大瀑布、大海波動、神波動、帰還、起死回生、奇跡、加護無効、巨獣の加護、海神の加護

オリハルコンとアダマント、時空性石の合金とカリュブディスの神石で作られた神槍。海を操り、あらゆる物を喰らいつくす能力がある。その力は海神が恐れる程の代物となっている。


これが海での戦闘における俺たちの切り札だ。そしてこの力をやはりこの場にいる全員が知っていた。


「この気配…まさかカリュブディス!?」


「どういう事じゃ!? あの魔物は消えたはず!?」


カリュブディスのことは察知しているようだが、モンスターから神に戻ったことは知らなかったみたいだな。するとリアンに寄り添っているカリュブディスが聞く。


『全部食べていい?』


「はい。先輩の敵は全部食べちゃってください!」


『任せて』


「行きますよ! 神技! アビス・ゲブマ!」


リアンの真下の海底にブラックホールのような球体が現れると俺たちが経験したカリュブディスの食事が再現される。海には穴が空き、空の雲が球体に吸い込まれる。まず最初の被害者はデスクラーケン。


海底で余裕ぶっていたところ至近距離でアビス・ゲブマが発動し、一瞬で食べられた。次は生き残っていたネーレーイスたち。流石にネーレーイスたちでは吸い寄せられる海流に抗うことが出来ず吸い込まれた。


次はグライアイたち。白鳥の羽で逃げられるほど、カリュブディスは甘くない。だが、セイレーンたちやオーケアニスとアレイオーンたちは粘っている。流石にこのレベルだと耐えてしまうか。最も必死に逃げる事しか出来ないみたいだけどね。


「さて、絶体絶命だな。ほら、もっと頑張らないと食べられるぞ」


この中で一番辛いのがデイノーだ。グライアイはグライアイだから当然なんだけどね。


「ぬぅうう! お、おのれ! カリュブディスの力を使うなんて卑怯じゃぞ!」


「モンスターに集まられている俺たちを見てからやって来たお前に言われたくないな。だが、俺も鬼じゃない。他の姉妹を呼べば、これを解除してやるよ」


「だ、誰がその手に乗るか!」


「じゃ、さいなら」


俺はデイノーを蹴り落とした。魔力の節約は大切です。


「この悪魔ぁあああ!」


「はいはい。これまでに何度も聞いたよ。その台詞」


さて、残りを見ると俺が戦っていたアレイオーンは逆鱗を発動させたスピカに何度も羽ばたいて上からのしかかっていた。俺の真似かと思ったけど、やられた分をやり返している感じだな。こういう所は俺の悪影響だろう。まぁ、スピカの気が済むまでやらせればいいと考えて、見なかったことにした。


他のみんなも止めの追撃を加えて、全滅させるとリアンは技を解除する。


「ふぅ…ありがとうございました! カリュブディス様」


『…うん。いつでも呼んで。私はいつでもあなたたちの味方をするから』


そういうとカリュブディスは消えた。ここでインフォが来る。


流石に強い敵がたくさん出て来たからレベルアップもいい感じだ。さて、技の発動地点に行くと恐怖映像になっていた。その原因がまずこちら。


デイノーの瞳:重要アイテム

ゴルゴーン島の場所を指し示すアイテム。ただし別のアイテムを後、二つ集めないと使うことが出来ない。


グライアイの瞳:レア度7 素材 品質A-

アクセサリーとして使用される素材で攻撃してきた相手を呪う効果がある。ただ見た目の不気味さから引かれることが多い素材。


目玉がたくさんあったのだ。


「デイノーの瞳はシャローさんに預かってもらうとして、残りはあげよう」


「「「「いらないよ!?」」」」


「俺たちもいらん!」


みんなで押し付け合いをしていると傍観していたルークにいつの間にか集まっていた。


「ちょっと!? どうして僕に!?」


「「「「さぁ?」」」」


きっとグライアイに好かれているに違いない。真相はチロルがルークの手に持たせたのが始まりでした。俺たちはきっと悪くない。


「「「「…こっちに来ないで下さい」」」」


「えぇ!? そんなこと言わないでよ!?」


目玉をたくさん持つルークは完全にやばい人間に見えており、エルフたちに引かれていた。これは流石に悪いと思ったので、心の中で謝っておいた。次はアレイオーンの素材だ。


海神馬(かいしんば)の宝珠:レア度10 重要アイテム 品質S+

ケルピーに進化させるために必要な素材。


海神馬の皮:レア度10 素材 品質S+

ポセイドンとデメテルの力が僅かに宿っている馬皮。水と土に強く、防具としても非常に優秀だが、籠手や盾などの素材としても使われる。


海神馬の角:レア度10 素材 品質S+

ポセイドンとデメテルの力が僅かに宿っている角。槍の素材として有名で突くと海を震わせ、地面を掘り進めることが出来る力がある。


海神馬の角は恐らくドリルランスを作ることが出来る素材だと思われるが俺は皮を貰った。防具に使うかアイアース・アスピスの強化に使うか後で考えさせて貰おう。


「アトランティスで取らなくてよかった~」


「確かにそうだけど、ここでアレイオーンと戦って勝たないと行けないってことだよね?」


「もしくは島で出して狩ることになるだろうな」


「それが現実的だと思います。かなり強い海であることははっきりしましたから」


そもそもみんな、ギルドクエストを避ける傾向が強くなっている気がする。結構召喚師の腕が要求されるからフィールドで出会って、みんなで狩った方が遥かに楽なのが理由だ。その出会うのが難しいんだけどね。


最後はオーケアニスだ。


オーケアニスの水晶:レア度10 専用アイテム 品質S+

効果:オーケアニス装備時に全ステータス+20、遅延魔法、大海波動、冷凍光線、自動攻撃、念動力、天候支配、未来予知、電弧放電、蒼天雷

オーケアニスの専用装備で最大五つの魔法を封印することが出来る水晶。使った後に何度も入れ直すことが出来、水晶から攻撃することも可能な強力な装備。


人魚水晶の強化版アイテムだ。書かれてはないがこの水晶は魔導書のように展開することが出来る。つまりいくつも装備出来るのだ。こうなると強くなるよね。実質リアンが倒したようなものなので、貰えた。そしてそのまま装備させる。


「とりあえず魔法はアークフレア、デトネーション、タイムフリーズ、ディセラレーション、リヴァイブでいいか?」


「はい!」


リアンはご機嫌な様子で魚の尾を振っている。残りのアイテムは今までに出てきたアイテムやレア度が低すぎるアイテムだったので、売りに出すことになった。


その後、船を進めると濃い霧を視界に捉えた。


「あの霧の中を進む為にきっとこのアイテムが必要なんでしょうね」


「濃霧を消してくれると助かるんだがな」


「そんなことをしてくれるとは思えないな。島があることは確定しているから岩礁とか気にして進まないといけない感じだと思うぞ」


「でしょうね。つまりこれは私たち船乗りへの挑戦状だと言えます」


シャローさんたちが燃えている!?これは本気のシャローさんたちの操舵が見れる気がするな。その前に残りのグライアイの姉妹を探すとしよう。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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