表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
スサノオクエストと最後のイベント告知
1216/1718

#1145 プロメテウス解放戦

空から巨大な鷲がたくさん来る。


アイトーン?

? ? ?


あれがプロメテウスの肝臓を毎日ついばんでいる鷲か。このゲームでは真っ赤な鷲で翼の外側は黄金になっている。アイトーンはテューポーンとエキドナの子とされているからここに現れるのは不思議じゃない。


「いくよ! みんな!」


チロルの声にみんなが迎撃に向かう。


「いかん! あいつらを攻撃するな!」


プロメテウスの警告は遅くチロルたちがアイトーンを攻撃するとあっさり倒される。しかしアイトーンたちが蘇生すると呪滅コンボがチロルたちを襲うと爪でチロルたちを捕まえる。すると紅炎の効果でチロルたちは炎上し、更に自爆までする。そして蘇生するとこちらに向かって来た。


「ひぃ!? もうやめてくれ!」


「エアリー、大地操作で壁を作ってくれ」


「ヴェ!」


エアリーが地面に足を踏みつけると大地がせり上がり、巨大な壁を作り上げた。それでもアイトールたちは突っ込んで来ると壁に穴を開けた。


「今だ! 縛り上げろ! エアリー!」


「ヴェー!」


大地の壁に木がまとわり付き、刺さっているアイトーンたちを拘束しようとしたが焼かれた。それなら閉じ込めてやろうかと思ったがそれをする前に逃げられた。そして炎の羽が飛んで来る。


「大海壁!」


チロルのスキュラが水の壁を作りガードしてくれた。更に大海波動を放つがこれは回避される。


「おぉ! あいつらを追い払うとはやるではないか!」


「感心するのはいいけど、解放するためにはどうすればいいんだ?」


「うむ。この鎖を壊してくれればいい。人間に助けられたならゼウスたちも何も言うまい」


「なるほど。それでさっきの警告はなんだったんだ?」


「あいつらは毎日わしの肝臓を食べていてな。そのせいでわしの能力の一部を獲得しているのだ。例え倒してもまた現れるだけだから戦闘は無意味と警告するつもりだったのが遅かった」


つまり不死身と炎属性はプロメテウスの能力か。ここで炎分身で数が増えた。そして捨て身の一撃を発動される。


「メェ―!」


燃やされたロコモコが怒りの雷轟が降り注がれると命中した炎分身は全て消滅し、本体はそのまま突っ込んで来る。


「ヴェ―!」


ここでエアリーが真っ向勝負を挑むとエアリーが大爆発と共に死んでしまう。それでもなお俺たちを狙おうとしたアイトーンだったがゲイルが突進すると羽ばたき、上空に逃げる。すると不死で蘇生したエアリーが蹴落とし、アイトーンがゲイルに触れると感電するとゲイルが翼に噛み付き、放り投げるとハーベラスが押さえつけた。ここでアイトーンは自爆し、蘇生した所をコーラルが襲い掛かった。そしてチロルたちの召喚獣も戦いに参加する。


これは酷い勝負になったな。とんでもない蘇生合戦だ。そう思っていると新たなアイトーンが追加された。時間経過で増えるのか…このクエスト。ならさっさとプロメテウスを解放しよう。


「バスターカリバー!」


俺が大振りの一撃は鎖に弾かれる。まぁ、簡単に破壊されてくれるクエストではないわな。


「バスターカリバー! バスターカリバー! バスターカリバー! バスターカリバー! バスターカリバー! だー! 面倒臭い! なんで技名を言わないといけないんだ!」


「「「「今更そこ!?」」」」


俺のイラつきを理解して欲しい。しかし破壊神の加護があるのにひびする入らないぞ。


「どうなっているんだよ…この鎖」


「この鎖は神の力を無効化し、打撃では決して破壊できぬ鎖なのだ。因みに魔法にも強い」


「そういうことは早く言え!」


全部今までの攻撃は無駄だったって事じゃないか!その無駄の時間のせいでアイトーンの数は四体に増えている。急がないと…魔法と打撃が無理ならスキルで破壊するしかない。しかし多乱刃を使ってみたが普通に弾かれる。これでは時間が掛かりすぎる。鎖を早く破壊するようなスキル…ちょうどいいのがあるな。


「ロコモコを引かせてくれ!」


「「「「えぇー!?」」」」


「メー!?」


「ええい! 時間がないんだよ! 後、ロコモコは真似をしない! ほら! 召喚石に戻すぞ!」


召喚石に戻るときには大人しくなる。完全にチロルたちのノリに付き合った形だな。まぁ、本当に戦いたかったのかも知れないけどね。代わりに召喚したのはもちろんぷよ助だ。


「ぷよ助、あの鎖を破壊してくれ」


ぷよ助は頷くように震えると体を伸ばして、鎖にへばりつく。すると鎖から煙が発生し、ひびが発生する。ぷよ助の腐蝕と粒子分解の効果だ。


「おぉ! いいぞ! 人間とスライムよ! あいつらめ、流石にモンスターにこの鎖が破壊されるとは思わなかったようだな!」


「あ!? 抜かれた!」


「何やっているんだ! 来るな! 来るな!」


あぁ、もう。五月蠅いな。この神様。俺、報酬の神石いらないわ。こんな神様と一緒に戦いたくないからな。向かって来ていたアイトーンはぷよ助が展開した粘着糸の網を見て、回避を選択した。いい判断だ。ぷよ助に風と火、光は効かず、爆発も衝撃無効で効かない。あそこで突っ込んでいたら、アイトーンは終わっていただろう。


その後はプロメテウスにイライラを募らせたチロルたちは見事に防衛し、ぷよ助が鎖を破壊した。これでクエストクリアのはずだ。


「力が戻った! よくも今まで好き放題、やってくれたな…お前たち。報いは受けて貰うぞ! 神技! トリックスター!」


「「「「ピィ!?」」」」


プロメテウスが手をアイトーンたちに向けるとアイトーンたちの体の中から光の球が出て、プロメテウスの体内に入る。何かをアイトーンから奪ったってことか?アイトーンたちはここで急に逃げ出す。


「逃がさん! 神魔法! リングズオブサターン!」


アイトーンたちが逃げた空に無数の岩が作り出されると高速回転し、輪っかを作り出した。リングズオブサターンを日本語にすると土星の()。プロメテウスは土星の衛星の名前にもなっており、土星の環を形作るのに関与していると言われていることからこの魔法になったんだろう。


宇宙魔法になっていないのは恐らくプロメテウスの名前を使いたくなかったんだろうな。高速回転する岩に何度もぶつかった結果、アイトーンたちは墜落して、死んだ。


「不死が発生しないのは最初の技のせいですか?」


「そうだ。神技トリックスターは望んだあらゆるものを奪い取る。それは武器やアイテムであり、もちろん見せたようにスキルも可能だ」


あっぶね。今、見れて良かった。恐らくこのスキルはロキも使えるはずだ。動きも技の効果も分かれば対策を考えられる。初めてプロメテウスを助けて良かったと思えた。


「さて、助けて貰ったお前たちには礼をせねばな」


報酬のアイテムを貰う。


プロメテウスのトーチ:重要アイテム

オリハルコンの鍛冶を可能にする炎が宿ったトーチ。


プロメテウスの神石:レア度10 素材 品質S+

プロメテウスの力が宿った石。文化神としての力が宿っている石で鍛冶において極めて強い力を持っている。


クラトスの鎖:レア度10 鎖 品質S+

重さ:300 耐久値:8000 攻撃力:500

効果:打撃無効、衝撃無効、物理無効、全属性耐性、神封殺、加護無効、環境無効、拘束

プロメテウスを磔する際に使用された鎖。巨人の筋力を持ってしても壊れることが無く、神の力を完全に封じる力を持っている。


プロメテウスのトーチについて、何も書かれていないのが違和感だな。まぁ、正確には書けないが正しいんだけどね。ヘーパイストスが神に覚醒したのはつい最近だからヘーパイストスの炎とは書けない。しかしプロメテウスの炎と書くのも違う。結果、何も書かないことにしたんだろう。


そんなプロメテウスのトーチは全員分貰えた。神石は一つで鎖はプロメテウスの手足を縛っていた四つ分もらえた。これならフェンリル対策に使えるか?いや、フェンリルは神様じゃないからな。きっと壊れるだろう。


とはいえ神に有効な武器であることは事実だ。これはなんとしてもゲットしたい。しかし俺はじゃんけんで負け続けて最後の一つをチロルと争う。負けたほうが、プロメテウスの神石だ。


「「最初はグー! じゃんけんぽん!」」


「しゃー! 勝ったー!」


「うわーん! じゃんけんでもタクトさんに負けたー!」


こうして俺は無事にクラトスの鎖をゲットした。


「まぁまぁ、チロル。クロウさんに上げたら、オリハルコンの装備とか色々融通を聞かせてくれると思うよ?」


「そ、そうだよね! オリハルコンも聖杯で出せるし、きっと上手くいく!」


クロウさんは現在激務に追われているからな。ただプロメテウスのトーチでそれから解放されるかもしれないことを考えるとワンチャンありか。もしかしたらチロルにオリハルコン装備が抜かれるかも知れないな。やはり鍛冶速度はプレイヤーのほうが速いのが現実だからね。


「それではわしは行かせて貰うぞ。兄弟を助けてやらねばならんのでな!」


「あの…ここにいるテューポーンにも酷い目に会ったと思うんですけど」


「そうだな…だが怖いのでお前たちに任せる! さらばだ! 心優しい人間たちよ」


そういうと空を飛んで何処かに行った。完全に逃げやがったな。アイトーンたちに話していた報いの話とかどうなったんだよ。何はともあれ火山島の山頂はこれで押さえた。後はテューポーンとどう戦うかだ。


ここで火口からチロルたちがテューポーンを確認する。するとテューポーンの蛇が襲い掛かって来るが封印の結界で弾かれた。


「「「「あれと戦うの?」」」」


「そうだ。レヴィアタンよりは小さいだろ?」


「「「「そういう問題じゃないと思う」」」」


「そうだな。でも、気持ちは少し楽になるだろ?」


みんながそれぞれ乾いた微笑みを浮かべた。恐らく強さではテューポーンのほうが強い。それでも大きさがレヴィアタンより小さいというだけで少しは勝てるかも知れないという希望が出て来るのが不思議なところだ。


ここで俺たちはフリーティアに帰り、解散する。さて、次はアテナに挑みたいのだが、まずはリリーたちの精神状態を確認するとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ