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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
スサノオクエストと最後のイベント告知
1215/1718

#1144 火山島の山頂

俺たちは火山島の洞窟に設置したワープゲートから転移し、外に出る形で火口を目指すことになった。そして洞窟から出ると早速火山雷が降って来た。だが、今の俺には効かん!


「おぉ! タクトさんが避雷針になっている!」


「変な例えはやめろって。リリーたちが真似するだろ?」


「ギルマスのことになると食いつきが違いますからね。ところでリリーちゃんたちの様子はどうですか? うちの子たちは不安そうなんですけど」


「俺も似たようなもんだよ。もうすぐこのゲームが終わることを察しているんだと思う」


俺たちが察しているし、フリーティア全体の混乱もある。ただ話を聞くとやはり性格によって結構変わるようだ。特に男の場合だとやれることをやるしかないと割り切っているのが結構いるようだ。逆に女の場合だと先に不安が来ている傾向が多い様に思えた。


「ギルマスのところは特に大変だね。ルークも同じだけどさ」


「ちょっと時間はかかるかも知れないけど、結論は多分男と同じになると思う」


「確かにそうですね。世界がもうすぐ終わりますって言われても結局やりたいことをやるしかないって結論になっちゃいますよね」


「まぁ、今日の夜にはいつも通りになっていると思うぞ。ただこの後にアテナと戦う予定をしているんだが、その予定は変更することになるかもしれないな」


リリーたちが不安な状態で勝たせて貰えるほど、アテナは甘くない。実力もとんでもない上にまだ本気を見せていないからな。ただこの場にいるみんなは夜のサプライズを知っているので、これでリリーたちが元気になることは確信している。


その為、みんなが笑顔で頷き、洞窟の外に出ると召喚する。俺が選んだのはゲイル、エアリー、ロコモコ、コーラル、ハーベラスだ。


「「「「ロコモコちゃん…」」」」


「乗っていいぞ。俺はエアリーに乗らせて貰うからな。どれだけ山登りが楽か試したい」


「「「「ありがとうございます!」」」」


そして召喚師と召喚獣による山登りが始まる。すると次々敵が沸いて出て来る。今まで戦った敵の情報はチロルたちに伝えてあり、激しく戦闘をした後、勝利している。


「やっぱり強いね~。この島に出て来るモンスターは」


「それでも勝ててるじゃないか」


「一応私たちも最初の頃から頑張って来ましたからね。っと回復、回復」


ここで地震が発生する。


「下から来るぞ!」


全員が距離を取ると地面からマグマのゴーレムが現れた。


ラーヴァゴーレムLv60

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


ラーヴァスライムとマッドゴーレムの合成召喚で召喚出来るモンスターだ。見た目を一言で言うならマッドゴーレムの泥をマグマにしただけ。有名なアニメ映画で見たことがある気がするがこちらのゴーレムの手や体のあちこちから岩になっている。


その手が伸びて来て、全員が回避する。


「ラーヴァゴーレムは確か自爆持ちです!」


「なら一気に仕留め…ロコモコ! 上だ!」


「メ!」


「ピィ!」


飛来したフェニックスの攻撃をロコモコは回避した。そして二体のフェニックスも追加されて、ソールガルムも現れた。


ソールガルムLv60

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


こいつが三体。やはりチームを組んでいるから敵の数も多い。


「フェニックスたちは私たちが相手をするよ!」


「じゃあ、私たちでソールガルムと戦います!」


「それじゃあ、俺たちがラーヴァゴーレムだな。ゲイル! 火山雷を俺に集めてくれ!エアリー! 超連携で仕留めるぞ!」


「ヴェー!」


エアリーは山肌をジャンプしてラーヴァゴーレムの伸びるマグマパンチや火山弾、溶ブレスを回避していく。その間に俺にテューポーンの火山雷が集まっていく。それを見たラーヴァゴーレムは口から火砕流を発生される。


迫って来る灼熱の雲に俺とエアリーが挑む。


「超連携!」


エアリーの黄色の雷とスサノオの青の雷、火山雷の赤の雷が混じり合い、黒雷になるとエアリーが突撃する。巨大な黒雷は見事に火砕流を貫く、そのままラーヴァゴーレムをぶち抜いた。手ごたえはあったのだが、ラーヴァゴーレムには不屈がある。


「ゲイル! ハーベラス!」


コーラルはフェニックスと戦っており、代わりにソールガルムたちに勝ったコゼットたちが助けに入ってくれた。


後はフェニックスたちだ。


「ピィ!」


コーラルは尻尾でフェニックスを捕まえると宙返りをして地面に叩きつけた。するとコーラルが俺を見る。不死身を封印して欲しいんだな。


「エアリー! 神岩結界だ!」


「ヴェー!」


「それを待っていた! みんな! フェニックスをあそこに落として! それで不死身が無くなるはずだよ!」


あぁ…チロルも不死身に困っていたのか。道理で時間が掛かっていたわけだ。こうしてチロルたちは無事に不死身じゃなくなったフェニックスたちを倒した。解体結果はこちら。


太陽狼の毛皮:レア度8 素材 品質S-

ソールガルムの毛皮。火と光に非常に強い毛皮で特に昼間の砂漠で暑さを感じることが無くなる素材として砂漠の民や冒険者が求めて止まない人気を誇っている。


太陽狼の牙:レア度8 素材 品質S-

ソールガルムの牙。火と光の力が宿っている牙で貴重な二種類の属性を持つ武器を作ることが出来、冒険者の間で人気がある。


火山石:レア度8 素材 品質S-

溶岩が固まった石。摩擦を与えると発火し、マグマの熱を発生させる極めて危険な石で敵に直接投げるだけでも脅威になる。


フェニックスからは不死鳥の灰が手に入った。火山石はきっと火山弾のことだな。このゲームでは火山弾はスキル名で存在しているから別の名前を考えた結果がこうなったと予想する。俺は火山石だけ貰った。


そして先に進んでいくとメルトスキュラが五体現れた。


「「「「多い多い!」」」」


大切なことなのでみんな二回言った。


「良かった…普通のスキュラのほうが有利みたい」


「スキュラはたぶん水属性だからな。ん?」


空間識別に反応あり。火口から巨大な何かが向かってくる。


「全員、地面から離れろ! 何かが飛び出すぞ!」


「「「「みんな! 逃げて!」」」」


火山をぶち抜いて現れたのはパイアだった。


「お前か…このメンバーだと相性が悪いな…よし。禁呪を使うからメルトスキュラの足止めを頼む。パイアは俺たちが引き受けた」


「「「了解!」」」


俺の護衛はコーラルが担当し、ハーベラスがパイアに何度も激突し、蘇生を繰り返す。チロルたちも見事にメルトスキュラの足止めをしてくれている。俺が詠唱しているとテューポーンの絶叫と共に火山が噴火し、溶岩が俺たちに降って来る。


「ち、近すぎるよ!?」


「これは不味すぎだって!?」


「詠唱間に合った! 禁呪! クロノディスインテグレーション!」


時空の穴が開くがメルトスキュラたちと一緒に溶岩まで吸い込む。危なかった…魔法とスキルのぶつかり合いとか今まであったから魔法の効果にスキルも含まれているとは思っていたけど、クロノディスインテグレーションがスキルまで対象にしているかは未確認だっただけに賭けだった。


そんな中、パイアだけは粘っていた。元々の重さもあるんだろうが荷重操作に重力を自分に掛けて耐えている。重力も使えることは知れてよかったな。俺がみんなを見るとチロルたちも魔法を放ち、スキルが切れたことでパイアも粒子となって、時空の彼方に消えて行った。


今回の解体結果はこちら。


メルトスキュラの毛皮:レア度10 素材 品質S+

メルトスキュラの犬部分の毛皮。防具としても有能だが、格闘家のグローブとしてもとても人気がある素材で暗黒の炎のパンチを放つことが出来る。


溶精石:レア度10 素材 品質S+

火の精霊の中でも上位の力が宿った石。マグマの近くで極稀に見つけることがある石で手に入れる為にはかなりの労力が必要になると言われている。


これに加えてパイアの毛皮とパイアの牙が手に入った。パイアの素材は持っているので、チロルたちに渡して、代わりにメルトスキュラの素材を貰った。


「リサちゃんに上げるときっと喜びますよ」


「あぁ…こういうの好きそうだなぁ」


説明で暗黒の炎のパンチとか書いている時点でそういうのが好きな人を煽っていると思う。うちではセフォネとユウェルが食いつくだろうな。後はリリーもパンチを使えるから興味を持ちそうではある。燎刃は属性被りだから微妙なところだろうな。言葉の響きには興味を持ちそうな感じはしている。


さて、もうすぐ山頂だ。俺たちが先に進んでいくと巨大な光の鎖を見つけた。


「何あれ?」


「空から二つの鎖があることを考えると手枷(てかせ)の鎖と考えるべきか」


「それって、誰かが(はりつけ)にされているってことですか?」


「たぶんな」


磔と聞くと十字架をイメージする人が多いと思うがギリシャ神話での磔は手枷と足枷が基本だ。最もこれは絵画とかの話で実際はどうかは俺は知れない。さて、この推理が正しいなら磔にされている奴の想像は難しくない。何しろギリシャ神話の中でも有名な話だからね。


「ここではヘーパイストスのクエストが発生しているし、火の神様とも縁がある場所だ。しかもテューポーンまでいるとなると大体の想像は付くな。あの神話は確か岩山に磔にされる神話だったはずだけど…火山島の山頂に変更するぐらいは許容範囲とか考えたんじゃないか?」


「なるほど。有名な話ですね。じゃあ、ボスは」


「磔にされている神が敵になるとは考えにくいな。寧ろ彼は人類に火を与えたとされる文化神で人類の味方と言える。それなら敵はこの神話に登場する巨大な鷲だろうな」


「じゃあ、空中戦だね!」


準備を整えて、先に進むと俺たちの予想通りの神が磔にされていた。


プロメテウス?

? ? ?


プロメテウスはヘーパイストスの作業場の炉で使っていた火を盗み出し、人類に与えることで寒さから人類を救った神様だ。しかしその一方で火の使い方を人類に教えたことで武器が作り出され、人類が殺し合う結果を招いてしまった神でもある。


この結果に激怒したゼウスはパンドラを作ることを決定し、プロメテウスの弟と結婚させるのがパンドラの神話だ。この筋肉隆々のおっさんの神様の弟とパンドラを結婚させる?ゼウスに正気か?と聞きたい。


「人間か…ここは危ないから早くこの場から逃げよ」


プロメテウスがそう言うと火山雷が降り注いだ。


「ぬぅ…痛い」


プロメテウスは不死で何をされても死ぬことはない。しかし不死でも痛みは感じる。これがプロメテウスに与えられた罰だ。最も火山雷や噴火はギリシャ神話に書かれていないけどね。すると鳥の声が聞こえて、プロメテウスが青ざめる。


「すまん! 前言撤回する! 助けてくれ! もう肝臓を食われたくはない! 報酬が欲しいなら喜んで出そう!」


なんかがっかりだ。まぁ、どの神話のトリックスターたちもこういう所があるんだけどね。結局は世渡り上手というか命乞いとか情報を教えたりとかして生き延びている。プロメテウスにもそう言う所があるんだろう。そしてインフォが来る。


『特殊クエスト『プロメテウスの解放』が発生しました』


特殊クエスト『プロメテウスの解放』:難易度SSS

報酬:プロメテウスのトーチ、プロメテウスの神石、クラトスの鎖

磔にされたプロメテウスを解放せよ。


一番欲しいのは鎖だな。神であり、巨人でもあるプロメテウスを縛り付けていた鎖が普通の鎖なわけがない。神石は悪いけど、ちょっと微妙。プロメテウスって戦う描写とか無いんだよね。とにかくここを解放するためにもやるしかないだろう。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] 時空の彼方に消し飛ばしても素材くれるとか神ゲーか
[気になる点] 途中「実力もとんでもない上に」で文が切れています。
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