表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
始めてのVRMMO
12/1718

#11 森での戦闘と餌付け

冒険者ギルドに着いた俺たちは早速クエストを受ける。ボア討伐と新しく挑戦するクエストがこちら。


討伐クエスト<ゴブリンの討伐>:難易度F-

報酬:300G

若木の森に出るゴブリンを五体討伐せよ。


これを引き受けたのには理由がある。モッチさんに塩が手に入る場所を聞いたら、始まりの草原の先にある若木の森に川が流れていて、川辺の岩から塩が取れるという情報を貰ったのだ。


川の水に塩分が多いってことかな? 普通川から塩は取れないからね。まぁ、ゲームのことだから深く考えるのはやめよう。重要なのは塩が手に入るということだ。


始まりの草原は戦ってみて問題なさそうだし、先に進んでもいいだろう。というわけでまずは始まりの草原でのボア討伐だ。


「待て~! お肉、待て~!」


石の剣を振り回しながら、ボアを追いかけるリリーとリリーの姿を見て逃げ出すボアの姿があった。なんだこれ……。


「スラッシュ!」


やがてボアの健闘虚しくリリーの片手剣の最初の武技【スラッシュ】で蹂躙された。因みに杖の初期武技は【ヒット】で杖で敵を殴るスキルだった。武器の性能、自分の筋力から全然使えない武技なんだよね。これが金属の杖だったら、使える技なんだろうけど、手に持っている木の杖では無理だ。


さて、リリーに蹂躙された彼らはただではやられなかった。肉を落とさなかったのだ。俺が倒したボアからは五つ取れた。物欲センサー仕事しすぎだ。おかげでリリーが凹んでいる。


「お肉……落ちなかった……」


「俺の倒した奴から取れたから大丈夫だ。森でご飯にするか……歩き回ってお腹減っただろ?」


「うん! 食べる!」


ご飯と聞いてすぐに機嫌がよくなるリリー……。単純なのは良いことだ。因みに今回レベルが上がったのはリリーの片手剣スキルのみだった。


名前 リリー ドラゴニュートLv8


生命力 18

魔力  12

筋力  36

防御力 10

俊敏性 12

器用値 10


スキル


素手Lv6 片手剣Lv1→Lv2


サーロインのレベルアップがやはり大きかったな。流石にボアで次のレベルアップを目指すのはきつくなってきたと思う。


ということでいよいよ若木の森に入る。川を探していると木の棍棒を持ったゴブリンが襲いかかって来たがリリーの攻撃で一撃だった。リリー、強すぎるんじゃないか? 試しに俺も戦う。杖で叩くと十回、殴ると五回、蹴りで三回で倒せた。


杖はスキル育ててないし、武器自体攻撃力がないので、こんなものだろ。殴ると蹴りはスキル差かな? ボア相手に蹴ってばかりだったからね。


とりあえず俺がリリーより弱いことは確定した。別に悔しくはないが情けなくなるな。リリーは今回の戦闘でまた片手剣のスキルがレベルアップし、俺は召喚魔術がレベルアップした。


名前 タクト 召喚師Lv8


生命力 15

魔力  22

筋力  14

防御力  6

俊敏性 11

器用値 22


スキル


素手Lv1 蹴り技Lv3 杖Lv1 召喚魔術Lv3→Lv4 錬金Lv1 

採掘Lv2 解体Lv3 鑑定Lv5 光魔法Lv2 料理Lv6


名前 リリー ドラゴニュートLv8


生命力 18

魔力  12

筋力  36

防御力 10

俊敏性 12

器用値 10


スキル


素手Lv6 片手剣Lv2→Lv3


リリーが頑張っている証拠だな。


ゴブリンのクエストをクリアしつつ、スキル上げをしていると目的の川を見つけた。綺麗な川だ。これなら飲み水として使っても大丈夫そうだな。俺が川を見ているとリリーが情けない声を出した。


「タクト~……ご飯~」


「今から準備するから待っててくれ。リリーはモンスターが来ないように見張りを頼んだぞ」


「わかった!」


俺は川辺に転がってるちょうどいい石を集める。そしてインベントリから道中拾った枯れ木を出す。ここで重要なことに気がついた。火を熾す手段がない……。


《火魔法を取得しました》

《火魔法【ファイヤー】、【パワーアップ】を取得しました》


というわけで火魔法を取得しました。残りスキルポイントは19pt。いや、戦闘でも使えるし、料理のためだけに取得したわけじゃないから! と言い訳しつつ、ファイヤーを使うと枯れ木に火がつく。うん、これで料理が出来るね!


ファイヤーは杖から火を放つ魔法でパワーアップは筋力を一時的に上げる魔法のようだ。リリーにパワーアップを使うととんでもないことになる気がする。


新しい魔法のことがわかったところで中断していた料理を再開する。


鍋に川の水をいれ、鑑定すると塩水だった。よし、狙い通りだ。ボア肉の下処理を済ませ、ボア肉にちょうどいい太さの枯れ木を突き刺す。そして焼く! 要は漫画肉の丸焼きをイメージしている。なぜ漫画肉にしたのか? 一度作って見たかったからだ。こういう機会でもないと作らないからな。ボア肉を慎重に焼き上げていく。そして出来上がったのはこちら!


ボア肉の丸焼き:レア度2 料理 品質F

効果:満腹度50%回復、一時間物理攻撃力アップ(微)

ボア肉を丸ごと焼いた料理。血抜きされているが獣臭い味がする。


説明を見て、納得する。スライスしなかったから猪独特の臭みが強く出たか。料理は奥が深いぜ……この料理は臭みが取れる調味料を見つけないと無理だな。


とりあえず料理が出来たので、リリーを呼ぶと飛んでくる。本当にリアクションが子供だな……微笑ましい。


リリーが焼き上がったお肉を見ると目が輝く。お肉を持たせるとリリーが聞いてくる。


「食べていい?」


「あぁ、どうぞ」


「いただきま~す!」


リリーがお肉にかぶりつく。そして目を見開き、幸せな顔をする。その顔を見れただけで作った甲斐があったというものだ。


だが次の瞬間、森から草の音がしてそちらを見ると狼がいた。やばい……狼が出ることは知らなかった。これはピンチか?


そう思ったが、様子が妙である。じーっとこちらを見ている。いや、リリーを見ている。正確にいうと手に持った肉を見ている気がする。


じー


じーー


じーーー


狼が肉から目を離さずリリーに近付く。その狼の様子にリリーが慌てる。


「ダ、ダメだよ! これはリリーのだよ!」


リリーがお肉を持ちながら下がるが後ろは川だ。逃げ場がない。それでも肉を離さないリリーは尊敬に値する。仕方ないので助けるか。


「肉が欲しいならこれから焼いてやるから少し待ってろ」


俺がそういうが狼は無視。そうか、そうか、無視ですか……。


「いらないなら肉焼くのやめるからな」


俺がそういうとピタッと狼の動きが止まる。そして焚き火の前でふせの状態で待つ。


よし、いい子だ。約束したし、肉を焼くか。同じボア肉の丸焼きを作り、狼に与えると狼はかぶりつく。その間にリリーも丸焼きを食べている。俺も自分の肉を焼く。


その後、リリーと狼の視線攻撃に敗北して、俺の肉を与えるトラブルがあったが満腹度の回復は出来た。これから塩を採掘するわけだが……この狼、どうするべきかと考えていたらインフォが流れる。


《ウルフの餌付けに成功しました。仲間にすることが出来ます》

《餌付けスキルが解放されました》


え? この狼、仲間に出来るの? しかしどうすればいいんだろう? とりあえず聞いてみるか


「……一緒に来るか?」


「ガウ」


狼が頷く。おー、狼が仲間になった! しかし餌付けで仲間にしていいのか? このゲーム。しかしウルフの許可を取っても餌付けスキルを取らないと仲間にできないらしい。当然といえば当然だな。消費ポイントは3pt。まぁ、仲間を増やせるスキルなら魔法より上でも不思議はないな。しかもこれを会得するために料理スキルが必要なら料理スキルの3ptにも納得がいく。


《餌付けスキルを取得しました》


何はともあれ、餌付けスキルを取得しました。これで残りポイントは16pt。さて、仲間になったウルフだがどうやら名前を付けないといけないらしい。名前は即決する。


名前 グレイ ウルフLv1


生命力  8

魔力   2

筋力  12

防御力  6

俊敏性 12

器用値  8


スキル


噛みつきLv1 気配察知Lv1 夜目Lv1


名前の由来は毛並みが灰色だったからです。分かりやすいし、いいだろう。


能力的には物理特化のスピードタイプといったところかな。ポジションは遊撃だろう。気配察知は敵を感知するスキルかな? これから色々お世話になりそうだ。


「これからよろしくな」


「ガウ!」


いい返事だ。こうして狼のグレイが新しい仲間に加わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] テイマーの職とかテイムスキルとか要らんのか
[一言] 火を付ける手段がないなら洗う手段もないよね(笑)
2020/01/08 06:45 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ