#1122 スサノオの妻と出雲大社の試練
俺たちはその後、順調に進んでいくかと思ったら、丁度関門橋がある所で突如発生した暴風雨に捕まる。
「明らかに自然発生した嵐じゃないの! お兄様」
明らかにスサノオの仕業だ。どうやら試練は既に始まっているらしい。
「強行突破するぞ! グレイ!」
「ガウ!」
みんながグレイに捕まるとグレイは雷や突如発生する竜巻を避けると最後にはサッカーボールぐらいの雹が降って来て、恋火と和狐が結界を貼って、強行突破に成功する。あんな嵐が発生した山口県が凄く心配になるレベルだった。
こうして島根県の出雲大社に到着した。個人的に人生で一度は行ってみたい場所にゲームで来れるとは嬉しさがある。
そしてその出雲大社の前に光の柱が発生し、女神が現れる。
クシナダヒメ?
? ? ?
スサノオが八岐大蛇から助けた女神だ。近付くとその姿が分かって来た。なんとうか稲一色だ。稲の冠に服の刺繍にも稲、手に持っているのも稲だった。クシナダヒメは農耕神で知られており、たくさんある別名の中に稲田姫というものがある。これを採用したんだろう。大人で落ち着いた雰囲気がある優しそうな女神なのに稲が目立ち過ぎだよ。
「ようこそ。出雲大社へ。スサノオ様がお待ちになっておりますがその前にあなた達の実力を図らせていただきますね?」
「はい」
アテナの時もそうだったがやはり普通に挑ませてはくれなかった。
「わかりました。それでは試練を与えましょう。いでよ。熊襲の亡霊たちよ!」
「熊襲の亡霊? それって」
俺たちの前に熊の毛皮を装備した山賊風の亡霊が次々現れる。
熊襲の亡霊Lv55
通常モンスター 討伐対処 アクティブ
流石に結構強いな。武器は斧や棍棒がメインのようだが、弓持ちもいる。熊襲の亡霊は恐らくヤマトタケルノミコト伝説に登場する敵のことだと思う。ヤマトタケルノミコトにとって、最初の敵が彼らだ。実際に戦ったかは謎だけどね。
「「「「おぉ~!」」」」
そんな彼らが群れで突っ込んで来る。
「旋風刃なの!」
斬れる竜巻に巻き込まれて、空に舞う熊襲の亡霊たち。人間って自然現象には無力なのだとこういうの見ると実感する。更にグレイが口を開けると餓狼の効果で吸い込み、粒子分解の効果で熊襲の亡霊たちは光の粒子になって、グレイの口の中に吸い込まれて行った。成長してグレイも更に強くなったな。
「お、お前らー!?」
「よくもやってくれたな! 仲間の仇だ!」
「大祓!」
残った熊襲の亡霊たちは引きつけてから和狐の大祓で綺麗さっぱり消滅する。
「あう…出番がないです」
「これでは荷電粒子砲が撃てません。マスター」
「流石に彼らに荷電粒子砲を使うのはやめて上げてくれ」
山賊のような彼らに山を貫くような兵器を使うのはちょっと気が引ける。砦にエネルギーバスターキャノンを撃ち込んでウィザードオーブ軍を消し飛ばした俺が言うのもなんだけどね。
ここで今までの敵よりひと際大きい新たな敵が二人登場する。
熊襲建Lv62
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
川上梟帥Lv60
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
ヤマトタケルノミコトの伝説に登場する熊襲を治めていたリーダーたちだ。物語によって、変化しているが熊襲を治めていたリーダーは兄弟だったという話がある。熊襲建のみで兄弟を指すことがあるがこのゲームでは二人登場されたんだな。
一般的ではない川上梟帥はヤマトタケルノミコトという名を与えた人物だとされている。
「へっへっへ。見て見ろよ。兄者。女がいるぜ」
「あぁ。見たことがない女たちだが、旨そうだ。味見してみようぜ。弟」
流石山賊。死んでもゲスの性根は変わらないらしい。俺はこんな奴らに名付けられなくないな。まぁ、伝説ではこんな奴らでは無かったと信じたい。
「あたしは美味しくありません! 強閃!」
そういうと恋火はあっさり熊襲建の首を跳ねた。
「え? っ!?」
「あぁ~…いってーな! くそあま!」
「きゃ!? な、何!? っ!?」
熊襲建は首無し状態で恋火の尻尾を掴むと振り回し、ぶん投げると和狐がキャッチする。すると川上梟帥が現れる。
「ハーミットテイル!」
和狐の尻尾が川上梟帥の体を貫くが川上梟帥は狂気の笑みを浮かべる。
「はっはー! 気が強そうな女は好みだぜ! ほーら、捕まえた」
「離してください! 禊!」
「大祓!」
「おぉ!? あっち、あっち。へっへっへ! だが、効かねーな! おら! 兄者!」
和狐の尻尾を掴むとそのまま熊襲建に二人を投げると熊襲建は二人を捕まえてしまう。この結果に恋火と和狐も絶句しているがそれも当然なのだ。
叡智スキルが敵の能力を見抜いており、こいつらは時々見かける女性には滅法強いタイプの敵であることが判明した。つまりこちらの相手は俺かグレイがするしかない。
「グレ」
「お前たちはあそこにいる男の彼女か?」
「そうですよ!」
「そいつは残念だったな。今日からお前たちは俺たち兄弟の物…っ!?」
恋火たちはあーあーという顔をする。そして俺の殺気を感じた熊襲建が俺を見る。
「今、何か言ったか? おっさん」
「は…はっはー! 聞こえて無かったのか? おま」
「居合斬り」
一瞬で熊襲建の首が落ちる。聞こえていたから怒っているんだよ。
「悪いな。グレイ。こいつらは俺が倒すわ」
「ガウ!」
どうぞと言われた気がする。その証拠にグレイはお座り状態だ。すると魔素の塊が俺に向かってくる。
「悪いな。俺はヤマトタケルノミコトのように待つ男じゃないんだよ」
魔素の塊を斬り裂いて距離を詰めるとそのまま熊襲建に接近する。
「ま、待て」
待つはずなく、滅多斬りにした。これで熊襲建は死に恋火と和狐は解放される。とても嬉しそうな顔されると怒っている俺はどうすればいいんだよ。
「兄者ー-ー!? お前!」
川上梟帥は石斧で攻撃してくるが片手で握って止める。
「は? こ、この! んぎぎー! な、何故だ!? 何故こんな小さい人間に力負けを」
「巨人の加護がお前には無いからだよ。ふん」
「あ、ひ!?」
石斧を側面に殴り飛ばすとぶっ壊れ、川上梟帥は身体のバランスを崩し、近衛を構える俺の姿が移る。
「俺の女に手を出したことを地獄でしっかり反省するんだな。百花繚乱!」
これで川上梟帥を消滅する。後で俺が言った事をみんなに話さないように口止めしておかないとな。アリナがいるし、二人から隠す気が感じられないからたぶん不可能だと思うけどね。
「流石、スサノオ様がご注目されている皆様ですね。ですが、まだこれからですよ。いでよ! 八岐大蛇!」
あんたが呼び出すのおかしくない!?生贄にされる話だったよね!?そう思っていると通常の召喚獣としての八岐大蛇が現れた。
八岐大蛇Lv65
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
まぁ、いいや。以前見た八岐大蛟と比べたら、こんなの子供もいい所だよ。相手を見た俺はアリナの装備を変える。これで倒す準備が整った。
「マスター」
「分かっているよ。アリナ、グレイ。軽く相手をしてやってくれ」
二人が動き回り、イクスの荷電粒子砲までの時間を稼ぐ。イクスが荷電粒子砲を構えると銃口が上下左右に開くと稲妻が発生し、銃口の中心に荷電粒子が集まる。
流石に危険を感じたのか。八岐大蛇はイクスに攻撃を集中するが和狐の遮断結界を突破出来ない。これが八岐大蛇のミスだ。八岐大蛇は不死スキル持ちであることが判明している。つまり荷電粒子砲が直撃しても死なないのだ。
『チャージ完了しました。マスター』
『アリナ。不死を封じてくれ』
『分かっているの! ホーリーハルペーフライヤー!』
八岐大蛇にホーリーハルペーフライヤーが刺さる。これで不死は封じた。
『撃て』
『イエス、マスター。和狐さん、結界の解除を』
『はいな』
『荷電粒子砲、発射します!』
空から放たれた荷電粒子砲に八岐大蛇もドラゴンブレスで応戦するが全く相手にならないように押されていくと八岐大蛇の体に直撃する。流石に出雲大社に被害がでないように守られていた。貫かれた八岐大蛇は巻き込まれた首と体が溶解したようになっており、荷電粒子砲の威力が伺える。もちろんこれで八岐大蛇は倒れて、動かなくなる。
『目標撃破しました。マスター』
地上からでは見えないが気分爽快な顔をしているのが声で分かる。いつもより少し弾んでいるのだ。さて、どうやら解体してもいいようなので久々の解体する。
八岐大蛇の血毒:レア度9 通常アイテム 品質S
八岐大蛇の血に含まれている猛毒。神様すら恐れる程の猛毒で土属性の力が宿っていると言われている。
サマエルの毒の存在を知ってからこれを貰ってもな。土の魔導書の素材になるみたいだし、取り敢えず保管かな?
ここで俺たちの戦闘を見ていたクシナダヒメが拍手をする。
「お見事です。では、出雲大社にご案内しましょう。こちらです」
「「「「はい」」」」」
俺たちはクシナダヒメの案内で出雲大社の中に入っていくと拝殿で参拝をさせて貰うと本殿に案内されると入る前にインフォが来る。
特殊クエスト『出雲大社の試練』:難易度SSSS
報酬:嵐神スサノオとの正式契約
挑戦条件:他の桜花の神と正式契約している場合は受けることが出来ない。また既に嵐神スサノオとの契約者がいる場合も受けることが出来ない。
特殊条件:召喚獣や猛獣は一度の戦闘のみ使用可能。回復ポイントあり。途中ログアウト可能。
パーティー制限:最大二十四人
プレイヤー条件:七人以上で挑んだ場合、戦闘出来るのは一人一回。
嵐神スサノオの四つの試練を突破せよ。
内容はほぼアテナの時と同じだ。一番の違いは試練の多さでアテナの時より一つ多いんだな。
「ここより先はスサノオ様の世界となっております。スサノオ様の性格などよく考えて挑んで下さい」
これは難易度が高いという警告だな。それでももたもたしていると他の人に攻略をされてしまう。時間を確認すると移動時間も含めて結構時間が経過していたが一つだけ挑む事を決めた。ここで負けてもクエスト攻略にそこまでの被害は無いからね。




