#1113 グレイの鎧とゴールデンフリースのロングコート
今日から連続更新スタートです!
今日はイベント最終日だが、学校ではまだ期末テストを受けている。
「なんか段々どうして今、期末テストを受けないといけないのか疑問に思えてきた…」
「ゲームに毒されているわよ。それ」
「俺なんか普通の日よりもゲーム出来て、ラッキーだと思うがな」
「期末テストの結果が楽しみね」
全くだ。とにかく今の気分を切り替えるとしよう。今の精神状態だとどちらにも影響が出そうだ。
「駅前で何か食べ歩きしないか?」
「お! 誠吾から誘ってくるとは珍しいな。俺は全然いいぜ? テストばかりで参っているしな」
「テスト勉強してないのにね。あたしもいいわよ。姫、あなたも行くでしょ?」
「う、うん!」
姫委員長が物凄く反応して、副委員長に感謝の念を送っている。それを浴びている副委員長は若干引いていた。そんなわけで四人で気分転換の食べ歩きをしに行くと姫委員長が固まる。
「姫…あなた、もしかしてお金持ってないの?」
「あったと思ったんだけど…」
「それなら俺が誘ったんだし、奢るよ」
「え!? それは悪い」
「マジで!? よっしゃ! ごちになります」
全員奢る流れにされてしまった。海斗の癖にやるな。
「それは流石に悪いよ。海斗君」
「いいって。ただのパフェだしな。言っとくが変にトッピングしたり、高いの頼んだら、奢らないからな」
「さ、流石に俺もそんな事はしないって」
「しようとしてたわね。間違いないわ」
俺も副委員長に賛成だ。俺は全員分奢って、みんなで食べる。
「あぁ~…疲れが取れるわ~」
「あんたに疲れる要素なんてあるのかしら?」
「まぁまぁ。海斗君も一緒にテストを受けているんだから」
「ん? ゲームで疲れている話じゃないのか?」
「ひっでー」
なんか学生しているなと感じるひと時だった。その後、別れて俺はスーパーに買い物に行くと家に帰り、テスト勉強をする。流石に寄り道をしたからな。パフェでチャージした分は使わないと行けない。
夕方までテスト勉強をして、夕飯を作り、食べ終わるとゲームにログインする。リリーたちと一緒に外に出るとボロボロのみんなの姿があった。そこにはアーレイの姿もあった。
「…やっと来たか…タクト」
「ずっとゲームしていたのか? もう夕飯の時間だぞ」
「は? げ!? や、やばい!?」
俺たちの会話を聞いて慌てる人が結構いた。夕飯を食べる時に親が呼んでいるのに返事が無かったら、怒られるだろうからな。残っている人に情報を聞く。
「今日は島とか関係なく最初からグリゴリセラフィムたちが出て来てます。がんがん攻めて来ているので、御覧のような有様になってますね。後、島ではメカ昆虫が全ての島で確認されました」
「なんかもう島をぶつける目的が無くなっている感じなのか…」
「はい。ガンガン押してここを潰す感じになってますね。こちらは島を落とさないと行けないので、防衛と島を落とす組に分かれるしか無くて苦戦してます」
「それはそうだろうな。それなら俺たちは防衛に回るよ」
俺たちは外の戦いの方が圧倒的に向いているし、範囲攻撃が禁止される島が来ない俺たちが守っている島の防衛なら思いっきり暴れられる。
何よりこれで防衛に当たっている上級プレイヤーたちが島を落としに迎える。こちらの方が全体的に戦闘が安定するだろう。
「助かります」
「お互い様さ。俺はこれから料理を作るからその間に暴れて来てくれ。この島の範囲なら手加減する必要は無いからな」
「「「「はーい」」」」
安全エリアの外で容赦がない大技が飛び交っているとシフォンたちがやって来た。
「外で隕石やら光線が飛び交っているわよ」
「この島の範囲なら遠慮せずに暴れられるからな。何だかんだでリリーたちもストレスを感じていたんだろう。料理しながらになるが情報を伝えるな」
俺はバハムートの唐揚げ丼とパイアのかつ丼、あんかけ野菜炒め丼を作りながら説明した。するとリリーたちが帰って来た。どうやら一気に魔力を使い果たしたらしい。空間索敵を使うと周囲の敵がいなくなっていた。
「随分派手に暴れたな」
「そんなことよりタクト! ご飯! ご飯!」
リリーたちが料理を見ると疲れた様子が吹き飛び、お行儀よく着席する。イベントの最後だからご飯が隠れるほど、使っているからな。思いっきり戦った後にこのご飯はさぞ嬉しいだろう。
リリーたちが喜んで食べている間にシフォンたちは状況を理解して、島の攻略に向かった。そして次々プレイヤーが集まって来て、島の攻略に向かっていく。一方俺たちはご飯を食べ終えるとグレイの鎧と伊雪が作ったコートを持って来てくれた。最初にグレイの鎧を確認しよう。
神鎧グレイリリコスアーマー:レア度10 魔法鎧 品質S+
重さ:10 耐久値:10000 防御力:5000
魔法鎧効果:全属性耐性、半減、神気、神障壁、黄金障壁、神鎧、堅固、衝撃無効、絶対防御、光吸収、後光、聖療、全反射、乱反射、瞬間再生、復活、烈日、陽光、光化、全滑走、環境無効、重力場、重力支配、隕石、武器破壊、妨害無効、魔法無効、神の加護、地竜の加護
宝玉効果:全属性アップ(究)、魔法再時間短縮(究)、魔力超回復、天候支配、炎熱支配、物理支配、海流支配、粒子支配、魔素支配、時空支配、宝玉解放、宝玉全解放
刻印効果:無限のルーン、超加速、星間行動
オリハルコンとグラビティサイトの合金と最高級の宝石、内側にはゴッドウールで作られた狼専用に作られた究極の魔法鎧。騎乗戦闘を意識して鞍状に加工されており、ゴッドウールで乗り心地を割り増しになっている。全てのダメージを半減させてしまう能力があり、魔法に対しては攻撃を受け付けない。更に地竜の力で武器に対しても圧倒的な防御力を誇っている。
リリコスは狼のギリシャ語だ。折角オリハルコンの鎧を使っているんだから採用してみた。早速グレイが装備するととても似合っていた。
「おぉ~! 凄く立派になったな! かっこいいぞ! グレイ!」
「ガゥ~」
照れてらっしゃる。折角なので乗ってみる。
「安定感はあるし、戦闘するならこっちのほうが全然いいんだが、直接乗った時にも良さがあることは意識しちゃうな」
「ガウ!」
それなら直接乗りたい時にはそうすればいいと言っているようだ。
ゴールデンフリースのロングコート:レア度10 防具 品質S+
重さ:10 耐久値:5000 防御力:2400
効果:大物殺し、衝撃無効、妨害無効、環境無効、物理無効、光速激突、魔力超回復、星間行動、星気、神気、神鎧、堅固、烈日、後光、陽光、全滑走、黄金障壁、英雄障壁、神障壁、残像、超加速、脱出、絶対防御、巨人の加護、ゼウスの加護
ゴールデンフリースとゴッドウールで作られたロングコート。空や水中でも飛ぶように行動することが出来き、あらゆる衝撃と寒さから守ってくれる。ゼウスの加護が宿っており、風属性と光属性、雷属性の攻撃全てを吸収し、全ての攻撃に吸収した攻撃を付与する力がある。
ゴッドウールとの差は気にしていたが全く違う素材であることが分かった。一番のヤバさはゼウスの加護だ。カウンターのような加護みたいだけど、やば過ぎるぞ。
「これ、俺のなんだよな?」
「もちろんです。ローブの上から着れるようにしてあります。あ、和狐お姉様のことが気になるならどうしても手伝わせて欲しいとお願いされたので、大丈夫ですよ?」
「い、伊雪はん!? それは秘密どす!」
二人にお願いされて着てみると抱きつかれる。狙っていたのが丸わかりだった。そして下から現れてもぞもぞしているのはノワだな。ずっと楽しみにしていたに違いない。
そして今日の聖杯は月輝夜の武器だ。色々選択肢がある中で選んだのがこちら。
酒呑童子の金砕棒:レア度10 鎚 品質S+
重さ:250 耐久値:2300 攻撃力:2100
特殊効果:鬼の筋力+50
効果:大物殺し、妖怪殺し、人殺し、鬼技【鬼太鼓】、万物破壊、武器破壊、荷重操作、妖気、覇気、戦闘高揚、肉体活性、全反射、超充電、閃電、雷波動、空振、雷化、覇撃、捨て身の一撃、破壊の加護、魔神の加護
酒呑童子が所有する雷属性の金砕棒。攻撃の威力で爆発の威力が決まる鬼の必殺技が使用することが出来る。全ての鬼が憧れている武器と言われている。
酒吞童子とまた戦うか分からないだけに気になっていた武器を選んだ。神剣『伊吹大蛇』と悩んだけど、月輝夜は鎚が弱いからこちらでいいだろう。月輝夜が装備すると巨大な金砕棒となる。これでぶっ飛ばされると普通に死ねるな。
さて、全力状態になった俺たちも島の防衛という名の新装備テストとスキル上げを開始する。最初に月輝夜が酒呑童子の金砕棒で暴れる。使ったのは雷化。これで雷化の効果時間中だけだが、月輝夜は空が飛べるようになった。堕天使たちからすると悪夢だ。今まで飛べないから余裕を見せていただけに一つの装備で状況が変わってしまった。
「グォオオオオオ!」
次々、地面にめり込んで墜落する堕天使たちが続出した。そして俺とグレイも行く。まず堕天使たちが使って来る紫電の槍は俺に吸収されるようになった。そしてグレイと超連携を使うと俺たちの突撃に紫電も加わり、堕天使の一団をぶっ飛ばす。どうやら全ての攻撃に付与というのは超連携でも発揮されるらしい。
ここで槍を構えたセラフィムがエンジェルダイブで突っ込んで来た。これに対して、グレイも突っ込む。すると相手を弾き飛ばしてしまった。神鎧グレイリリコスアーマーの性能を確かめたな。
「新装備はどうだ? グレイ。俺は乗り心地が最高なんだが」
やはり通常の騎乗と鞍があるのとでは乗り心地が違う。何より落ちそうになった時にグレイの毛を掴まないで済むのがいい。結構気にしていたところなのだ。
「ガウ!」
グレイも最高のようだ。今まで真っ向勝負は避けている節があったからな。それから解放されたのはいい傾向だ。ここで堕天使たちが一斉に攻撃を仕掛けて来た。すると重力場で全員が地面に墜落する。グレイのパワーも補強するし、間違いなくこの装備は強いと言える。
これを見たイオンもドラゴンダイブでエンジェルダイブとぶつかって見ると同じように勝利した。
「勝った…よし。あ」
小さくガッツポーズをしているイオンと目が合うと慌てて、顔を逸らされた。別にしてもいいと思うけどな。
「いいなー…二人とも、楽しそうだなー…」
「そうか…でも次の防具は虎徹だぞ」
「ずーん」
リリーのガーンが進化した。そもそもリリーはオリハルコンの鎧のあるなしに関わらず敵に体当たりをして勝っている。俺が呆れている間に地面にめり込んでいる堕天使たちはスキアーたちが仕留めた。そして月輝夜の雷化が終わると今度はみんなが暴れる。
「タクトたちだけいい恰好はさせないのじゃ! 宇宙魔法! ピラーズクリエーション!」
「昨日やられた分なの! 竜魔法! ドラゴニックサンダーボルド!」
「竜魔法! プリズンプロミネンス!」
ピラーズクリエーションで落ちて来た巨大な鋼鉄の柱にグリゴリセラフィムは潰される。次にドラゴニックサンダーボルドで現れた雷の竜に追われ、噛みつかれたグリゴリスローンたちが感電する。最後にグリゴリケルビムが空間に閉じ込められるとプロミネンスに焼かれる。
「まだ生きているな」
「タクト」
「ちょいまち。島を落としたみたいだ。一掃していいぞ。ファリーダ」
「最高の言葉ね! 悪魔の目に貫かれて、死になさい! 魔神魔法! シャイターン・アイン!」
炎の悪魔の目から光線が放たれ、敵が一気に消し飛ぶ。これで一息つけるが反対方向から別の敵がやって来ていた。流石にイベント最終日になると防衛線の維持は難しいか。ここでユグさんが荷台を押してやって来た。
「ポーション、配達に来たよ」
「ありがとうございます」
生産職たちは今回、このように俺たちの戦闘を支えてくれている。因みにリリーたちは飲みたくなく、戦闘を集中したいという理由を付けて、俺がエントラストで魔力を供給している。
「ジーク、リリー、イオン、ノワ、ユウェル」
「いくよー! ジーク! シューティングスターライト!」
「竜魔法! ドラゴンコールドフロント!」
「…竜魔法。シューティングムーンライト」
「竜魔法! ドラゴニックダスト!」
ジークのシューティングスターライトで半減の効果を与えてからリリーたちの竜魔法が襲い掛かる。降り注ぐ光線で爆散したり、紫の光線に貫かれて消滅したりした。残った敵は凍り付いたり、砂嵐の竜に巻き込まれて石化する。
そいつらを恋火たちが狩っていくと次の敵が来る。俺はみんなの許可を得て、安全を確保した後に黒雨と猛吹雪を発生させる。黒雨で生き残った敵をリリーたちとプレイヤーたちが狩り、猛吹雪のフィールドではチェス、優牙、伊雪、ルミが次々敵を倒していく。
この後も魔法攻撃や大技が次々発動される。いいスキル上げだ。
「そろそろきつくなってきたな。ブラン」
「はい! エンジェリックレイン!」
光の雨が降ってい来るとそれを浴びた全員の生命力、魔力、状態異常を回復する。チャンスと思って集まって来ていた堕天使軍に向けて、プレイヤーたちと一緒に容赦ない大技が連続で使用される。ここでルインさんから連絡が来る。
『そろそろ時間になるわ。タクト君。安全エリアに戻ってちょうだい』
『了解しました』
ここでみんなに帰りを知らせる。
「わかりました。魔力を使い切るので、ちょっと待ってください」
みんなが魔力を使い切った結果、安全エリアから見える範囲の敵がいなくなった。
「満足したか?」
「「「「はい!」」」」
「それじゃあ、帰るぞ。急がないと回復が間に合わなくなる」
「そこは…考えてませんでした」
そうだろうね。まぁ、俺はしっかり考えていますとも。ここで戦闘を終了して安全エリアに戻るとインフォが来る。
『セチアの地魔法のレベルが10に到達しました。地魔法【ウォーリングロック】、【ランパード】を取得しました』
『セチアの暗黒魔法のレベルが10に到達しました。暗黒魔法【ライフドレイン】、【マジックドレイン】を取得しました』
『和狐の封印魔術のレベルが30に到達しました。封印魔術【ルーンウェポン】を取得しました』
『和狐の護符のレベルが20に到達しました。護符【沈下の護符】、【雷撃の護符】を取得しました』
『ブランの同時詠唱のレベルが30に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』
『ブランの連続詠唱のレベルが30に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』
『ブランの天使魔法のレベルが20に到達しました。天使魔法【ハロ】を取得しました』
『ファリーダの暗黒魔法のレベルが20に到達しました。暗黒魔法【ダークネス】、【エクリプス】を取得しました』
『ダーレーの槍のレベルが20に到達しました。槍【ペネトレイター】を取得しました』
『狐子の暗黒魔法のレベルが10に到達しました。暗黒魔法【ライフドレイン】、【マジックドレイン】を取得しました』
『ジークの空間歪曲がレベル10に到達しました。空間歪曲の数が二つに増加しました』
『ジークの竜魔法のレベルが20に到達しました。竜魔法【レインボードラゴンバースト】を取得しました』
和狐は一気に護符と霊符を使い切った。まぁ、俺が持っている筆で色々な霊符を試せたのは和狐にとって、いい勉強になったみたいだ。
「後は使えそうなのを完成されるだけだな」
「はいな。それで…タクトはん」
「分かっているよ。帰ったら、紙を渡すな」
和狐はこういう消費アイテムとあまり相性が良くない。俺もそうだけど、使うのが持ったいなくて躊躇してしまうタイプだ。スキル上げの為にガンガン使っていかないとダメなんだけどね。もう紙はそこまで貴重な物ではなくなっている。
安全エリアに入ってから和狐に紙を渡す。そして新しいスキルについて、聞く。沈下の護符と雷撃の護符は今までの護符とは違う護符だった。今までは人に貼り付けて使うのが護符だったのが、この二つは物に貼り付ける護符だ。
効果はトラップのようなもので、貼り付けた護符のところを敵が通ると沈下の護符は落とし穴に落ちて、雷撃の護符は雷撃を受ける。妖怪などを敷地内に入らせない結界タイプの護符ということだ。
これは教えて貰った俺は悪戯心がふつふつに沸いて来る。結構使い甲斐がありそうなスキルだと思うんだよね。
次はブランが覚えた天使魔法のハロ。ハロは太陽や月の周りに光の輪が現れる現象だ。魔法の効果はハロから発生する連続の光の波動で超広範囲の敵に神聖属性のダメージを与える技らしい。一発のダメージはそこまでないらしいが連続なのがポイントだな。
光から守ればダメージを与えることが出来ないので、岩などで傘を作ると防がれるそうだ。これで確認は終わりだ。
安全エリアで清々しい顔で回復しているリリーたちの前にルインさんに貰い行った魔力を回復するポーションを置く。
「「「「え?」」」」
「「「「ガウ?」」」」
「思いっきり暴れたんだから頑張って飲もうな」
みんなが必死に訴えて来るがリリーたちは目を瞑って飲むことになった。
「「「「うへー」」」」
グレイたちまで舌を出して同じ顔をしている。一方で平気そうなのがリースだ。
「そんなにまずいですか?」
「美味しい飲み物に慣れ過ぎているんだよ。みんなはリースを見習おうな」
「「「「ぶーぶー!」」」」
これだけ元気ならこれからの本番は大丈夫そうだ。最後のボスの登場を待つことにした。




