#1109 グリゴリの戦略兵器
GWの更新予定が確定しましたので、ご報告させていただきます。
更新の順番が非常に微妙でして、5月2日までは通常の更新予定で行かせて貰います。
5月3日から5月4日はいつもと同じ時間に連続更新をします。そして5月5日には12時と23時の2話をします。ここで第24章の本編は終わる予定です。
GWの予定は以上です。それでは本編をお楽しみください。
早速、要塞島が現れて、多数のフォールンエンジェルライダー部隊が追加された。これを見たスピカが声を上げ、荒ぶる。するとブランがあやす。
「気持ちは分かりますよ。スピカ…主」
「スピカと戦いたいんだろ? 行ってこい。スピカ、本物のペガサスの強さを教えてやれ」
「ヒヒーン!」
「グレイ、群狼を頼む。乗りたい人を乗せてやってくれ」
これを聞いたプレイヤーたちは興奮する。意外と狼に乗って戦いたい人が沢山いる事に驚いた。
「そりゃあ、あのアニメ映画の影響さ」
「学校の授業で見せられたしな」
「俺も俺も。なんか知らないけど、日本史の授業で見たな」
「僕の学校だと人と自然が共に生きる生き方について、感想を言うように言われました」
あのアニメにはたたら製鉄や主人公の出身地が日本で初めて金が産出された陸奥国で金の粒を出すなど意外と日本史の要素が登場している。そして動物との付き合い方や環境問題が重要視されるようになってきているから意外と授業で見る人がいることに驚いた。
ここでグレイの群狼たちに乗ろうとするプレイヤーたちに超連携でフォールンエンジェルライダーたちが突っ込んで来た。フォールンエンジェルライダーの武器はランス型の槍で今回は集団で突っ込んで俺がやって見せた作戦を潰しに来たらしい。
だが、この作戦は言わば大混戦のカーレース状態のようなものだ。それなら対策はおのずと分かる。
「ダーレー! 一番側面の奴を横にぶっ飛ばすぞ!」
『おう!』
俺たちが横から突進するとチャリオットは横のチャリオットにぶつかるとそのチャリオットがまた別のチャリオットにぶつかり、バランスを崩すと後ろのチャリオットまでクラッシュする。
まさにカーレースの多重事故状態だ。ここまで上手くいくとちょっと気持ちいい。現実では絶対にやってはいけない事であることを肝に銘じないとね。
そんなひどい目にあった彼らにリリーたちが容赦なく襲い掛かった。ここで今まで登場した敵の攻撃も飛んで来る。こいつらの対処をするために部隊を分けていると超連携の攻撃が来た。俺は回避して、ダーレーが攻撃すると敵の盾に防がれる。
フォールンドミニオンライダー?
? ? ?
漆黒の大剣、大盾に漆黒の鎧、兜で顔まで隠している堕天使が登場した。雰囲気がある奴だ。新しい敵の中で一番強そうだな。
「タクト!」
「リリー、私たちはタクトさんの指示に従いますよ。タクトさんとダーレーは完全にやる気になってます」
「イオンちゃん…そうだね。全く二人共子供なんだから」
「『あん?』」
俺とダーレーがリリーを睨むとそそくさとリリーは逃げて行った。後でお仕置きだな。そう思っているとフォールンドミニオンライダーが襲い掛かって来た。
刀と大剣だと折れやすい刀は相性が悪い。だが、それは打ち合いになった場合だ。俺は大振りの攻撃をダーレーが身体を横にする形で回避するとダーレーが身体を動かし、フォールンドミニオンライダーが騎乗しているフォールンペガサスの前脚を斬る。
ここで近衛の追撃が発動するとダーレーは人モードになり、フォールンペガサスをエレクトリックドリルランスで貫いた。ここでフォールンドミニオンライダーはフォールンペガサスを連れて距離を取るとフォールンペガサスが復活する。
ダーレーが馬に戻り、俺が乗るとフォールンペガサスは逆鱗を発動させて、星角で突っ込んで来た。それをダーレーが上に躱すとフォールンドミニオンライダーの顔に蹴りが入る。これは洒落になっていないくらいに痛いだろうな。完全にカウンターという形で決まった形だ。振り返ると案の定バランスを崩していた。
チャンスだと思っているとフォールンスローンたちが襲い掛かって来た。
「男の! 決闘の! 邪魔を! するんじゃ! ねーよ!」
俺が対処していると優牙がフォールンドミニオンライダーを顔から噛みつき、白夜がフォールンペガサスの首に噛み付いていて、とどめを刺してしまった。
「ほらー…お前らが割り込むとこっちも入っていいことになるだろうが…もう許さん! 邪魔したこいつらを倒すぞ! ダーレー」
『リリーが言ってたことを覚えているか?』
「あぁ。だがな…子供で結構だ!」
何せ俺は子供だからね!こうしてフォールンスローン狩りをしているとイクスがやって来る。
「島から高魔力が発生しています。マスター」
イクスにシンクロビジョンを使うと確かに魔力の高まりを計測する。それを見た俺はロボットアニメを思い出す。こういう要塞にはあるお決まりがある。そして魔力が集まっている場所にはルインさんが教えてくれたボスの種類を特定するアザゼルのマークがある場所だった。それを確認するためにプレイヤーが集まってしまっている。
「まさか…あれはプレイヤーを集めるための罠!? 全員! 島の射線上から逃げろ! 島から戦略兵器が使われるぞ!」
「「「「マジかよ!?」」」」
全員が連絡をし合い、慌てて避難する。そして島の中央部から俺たちがいる島に向けて超巨大のビーム戦略兵器が放たれる。逃げ遅れたプレイヤーは仲良く全滅した。
そしてこの攻撃で回復エリアのダメージゲージが半分減る。つまり二発で回復エリアが終わりということだ。放たれる前に回復エリアがダメージを半分以上喰らっていたら、それで終わるって事にもなる。回復させれば持つが後手に回っていると島の接近を許してしまうし、敵の攻撃がこちらの回復を上回れられたら、詰みだ。
「どうするの!? タクト!」
「これだと時間を待っていたら、撃たれて詰む。とにかく今は敵の回復エリアへの攻撃を止めるぞ! 撃たれても、攻撃されても終わるんだからな。回復エリアが必要なプレイヤーは回復しながら拠点の回復をしてくれ」
邪魔なグリゴリシリーズと戦闘をしているとプレイヤーがやって来る。
「やっぱりだ! あの戦略兵器の所、入れますよ!」
「戦略兵器は大きさと大量のエネルギーを使うから、動力室の近くにあることが多いんだよな」
「他の所に伝えて、調べて貰ってくれ!」
メルたちに調べて貰っている間に俺たちはグリゴリセラフィムを落とす。そしてメルたちの調べによると戦略兵器を破壊してからでも動力室への近道は使えることが判明した。
「援護は俺たちが引き受ける! 迷わず戦略兵器に突っ込め!」
「「「「おぉ!」」」」
リリーたちがプレイヤーたちに襲い掛かる敵に横槍を入れる形で守るとプレイヤーたちは次々戦略兵器に大技を叩き込み破壊する。そして全員の許可が出てからプレイヤーたちが要塞島の破壊に向かった。
「よし、グレイたちは島周辺の敵を頼む。俺たちは先に回復エリアに引かせて貰うな」
「「「「ガウ!」」」」
俺たちは次の戦いに備えて、回復エリアで回復しつつ、回復エリアが受けたダメージも回復される。そしてここでデザートを取り出す。
「じゃーん! アイスパンケーキ!」
「「「「おぉ~!」」」」
リリーたちに人数分のアイスパンケーキを置く。
アイスパンケーキ:レア度10 料理 素材S+
効果:満腹度100%回復、生命力全回復、魔力全回復、一時間満腹度減少無効
ドン・クアルンゲのアイスをパンケーキに乗っけたデザート。上からチョコレートで似顔絵が書かれている遊び心が詰まった料理となっている。
ドン・クアルンゲはそれはもう一日に凄まじい量の牛乳を出してくれて、アイスクリーム屋さんが大繁盛しているそうだ。因みに売り上げの三割はギルドのお金になっている。
更にアイスパンケーキにある効果はドン・クアルンゲの料理に共通している。牛乳とかバター、チーズは結構料理に使うから非常にありがたい。他にもドン・クアルンゲの牛乳や乳製品は普通の牛乳より遥かに優れていることが確認されている。
俺はリリーたちに食べ方を教えてあげて、リリーたちが食べる。
「「「「はむ! ふわ~…ミルキ~…」」」」
アイスクリーム屋でみんなが言っている言葉を真似したな。俺を見つめてきているのがその証拠。変な言葉を覚えると俺に感想を求めるように見て来るのだ。
一方俺は疲れた体を癒す為に倒れ込む。流石に相手が強くなってきて、余裕がなくなって来た。しかもそこに指示も出さないと行けないのだ。疲労が普通よりも大きくなるのは、当たり前と言えた。
「しんど~」
「…ん」
ノワが乗っかって来た。
「食べたのか? ノワ」
「…急いで食べた。今は疲れているにぃを癒してあげる」
一緒に寝転がっているだけなんだがな。ここでリリーたちに動きが分かれる。デザートか俺かの二択だ。決断が速かったのだが、イオンと和狐で俺に抱きつく形で寝る。それを見たみんなは大人しくパンケーキを優先した。
そんな風に休んでいると島を落とすことに成功した知らせが来た。
「休憩終了だな」
「…ん」
「タクトさんはもっと休んでていいんですよ?」
「それを許してくれる敵ならいいんだけどな」
これだけ連携が取れた堕天使の軍団が現れたのだ。しかも俺を明らかに狙っていた。そんな状況でボスが俺を狙わないはずがない。取り敢えず俺は東エリアで待機することにした。
もののけ姫のことですが調べてみると結構学校の授業の一環で見る人が多い事に驚きました。自分も授業で見ましたが感想でした。




