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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
堕天使イベント
1159/1718

#1095 堕天使イベント初日反省会

反省会ではまず他のエリアに向かったリリーたちの暴れっぷりが報告された。


「「「「えへ」」」」


「「「「か、可愛い」」」」


男性プレイヤーは笑顔のリリーたちを前にして、一瞬で怒る気が消滅する。狙ってやっているからたちが悪い。俺も何も指示しなかったから、これは俺のミスとも言えるからみんなに謝った。


「防衛方法を見直さないとこのままじゃあ、タクト君たちに経験値が総取りされちゃうわね、タクト君たちの頑張ったところをとどめだけ貰うのはフェアじゃないから作戦を考え直すわよ」


「冗談に聞こえないんだよな。特にタクトの第五進化のドラゴンはやばい。俺は敵に同情したぞ」


ジークの半減と毒はアルマロス・ネフィリムたちにとって、最悪の組み合わせだっただろうからな。他にもノワ、リビナ、ハーベラスなど状態異常が得意なメンバーが無双した。ただこれは今回、魔法が効かない特性がアルマロス・ネフィリムにあったからだ。そこまで弱点が変わるとは思えないから明日以降は暗黒魔法や木魔法が活躍するかも知れない。


そしてリリーを超えて、大暴れしたのがファリーダだった。アルマロス・ネフィリムの拳を普通に止めて、パンチ一発で腕を消し飛ばしたそうだ。そしてファリーダの筋力と方天画戟の前に何度も挑んではぶっ飛ばされるアルマロス・ネフィリムの姿があったらしい。


「まぁ、あの程度なら余裕ね」


「リリーも! リリーも余裕だったよ! タクト!」


「はいはい。偉いわね。リリー」


「えへへー。じゃない! リリーの頭を撫でないで! ファリーダちゃん!」


みんながリリーの立場を壊しに掛かっている気がする。次にボスの登場に遅れたメルたちが話す。


「私たちは攻撃タイプの要塞島の攻略でボスの名前はグリゴリデストロイガーディアン。参加が遅れた理由は単純で回復に時間が掛かっちゃったからだよ。防御型の時間がかかる所を回復の時間で補っているんだと思う」


「…グリゴリデストロイガーディアンとの戦いで回復魔法を使いすぎて、失敗した。お陰で回復は回復エリアで回復するしかなかった」


アイテムを使う手もあっただろうが初日から使いにくいよな。


「なるほどね…無茶をすれば連戦で参戦可能だけれど、死ぬリスクが高くなるってことね」


「理想は防御タイプを最後に落とすことですけど、タイプがどれかは部屋に入らないと分からないのが問題ですね。入れ替わりなども禁止されてましたし、もちろん転移も出来ませんでした」


レッカの言う通りでここが一番運営のやらしいところだと思う。何とか事前に分かればいいと思っているとそれを調べていた銀たちが報告する。


「そのことなんだけど、普通の島でスキルや装備をフル活用して試したけど、無理だったよん」


「そうなのか? アラネアの糸は部屋に入ってもトリガーにならなかったぞ?」


「そうなんだねん…それならプレイヤーだけに反応するのかなん? そうなると変化で騙せるかも知れないねん。明日試して見るよん」


そして重要な報告がされる。


「…ボス戦の前なら入れ替えや転移は出来るみたいです」


「そこで私たちは登場する敵である程度、ボスのタイプを予想出来るんじゃないかと思ったんだけど、どうだった?」


みんなで道中の様子を聞くとみんなよく似た感じだった。


「外れか~」


「いや、そうとも言えないんじゃないか?」


「そうね…みんなの話を聞いた感じだと違いは確かにあるもの。それにボス部屋の前で編成が出来るということはボスにあった編成に変えることが出来るという裏返しよ。恐らく島の敵もレベルが上がって来て、少しずつ違いが分かり易くなって来るんじゃないかしら?」


「それが王道の攻略方法でセンサーか何かを騙してボスのタイプを知るのが裏の攻略法と言った感じかな?」


レッカの意見にみんなが同意した。ここの運営なら色々な攻略法を用意していそうだとみんなが思っている。明日はみんなでそこを探ることで一致した。次にリサたちが敵の攻略情報を話す。


「グリゴリデストロイガーディアンの腕がドリルだと思ったら、ミサイルで飛んできたんだよ!」


「このドリルミサイルは盾や武器に当たった後、耐久値を削ってから爆発するから注意してくれ」


「他にも身体中からとにかく追尾ミサイルをバンバン撃って来るわ。後、生命力の減少がトリガーでお腹から曲がる冥波動を使ってきたわね。一番苦戦したのが報告した部屋中から破壊出来ないレンズ型ビーム掃射装置に狙われることよ。赤く光ってから撃ってくるから攻撃の予測はある程度出来るけど、避けるのも守るのもオススメ出来ないわ。私たちがそれで痛い目に会ったから。開幕速攻が正解だと思うわ」


下手に守りに入ると先に突破されそうだし、避け続けるのもきつかったんだろうな。ユーコの言う通り一気に潰したほうが最終的にダメージは少なくて済みそうだ。もちろんある程度の防御とかは必要だと思うけどね。


一方、鉄心さんたちとシフォンたちが遭遇したのがスピード特化のボスで名前はグリゴリソニックガーディアン。スピード特化のボスの武器はビーム兵器のチェーンソーの二刀流でこちらも武器や防具の耐久値をごりごり削って来る上に、とにかく滅茶苦茶速く、分身や残像を多用してくるそうだ。それがパーティーと同じ数は洒落になってない。


「タクト君ならチェーンソーをどうする?」


「刀で受けたくはありませんね…耐久値の心配もありますが弾かれるリスクが大きいですから。多乱刃などの遠距離攻撃をするか接近戦なら避けるか側面を叩いて逸らすしかないかと」


「やはりそうなるか…スピードはなんとかなるんだが…」


「リリーなら負けないよ!」


「すみません。ちょっと私とお話しましょうか? リリーお姉様」


魔法大剣をぶっ壊す可能性があるリリーは正座でセチアとユウェルに怒られる事になった。


話を戻してグリゴリソニックガーディアンを倒さないと動力装置に攻撃することは出来ないそうだ。こちらもいやらしい設定だった。更には脱出時には報告にあった追撃が来る。結果的にどちらもかなりの被害を受けて、回復に時間が掛かる結果となった。


「逆に俺は最初に潰したから結構時間的な余裕があったな。サフィの回復領域と併用していたが回復エリアの回復だけで十分だったよな?」


「あ、はい! かなりの余裕がありました!」


退屈していたぐらいだったからな。


「制限時間オーバーを狙っている仕様ならそうなるわよね…ボスの出現条件は最後の島を脱出した時かしら?」


「いや、島が完全に落ちた時だろうな。正確にはマップ上から要塞島が無くなった時と言うべきか」


鉄心さんが言うように島がここに接触して自爆する設定だから、その認識が正しいだろう。つまり島の四つの回復エリアが破壊されて、ここだけになった瞬間にアルマロスとアルマロス・ネフィリムに襲われるのが今日の最悪のシナリオになる。


「えーっと…つまり回復の時間を稼ぐためには最後の島の破壊がポイントになるのかな?」


「そう言う事になるわね。さっき言ったようにどのタイプの島か分からないから取り敢えずタクト君たちは明日、最後に島を破壊してくれないかしら?」


ダメージを受けても他の皆より遥かに回復が早い俺たちが適任だろうな。


「分かりました。島の武装の破壊や敵で時間を潰しますね」


みんなが苦笑いを浮かべていた。何故だ。ここからは自由時間となる。クロウさんたちは武器の修復や攻撃を受けた施設の修復、時間があれば改造もするらしい。ルインさんもアイテムの状況確認をしている。回復エリアなどはあるけど、アイテム管理は疎かには出来ない。ましてや今回は他のギルドの人たちが沢山参加しており、全員が攻略組という訳じゃないからだ。


俺は安全エリアの俺の部屋に布団を出すとアリナがやって来る。すると急に枕で顔を隠した。


「お兄様、今日は一緒に寝ていいですか?」


「…あ、あぁ。いいぞ」


急にアリナの口調がしおらしく変化した。一瞬、固まった俺だが、アリナにはアリナのやりたいことがあるんだろう。このままアリナのノリに合わせよう。


「ありがとうございます! お兄様! あ…あまり見ないで下さい…恥ずかしいです。お兄様」


「…わ、悪い」


我慢だ!我慢しろ!俺!今にも誰だ!お前は!と叫びたいが何とか耐える。そしてなんとかアリナは布団に入ってくれた。


「お兄様…抱きしめてくれないんですか?」


「い…いいぞ。これでいいか?」


「は、い…ひゃん!? お兄様のエッチ」


「はい! そこまで! 意味が全然分からん!」


流石にこれは我慢ならん!自分で抱きしめてとお願いしておいて、エッチ呼ばわりされてたまるか!冤罪にもほどがある!誓って言うが変な事はしていない!その証拠に警告が出てないから!


「もう…お兄様。夜寝る時は静かにしないといけないの」


「これは俺が悪いのか? 違うよな?」


なんかどっと疲れが出て来た。


「隙ありなの」


「お!? はぁ…どうしたんだよ」


アリナに押し倒されてしまった。


「一度お兄様にやって見たかったの。アリナは中々押し倒すこととか出来ないから」


「それをするために変な事をしたのか?」


「あれはアリナが生み出した対お兄様用の必殺技【しおらしい妹モード】なの。自分だけが必殺技を考えていると思ったら、大間違いなの」


俺にしか効果がない必殺技を開発してどうするつもりなんだか…というかそういう妹が好きな人全員に効果があると思う。


「ふふ…お兄様、否定していないの」


「ぐ…心を読むなよ」


「アリナは特別なの。お兄様と結婚したんだから」


アリナが俺の胸に耳を当てて来た。


「お兄様の心臓の音が聞こえるの…」


「それは良いんだが、いつまでこの状態でいるんだ?」


「何を言っているの? お兄様。このまま寝るに決まっているの」


マジか…すると布団が浮かんで俺たちの上に落ちて来た。


「これで完璧なの。おやすみなさい。お兄様」


「はぁ…あぁ。お休み。愛しているよ。アリナ」


「…」


「照れてる?」


「照れてなんてないの! お兄様は早く寝る!」


俺はログアウトする振りをしてみた。


「アリナも愛しているの」


これを聞いてからログアウトした。遊びに付き合ったんだ。これくらいしてもいいだろう。現実に戻るとにやにやしながらテスト勉強をすることになった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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