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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
堕天使イベント告知と最後の召喚
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#1086 炎精魔神の試練

俺はファリーダが魔王になった時に転移した砂漠が目の前に広がる。すると砂漠から火柱が燃えが上がり、その中から炎精魔神イフリートが現れた。


「この時を待っていたぞ! 小僧! さぁ、今すぐ俺と戦え!」


いきなり怒り心頭だ。すると頭を抱えたファリーダがいきなり俺と腕を組んで来た。


「その前にお父様。私、タクトと結婚したから」


「…は? 結婚?」


「えぇ。ほら、これが証拠よ」


ファリーダがマリッジリングを見せた。それを見たイフリートは口を開けて固まってしまった。家出した子供がいきなり結婚した男を連れて現れた父親の顔ってこんな風なのかな?


「ま、待て。意味がわからん」


「そのままの意味よ。それじゃあ、戦いましょうか。ていうか今すぐ戦っていいのよね?」


「待て待て待て! この状態で戦えるわけないだろうが! ちゃんと話せ!」


「爆轟!」


ファリーダが遠慮なしに方天画戟で襲い掛かった。父親に全く容赦がない。俺が父親なら泣くぞ。


「く…ええい! 俺はお前をこんな娘に育てた覚えはないぞ!」


「何言っているのかしら? 今の私を育てたのはお父さまじゃなくてタクトよ。何もしてないくせに育てたとかよく言えるわね!」


「くぅぅ…黙れ! 例え力を失おうともお前が俺の娘であることは変わることはない!」


ファリーダの言葉を否定していないよ…イフリート。


「それに育てた奴と結婚するのはどうなんだ!」


ここで俺もイフリートに近衛で斬りかかる。その言葉は完全に地雷だ。俺自身、そのヤバさにはとっくに気が付いている。それでも俺はリリーたちの結婚を選んだんだ。それを他人に否定される筋合いはない。


しかし渾身の俺の一撃はイフリートの斧に止められた。


「ぬぅ! 速いがパワーがないぞ! 小僧! ぬ!?」


イフリートが力を入れたタイミングで近衛の力を抜いて、イフリートの斧を受け流して近衛をイフリートの斧の下に潜り込ませた。そして体を捻って近衛を振る。それを見たイフリートは下がるとファリーダが方天画戟を振る。


それに対してイフリートは斧をもう一つ作り出すとファリーダの一撃を受けたがファリーダと違って力が乗り切れていないイフリートが後ろに下がらされる。そして俺はファリーダと並んで二人揃って武器を肩に置く。


「く…見せつけおって! もういい! 今、ここでお前を殺して、娘との結婚を無かった事にしてやる!」


「はぁ…タクト。こんな風になったら、ダメよ。女はちゃんと男に恋をして、覚悟を決めて結婚しているの。だから結婚を反対するという事は娘の恋心と覚悟を全否定する行いと言ってもいいわ」


そうなのか…色々勉強になる。リリーたちと一緒にいたことで俺は相当子供に弱いことが分かっているからな。ファリーダのこの言葉は大人になっても、忘れないでおこう。


「そ、そんなつもりで言っているわけではない! そもそも人間と我々が上手くいくはずないだろう!」


「タクトなら出来ると信じているからこうして結婚したのよ。もちろん、惚れていることもあるけどね」


むぅ…恥ずかしい。照れる俺とファリーダを見たイフリートは怒りが爆発する。


「見せつけるな! 大噴火!」


砂漠がいきなり大噴火した。俺たちは避けたが大噴火の衝撃波で飛ばされ、燃えている噴石が飛んできた。俺たちは避けながら、後ろに下がっていると俺の手に溶岩が触れていると熱さを感じた。


「あっつ!? ファリーダの言う通り、熱無効が効かないのか」


「炎の魔神の中でも最強クラスだからね…逆に言うと熱さにビビるようならお父様には絶対に勝てないわ」


「そういう事だ! 溶ブレス!」


「雷光刃!」


俺は溶岩のブレスを雷光刃で斬り裂いた。


「舐めるな。料理人が今更熱さにビビるかよ!」


「ふん! 料理で使うようなちっぽけな火と一緒にするな! お前がどれほどのものか確かめてやろう! 大焦熱!」


周囲が一気に炎に包まれ、俺も体全体が燃え上がる。そんな状態で俺は近衛を鞘に納めて、居合の構えを取るとイフリートとの距離を一瞬で詰めた。


「居合斬り!」


「ぬ!? は!」


イフリートは俺の居合斬りを斧で止めて、空いている片方の斧で攻撃した。俺はそれを下がって、躱す。イフリートの斧の二刀流が随分様になっている。これが本来のスタイルなんだろう。俺は再び、居合斬りの構えを取る。


「ふん…同じ技が通用するはずが」


俺は距離を詰める。だが、さっきよりも深い。


「抜打ち!」


俺は鞘でイフリートの腹に抜打ちを仕掛けた。だが、それを察したイフリートは下がる。


「惜しかー-っ!?」


鞘を振り抜いたことで近衛が鞘から飛び出し、左手で飛び出した近衛を握るとそのままの勢いでイフリートに斬りかかる。ただ、イフリートに止められた。


「小細工が通用するか! 小僧! グランドスマッシュ!」


イフリートの斧が俺に迫るとイフリートの振り上げた手に手放した近衛の鞘が飛んで来て、当たる。俺が念動力で操ったものだ。そして落下して来た近衛の鞘を俺は右手で掴む。これで二刀流!そしてイフリートは武技の発動中に攻撃が喰らったことで武技の発動はキャンセルされている。


「ミーティアエッジ!」


「く!?」


俺の至近距離でのミーティアエッジがイフリートに決まると近衛の追撃が決まっている間に距離を取った。


「鞘を使って、二刀流にするなんて考えたわね。それに鞘を振り抜いて刀を出すなんてよく思いつくわね」


「実は影で練習していたんだよ」


「そう…恋火たちに報告するわね」


「いや、それは…正しい刀の使い方じゃないというか…恋火たちには真似して欲しくないんだよな」


これは最初からの俺の願望でもある。俺が普通の剣術じゃないからこそ恋火たちのような正統派の剣術を見ていたいのだ。


「く…まさか俺にダメージを負わすとは」


「タクトを甘く見すぎたね。だから魔王たちは負けるのよ」


「ふん…だが、この程度のダメージなどすぐに治る」


イフリートから再生の炎が燃え上がる。そっちが回復するならこっちは切り札を使おう。馬鹿にされた分はしっかり一撃を与えたし、俺だけでイフリートにダメージを与えることが出来ると証明も出来た。だからここからはもう本気になってもいいだろう。


「タクトって、意外に頑固よね」


「俺は一本、筋を通したいだけさ」


「そこが頑固なのよ。でも、もう十分よね?」


「あぁ…見せてやろう。俺たちの力を」


ファリーダとマリッジリングを掲げる。


「「マリッジバースト!」」


俺が火球、ファリーダが黒炎の火球になると空に上がっていき、天で二つの火球がぶつかり合うと天が爆炎に包まれる。そして降り注ぐ火の粉と共に真っ赤な長髪に後ろに曲がっている漆黒の角が二本、肌が褐色、身体には模様が描かれている赤眼の俺が降臨した。


名前 タクト 究極の召喚師Lv22


生命力 323→655

魔力  646→1134

筋力  435→1069

防御力 240→525

俊敏性 463→825

器用値 482→824


スキル


戦斧Lv42 格闘Lv45 魔拳Lv31 蹴技Lv45 杖Lv50 

片手剣Lv50 槍Lv41 刀Lv50 二刀流Lv41 舞踊Lv10 

軍略Lv25 恩恵Lv7 念動力Lv37→Lv42 神気Lv29 魔神覇気Lv40 

神瞳Lv31 精霊眼Lv3 爆破の魔眼Lv3 堕落Lv21 黒炎Lv14 

強激突Lv15 万物破壊Lv41 防御無効Lv31 戦闘高揚Lv31 神障壁Lv13  

肉体活性Lv25 詠唱破棄Lv44 魔力回復Lv3 魔力支配Lv28→Lv41 荷重操作Lv36 

炎熱支配Lv10 引力支配Lv20 重力操作Lv29 魔力切断Lv46 魔力飛行Lv24 

魔法阻害Lv10 空間転移Lv1 時間遅延Lv1 空間歪曲Lv20 空間索敵Lv19 

第六感Lv39 天言Lv26 危険予知Lv16 魔力感知Lv11 神感覚Lv42 

召喚魔術Lv50 封印魔術Lv44 ルーン魔術Lv42 阻害無効Lv27 騎手Lv54 

錬金Lv33 採掘Lv41 伐採Lv42 解体Lv68 鑑定Lv59 

識別Lv67 紅炎Lv26 焼尽Lv3 陽炎Lv20 炎熱装甲Lv23 

疾魔法Lv23 炎魔法Lv20→Lv24 地魔法Lv23 海魔法Lv23 暗黒魔法Lv23→Lv27 

神聖魔法Lv33 雷魔法Lv58 爆魔法Lv61→Lv67 木魔法Lv41 氷魔法Lv50 

時空魔法Lv67→Lv72 獣魔魔法Lv19 遅延魔法Lv30 連続詠唱Lv50 遊泳行動Lv36 

集束Lv35 転瞬Lv35→Lv39 心眼Lv34 無我Lv33→Lv39 叡智Lv33 

料理Lv54 釣りLv23 シンクロLv39 エンゲージLv30 焼失弾Lv30 

魔神波動Lv26 溶波動Lv13 熱波Lv25 多連撃Lv32 多乱刃Lv36 

流星群Lv4 諸刃の一撃Lv9 魔王技Lv26 魔素解放Lv27 放射熱線Lv1 

死滅光線Lv2 星震Lv2 爆心Lv2 覇撃Lv1 惑星魔法Lv1 

魔神魔法Lv13 妖精の輪Lv5 超連携Lv42 絶対防御Lv7 魔神化Lv7 

耐性無効Lv1 巨人の加護Lv30 魔王の加護Lv25 破壊の加護Lv29 アテナの加護Lv26


これが俺とファリーダのマリッジバースト。手に持っている武器は方天画戟で左の腰には近衛がある。そして背には神剣エスカトンリープリングと神戦斧イフリープアックスがある。かなりの変則装備だと我ながら思う。そしてこれを可能にしているのが間違いなくオリハルコンだ。本当に頑張って良かった。


そして周囲にはマモングリモワール、レヴィアタングリモワール、エンゼルファミーユの三つの魔導書が展開されていた。


流石に魔神時のスキルが全開放というわけにはいかないみたいだが、リリーたちよりもステータスの上昇は50も上がっており、全ステータス100アップとなっている。


「貴様…娘を返せ! これでは息子になったようではないか!」


そういうリアクションになりますか。


『あら? 良かったじゃない?』


「全然良くないわ! 俺が娘が生まれてどれだけ喜んだと思っている!」


あぁ…娘が生まれて喜んだのなら怒るのも分かる気がする。ここでファリーダが質問して来た。


『タクトは子供が出来るならどっちがいいのかしら?』


『俺か? 俺はどっちでもいいな。娘ならたぶん可愛かるだろうし、息子なら一緒に遊んでみたいかな?』


『なるほどね…あ、これはリリーたちに報告するから』


え!?子供の話とかするの!?それは何かやばいことにならないか!?


『ふふ…楽しみね』


全然楽しみじゃない!子供の事とかずっと聞かれて、期待の眼差しに晒され続ける事になると思うと胃が痛くなる。ここでイフリートが目の前に現れた。俺は方天画戟で迎え撃つと互角になる。


「む…ぬん!」


ぶつかり合った斧とは別の斧で弾きに来た。俺はそれで弾かれる前に手放し、近衛で居合斬りをするが躱される。


「ま、簡単には行かないか。よ」


弾かれた方天画戟が飛んできて、手でキャッチすると近衛を鞘に納めて、方天画戟を構える。まさかアニメやドラマ、漫画に登場する呂布の武器を使える日が来るとは夢にも思わなかったな。俺は間合いを詰めて、方天画戟を思いっきり振るう。これにイフリートは迎え撃つと衝撃波で地面の砂が吹き飛ぶ。


そこからお互いに引かないぶつかり合いになる。本来なら手数で優る斧の二刀流のほうが有利な状況だが、方天画戟には槍故にリーチがある。そして俺は方天画戟のフルスイング攻撃に混ぜて、連続突きもする。これでイフリートを牽制した。


この連続突きのイフリートの対応の悪さを見た俺はスピードではこっちが勝っていると確信する。火属性は基本的に筋力重視で俊敏性は高くない傾向があるからな。だが、こちらも余裕がある状況とは言えない。大焦熱の効果でじわじわ生命力が無くなっているのだ。


「ふ…どうした? このままでは燃え滓になるぞ! 溶波動!」


『そんなことわかっているわよ! 溶波動!』


これは僅かに押されるが互角に終わる。やはり魔神相手に魔力での勝負は分が悪いな。それを向こうも感じ取ったようだ。


「お前たちに炎の魔神の恐ろしさを教えてやろう! 溶岩流! 大津波!」


砂漠から溶岩が吹き出し、巨大な津波となって、向かって来た。ならだこちらも見せてやろう。


「瀑布! 大津波!」


レヴィアタングリモワールの効果で空から巨大な滝の水が落ちて来ると大津波となって、ぶつかり合う。


「水属性の魔神の力か! 炎熱支配!」


『残念ね。お父様。この勝負は私たちの勝ちよ! 海流支配!』


ぶつかり合った大津波は俺たち側が呑み込む形となった。炎熱支配は炎と熱を操るが大津波となれば流れを操る海流支配が上回る。


「く…炎の魔神の癖に水を操るとはな! 恥を知れ! 溶岩壁!」


溶岩の壁でガードされるが思いっきり大津波を使ったこいつにだけは言われなくない。ここから派手なスキルや魔法の撃ち合いになる。


「『魔神魔法! アフマル・シムーン!』」


二つの真っ赤な砂嵐がぶつかり合う。砂漠の人からすると悪夢の光景だな。すると砂嵐で見えない中、アフマル・シムーンを遥かに超える魔力の高まりを目視で感じる。それが精霊眼の効果だった。


『不味いわ! タクト! シャイターン・アインよ!』


砂嵐が無くなると夜空に炎の悪魔の目が発生しており、そこから破滅の光線が放たれる。効果を俺はファリーダから聞いた俺はクロノスクロックの時間停止を使って、間一髪回避に成功する。そして地面が戻ると破滅の光線が通った地面が真っ赤になると超爆発して地面が消し飛ぶ。


シャイターン・アインは防御不能に加えて、武器、防具を破壊する魔法で範囲は目が向ている方向に限定されるのだが、光線が放たれ続けて、そのまま動き回るから回避が非常に難しい。転移も封じられていたから回避するなら光線が通った場所に回り込むと安全だとファリーダが教えてくれた。


そしてこの回避で活躍したのも精霊眼だ。精霊眼ははっきりと魔力の高さと発動する魔法が魔力の色という形である程度、予測が出来るスキルで魔法が放たれる場所も線で事前に見えるようになる。


お陰でイフリートの攻撃を対応出来ている。イフリートもその理由ははっきりと分かっているのだが、見えたからと言って、全てに対応出来るかは別問題なのを知っていた。


『(イフリータが教えているんだろうが、それを聞いてから対応するまでの時間が速い。この人間、どれだけ困難な戦闘を乗り越えて来た?)』


イフリートは驚愕したのは、ここだけではない。大焦熱の効果で追い込んでいるのは明らかにイフリートなのだ。だが、俺は笑みを浮かべて、戦っていた。両手の斧をここまで扱う敵は初めてだし、実力で負けていることも自然と分かる。ましてや俺は慣れていない武器だ。だけど、それが楽しくてたまらない。イフリートの攻撃を受けながら自分が成長していることが分かるからだ。


『(焦りを感じていないと言う事は俺に勝つ自信があるということか。面白い!)』


だが、ここでファリーダが限界を教えてくれる。


『タクト、そろそろ仕掛けないとやばいわ』


『わかった。行くぞ! ファリーダ!』


『えぇ! 魔神域!』


レヴィアタングリモワールから俺たちが苦しめられたレヴィアタンの魔神域が広がり、大焦熱が解除される。これがフィールドに影響を出すスキルの弱点だった。後から出したスキルに上書きされてしまうのだ。最も領域系のスキルにも相性があり、先出しが有利な場合もある。それがレヴィアタン戦でブランが神域を失敗した時に起きた現象だ。流石に上位魔神と上位天使とでは相性が悪かった。


「魔神域が使えたか…しかもかなり高位の魔神域だな。だが、甘いぞ。魔神」


「おら!」


「ぬ!?」


俺は方天画戟を投げつけて、魔神域の発動を妨害しつつ、距離を詰める。


「居合斬り!」


「ふん!」


方天画戟が弾かれ、更に近衛も弾かれてしまった。この瞬間、俺の手から武器が無くなる。


「勝負を焦ったな! 小僧! グランドサザンクロス!」


勝ちを確信したイフリートは俺たちの獰猛な笑みを見る。


『貰ったわ! 全強奪!』


マモングリモワールの全強奪のスキルがイフリートに発動するとイフリートの斧とネックレス、ブレスレット、アンクレットが無くなり、俺たちに装備される。ファリーダがイフリートと戦う前に是非使わせて欲しいとお願いされていたことだ。


この結果、武器が無くなったので、当然武技は不発する。心から思う事は服まで脱げなくて本当に良かった!だって、このスキルは制御が効かないのだ。


「何!?」


『さぁ! 使わせて貰うわよ! お父様! イフリータダンス! ミーティアエッジ!』


連続攻撃が終わると俺たちはイフリートの斧を左右に投げ捨てる。


「ぐ…! おぉおお! デモンー-が!?」


イフリートの上から弾かれた方天画戟と近衛が突き刺さった。そして俺は拳を握って、イフリートの下に潜り込んだ。


「アッパー!」


『デモンクラッシャー!』


イフリートの顎に渾身のアッパーが決まると爆心の効果で爆発する。すると投げ捨てたイフリートの斧が左右から回転しながら飛んで来て、イフリートの横腹に刺さるとその間に俺たちは背にある神剣エスカトンリープリングと神戦斧イフリープアックスを持つとイフリートに連続で攻撃が入る。


だが、ここでイフリートが両手で神剣エスカトンリープリングと神戦斧イフリープアックスを手で掴んで来た。すると俺はバク転からの蹴りと共に星震をイフリートに浴びせて、難を逃れる。俺たちは武器を構え直しているとイフリートは本気になる。


「いいだろう! お前たちに俺の本気を見せてやる! 神格解放!」


だが、発動しない。レヴィアタンの魔神域の中では切り札は使えない。先に自分の魔神域を展開しなかったイフリートの完全なるミスだった。


「覇撃!」


「ぐ!?」


『こっちもよ! 覇撃!』


「が!?」


神剣エスカトンリープリングからの遠距離の覇撃からの至近距離から神戦斧イフリープアックスの上から降ろす覇撃がイフリートの頭に決まって、地面に叩きつけられる。


「神波動!」


『魔神波動!』


「『超連携!』」


サラ姫様の真似!


「これで終わりだ!」

『これで終わりよ!』


「『神魔波動!』」


神と魔神の波動が合わさった波動がイフリートに直撃し、完全にイフリートを倒した。技名が咄嗟に思いついた。ここでマリッジバーストとイフリートの大焦熱が解除されて、俺たちも倒れ込む。生命力は危険域となっていた。ファリーダが色々計算してくれたと言っても、ギリギリの勝利だったな。


「ふぅー…負けてしまったか」


「えぇ。私たちの勝ちよ」


「そうだな。ところでお前はまたラーに挑むつもりか?」


「当たり前よ。負けっぱなしなんて絶対に嫌だもの。でも、安心して。お父様。今の私には私の為に色々考えてくれる人と一緒に戦ってくれる仲間が出来たの。だから次は絶対に勝って見せるわ」


「ふ…月日は魔神も変えるか…あの日、『もうお父様なんて必要ない! 私はラーを倒して、ここから出て行くから!』と飛び出したのが昨日のことのようだ」


わざわざイフリートは当時の映像を出して、言ってくれた。そんな感じだったのか。完全に家出少女の台詞だな。それに昔のファリーダはギャルっぽかったんだね。なんか新鮮な映像だ。


「ちょ、ちょっと! お父様! 何、昔の事、話しているのよ! しかも映像まで出す必要ないでしょ!」


これは珍しい。ファリーダの顔が真っ赤だ。大人になったギャルがギャル時代の事を話されるとこんな風になるのかな?


「…何よ。タクト」


「べっつにー」


よっしゃ!前にリリーたちに言われたことを言い返してやったぜ!


「く…ふん!」


「ぎゃ!?」


しかし足をつねられた。俺は何もしなかったのに不公平だ!

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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