#1085 最初の結合召喚と最後の召喚獣
俺はルインさんに会いに行くとルインさんから結合召喚に必要な戦乙女の盾、戦乙女の剣、戦乙女の兜、戦乙女の鎧を貰う。戦乙女の盾はグリムゲルデ、戦乙女の剣はシュヴェルトライテ、戦乙女の兜はヘルムヴィーゲ、戦乙女の鎧はジークルーネというワルキューレに勝つことで貰える。
結合召喚はこのように必要なアイテムを揃えて、召喚獣を召喚する特殊な召喚だ。強さは最終がまだ分かっていないので、不明な点があるが弱くはないはずだ。
「ありがとうございます。これが交換の品です」
「確かに預かったわ」
それでは早速初めての結合召喚であり、最後の召喚をするとしよう。獣魔ギルドでネフィさんを見つけて、聞く。
「ネフィさん、結合召喚をしたいんですけど」
「タクトさんは結合召喚は初めてでしたね。どうぞ」
また違った結合召喚の間に通された。その場所には五つの魔方陣が描かれていた。
「まず、四方にある四つの魔方陣の上に結合召喚に必要な素材をそれぞれおいてください」
言われた通りに置いていく。
「魔石はありますか?」
「用意して来ました」
「では、それを中央の魔方陣においてください。これで準備が出来ました。後は結合召喚を実行すれば出来ますよ」
「分かりました。結合召喚!」
五つの魔方陣においた素材が吸収されると四方の魔方陣がそれぞれ動いて中央の魔方陣と重なると一つの魔方陣となり、新しい仲間が召喚される。
「ま…まうー」
召喚されたのはフィルギャという北欧神話に登場する人に付き添う霊的存在だ。見た目は小さな小人のような幽霊で髪の毛は金色で短く、男か女か分からない絶妙な顔をしていた。服装も胸を守るプレートアーマーと小さな剣とバックラーという円型の小型の盾を装備していた。下はズボンだから本当に性別は分からない。
確かなのは俺のフィルギャは気が弱そうだ。ただブランに任せるつもりだし、きっと上手くいくだろう。俺は召喚したフィルギャに視線を合わせる。
「初めまして。君を召喚した召喚師のタクトだ」
「まうー?」
「そう。君の召喚主だ。君の名前はリースにしようと思うんだけど、どうかな?」
「ま、まう」
頷いて貰えた。というわけで名前決定。
名前 リース フィルギャLv1
生命力 32
魔力 45
筋力 36
防御力 30
俊敏性 40
器用値 34
スキル
浮遊Lv1 剣Lv1 盾Lv1 危険察知Lv1 守護Lv1
風魔法Lv1 光魔法Lv1 光弾Lv1 幻術Lv1 霊化Lv1
ステータスとスキルの多さではフェアリーを上回っている。ここでリースを見るともじもじしていた。
「どうかしたか?」
ちらちら見て来る。何かしたいけど、出来ないみたいだな。俺が試しに両手を差し出すとそれを見たリースは座る。
「まうー」
声がほっこりしていた。しょうがないので、このまま運んでいこう。ホームに帰るとリリーたちが隅で何やら相談していた。怒られたことで何か相談しているんだろう。俺がブランを呼ぶとビクッとしていた。
「か、可愛いですね」
「ま、まう…」
「怯えなくてもいいですよ。私の名前はブラン。よろしくお願いしますね? リース」
「まう!」
やはり大丈夫そうだ。これを見たイオンが言う。
「姉として負けましたね。リリー」
「えぇ!? 負けてないよ! そうだよね? みんな!」
全員がリリーの声に顔を背けた。満場一致でブランのほうが姉をしていることに決まった。それじゃあ、島でレベル上げをするとしよう。
相手にするのはまたパイア。メンバーはケーキを食べるのに参加しなかったイオン、セチア、イクス、リアン、和狐、ブラン、ファリーダ、燎刃にグレイ、コノハ、チェス、ゲイル、白夜、優牙、黒鉄、アラネア、狐子、伊雪、ミール、スピカ、クリュス、ジーク、ハーベラス、リオーネ、夕凪、スキアー、叢雲、リースだ。
「スキアーと叢雲、リースは俺とセチア、リアン、和狐と一緒に夕凪の上から攻撃しようか。黒鉄、ハーベラス、ジーク、チェスで森を固める。アラネアは罠を頼む。クリュスとゲイル、優牙は一応山方面を守ってくれ。準備が出来たら、出すぞ」
全員の準備が整い、パイアを出すとパイアが俺たちの前に現れた。最悪のパターンだな。パイアが夕凪に突進してくると夕凪は守りを構えるがぶっ壊されて、突進を受ける。
「ま、まう!?」
「おっと…悪いな。リース、ちょっと我慢しててくれ」
落ちそうになったリースをポケットに入れる。その間にセチアたちはそれぞれの判断で夕凪から降りて、攻撃を当てる。たがセチアたちの攻撃は一切無視してこちらを狙って口を開けた。
「絶対防御」
俺は攻撃をガードしているとブランが空から踵落としをして強引にパイアの口を閉じた。ブランの蹴りは完全に俺を真似しているな。動きとか俺にそっくりだ。蹴り技とかないからしょうがないんだけどね。
俺はこの隙にパイアに触れた。お帰り願おう。
『テレポーテーション』
パイアが空に現れると落下する。こいつが空に適性がないことは判明している。しかし誰も追撃をせずにパイアはそのまま地面に落ちるとここで全員の魔法の一斉攻撃が入る。
その攻撃を受けて立ちあがるパイアは突進しようとすると動きが止まる。パイアの足にはアラネアの罠であるワイヤーが足に巻き付いていた。普通の場所に落下なんてさせませんとも。みんな、それを理解して攻撃を加えていた。
パイアは強引に罠を壊すがその間にイオンたちは距離を詰めており、ジークのドラゴンクローが決まった後に攻撃を加えて、パイアを倒した。半減スキルの使い方をしっかりみんな分かっている。
解体するとお肉をゲットした。
「まうー…」
「ど、どうかしましたか? リース」
いきなり怖い思いをさせてしまったと思ったけど、リースはブランにキラキラした眼差しを贈られていた。
「惚れられたわね。ブラン」
「助けに入ったブランはかっこよかったですからね」
「えぇ!? あ、あれは主の真似をしただけで…主、どうすれば」
「どうすればと言われてもそのままでいいじゃないか?」
誰かに惚れたり憧れたりするのは悪い事じゃない。行き過ぎるとストーカーとかになってしまうけどね。その辺りは俺が気を付ければいいだろう。
その後、もう一回パイアを出すと今度は作戦通りに事が運んだ。アラネアの罠で足止めされたパイアにジークが攻撃を加えた後にチェスたちがパイアの突進を止めてからみんなが攻撃を加えて、倒す。ここでインフォが来た。
『セチアのレベルが20に到達しました。成長が可能です』
『アラネアのレベルが20に到達しました。成長が可能です』
『狐子のレベルが20に到達しました。成長が可能です』
『伊雪のレベルが20に到達しました。成長が可能です』
ジークの半減スキルのでたらめっぷりがよくわかる。パイアを倒すスピードが全く違うからな。それじゃあ、みんなを成長されよう。
『セチアの成長が完了しました。精霊眼、神感覚、精霊域を取得しました』
『セチアの森林操作スキルが樹海操作スキルに進化しました』
『セチアの連携スキルが超連携スキルに進化しました』
『アラネアの成長が完了しました。神足通、消滅弾、身代わり、刑罰を取得しました』
『アラネアの雷放電スキルが電弧放電スキルに進化しました』
『狐子の成長が完了しました。神感覚、弱化毒、毒吸収、黒死病、幻狐を取得しました』
『伊雪の成長が完了しました。脱出、心眼、海流支配、烈日を取得しました』
『伊雪の海波動スキルが大海波動スキルに進化しました』
ここでゲイルと白夜、優牙、黒鉄を変えて、ルーナ、ストラ、月輝夜、蒼穹を入れた。そしてパイアを出す訳だが、ここでファリーダの前にパイアが現れて、ファリーダに突進してくる。
「暴れさせて貰うわよ! 方天画戟! 爆風波!」
ファリーダが方天画戟を横に薙ぐと爆風波がパイアに直撃する。これでパイアは少し下がるがその後、ファリーダに突進をして来た。するとファリーダは方天画戟を真上に構えて、地面に叩きつけた。
「爆轟!」
地面からとんでもない衝撃波が発生し、パイアの巨体が空を飛んだ。これが三国志最強と言われている呂布が愛した武器の実力だ。空を飛んだパイアはブレスに狙い打ちされて、斬り刻まれ~地面に落ちるとジークがのしかかり、半減効果を与えたところでその場を離れると魔法が降り注いで死んだ。そしてインフォが来た。
『ファリーダのレベルが30に到達しました。特殊イベント『炎精魔神の試練』が発生しました』
『燎刃の太刀のレベルが15に到達しました。太刀【峰打ち】を取得しました』
『リースのレベルが20に到達しました。進化が可能です』
ここでファリーダの進化が来たか。
「いよいよね」
「あぁ…準備はいいか?」
「もちろんよ。この槍も使えたし、やる気十分よ。寧ろタクトのほうが心配ね。きっとお父様は物凄く怒るわよ」
「だろうな。でも、ずっと言われて来たことだし、覚悟はとっくに出来てるさ」
今日の戦闘はファリーダの試練で最後になるので、ブランに回復させて貰ってからファリーダにイフリートの能力の説明を聞いてから作戦を決めて、試練を実行した。




