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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
堕天使イベント告知と最後の召喚
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#1083 タンニーンの太刀とオリハルコンの魔法斧

金曜日、学校が終わってからスーパーで買い物をする。するとある物が目に留まった。


「カレーか…アレンジしやすいな」


というわけで買い物を済ました俺はゲームにログインするとベッドからファリーダが顔を出す。


「あら? 服が乱れちゃったわ」


「乱したの間違いだろう…」


「昨日はあんなに激しかったのに…つれないわね。タクト」


「おちょくるのもそこまでだ。今日の夕飯はファリーダの好物かも知れないぞ」


下に降りた俺はカレーに挑戦することにした。ルーも生産職たちの頑張りでターメリック、カルダモン、クミン、オールスパイス、生姜、唐辛子、ニンニク、パクチー、ガラムマサラ、小麦粉、蜂蜜、バターから作ることが出来る。


市販の物はもっと色々な香辛料が使われているけど、このゲームではこれが限界だ。まず生姜と唐辛子、ニンニクを粉末化で粉にする。そして熱した鍋にロコモコのバターを溶かして、用意したスパイスを入れて行く。もうこの段階でオリジナルのカレーになっている。スパイスの量でカレーのルーは微妙に変化するからだ。もちろん甘口、中辛、辛口はここで決まっている。今日はそれぞれのルーを作っていくことにした。余裕があるうちにカレールーを作っておくと後々便利だからね。


「凄い臭いです…」


「うぅ…きついどす」


「だから部屋にいるように言ったんだよ。いるなら我慢してくれ」


恋火と和狐はダウンしている。香辛料は二人にはきつい。因みにリリーは以前くしゃみしたので、イオンたちが近付かないように押さえ込んでいる。


中火で炒めたら、最後に蜂蜜を加えて完成だ。因みに蜂蜜は俺のアレンジの一つだ。この蜂蜜は蜂系の召喚獣の第五進化であるハニービークイーンの蜂蜜だ。こうしてカレールーが完成した。


次はバイアの肉の下ごしらえをする。使うのはエアリーのヨーグルト。お肉と混ぜると柔らかくなるのだ。しかも臭みも取れて、いい仕上がりになると思う。ましてやカレーは味が濃いからパイアの肉と相性がいい気がするのだ。


他の具は玉ねぎ、にんじん、じゃがいもとシンプルな物を作って見た。


ここからカレーを小分けにして、隠し味を加える。試すのはチョコレートとキムチ、すりおろし林檎で自分が納得する味を見つけて行く。


「おぉ! なるほど…うま! こうなるわけね」


「タクトが独り言を言っている…」


「踏み込んではいけない謎の領域が展開されている気がしますね」


「というかもう召喚師じゃなくて料理人になっているでしょ…」


みんながそれぞれ言う中、自分が一番好きな組み合わせを書き記していく。そして最後にご飯が入った器にカレーを入れて完成させた。


パイアのカレーライス:レア度10 料理 品質S+

効果:満腹度100%回復、強激突、三十分筋力二倍、魔力20%回復、三時間俊敏性アップ(究)、三時間魔力アップ(究)、二時間生命力回復(究)、全状態異常解除、一時間不死、女王の加護、

パイアの肉が入っているカレーライス。甘くスパイシーなカレールーで下ごしらえをされたパイアの肉と玉ねぎ、にんじん、じゃがいもが入っている。隠し味にチョコレートが入っており、味に深みがあるカレー。


リリーたちも食べる。やはり甘口、中辛、辛口で好みが分かれた。セチアなどの野菜好きは甘口で辛口好きは火属性のみんなで他は中辛というか結果になった。そして俺の予想通りファリーダがカレー好きであることが判明した。流石サンドウォール砂漠の出身者だ。


そしてご飯を食べ終わると聖杯タイム。今日は燎刃の順番なのだが、辞退した。先にグレイたちを優先して欲しいらしい。


「いいのか?」


「無論です。これが筋だと思いますので」


「「「「うっ!?」」」」


イオンたちは燎刃の普通の主張にダメージを受けた。順番で言ったら、グレイたちが先だもんな。しかも燎刃はたぶん自分に合っている武器の少なさに気が付いている。だからこんな事を言ったんだと思う。だから俺は燎刃の頭を撫でる。


「悪いな…燎刃の大太刀は今日、依頼するからな」


「い、いえ」


燎刃は気持ちよさそうに目を細めている。流石にリリーはこれには頬を膨らませない。


というわけで虎徹の武器を考えると真っ先に浮かぶのは童子切安綱だ。源頼光が使っていたので、聖杯の対象にはなっているのだが、個人的に問題を抱えている。ここでもし聖杯で手に入れると安綱さんに対する裏切りになりそうだと思ったのだ。


「それは僕も同意見です。師匠はその刀に生涯の最高傑作と言っていましたから」


「そうなんだな。なら尚更裏切りになるよな」


「はい。燎刃さん風に言うなら童子切安綱は持ち主から引き継ぐか弟子である僕たちが作るのが筋だと思います」


今までの聖杯でだした武器はその筋を完全に無視しているけど、安綱さんには滅茶苦茶お世話になっているし、筋を通したい。そこで俺は思い出した。


「そういえば虎徹の進化クエストで村正の秘伝書があったよな?」


「はい。作れますよ」


庭にいる虎徹を見ると首を振っていた。村正、あるもんな。それに虎徹はオリジナルの刀のほうが強くなる気がしている。最も俺が竜や神の力を使う虎徹を見てみたいだけだったりするんだけどね。きっとかっこいいと思うんだ。


そうなると聖杯を真っ先に使いやすいのはルーナになる。交換するのはもちろんエクスカリバーだ。


「燎刃は本当にいいんですか?」


「はい。ルーナ殿」


「じゃあ、先に使わせて貰いますね。パパ、お願いします」


というわけでエクスカリバーをゲットした。


聖剣エクスカリバー:レア度10 剣 品質S+

重さ:100 耐久値:2000 攻撃力:5000

効果:大物殺し、人特攻(究)、万物切断、魔力切断、多乱刃、全滑走、英気、英雄障壁、高速再生、復活、不死身、全反射、聖波動、多連撃、星震、王撃、天候無効、支配無効、封印無効、聖剣解放、伝説解放、勝利の加護、王の加護、精霊の加護

アーサー王が持っている二本目のエクスカリバー。常勝不敗の剣であり、アーサー王を王にのし上げた聖剣。鞘には持ち主の不死身にする効果があり、水や空を滑るように走る事も可能。アーサー王が王になる為に必要な能力が詰まっている王の聖剣。


因みにアーサー王が使った聖槍ロンゴミニアドは聖杯の対象にはなっていなかった。あれもデュランダルと同じように世界に一つしか存在しない武器に入っているんだろう。つまり欲しいならアーサー王に勝たないといけない。難しいだろうな。


さて、ここからは楽しみの武器タイ厶だ。順番に見て行こう。まずヘーパイストスが作った千影の太刀だ。見た目は美しいサファイアブルーの刀身の太刀だった。


原初海竜の太刀:レア度10 太刀 品質S+

重さ:200 耐久値:6000 攻撃力:2500

効果:神特攻(究)、破魔、万物切断、虚空切断、英気、神気、竜気、浄火、多乱刃、津波、渦潮、水圧切断、水飛沫、海震、水牢、大海波動、大海壁、水圧支配、天候支配、海流支配、加護無効、海竜解放、破壊の加護、原初の加護、絶海龍王の加護

緋緋色金で作られ、原初海竜タンニーンの魂が宿っている太刀。持っているだけで水中を飛行しているように泳げるようになり、振っただけで水が発生することから美しさをいつまでも保つことが出来る。上位の神々に引けを取らない力を有している太刀となっている。


僅かに近衛が勝っているかな?近衛には神刀解放があるしね。どうやら竜石を使うと緋緋色金でも神刀解放は消えてしまうみたいだ。能力の説明は架空の刀とされている村雨にそっくりだね。


「綺麗な太刀であります…ありがとうございます!」


「いえいえ。気に入って貰えて良かったですよ」


次はパンドラと巨人たち、セチアが作ったファリーダの武器だ。


神戦斧イフリープアックス:レア度10 魔法斧 品質S+

重さ:10 耐久値:15000 攻撃力:8000

魔法剣効果:神殺し、魔神殺し、不死殺し、大物殺し、神気、英気、万物切断、魔力切断、時空切断、神速、光速激突、神障壁、神感覚、時間遅延、超加速、大雷霆、閃電、雷化、荷電光線、雷轟、電解、流星群、彗星、星震、ガンマ線、星渦、光化、超集束、荷重支配、瞬間再生、雷波動、神波動、帰還、起死回生、奇跡、加護無効、巨人の加護、神の加護

宝玉効果:全属性アップ(究)、魔法再時間短縮(究)、魔力超回復、天候支配、炎熱支配、物理支配、海流支配、粒子支配、魔素支配、時空支配、宝玉解放、宝玉全解放

刻印効果:無限のルーン、スキル発動速度アップ(究)、光吸収

オリハルコンとアダマント、時空性石の合金と最高級の宝石で作られた究極の魔法斧。更にサイクロプス三兄弟の力が宿っており、圧倒的な雷の力を誇っている。その力は主神クラスの武器に匹敵する。


やはりヘーパイストスが作った物と比べるとスキルに炎が無くて、劣っているな。神威解放もない。まぁ、ステータスでは完全に神剣エスカトンリープリングを超えているんだけどな。


「粒子支配と光吸収でどれだけ太陽神に対抗できるかですね」


「粒子支配は寧ろ太陽神に分があるわ。光吸収でどこまで対抗できるかね…セチア、ありがとう」


「お礼なら一日タクト様と一緒にいる権利でいいですよ」


「あたしは上げてもいいけど、どうやらそれは無理そうよ」


リリーたちが手でバツを作っていた。リリーたちは忘れているな。セチアはリリーたちの武器には刻印を使っている事に…言わないでおくか。最後の武器はユウェルが作った燎刃の武器だ。


守護竜刀:レア度10 脇差 品質S+

重さ:50 耐久値:8000 攻撃力:900

効果:神特攻(究)、破魔、万物切断、虚空切断、英気、神気、竜気、浄火、多乱刃、大気壁、黄金障壁、多重障壁、絶対防御、守護結界、樹海支配、閃光、加護無効、地竜解放、黄金の加護、守護竜の加護

緋緋色金で作られ、プロテクションドラゴンの魂が宿っている脇差(わきざし)。装備しているだけで持ち主を守る護身刀であらゆる攻撃から持ち主を守る力を有している。


やはり攻撃力は伸び悩んだな。その代わりに耐久値はかなり高い。能力からみても正しく護身刀だな。脇差は小刀の一種で刀が折られた時に使う予備の刀だ。刀の種類としては二番目に短い刀となる。


それを燎刃が装備すると俺たちを苦しめた多重障壁が燎刃に発生する。それをみたイオンが感想を言う。


「燎刃にこれって、結構凶悪な気がするんですけど…」


「だろうな。これで安心して突っ込めるし、魔法の発動も安心できるだろう」


「はい!」


「リリー、欲しがってはいけませんよ?」


「まだ何も言っていないのに!?」


リリーには是非突っ込み癖を直すほうで努力して欲しい。最初の頃からずっとそう言ってきては直さないんだけどね。ここでアリナが追い打ちをかけた。


「攻撃を防御しながら敵に突進できるならもう突撃隊長は燎刃だけでいいと思うの」


「そんなことはないもん! そうだよね? タクト?」


このリリーの涙目に弱いのだ。


「まぁ、燎刃だけで飛び込ませるわけにはいかないがリリーが一番に突撃するのはやめるよう…おい」


途中から耳を閉じやがった。


「…サーロイン」


「どこ!?」


「よし。聞こえていたな。それならちゃんという事聞こうな」


「ず、ずるいよ! タクト! 今のは反則だよ!」


最初に反則をしたのはリリーである。次に防御とアクセサリーを纏めてチェックする。


幻惑の指輪:レア度10 アクセサリー 品質S+

効果:幻惑

一定確率で敵に幻影を見せて、攻撃を外されることが出来る能力がある指輪。


原初海竜の鎧:レア度10 防具 品質S+

重さ:80 耐久値:2500 防御力:1500

効果:堅固、衝撃無効、妨害無効、寒無効、物理無効、星気、竜気、神気、竜鱗装甲、烈日、後光、陽光、重圧、全滑走、黄金障壁、大海壁、海流支配、天候支配、太陽の加護、神の加護、原初の加護、絶海龍王の加護

鎧の外側は原初海竜の竜鱗、内側にはゴッドウールが使われている鎧。どんな環境化でも適応し、水属性の攻撃を無効化してしまう鎧で海での戦闘において最強クラスの鎧となっている。


リヴァイアサンの鎧:レア度10 防具 品質S+

重さ:60 耐久値:2250 防御力:1250

効果:水鏡、衝撃無効、妨害無効、寒無効、水圧無効、充電、避雷針、星気、竜気、神気、竜鱗装甲、烈日、後光、陽光、重圧、全滑走、黄金障壁、海流支配、天候支配、太陽の加護、神の加護、原初の加護、絶海龍王の加護

鎧の外側はリヴァイアサンの竜鱗、内側にはゴッドウールが使われている鎧。深海の水圧もどんな海流に入っても普通に泳ぐことが出来る鎧。雷属性の攻撃も通用せず、海での戦闘において最強クラスの鎧となっている。


二つの鎧は似ているが微妙に違うな。イオンによると絶海龍王の加護の加護の力に星間遊泳が入っているらしい。つまりこれも宇宙適正がある防具ってことだ。幻惑の指輪はルミに装備することにした。伊雪が辞退したのだ。これで武器タイムは終わり。次は武器の依頼をする。まずは立派な燎刃に大太刀の注文をする。


「ムシュマッヘの剣角を使うんですね」


「あぁ。ドラゴンだし、大太刀との相性もいいらしいからな。素材は何が良いと思う?」


「緋緋色金を使うかモンスターの素材で固めるかダマスカス鋼と何かの合金になりますね。ただ緋緋色金と竜石や桜花以外の神石の組み合わせはやめた方がいいと思います。喧嘩するでしょうから」


「つまりダマスカス鋼との合金がいいわけか…オリハルコンはダメなのか?」


「作れはしますが燎刃さんには重い武器があっているので、オリハルコンはあまり向いていないと思うんですよね。それに先ほど話したように神の力は宿すことは出来そうにありません」


確かにそれならアダマントかメテオライトなどの宇宙素材が最適な感じがするな。


「ウアキタイトとアダマントだとどういう違いがあるんだ?」


「ウアキタイトのほうが硬さや光の反射率では上回っています。ですがアダマントの不死殺しなどの力はないですね」


「つまりウアキタイトのほうが盾や防具に向いているってことか」


「そういう事になります」


不死殺しは捨てがたいからダマスカス鋼とアダマントかアダマントの合金という手もあるがヘーパイストスによると大太刀とダマスカス鋼の丈夫さ斬れ味の良さは捨てがたいそうだ。


「…ヘーパイストス、三つの合金は行けるか?」


「ムシュマッヘの剣角の事を考えると合金二つのが限界です」


「ならダマスカス鋼とアダマントの合金とグラビティサイトで行こう」


「わかりました。最初なので僕が」


「わたしが作るぞ! 妹の武器だし、ドラゴンの素材だからな!」


ヘーパイストスが俺を見て来る。俺は立派な事を言ったユウェルに任せる事にした。それじゃあ、ヘーパイストスとパンドラにお願いする装備について考えると気になって来るのは白亜天竜の遺骨だ。


「これはどういう装備に使えるんだ?」


「灰ならどんな武器にも使えると思いますよ」


「つまり武器にも防具にも使えるわけか…凄いな」


「凄いですね。ただ先程の話のようにドラゴン同士の素材の組み合わせは合わないと思います」


上位のドラゴンはそれぞれプライド高そうだもんな。それが出来なくても武器にも防具にも半減スキルが付与されるってぶっ壊れだ。


「竜石もあるし、鎧がいいのかな? いや、でも武器も捨てがたいな」


敵の攻撃力を下げるか敵の防御力を下げるかの判断になる。


「どちらに使っても強力なスキルなんですよね」


「あぁ…そこで待っているみんなを見ればわかるだろ?」


リリーたちは一斉にばらけるがこっちをすぐに見る。とりあえず灰の量から確認するか。白亜天竜の遺骨を取り出す。


「粉末化! おぉ! 想像以上に多いな。これぐらいだとどのくらい使える?」


「ちょっと待ってくださいね…本当に凄い粉ですね…この量なら結構な数に使えますよ」


リリーたちを見ると視線を逸らしたが尻尾が激しく動いていた。俺はそれぞれみんなの戦う姿を想像して、決めた。


「まずアリナの短剣で試してみよう。数を揃えたら、かなり凶悪になるだろう」


アリナの能力で雷速で飛び交う複数の半減スキルの短剣…これはかなり脅威だろう。それに俺の影響で俺たちは攻撃よりだからな。


「流石お兄様なの! ちゅっちゅしてあげるの」


「しなくて…あ!?」


「アリナを捕まえようとするなんて百年早いの。イオンお姉様」


「…いいましたね」


またイオンいじりが始まった。そしてヘーパイストスと話し合うと俺のイメージを実現されるためにルインさんから結界石というアイテムを注文することにした。この結界石は仙人のフィールドで手に入る素材で言葉の通り、結界スキルを武器に付与出来る素材だ。


つまり俺がヘーパイストスに聞いたのは複数の短剣を使った半減の結界を作ることが出来るか聞いたのだ。元ネタは有名なロボットアニメ。飛び交う武器を使って、バリアを貼れれば攻守に使える武器になる。


これを実現させるために、オリハルコン、白亜天竜の灰、結界石で作ることになった。ヘーパイストスによると俺がイメージするような短剣を作りにはオリハルコンと結界石は外せないらしい。


かなり武器としては弱くなると警告を受けたが色々損をしてでも作ってみたい男のロマンがそこにはあるのだ。そしてこれはヘーパイストスに任せないと行けない。時間もないしね。俺たちがどこまで数を揃えられるか議論しているとパンドラが飛び込んで来た。


「お父さんの武器なら増やせるよ」


「反則な気がするけど、お願いしてもいいか?」


「任せて!」


半減の力まで完全再現するとはパンドラも大概だな。そう思っているとここでヘーパイストスからとんでもないことをまた聞く。


「実は昨日、オリハルコンが減っていないことに気が付きまして、パンドラに聞いたら、自分で出したと言ってました」


「それって、まさか…金属創造か?」


「恐らく…しかも最初から使えた感じじゃないです。恐らくユウェルさんの能力を見て、会得したのでないかと」


そう言えば生産活動している時にパンドラが見ていた気がする。これを聞いていたパンドラは更にとんでもないことを言った。


「他のスキルも使えるよ! 金属創造! 回帰! 金属創造!」


あっという間にオリハルコンが二つ出してみせた。マジっすか。しかも採掘やヘーパイストスの空間転移まで覚えてしまっていた。


「パンドラ…まさかとは思うけど、タクトさんたちの戦闘を見て、何かスキルを取得とかしてない?」


「お父さんたちが悲しむと思ったからしてないよ」


パンドラは本当にいい子だな。ヘーパイストスも優しい顔をして、褒めていた。ここでイクスが動いた。


「パンドラの能力を考えれば、わたしたちの留守中に島の管理が出来ますね。超振動石、プラズマタイト、グラビティサイト、メテオライトを多めに生産してください」


「任せて!」


どれも自分の武器の素材じゃん。まぁ、異論はないから何も言わないでおこう。もう一つは白亜天竜石の太刀を作ることにした。


「太刀ってことは」


「あぁ。恋火のだよ」


「い、いいんですか!? タクトお兄ちゃん」


「あぁ。俺は神石を目指すからな」


ここで問題になるのはイベントだ。明日の昼開始なんだよな。


「新しい素材だけど…お父さんの娘だから間に合わせてみせるよ!」


パンドラは作る気だ。防具はまだ原初海竜の鎧とリヴァイアサンの竜鱗が残っているらしいので、そのまま生産して貰うことにした。


さて、今日はユウェルと結婚式だ。


「何ー!?」


「私が昨日結婚式だったんだから当然今日はあなたでしょ…ユウェル」


「武器作りに集中していて、忘れていた。ど、どうすれば…みんな! 助けてくれ!」


急に慌て出したユウェルを見て、全員が何か失敗するなと思うのだった。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] 原初海竜の鎧とリヴァイアサンの鎧は誰が装備したのですか?
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