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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
堕天使イベント告知と最後の召喚
1133/1718

#1073 ヤマトタケルノミコト再戦

明日2月7日に『Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~』のコミックス三巻が発売されます!これが最終巻となります。大変な時期ですがよろしければ読んでみて下さい。

島にやって来た俺は最初のレベルとスキル上げを開始する。最初に選んだ敵はフェニックス。恐らく宝珠や他の素材も有能なものが多いモンスターだ。不死身で回復能力がずば抜けているからスキル上げにはもってこいの相手とも言える。


相手をするのは一番レベルの順番を気にしているリリーと進化がまだあるスピカ、クリュス、夕凪。最後はレベルとスキルを上げたい燎刃を選んだ。


「俺は夕凪に付くから思うように戦ってくれ」


「わかった!」


「頑張ります!」


「何故かしら? 不安だわ」


心配そうにしているクリュスだが、心配とは裏腹にがんがんフェニックスを押していく。フェニックスは焼尽の爆発でも突撃を止めないリリーと燎刃を相手にやりにくそうにしているな。しかも俺たちの進行方向に放たれる攻撃も実にうざったそうにしている。


その結果、こっちに来て、守りを突破してくるが夕凪の蛇と亀の連続聖水攻撃が直撃して動きが止まったところに四人が突撃した。地面に墜落したフェニックスは禍々しい紫炎で燃え上がると紫色のフェニックスに変貌する。


フェネクス?

? ? ?


悪魔としてのフェニックスだ。さて、どれだけ強いかな?俺がそう思っているとフェニックスは巨大な火球を作り出す。黒星級のスキルを使用できるのか…強いね!そして俺たちに向けてはなって来た。


召喚師がいて、夕凪は防御タイプだ。狙いもいい。


「やらせぬ!」


燎刃が巨大な火球に飛び込むと巨大な火球は爆発するが燎刃はその中から飛び出してフェネクスと距離を詰めて、斬り裂くがフェネクスの姿が陽炎となって消えると上から羽投擲が飛んで来る。燎刃に火が効かないから攻め手を変えて来たな。


ここでリリーたちが距離を詰めるとフェネクスの目が赤く光るとリリーたちは突如燃え上がる。火属性の魔眼か。それでも距離を詰めようとすると爆発する。今度は爆破の魔眼だな。


この隙に燎刃が距離を詰めるが人サイズの火の鳥が現れると突撃してくる。燎刃が斬り裂くと他の火の鳥が爪で燎刃を攻撃した。グレイの群狼の鳥バージョンスキルだな。いいスキルを持っている。


俺たちのところにもやって来て、夕凪が守護結界を展開するが擦り抜けて来た。だが、ここで俺が杖と蹴りで蹴散らす。その結果、紅炎と爆心の効果を受けるが俺には通用しない。


それを見たフェネクスは捨て身の一撃を発動させる。それを見た夕凪は空中浮遊で浮かび、甲羅の中に引っ込む。ぶつかり合う気だな。


「そうだよな。舐められっぱなしは良くない。任せる」


俺が退くと夕凪は回転しだし、フェネクスは光速激突と空でぶつかり合った。その結果、夕凪は燃えながら、墜落し、フェネクスは空にぶっ飛び、死ぬが不死身の効果でフェニックスに戻り、復活する。


墜落し、ひっくり返ってしまっている夕凪をフェニックスは得気に見下ろしていると背後から斬られる。


「千磨百煉! はぁあああ!」


フェニックスに戻ったことでリリーたちを足止めしていた火の鳥が消えていたのだ。これが致命的なミスとなる。


「スクリューランサー!」


「ヒヒーン!」


「リリーお姉様!」


「天涯両断!」


クリュスのスクリューランサーとスピカの角での突撃を喰らい、最後はリリーがとどめを刺した。すると夕凪は顔を出す。


「男を見せたな。夕凪。テレポート」


ひっくり返った夕凪を元に戻す。夕凪も皆と一緒に暴れてはいるんだが、あまり積極的じゃない。攻撃よりも守りを優先するところがあった。それが今回、自分の意志でぶつかり合いを望んだ。守りを優先しつつ、その心には勝負をする勇気があった事を俺は評価したい。


「夕凪もちゃんとお父様の悪影響を受けていたのね」


「リリーはいい影響だと思うよ」


「リリーお姉様と燎刃はそう思うでしょうね」


フェニックスを解体すると初の素材が手に入った。


不死鳥の羽:レア度10 素材 品質S+

不死と再生の力が宿っている羽。主にアクセサリーや羽ペンとして使用され、武器としては杖に使われる。羽の素材の中でも一番の蘇生能力と回復能力を誇っている事から魔法使いより聖職者に絶大な人気が誇っている。


なるほど。アスクレピオスの杖みたいに羽がある杖も作れるのか。普通に考えれば作れて当然だったな。不死鳥の羽が聖職者に人気がある理由は分かり易いな。パーティーの中で聖職者はまず死なれては困る存在だ。だから普通は護衛を付ける。しかし聖職者が不死身になれるなら護衛の必要性は下がる。何より死んで回復役がいなくなる最悪の状態を回避できるのはいい事だろう。


そして羽の杖が作れると言う事は原初鳥の羽でも作れると言う事だ。判断をミスしたかと一瞬思ったが魔導書の方がみんなに原初の加護が行き渡りやすいからこれでいいかと思った。


全員回復されて、もう一度挑むと不死鳥の灰と新しい素材が落ちた。


不死鳥の宝珠:レア度10 重要アイテム 品質S

不死の力が封じ込められている宝珠。朱雀が進化するために必要なアイテム。


恐らくこれでフェニックスの素材が全部落ちたな。そして今日の最後に俺は修練の塔を訪れる。相手をするのはヤマトタケルノミコト。相手をするメンバーはリリー、恋火、和狐、虎徹、千影を選んだ。


「召喚師の少年か…今日は召喚獣と一緒か?」


「はい。今の俺たちであなたに勝てるのか試させて下さい」


「いい気迫だ。では本気になるのを持つとしよう」


「ありがとうございます。行くぞ! 恋火! 和狐!」


二人が返事を返して、俺たちはマリッジリングを掲げる。


「「「マリッジバースト!」」」


俺は白髪、九つの金色の尾を持つ神主の服を着た狐のセリアンビーストになる。


名前 タクト 究極の召喚師Lv21


生命力 323→927

魔力  642→1568

筋力  435→1248

防御力 240→679

俊敏性 459→1579

器用値 478→1189


スキル


格闘Lv45 蹴技Lv45 杖Lv50 片手剣Lv50 槍Lv40 

刀Lv50 二刀流Lv50 太刀Lv12 扇Lv27 神楽Lv20 

軍略Lv27 恩恵Lv7 天耳通Lv52 他心通Lv42 神足通Lv52 

天言Lv50 第六感Lv39 神感覚Lv53 空虚Lv16 念動力Lv50 

神気Lv37 仙気Lv50 神瞳Lv30 格納Lv1 魔障壁Lv9 

神障壁Lv13 天鎧Lv16→神鎧Lv16 気力装甲Lv16 内気功Lv10 気力融合Lv1 

瞑想Lv5 戦闘高揚Lv24 連続詠唱Lv50 詠唱破棄Lv50 魔力支配Lv33 

魔力回復Lv6→魔力超回復Lv6 炎熱操作Lv41→炎熱支配Lv41 獄炎Lv43 神火Lv50 神水Lv1 

神鎌鼬Lv38 白熱刃Lv12 溶断Lv39 魔力切断Lv50 虚空切断Lv20 

多連撃Lv19 魔法阻害Lv8→魔法破壊Lv8 空間跳躍Lv16 空間歪曲Lv18 空間索敵Lv19 

時間遅延Lv14 召喚魔術Lv50 封印魔術Lv50 ルーン魔術Lv42 阻害無効Lv27 

騎手Lv54 錬金Lv33 採掘Lv41 伐採Lv42 解体Lv68 

鑑定Lv59 識別Lv67 疾魔法Lv22 炎魔法Lv31 地魔法Lv21 

海魔法Lv21 暗黒魔法Lv22 神聖魔法Lv40 雷魔法Lv57 爆魔法Lv68 

木魔法Lv40 氷魔法Lv49 時空魔法77 獣魔魔法Lv19 遅延魔法Lv29 

惑星魔法Lv3 神道魔術Lv49 遮断結界Lv7 仙術Lv50 妖術Lv35 

霊符Lv14 式神Lv18 護符Lv14 飯綱Lv29 金縛Lv17 

遊泳行動Lv36 転瞬Lv50 心眼Lv50 陽炎Lv36 無我Lv40 

重圧Lv5 空振Lv9 熱波Lv8 爆心Lv9 焼尽Lv6 

叡智Lv33 裁縫Lv40 革細工Lv26 料理Lv73 釣りLv23 

シンクロLv38 エンゲージLv30 マリッジLv6 超連携Lv42 絶対防御Lv6 

浄炎Lv31 紅炎Lv52 鬼火Lv30 火山弾Lv1 大噴火Lv1 

神速Lv30 先制Lv26 聖療Lv2 煉獄Lv7 炎波動Lv5→溶波動Lv5 

聖波動Lv8→神波動Lv8 放射熱線Lv16 日光Lv1 後光Lv1 炎分身Lv15 

炎化Lv1 天撃Lv6→神撃Lv6 ゴッドブレスLv35 太極ブレスLv13 血醒Lv23 

狐技Lv50 荒魂Lv4 和魂Lv1 光球Lv1 黒星Lv1 

神降ろしLv4 獣化Lv21 巨人の加護Lv29 神仙の加護Lv21 アテナの加護Lv25 


手には近衛と神息。腰には恋輪と恋煌がある。するといきなりヤマトタケルノミコトが斬りかかって来た。俺は近衛でそれを止めると神息で斬り返すとヤマトタケルノミコトは下に潜り込むとの同時に刀を近衛の下に潜り込ませる。俺はやばさを感じて下がると刀を上に振って来た。


力任せな技の中にも技術が見える。これがヤマトタケルノミコトか。ここでリリーと千影が挑む。


「カラミティカリバー!」


リリーの神剣アルカディオンのフルスイング攻撃があっさり弾かれ、千影がフォローに入ろうとするが千影は蹴りを受けて、吹っ飛ぶ。そしてリリーは斬り刻まれて召喚石に戻ってしまった。まさかのリリーで瞬殺か。しかも起死回生などが発動していない。


「話にならん」


『リリーお姉ちゃんが聞いていなくてよかったですね』


『あぁ。絶対に荒れていたな』


しかし今のところヤマトタケルノミコトの動きは目で追えている。その結果、美しい剣舞を目の当たりにすることになってしまったんだけどね。


『綺麗で怖さもあるんですけど』


『寂しい気配がしまりました』


ヤマトタケルノミコトの神話は古事記と日本書紀で大きく異なっている。古事記では、自分の父から恐れられる人物で仲間がいた記述はない。日本書紀では、父との関係は良好で遠征には仲間もいた。


この事からこのゲームのヤマトタケルノミコトは古事記がモデルのような気がする。ただ俺が感じた寂しさとちょっと違う気がするな。そう考えているとヤマトタケルノミコトが目の前に現れる。俺は後ろに下がると斬撃が飛んで来て、俺は飛んで躱すとヤマトタケルノミコトが刀を上段に構えて現れた。


俺は身体を動かさず、空中浮遊で横移動して、攻撃を躱すと近衛を振るう。ヤマトタケルノミコトは空脚で回避した。


「ふ…ついに私に傷をつけたか」


「あぁ」


ヤマトタケルノミコトの頬が斬れていた。これで近衛の追撃と紅炎と爆心がヤマトタケルノミコトに入る。するとヤマトタケルノミコトは追撃を受けた状態で構えを取る。来る!


「奥義、森羅万象!」


宇宙空間が広がり、神速の斬撃が来た。


「なるほど…無策で私に挑みに来たというわけではないということか」


「そんなの当たり前だろ? 負ける為に勝負を挑む奴なんていないだろうが!」


俺は斬撃を止めて、斬り返す。クロノスクロックのクロノスの加護のお陰で動けた。それにしても普通の斬撃だけでも恐らく普通の状態の俺では防げていない。クロノスクロックと恋火と和狐のマリッジバーストでギリギリ防げる必殺技だった。


「私の森羅万象を防いだのはお前たちが初めてだ…まずは見事と言っておこう」


「ありがとうございます」


「お前たちの強さを認め、私も本気を出そう。草薙剣(くさなぎのつるぎ)、神威解放!」


「近衛、神威解放! 神息、宝刀解放!」


ヤマトタケルノミコトは獰猛な笑みを浮かべる。


「いざ! 存分に殺し合おうぞ!」


俺たちがフィールド全体を神速で動きながら斬り合う。一見すると互角のようだが、一方的に俺たちが押されていた。まず刀一振りの重さが違う。その上に刀を振る速度も負けていて、二刀流の攻撃が当たる気がしない。何せ刀を弾かれた後にもう一つの刀を振るおうとした段階で待っているのだ。


そして草薙剣は一度振ると振った方向に斬撃が飛ぶのだが、それがフィールド全体に放たれる。虎徹と千影はその斬撃を逃げるので、手一杯となっていた。このままでは負けるので、勝負を仕掛ける。


『『「血醒!」』』


名前 タクト 究極の召喚師(血醒)Lv21


生命力 927→977

魔力  1568→1618

筋力  1248→1298

防御力 679→729

俊敏性 1579→1629

器用値 1189→1239


スキル


格闘Lv45 蹴技Lv45 杖Lv50 片手剣Lv50 槍Lv40 

刀Lv50 二刀流Lv50 太刀Lv12 扇Lv27 神楽Lv20 

軍略Lv27 恩恵Lv7 天耳通Lv52 他心通Lv42 神足通Lv52 

天言Lv50 第六感Lv39 神感覚Lv53 空虚Lv16 念動力Lv50 

神気Lv37 仙気Lv50 神瞳Lv30 格納Lv1 魔障壁Lv9 

神障壁Lv13 神鎧Lv16 気力装甲Lv16 内気功Lv10 気力融合Lv1 

瞑想Lv5 戦闘高揚Lv24 連続詠唱Lv50 詠唱破棄Lv50 魔力支配Lv33 

魔力超回復Lv6 炎熱支配Lv41 物理支配Lv1 海流支配Lv1 天候支配Lv1 

樹海操作Lv1 獄炎Lv43 神火Lv50 神水Lv1 神鎌鼬Lv38 

白熱刃Lv12 溶断Lv39 魔力切断Lv50 虚空切断Lv20 多連撃Lv19 

魔法破壊Lv8 空間跳躍Lv16 空間歪曲Lv18 空間索敵Lv19 時間遅延Lv14→時間停止Lv14 

召喚魔術Lv50 封印魔術Lv50 ルーン魔術Lv42 阻害無効Lv27 騎手Lv54 

錬金Lv33 採掘Lv41 伐採Lv42 解体Lv68 鑑定Lv59 

識別Lv67 疾魔法Lv22 炎魔法Lv31 地魔法Lv21 海魔法Lv21 

暗黒魔法Lv22 神聖魔法Lv40 雷魔法Lv57 爆魔法Lv68 木魔法Lv40 

氷魔法Lv49 時空魔法77 獣魔魔法Lv19 遅延魔法Lv29 惑星魔法Lv3 

神道魔術Lv49 遮断結界Lv7 仙術Lv50 妖術Lv35 霊符Lv14 

式神Lv18 護符Lv14 飯綱Lv29 金縛Lv17 遊泳行動Lv36 

転瞬Lv50 心眼Lv50 陽炎Lv36 無我Lv40 重圧Lv5 

空振Lv9 熱波Lv8 爆心Lv9 焼尽Lv6 叡智Lv33 

裁縫Lv40 革細工Lv26 料理Lv73 釣りLv23 シンクロLv38 

エンゲージLv30 マリッジLv6 超連携Lv42 絶対防御Lv6 浄炎Lv31 

紅炎Lv52 鬼火Lv30 火山弾Lv1 大噴火Lv1 神速Lv30 

先制Lv26 聖療Lv2 煉獄Lv7→大焦熱Lv7 溶波動Lv5 神波動Lv8 

放射熱線Lv16 日光Lv1 後光Lv1 日輪Lv1 炎分身Lv15 

炎化Lv1 光化Lv1 神撃Lv6 ゴッドブレスLv35 太極ブレスLv13 

狐技Lv50 荒魂Lv4 和魂Lv1 光球Lv1 黒星Lv1 

神降ろしLv4 獣化Lv21 巨人の加護Lv29 神仙の加護Lv21 アテナの加護Lv25 


髪が銀髪に変化し、尻尾も毛もウェルシュゴールドのような毛並みに変化した。そして斬り合うと力がほぼ互角になる。この結果、二刀流の俺たちが押していくがここでヤマトタケルノミコトは鞘を手に取ると白熱刃を鞘に使って刀として使って来た。


「「はぁあああ!」」


俺たちの剣戟はお互いに傷付けている。このまま行くと俺が勝てると思っているとヤマトタケルノミコトの生命力が半分まで来た時だった。


「英雄技! ゴッドドライブ!」


ヤマトタケルノミコトの身体にスサノオが宿るとヤマトタケルノミコトの周囲に稲妻と旋風を巻き起こす。これはダメだって!?ヒーロードライブと同じ技だとするとヤマトタケルノミコトにスサノオの力が加算されたことになる。


「は!」


「く…!?」


『『きゃ!?』』


一撃を止めたが吹っ飛ばれる。ダメだ。パワーもスピードも桁違いに強化されている。


「大海波動!」


『樹海操作どす!』


俺たちの前に木々が生えて、大海波動をガードした。だが、次の攻撃がすぐに来る。


『和狐! 芭蕉扇!』


『はいな! 格納! 芭蕉扇!』


俺の目の前に芭蕉扇が現れると神息を手放して手に取り、構える。


「「爆風波!」」


二つの爆風波がぶつかり合うとこちらが勝つ。芭蕉扇の爆風波は範囲が大きかった。武器とスキルの相性でこちらが勝った感じか。ちょっと嬉しんでいるとヤマトタケルノミコトの雷化を使用して来た。


『じ、時間停止です!』


ヤマトタケルノミコトの時間が止まる。今の内に芭蕉扇を仕舞って、神息を構えて、守りを固める。だが、結界をあっさり壊される。


「雷光!」


「く…!?」


防がれた。油断を誘ってみたけど、ダメだったか。そして雷光と雷化の差が出る。雷化は常時雷になっているが雷光は一度発動されて、攻撃すると切れてしまう。その瞬間を狙われて、心眼と

転瞬、光化で辛うじて誤魔化すが限界が来る。


「く…!?」


『熱風です!』


「大海壁! はぁ!」


『日光どす!』


俺たちの目から放たれた光線が草薙剣で受けられると吸い込まれる。光吸収まであるのか。


「大焦熱!」


「津波!」


大焦熱の灼熱地獄のフィールドが津波で消火され、そのままこっちに向かってくる。


『太極ブレス!』


太極ブレスが津波を貫くと同時に俺たちはヤマトタケルノミコトを狙ったが俺たちの周囲にヤマトタケルノミコトが現れる。分身が使えたのか。しかし雷化は解除されている。


ヤバいと思うと宇宙空間が広がる。ただしそれは千影からだ。


「三千大千世界!」


「ガァ!」


千影の天國の必殺技は止められ、虎徹が分身二体に斬りかかってくれた。その結果、俺はこの一手を生き残ることが出来たが、代償は大きかった。


虎徹は自慢の尻尾を斬られたことで刀を失い、更に別の分身に一刀両断されてしまい、千影はすぐさま斬り返されて、防ぐことが出来ず、斬られる。


「まだであります! 電弧放電!」


「見事だ」


千影は変わり身で攻撃を躱すと電弧放電で分身を消してくれた。どうやらヤマトタケルノミコトが使ったのは水分身のようだ。しかしここで千影は斬られて、二人は召喚石に戻る。


そして俺たちも限界が近かった。最後の勝負に出よう。


「神刀解放! 宝刀解放! 炎分身!」


『狐技! 幻炎狐!』


『狐技! 狐稲爆!』


「空振!」


草薙剣の一振りで幻炎狐と鬼火が衝撃波で消し飛ぶ。さぁ、最後の勝負だ!


「『『雷騰雲奔!』』」


分身四体と合わせての雷騰雲奔五連撃。当たれば、神息との無限コンボだ。俺たちの攻撃は四回目の攻撃で草薙剣を弾き、五回目の攻撃でヤマトタケルノミコトに攻撃が入った。だが、その瞬間、全身に寒気が走る。迷うな!ここで引いても意味がない!


「永劫回帰!」


爆心の効果で見えない中、俺たちはヤマトタケルノミコトに斬撃を放つと空から何かが飛んで来て攻撃が止められた。それは草薙剣だった。その瞬間、俺は草薙剣の伝説を思い出した。


日本書紀に登場する草薙剣の伝説には自ら動いてヤマトタケルノミコトを助ける話が存在している。つまりこれは草薙剣にある自動防御スキルの効果だった。これで永劫回帰は不発に終わった。それでもまだ諦める訳には行かない。


『狐炎之』


神斬(かみきり)


俺たちが知覚出来ない速度の斬撃が放たれ、俺たちは倒れる。ヤマトタケルノミコトは数多くの神を平定している。それ故に神に対しての必殺技も持っていた。神の加護がある今の俺たちには最悪の攻撃だった。とんでもない激痛が走っている。


「…いい勝負だった。ここまで全力を出したことは生前の私にはなかった。お前たちがもし私が生きた時代にいたなら最後まで共に戦ってくれたかも知れぬな」


そういうヤマトタケルノミコトは悲しい顔を浮かべて、俺たちは修練の塔の外に戻されて、インフォが来る。


『二刀流のレベルが40に到達しました。二刀流【ミーティアエッジ】を取得しました』


空が青いぜ。


「負けたなー」


「今のはどういう意味だったんですか?」


「たぶんあのヤマトタケルノミコトの生前には仲間がいたけど、最後には誰もいなくなってしまったんだろうな」


古事記の伝説と日本書紀の伝説を合わせたのがこのゲームでのヤマトタケルノミコトなのだろう。


「そんな…どうしてどす!」


「あの人は強すぎたんだ…その強さに味方が恐怖してしまう程にな」


俺たちのように仲間と一緒に強くなったのならまだ仲間が出来る。だが、最初から圧倒的な力の差があると一緒に戦っている仲間でも恐怖を感じるようになる。そうなると仲間として一緒にいることは難しくなるだろう。これがこのゲームのヤマトタケルノミコトに起きたんだとあの言葉から感じた。


「強いことがいいこととは限らないんですね」


「あぁ…俺たちも実際同じ問題が起きているからな」


アリナや燎刃などはヤマトタケルノミコトの仲間の気持ちがよくわかるだろう。ただ俺たちはレベルという物を上げれば、強くなり、追いつくことが出来る。伝説のヤマトタケルノミコトの仲間にはそれが出来なかった。現実ではゲームのように簡単に強さが追い付く事はないからだ。


「あたしたちはどうすればいいでしょうか? タクトお兄ちゃん」


「俺たちは俺たちの道を進むしかないよ。その果てにあの人に勝てたらいいな。あの人、自分の必殺技を止められて、全力の戦闘が出来て嬉しそうだったからさ」


生きていた時代には自分に匹敵する人間はいなかった。だが、今日止められなかった自分の必殺技が初めて俺たちに止められた。その瞬間、ヤマトタケルノミコトは俺たちの力が自分に届く可能性を見たのかも知れない。それなら俺はヤマトタケルノミコトにその可能性が現実のものになる所を見せてやりたいと思った。


「そうですね! あたしもあの人に勝ちたいです!」


「ほんまに困った二人やわ」


「悪いな。性分なんだ。さて、帰って寝るか」


グレイを召喚して、家に帰るとリリーたちを再召喚する。


「バラバラにされたよー! タクトー!」


泣きついて来た。見事なまでに瞬殺だったからな。千影と虎徹は悔しそうにしていたがそれでも千影は前向きだった。


「二人の全力戦闘が見れて良かったと思うであります。あの戦闘が出来るようになりたいと思えたでありますよ」


「そっか。ま、俺たちはきっとあの人みたいにはならないだろうな」


「あたしもそう思います」


「うちもどす」


「うわーん! ん? どうしたの? 三人共?」


リリーは不思議そうに首を傾げる。その光景を見て、きっと俺たちはどれだけ強くなっても、こんな平和な光景が続くと確信して、和狐と一緒に寝る。


「動けないな」


「そ、そうどすな」


和狐の尻尾が動いていることが分かる。中々口では甘えたいとは言えないお年頃らしい。どうせ明日も動くんだからここで回復アイテムを使っちゃうか。クッキーを食べて動けるようになった俺は横になると和狐を抱き寄せる。


「タ、タクトはん!?」


「これでいいか?」


「うぅ…はいどす」


俺の胸に抱き着いて、丸まってしまった。そして俺は和狐の耳にキスをした。


「ふわ!? 耳は反則どす!」


「愛しているよ。和狐」


「うぅ…うちもどす」


今日はこれでログアウトした。そして現実に戻るとテスト勉強が待っている。


「幸せを感じた後にやる気しないな~」


そんな愚痴を言いながらもキリがいいところまでテスト勉強して、寝るのだった。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] 本(コミック、小説)について 僕は、この話が好きなのでコミックの続きと小説の書籍化を待っています。 コミックでリリーやイオンのイメージが大分違っていたので他のキャラクターも見て見たいと思いま…
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