#1064 ウガリット神話の多頭海竜
休憩していた俺たちの前に巨大な渦潮が発生して、新たなレヴィアタンが出現する。
ロタン?
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今度はウガリット神話に登場する海の神ヤムの配下として登場するドラゴンだ。姿はヒュドラに酷似しており、七つの首がある竜の姿で登場した。レヴィアタンは中央の首の上にいる。この姿を見たからか俺たちの前にディアンが海から顔を出す。
「「「「ギャオオオー!」」」」
「「「「シャー!」」」」
同じタイプの者同士、どちらかが強いか決めたいだろうな。更に他のドラゴンたちもやる気満々だ。
「みんなもやる気満々ですね! 行きますよ!」
戦闘が始まろうとした瞬間、ロタンは海に潜ってしまう。ここで水中戦を挑んで来るか。すると渦潮もこちらに向かって来た。
「頼むぞ! ディアン! 他のみんなはディアンを援護してやってくれ。リアンとルーナも水中へ!」
「「はい!」」
「タクトさん!」
「俺とイオンは少し待ってみよう」
イオンが剥れるが俺が頭を撫でると落ち着く。下手に戦いに加わって、死んだら、ゲイルと白夜に申し訳がないし、他の皆にも迷惑が掛かる。それにイオンが死んだら、全ドラゴニュートのエンゲージバーストが使えない。長期戦だからこそ切り札をどのタイミングで使うか慎重に考える必要があった。
水中ではディアンとロタンが斥力場同士が激突し、砕けると同時に二匹が吹っ飛ぶと息を吸い込みブレスがぶつかり合い、大爆発を起こす。すると爆発を貫く魔王波動がディアンを襲い掛かる。
「暴食! 魔力吸収!」
リアンがディアンの前に立ち、神槍カリュブトライデントで魔王波動を吸い込んだ。そしてリアンは槍を構える。
「あなたの相手は私たちがします」
「この海でワタシに勝てると本気で思っているのか? 大海波動!」
「思っていないと戦いを挑んだりしませんよ! 大海波動!」
リアンは神槍カリュブトライデントから大海波動を放ち、激突するが徐々に押されていく。すると他の召喚獣たちが加勢に入ってくれた。リアンを援護しつつ、ロタンに襲い掛かった。だが、サフィの角でもロタンの鱗の前に弾かれてしまう。
「やっぱり切り札を使わないとダメージを与えられないね」
「じゃあ、やるしかねーな」
「海の召喚獣なら俺たちだって、第五進化しているんだ。ギルマスの負担を少しでも減らすぞ!」
みんなが切り札を導入する。これを見たリアンは距離を取る。下手に関わると邪魔になるからだ。最初に挑んだのは神格解放で進化したデスクラーケンとデステンタクルズ。それぞれアビスクラーケンとアビステンタクルズに進化していた。
それぞれ高速で足が伸びるとロタンの障壁をすり抜けて、ロタンに足が触れるとぶっ飛ばす。まるでロケットパンチのような威力の攻撃だな。
更にそれぞれの足先に氷山を作り出すとそれをロタンに投げつける。これを見たロタンは空間捕食で氷山を消し去ると超覚醒で更に巨大化したメガロドンの口を開けながら高速回転して、襲い掛かった。
ロタンの障壁は抉られて、ロタンの胴体に噛み付く。メガロドンの尾にロタンは噛みつく、放り投げる。しかし胴体はボロボロだ。そこに超覚醒の効果でドラゴンの姿に変貌したバハムートがドラゴンクローで貫いた。そして至近距離からレヴィアタンがいる首に向けてドラゴンブレスを放った。
直撃して、爆発が発生したが巨大な手が伸びてバハムートの首を掴むと夕凪とは別の玄帝に叩きつけられる。しかし超覚醒したバハムートは伸びた腕を爪で切り裂いて、再び挑みかかろとするとブレス攻撃が飛んで来る。
これをそれぞれガードするがここで黒雷が降り注いでダメージを喰らったことで防御スキルが外れて、ブレスが直撃する。だが、本気の第五進化はブレスが直撃したぐらいでは止まらない。
ここでロタンとレヴィアタンは連続攻撃をしようとすると視界にたくさんの星空の身体を持つイルカの群れに囲まれる。イルカの第五進化のデルピーヌスだ。デルピーヌスは騎乗戦闘特化の召喚獣で最大の特徴は万華鏡スキルで自分の分身を沢山作り出すことが出来る。しかもこれには騎乗している者も分身対象となるのだ。
「「「「超連携!」」」」
つまり全ての分身で超連携が発動可能なのだ。武器が良いとこれがかなりの威力になる。更に海馬の第五進化アレイオーンが神格解放でアレイオーンの尾を持つ人魚の姿になったデスポイナが両手に魔力を集める。
「冥波動! 神撃!」
デスポイナはポセイドンとデーメーテールとの間の娘の名前。アレイオーンがこの二人が馬に姿を変えて、生まれた馬とされている事からこんな設定になったんだろう。二人の娘だから強さは折り紙付きだ。
大ダメージを受けた所に巨大な島が回転しながらロタンに体当たりした。これが海亀系の第五進化であるアスピドケロンだ。大きさだけなら玄帝を超えている。最大の特徴はなんと聖域の島などと同じように生産が可能な亀さんなのだ。このため、島を持っていない人が狙うことが多くなっているらしい。
これは実際に船乗りが島と間違えてアスピドケロンに上陸したという話から来ている物と予想されている。そのアスピドケロンが顔を出すとドラゴンブレスを放った。何処から見ても亀なんだけどね。
そんな彼らが強力してロタンとレヴィアタンに挑むがロタンの再生能力が高く、それぞれの攻撃に対応し始めた。これを見た召喚師たちは水のドラゴニュートやマーメイドたちを投入する。しかし落としきれず、神威解放などの効果が切れる。
「終わりだ」
「それはどうかな?」
「一番おっかない召喚師の召喚獣を忘れているんじゃないか?」
ディアンのブレスがロタンに決まるとレヴィアタンが反撃しようとすると伊雪が現れる。
「伸びよ! 如意金剛錫杖!」
「ぐ…ふん!」
一瞬怯んだレヴィアタンだが、伊雪に腕を伸ばして来る。すると天の披帛がレヴィアタンの伸びた手に巻き付き、攻撃を逸らすと伊雪は如意金剛錫杖で連打するがレヴィアタンにはダメージが入らず、攻撃が逸れた腕が伊雪に迫る。
「神格覚醒」
伊雪が光となって消えた結果、レヴィアタンの腕が空振りする。そして海底に天女の神が降臨する。
名前 伊雪 天女Lv12→吉祥天Lv12
生命力 180→250
魔力 408→498
筋力 230→310
防御力 120→200
俊敏性 164→244
器用値 256→336
スキル
杖Lv3 棒Lv9 扇Lv1 神拳Lv1 氷雪刃Lv40
白熱刃Lv19 神楽Lv1 脱出Lv1 堕落Lv8 裁縫Lv14
革細工Lv3 千里眼Lv18 水鏡Lv8 氷柱Lv20 使役Lv27
天氷装甲Lv29 天鎧Lv23→神鎧Lv23 天耳通Lv22 他心通Lv22 天言Lv22
念動力Lv8 第六感Lv21 心眼Lv1 格納Lv1 神道魔術Lv17
遮断結界Lv4 霊化Lv21 空虚Lv22 疾魔法Lv10 神聖魔法Lv14
氷魔法Lv40 時空魔法Lv38 封印魔術Lv30 暴風雪Lv35 猛吹雪Lv17
妖気Lv33→神気Lv33 仙気Lv21 仙術Lv22 運勢操作Lv18→運勢支配Lv18 天氷壁Lv25
光分身Lv29 荷重操作Lv30 重力操作Lv14 引力操作Lv5 天候支配Lv5
海流支配Lv1 樹海支配Lv1 金属支配Lv1 即死Lv33 多連撃Lv32
罠設置Lv7 海波動Lv13→大海波動Lv13 極寒波動Lv31 天波動Lv12→神波動Lv12 自然波動Lv1
太極波動Lv1 夢幻Lv4 天雨Lv12 烈日Lv1 後光Lv5
神岩結界Lv1 神雷Lv12 超集束Lv1 天軍Lv1 日輪Lv1
神罰Lv6→神撃Lv6 神技Lv1 天人の知識Lv3 仏の加護Lv18
吉祥天は仏教の守護神である天部の一柱だ。毘沙門天の妻として知られている。幸福、美、富の神とされているが強いかはよく分からない神様だな。
「ふ…」
「貴様! なぜ笑った!」
レヴィアタンが腕を伸ばすと伊雪を捕まえられない。
「無駄ですよ。海の魔王さん。あなたでは私に触れる事すら出来ません」
「な、舐めるな!」
レヴィアタンが雷霆を作り出し、投げつけるが外れてしまう。そして伊雪が目の前に現れるとレヴィアタンをビンタした。いい音がしたな。レヴィアタンが反撃しようとするがやはり手は伊雪に届かない。間違いないな。これが運勢支配の効果だ。
どんな攻撃も運が悪くて外されている。運勢操作ではこんなことが出来なかったけど、とんでもない力だぞ。これが幸福を司る神様の力か。空振りしたレヴィアタンの腹に神の力が宿った拳が突き刺さった。
「なんだ? その拳は?」
どうやら伊雪の攻撃はレヴィアタンには効かないらしい。攻撃が当たるがダメージを与えられない伊雪と攻撃が当たらないレヴィアタン。どっちもどっちだが、急がないとみんなが与えれてくれたダメージが回復されてしまう。
「神技。毘沙吉祥門!」
レヴィアタンとロタンの周囲に俺が良く知る無数の空間が現れるとそこから宝杖、宝刀などの武器が飛び出し、二人を貫く。強欲門やギルガメシュが使っていた技と同じことが出来るんだな。これが財の神様としての力か。
それでも二人はすぐに武器を衝撃波で弾き飛ばしてしまう。
「これは困りました…では、あなたにとっておきの舞を見せて上げましょう」
伊雪が上に移動する。
「神楽! 五節の舞!」
伊雪が踊ると俺たちに見たことがないバフが発生する。叡智で調べるととんでもないバフであることが判明した。表示されたのは攻撃無効。つまり無敵のバフだった。ひでぇ。だが、これなら挑まないと損だな。
「いくぞ! イオン!」
「はい!」
『全員! 今は無敵状態になっている! 畳みかけろ!』
全員が驚くがすぐに攻撃に出る。すると全ての攻撃がプレイヤーたちに何故か当たられない。攻撃が当たらないことでの無敵なんだな。
しかも魔法も相手の阻害系スキルが外れることで打ち放題タイムになっていた。そして何気に被害を被ったのが今まで頑張っていたリヴァイアサンたちだ。彼らの攻撃も戦っていたプレイヤーに当たる事が無くなってしまった。
「聞いたな!」
「あぁ! 無敵状態だってよ!」
「「「「なら突撃だー!!」」」」
こうしてリヴァイアサンは討伐され、レヴィアタンとロタンもディアンに一方的に噛まれた上に黒鉄たちのドリルパンチ、魔法使いたちの大魔法が炸裂して、沈黙した。ここで伊雪が元に戻る。
「おっと。大丈夫か? 伊雪?」
「はい…あの技を使うとすぐに解除されちゃうみたいです」
「まぁ、凄い技だったからな」
「でも、踊りも姿も見てくれませんでしたよね? お父さん」
「姿はディアンの目から見ていたぞ。踊りは向かっている途中に少ししか見えなかったけどな。今度はちゃんと見せてくれ」
伊雪をお姫様抱っこして、夕凪の元に戻ると伊雪を召喚石に戻した。ここでアーサー王とマーリンがやって来る。
「想像以上に強敵だが、順調に来ているね」
「魔王討伐同盟を支援した甲斐があったと心底思っているよ。我々だけでは恐らく勝てなかっただろうからね」
「俺たちは一度、下がります」
「あぁ…ここまで頑張ってくれたからね。後ろで休みがてら見ているといい」
自信満々だな。エクスカリバーの勝利の加護が効かない敵でも勝気満々らしい。そうでないとアーサー王じゃないだろうな。俺はお言葉に甘えて、召喚師部隊と共に艦隊の後ろに下がる。怒涛の連戦だ。どこかで休憩を挟まないと身が持たない。
ここでヘルメスから警告が来る。
『死してなお神々を呪いし、海神にして海竜が現れるよ。警戒してくれ』
「死んだ海神にして、海竜? そんなのいたか? いや、いる」
バアルが持っていた二つの棍棒がそいつの死を示唆しているなら現れるのはとんでもない敵だぞ。俺が次に現れる敵に思いついた時だった。海域全体に渦潮が発生し、その中心点からドラゴンが現れるのだった。




