#1059 ダークネス海峡攻略開始と鮫の悪魔
暗黒大陸側に集結したのはプレイヤーが用意した大艦隊だ。ここにはエクスマキナのバトルシップも含まれている。そして旗艦はノアズ・スクナが務める。
参加するメンバーはエステルの騎士に加えて、エステルイベントで一緒に戦ったドラゴニュートとドラゴン部隊とダークエルフに加えて、桜花の侍たち、スカアハ師匠などの一部の中央大陸の英雄NPCが参加している。そして見知った人物がいた。
「よ。久しぶりだな」
「あ! タクトさん! お久しぶりです」
「噂は聞いているぞ。新選組一番隊沖田総司になったらしいな」
「はい! 病も直って、やる気十分ですよ!」
ここで知らない男たちに声を掛けられる。最も沖田総司と同じ羽織袴を着ているから正体はバレバレだ。
「沖田君の知り合いかい?」
「近藤さんに皆さん、紹介しますね。この人はフリーティアの英雄のタクトさんです」
「君が有名なタクト君か! 話は沖田君から聞いているよ。僕の名前は近藤勇。桜花の都で治安部隊、新選組を率いている。今日はお互いに死力を尽くそう」
「はい」
近藤勇は好青年がそのまま大人になったかのような人だった。その後も挨拶周りをしていると坂本龍馬に遭遇した。銃と剣で戦うスタイルらしい。幕末を代表する二人に出会えるなんて感動だ。
続々メンバーが集まり、サバ缶さんから全員が集結したことを伝えられる。そして何故か俺が号令を担当することになった。俺の役割は召喚師部隊のリーダーなだけなのに!
「トッププレイヤーの宿命ですよ」
「はぁ…まず今回の戦いに参加してくれるみんなと戦いの為の準備をしてくれたみんなに心から感謝する!」
俺はこの戦いがどれだけ重要な戦いになるか説明する。
「この戦いは今後の暗黒大陸を魔王から解放するために重要な戦いになる。間違いなく過去最大の海戦になることだろう。相手は暗黒大陸の海を支配している魔王レヴィアタンだが、恐れる事はない! この戦いにはこの世界を代表する強者が集結している! 故に俺はここに宣言する! 今日ここで魔王レヴィアタンを討伐するぞ!」
「「「「おぉー!」」」」
俺が武器を掲げるとみんなも合わせてくれる。ノリがいいみんなで本当に助かるよ。これで乗ってくれなかったら、地獄ですよ。
「全軍配置につけ! 準備が整い次第、我々は魔王レヴィアタン討伐に出陣する!」
いい所をペリーさんに持っていかれた。するとペリーさんに声を掛けられる。
「中々いい号令でしたよ」
「本当にこういうの向いていないんですけどね…」
「何回もノリノリでしている人が言っても説得力無いですよ?」
「サバ缶さんたちがさせているんでしょう…」
俺たちも準備を整えて、出陣する。俺たちの布陣は召喚獣たちが最前線に陣取り、その背後を猛獣使いたちとドラゴニュートの部隊が固めており、最後方に艦隊を広く展開している。これは船同士の衝突を防ぐためだ。
そして一番強い俺は召喚師部隊の一番前にいた。武器は神剣エスカトンリープリングだ。乗っているのはダーレーでグレイにユウェル、ヒクスにはファリーダ。スピカにセチアとなっている。ここでサバ缶さんから連絡が入る。
『向こうも出発したようです。因みにアーサー王が号令をしたようですよ』
『絶対にこっちが負けてますよね?』
アーサー王の号令に勝てるわけないよ。まぁ、戦闘で挽回するとしよう。ここでリアンから連絡が来る。
『海底から敵多数! 来ます! 先輩!』
『ペリーさん! 海底から敵です!』
『海から敵! 総員、戦闘態勢!』
水中にいるイオンにシンクロビジョンで敵を確認する。
クラーケンデビルLv60
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
テンタクルズデビルLv60
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
こいつらが蛸と烏賊の半魚人だった。珊瑚の鎧に槍が武器みたいだと思っていると背中からそれぞれの足を伸ばしてきた。
「雷光! 万雷! 戻ってください! エウロペトライデント! 水圧切断!」
これに対してイオンはエウロペトライデントを投げると攻撃してきたクラーケンデビルの顔に雷速で命中する。更に追撃の万雷を浴びせるてから手元に戻し、足を切断した。
ここで船から飛び降りた水中部隊がやって来る。それと同じくして新たな敵が現れる。
デスクラーケンLv65
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
デステンタクルズLv65
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
イプピアーラLv62
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
クラーケンとテンタクルズの第五進化に加えて、謎の筋肉隆々の半魚人が追加された。イオンが警戒しているとイオンは相手にされず、イプピアーラは男性プレイヤーに襲い掛かった。その結果、イオンたちはデスクラーケンたちの相手をさせられるがここでディアンが立ち塞がった。
デスクラーケンは足、デステンタクルズは胸部が脅威となるのだが、そのどちらも斥力場で防がれてしまうからディアンは彼らにとって、天敵と言えた。
他の所でも第五進化の召喚獣がこの二匹を止めている。むしろ逆に押されているのはプレイヤーだった。慣れない水中戦ももちろんあるのだろうがイプピアーラは格闘タイプで相当強い。しかし何故かイオンたちが助けに入ってもイオンたちに攻撃しない。これは男性を選んで攻撃しているな。
メルもそれに気付いて、陣形を変えようとするがその隙に敵が抜けて、船の甲板に上がってしまうがその瞬間、槍に刺され、銃で撃たれる。簡単に甲板で戦わせたりしないさ。ここで水中戦をしている召喚師から援護要請を受けて、俺は空にいる召喚師をそこに向かうように指示する。
そこからデスクラーケンとデステンタクルズの足が海から出て来て、船を攻撃しようとしたところで召喚獣たちの空からの攻撃が降り注いで船への攻撃を防いだ。
しかし攻撃が長引くとどうしても船の攻撃を許してしまう。だが、船はびくともしない。ゴフェルの船の丈夫さは伊達ではない。
『俺たちも向かうか?』
『いや、これはまだまだ最初だ。イオンたちを信じよう。リアン、ルーナ。イオンたちが疲れているから代わって挙げてくれ』
『はい! 着替えていいですよね? 先輩!』
余程アイドル衣装から解放されたいらしい。俺が許可するとイオンたちと入れ替わり、リアンとルーナ、サフィが戦闘を開始する。他のみんなも陣形をかけて、戦闘した者は亀系の召喚獣の上で回復する。
ここでリアンがボスを見つけた。
フォルネウスLv70
? ? ?
ゴエティアに登場する悪魔だ。姿は下半身が鮫の頭の悪魔だった。リアンが襲い掛かると鮫の頭を前にしてリアンに向かって来た。
「え!? くぅううう!?」
人魚にとっては奇想天外の攻撃にリアンは驚き、噛まれそうになるが槍で止めている。しかしそのまま、海を振り回される。
ここでシフォンたちが助けに入ろうとするとフォルネウスの上半身の手から冥波動が放たれて、ガードすることになった。
更にイオンとは別の水のドラゴニュートが戦闘に加わろとするがフォルネウスの速度に追いつけない。
「いい加減にしてください! 神雷!」
しかし神雷を受けても平気でいた。雷無効か。
『イオン、やれるか?』
『もちろんです。タクトさん。ただ私でも追い付けるか』
『追いつく必要はないさ。向かうからこっちに来させらればいいんだ。それなら攻撃をイオンなら当てれるだろう』
『なるほど! それならやれます!』
俺はチェスに煽動を使わせるとフォルネウスは向きはチェスに変える。それでも動き回りながら向かって来るのがやらしいところだが、イオンはドラゴンダイブでフォルネウスの動きに合わせながら見事に腹に一撃を当てて、この瞬間、リアンが解放されると鮫の口から歯が飛んできた。
それを蒼穹が海ブレスで吹き飛ばし、リアンはその場から距離を取るとフォルネウスが次に狙いを定めたのはイオンだ。それを見たイオンは槍を手放す。
「私を食べたいのではないですか? 良いですよ。噛まれて上げます」
ノーガードのイオンにフォルネウスは噛みつくがイオンはダメージを受けていなかった。寧ろフォルネウスの鮫の牙が砕ける事態だ。オリハルコンの鎧の性能を試してみたかったんだな。
「残念でしたね。ドラゴンブレス!」
鮫の口の中にドラゴンブレスが炸裂する。更にリアンが神槍カリュブトライデントを上半身に突き立てた。
「終わりです。喰らい尽くしてください! カリュブトライデント! 暴食!」
神槍カリュブトライデントの切っ先にマイクロブラックホールが発生するとフォルネウスは吸い込まれて、消えた。槍が横の状態では使えなかったがカリュブディスの力は圧巻だな。この槍をみんなも作れるようになるんだから今後凄い事になるよな。
その後、被害状況を確認しつつ、解体作業をした。
悪魔のキャビア:レア度? 素材 品質?
フォルネウスの卵で誰も食べたことがない謎の食材。真っ黒の見た目で度胸が試される食材。
デスクラーケンの足:レア度10 素材 品質S+
蛸素材の頂点に君臨している素材。蛸の旨味が凝縮されており、圧倒的な噛みやすさを誇っている。その噛みやすさは中々噛み千切れないストレスがない蛸の足として漁師の間で知られている。
巨大蛸の宝珠:レア度10 重要アイテム 品質S
海の悪霊の力が封じ込められている宝珠。クラーケンが進化するために必要なアイテム。
デスクラーケンの墨袋:レア度10 素材 品質S+
巨大なデスクラーケンの墨袋。大量の粘々な墨が入っている墨袋で一度身体につくと中々剥がれない事から主に投擲武器の素材として使用される。
デステンタクルズの胸部:レア度10 素材 品質S+
烏賊素材の頂点に君臨している素材。烏賊の旨味が凝縮されており、圧倒的な噛みやすさを誇っている。その噛みやすさは中々噛み千切れないストレスがない烏賊の胸部として漁師の間で知られている。
巨大烏賊の宝珠:レア度10 重要アイテム 品質S
海の悪魔の力が封じ込められている宝珠。テンタクルズが進化するために必要なアイテム。
デステンタクルズの墨袋:レア度10 素材 品質S+
巨大なデスクラーケンの墨袋。大量のさらさらな墨が入っている墨袋で主に文字を書く際に使用される。
たこ焼きと烏賊そうめんを作りたくなった。悪魔のキャビアは完全に運営が遊んだな。普通に商品名でありそうだが、大丈夫なのだろうか?注意書きでデメリットなく食べれると書かれているが美味しくないのはデメリットに入っているんだろうか?後、フォルネウスは絶対にチョウザメでは無かったぞ。
宝珠はどうなるか不明だな。少なくとも俺は使わないから速攻で売りに出す。アトランティスで交換した人はショックだろうな。
回復をさせていると中央大陸側も敵の襲撃を受けていたらしい。相手にはロブスターシーマン、スパイニーロブスターが登場した。スパイニーロブスターは伊勢海老の英語名で巨大伊勢海老だったらしい。ロブスターシーマンはロブスターの魚人だ。ボスはスターカルキノス。ギリシャ神話でヒュドラを助けようとしたがヘラクレスに踏まれて死んでしまった可哀想な蟹だ。その後、蟹座になっている。
「こっちは蛸と烏賊で向こうか海老と蟹か…負けた気分だな」
そう思いながら休憩が終わった俺たちは進軍を続行した。
軽く調べた限りですが悪魔のキャビアは商品名には無かったです。
もしあるなら法律に引っ掛かる可能性があるので、名前を変更することになります。




