#1057 バターケーキとオリハルコンの鎧
休憩が終わった俺はログインすると昨日言っていたバターケーキを作る。
「よっと。おぉ~。いい匂いだ」
「「「「嗅がせて~!」」」」
「はいはい。食べたら、ダメだぞ」
「「「「いい匂い~…あ!?」」」」
手が伸びたところで没収する。そして恨みがましい視線を送って来る。
「そんな目で見てもダメだ。デコレーションを手伝わせないぞ」
「「「「そんな!?」」」」
リリーたちが仲良くデコレーションをして、完成した。
アリエスのバターケーキ:レア度10 料理 品質A-
効果:満腹度10%回復、生命力全回復、魔力全回復、三時間状態異常無効、三時間生命力回復(究)、三時間魔力回復(究)、三時間全ステータス上昇(究)、三時間英気、三時間寒無効、三時間黄金の加護、全状態異常解除、一回蘇生
アリエス・ネペレーのバターを使ったケーキ。通常のケーキよりもスポンジがふっくらしており、味は濃厚の甘味でしっとりに仕上がっている。形が凸凹になっているため、商品価値は下がっている。
アマルテイアのバターケーキ:レア度10 料理 品質A-
効果:満腹度10%回復、生命力全回復、魔力全回復、弱体化全解除、二時間全ステータスアップ(究)、二時間不死、二時間神の加護
アマルテイアのバターを使ったケーキ。通常のケーキよりもスポンジがふっくらしており、味は濃厚でしっとりに仕上がっている。形が凸凹になっているため、商品価値は下がっている。
流石にクッキーより効果が上がっているな。それにしても俺が完成させたスポンジは完璧だった。
「何故鼠がかじったような跡になっているんだ?」
「「「「…」」」」
リリーたちは口を隠している。それはもう犯行を認めているようなものだ。だが、問題はケーキだけではない。
「デコレーション用の果物が綺麗に無くなっているんだが?」
リリーたちはケーキを指差すがそこにフルーツはほぼ乗っていない。
「みんな」
「「「「…えへー」」」」
幸せそうな笑顔で返された。こうすれば俺が怒れないと分かっているんだよな。
「あまりつまみ食いはしないようにな。それは食べていいぞ。俺は本番を仕上げるからな」
俺はデコレーション用のフルーツを新たに出す。つまみ食いぐらいわかるとも。
「ふ」
「「「「む!」」」」
俺の笑顔を見たリリーたちがデコレーション用のフルーツに狙いを定めるとキキが立ち塞がる。
「これ以上すると皆さんのケーキをグレイさんたちにあげますからね」
「「「「そ、それだけはやめて~」」」」
リリーたちは机に向かって、ケーキを食べる。
「「「「ふわふわ~」」」」
「甘~いで~す」
「こっちはスポンジ本来の味が濃厚になっている感じですね」
「甘さは控えめな感じどす。はい、タクトはん」
俺は和狐に出されたケーキを食べる。確かに両方味やスポンジの質感が違っている。バターが違うんだから当然と言えば当然だ。これはデコレーションを考えないといけないな。
「ふふ」
「「「「あぁ~!?」」」」
「はいはい。皆さん、座って食べないとダメどす」
「自然な流れで…やりますね。和狐さん」
俺が作業を終わると気になっている事を聞いてみた。
「そう言えばイオンの鎧と服と指輪が完成するとか言ってなかったか?」
「「「「あ、忘れてました。完成してます」」」」
「そこは先に見せて下さいよ!?」
イオンの主張は当然だな。さて、確認しよう。
神鎧グランサーペントメイル:レア度10 魔法鎧 品質S+
重さ:10 耐久値:10000 防御力:5000
魔法鎧効果:ドラゴンの防御力アップ(究)、全属性耐性、半減、神気、竜気、神障壁、黄金障壁、神鎧、堅固、衝撃無効、絶対防御、光吸収、後光、聖療、全反射、乱反射、瞬間再生、復活、烈日、陽光、光化、全滑走、環境無効、武器破壊、妨害無効、魔法無効、神の加護、地竜の加護
宝玉効果:全属性アップ(究)、魔法再時間短縮(究)、魔力超回復、天候支配、炎熱支配、物理支配、海流支配、粒子支配、魔素支配、時空支配、宝玉解放、宝玉全解放
刻印効果:無限のルーン、超加速、星間行動
オリハルコンとドラゴンメタルの合金と最高級の宝石、内側にはゴッドウールで作られた究極の魔法鎧。全てのダメージを半減させてしまう能力があり、魔法に対しては攻撃を受け付けない。更に地竜の力で武器に対しても圧倒的な防御力を誇っている。
これがオリハルコンの鎧か。全てのダメージを半減させるって、やばくないか?恐らくこれは通常攻撃だけでなく、固定ダメージも半減させるだろう。一気に生存率が上がるぞ。俺が戦慄していると着替えたイオンは落ち着かない様子だな。
「だ、大丈夫ですか? タクトさん。変じゃないですか?」
「全然変じゃないぞ。凄い綺麗だ」
これを聞いたイオンは照れてしまう。可愛いな。
「…それは鎧が綺麗なだけ」
「どういう意味ですか! ノワ―!」
ノワの容赦がないツッコミが入った。この二人は相変わらずだな。次は個人的に注目している指輪だ。
爆破の指輪:レア度10 アクセサリー 品質S+
効果:爆属性アップ(究)、爆破の魔眼、爆心
指輪を向けたものを爆発させる指輪で装備している手で攻撃しても爆発が発生する。別の手で攻撃しても効果が発動しないので、注意が必要。
地下で実験をする。相手に立候補してくれたのはイオンだ。オリハルコンの鎧の性能を確認する上でもちょうどいいな。
「行くぞ」
「いつでもどうぞ」
「爆破の魔眼!」
イオンが爆発する。規模的にはエクスプロージョンくらいだな。まぁ、爆心の効果もあるし、有用なアクセサリーだろう。さて、イオンはどうだ?
「痛くも痒くもないですね!」
ドヤ顔で現れた。実際にほぼダメージを受けていない。これはやばい。さて、この指輪を上げるのは決めている。
「ノワ、この指輪を使ってみないか? 攻撃手段が増えて、ノワに合っていると思うんだが」
「…ん。ありがと。にぃ」
これで少しはノワの不安解消になればいいな。最後はリビナのコートだ。
アリエスのロングコート:レア度10 防具 品質S+
重さ:10 耐久値:2000 防御力:800
効果:衝撃無効、妨害無効、寒無効、星気、神気、烈日、後光、陽光、全滑走、黄金障壁、英雄障壁、太陽の加護、神の加護
ゴッドウールのみで作られたロングコート。空や水中でも飛ぶように行動することが出来き、あらゆる衝撃と寒さから守ってくれる。セレブの女性に非常に人気がある。
黄金のロングコートを着たリビナはノリノリだ。
「どう? タクト? 大人のボクの魅力にドキドキした」
「確かにこんなコートを着ているな。でもリビナが着るとセレブのコートというかアイドルのコートのように見えるな」
恐らくファリーダなら完璧に着こなすんだろうな。
「それもアイドルの衣装なんですか!?」
「着ているアイドルもいるって話なんだが…どうしたんだ? リアン?」
「あ、いえ、その~…なんと言いますか」
「結婚式の後でのお楽しみだよね~。リアン」
どうやらリアンのロコモコの服で何か起きているな。アイドルの単語に反応したということはそういう事だろう。時間を確認した俺はジークの進化を諦めた。今からレベル上げと進化クエストは無理だ。きっとレヴィアタンとの戦いで到達するだろう。そう考えた俺は生産作業を終えてからサラ姫様に騎乗技術を教えて貰う為に城に向かった。




