#1049 資源衛星と宇宙人
マザーシップに戻って来た俺たちはイクスを着替えさせる。
「…イエス…マスター」
凄く不服そうな顔をさせた。
「ウェディングドレスがどれだけ大変かさっきわかっただろう? それにこれから採掘に行くんだ。汚れていいのか?」
「それは行けませんね」
やっとイクスが着替えて、マザーシップで教えて貰った資源衛星に向かった。ワープですぐに辿り着くとそこには巨大な隕石があった。
「ここが資源衛星か。確かに採掘ポイントが沢山あるな」
「マスターの独壇場ですね」
「黒鉄も採掘出来るんだぞ。取り敢えず行ってくる」
俺は黒鉄と騎乗用にヒクス、護衛にスピカ、サフィを召喚する。そして黒鉄と一緒に採掘を開始する。メテオライト、コスモメタル、コスモクリスタル、星核、グラビティサイトと新しいのも発見した。
ウアキタイト:レア度10 素材 品質S+
ダイヤモンドより硬いと言われる宇宙の鉱石。ごく稀に星に関係があるところで手に入れることが出来る。
イクスの素材には無いが内容からしてメテオライトの上位素材かな?ただかなりレアみたいだ。結構採掘しているが現時点で一つしか見つかっていない。根気よく採掘を続けると思っているとイクスから警告が来た。
『マスター、超次元レーダーに反応あり! 何かがワープして来ます。マスター』
『アザトースの敵か』
イクスの答えを聞く前に敵が四体現れた。そいつは黒い体に、黒い翼、赤い目の怪しい敵だった。
モスマン?
? ? ?
なんだこいつ。そう思っているといきなりこちらに向かって来た。意外に速いが俺たち程じゃないな。スピカとサフィが角で貫いた。これで終わったかと思ったら、スピカとサフィの角が刺さったまま、殴り飛ばされてしまった。更に目から死滅光線を放ち、スピカとサフィは命中してしまう。
ふざけた見た目だが、意外に強い!
『黒鉄! 援護頼む! ヒクス!』
黒鉄がミサイルで迎撃に出るとミサイルを蹴り飛ばした。更に俺たちに向けて、妨害波を使用してきて、スキルを封じて来た。すると両手に魔力が集まる。俺はヒクスを横旋回させ、冥波動を回避する。
ここでスピカとサフィが復帰し、それぞれ戦闘を開始する。そして俺も戦闘を開始するとモスマンはかなり武闘派であることが判明した。普通に腹筋も割れているし、パンチと蹴りを組み合わせて来た。
「舐めるな!」
近衛で斬り裂くと胴体がくっついた。こいつ、面倒臭い。そう思っているとマザーシップからホーミングレーザーが放たれるとモスマンは転移で逃げた。
『何だったんだ? あいつら?』
『分かりません。ただマスターは採掘を続行すべきだと思います』
『はいはい』
俺たちが資源衛星に戻ろうとした時だった。再びイクスが警告をする。
『マスター、超次元レーダーに再び反応あり! 今度は多いです!』
仲間を連れて来たって事か。そう思っていると円盤型の乗り物は現れた。
円盤型UFO?
? ? ?
感動よりももういいよという気分が勝ってしまった。エクスマキナとクトゥルフ神話で宇宙戦争で良かったじゃん。今更リアル宇宙人が登場されても困るって。そもそもこいつらは敵なのか?そう思っていると円盤型UFOから光の柱が発生し、一番ポピュラーな宇宙人が現れた。
リトルグレイ?
? ? ?
あんな小さいのに識別出来ないだと?様子見していると採掘ポイントが消えて行く。こいつら、狙いはこの資源衛星か!
俺が飛び出すと人差し指を突き出して来た。そして指が光る。これは有名な映画のワンシーンだ!まさか友好的な敵なのか?そう思っていると指からビームを撃たれた。オッケー。敵だな。資源衛星は誰にも渡さん!
「レギオン召喚! こい! ディアン! 全滅させるぞ!」
俺たちが襲い掛かろうとするとリトルグレイが怪しく輝くと大きくなった。
トールグレイ?
? ? ?
どうやら神格覚醒などのように進化するようだな。更にこいつは謎の銃を取り出すと躊躇わず撃って来た。謎の螺旋光線を回避するとトールグレイに攻撃を仕掛けた黒鉄が光線を受けてしまうと一撃で召喚石に戻ってしまった。
どうやら粒子分解の光線らしい。おっかない武器を持ってやがる。だが、通常の光線と比べるとかなり遅い。これなら倒せると思っていると円盤型UFOが光輝くと戦闘機タイプに変形し、攻撃を仕掛けてきた。
こちらはホーミングレーザーと死滅光線を連射して来た。それに戦闘機タイプなだけあって、かなりの速度で飛んでいる。その証拠にマザーシップの攻撃が当たっていない。戦力を分けた方がいいな。大きいディアンはトールグレイとは相性が悪そうだ。
『ディアン、サフィはあの飛んでいるのを頼む。ヒクス、スピカ。黒鉄の仇をとるぞ!』
俺とヒクスは一瞬でトールグレイを斬り裂くが俺はぶよぶよのものを斬った時のような独特の感覚を味わった。すると斬った箇所がくっつき、目から死滅光線を撃って来た。こいつら、不死身か?面倒臭いな。俺は武器をパラス・アテナの槍に変更する。そして超連携を発動した。
「これでどうだ!」
胴体を抉ったが元に戻る。嘘だろ…どういう仕組みか分からない。宇宙人怖すぎるだろう。すると資源衛星に戦闘機タイプのUFOが墜落した。そして爆炎の中から謎の気色悪い敵が現れた。
スパイダーモスマン?
? ? ?
黒い蜘蛛の足で資源衛星を高速で動くモスマンだった。咄嗟にヒクスが放射熱線を放つが横っ飛びをして躱される。そして俺は一度、距離を取ることにした。色々衝撃が大きい。まずあの変なモスマンがUFOのパイロットだった可能性が高いことに突っ込ませて欲しい。
さて、敵はパラスアテナの槍で貫いても死ななかった敵だ。どうやって倒すか戦闘機タイプのUFOを落としながら考える。そしていい事を思いついた。
「「「「シャー!」」」」
ディアンが口を開けるとトールグレイは消滅する。空間捕食で空間事、食べる事にした。体がくっつくなら全ての身体を消し去るまでだ。これで復活されると流石に厳しい。そう思っていると復活して来ない。よし、後はディアンを守りながら仕留めるだけだ。
粒子分解の銃は命中した物にのみ有効みたいだし、隕石などを念動力で操ってぶつけてやれば仲間を守ることは可能だ。無くなれば魔法で出せばいい。
余裕が出来た俺は空間歪曲も試して見たがこれはトールグレイに読まれてしまった。別次元の空間を移動するほどなんだ。空間感知ぐらいは有しているみたいだな。すると向こうも空間歪曲を使って来たがこちらにそれは通用しない。こうして敵を撃退することに成功した。
『だいぶ時間を使ったな』
『アポには文句を言わないと行けませんね』
『防衛させられた気がしないでもないけど、素材は手に入ったんだ。変な考えはやめておこう』
ここで解体をする。まずマザーシップの砲撃で消し飛んだスパイダーモスマンにするが全て外れ。気色悪いだけの敵は最悪だな。だが、UFOからはいい物が手に入った。それがイクスの進化素材として使われたギャラクシーメタルだ。しかもどうやら確定で手に入るらしい。流石UFOだ。見直したよ。
というかこれでエクスマキナ持ちの召喚師はUFO狩りをすることが確定したんじゃないだろうか。俺が知る限りギャラクシーメタルは通常フィールドで手に入ったことはないはずだ。まぁ、みんなには頑張って貰いたい。
更にトールグレイがいた所に奴らが使っていた銃が落ちていた。
グレイレーザーガン:レア度10 銃 品質S
重さ:1 耐久値:2000 攻撃力:1000
効果:粒子分解
粒子分解の光線を放つことが出来る小型の光線銃。光線自体がかなり遅く、命中するまで引き金を引き続けないといけないなど、難点は多いが一撃必殺の威力がある。
俺だったら、背中か何処かにこの銃を隠して接近戦で使用するな。それだったら、この銃の弱点はほぼない。完全に初見殺しの銃だからな。俺の場合は遠くから使ってくれてラッキーだった。餌食になってしまった黒鉄には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。最近負けが込んでいるからな。取り敢えず落ちていた九つを回収しておいた。
マザーシップの中でイクスに使うか聞いてみたがやはりいらないそうだ。それに加えて、俺に使わないように言われた。珍しいイクスの嫉妬だった。流石に俺は使う訳には行かず、帰った後にユウェルとヘーパイストスたちに見せた。
「もちろん貰うぞ!」
「分解してもいいですか? 神の知識の中にはない物で構造など知りたいです!」
「わたしもお父さんと分解する!」
これで一気に六つとなった。後は与一さんたちに三つ、サバ缶さんに二つ、トリスタンさんに一つ買って貰った。与一さんたちはやはり俺と一緒で接近戦になった際の切り札として使用するつもりのようだ。重さが1なので物凄くお手軽の一撃必殺の武器なので気に入ったらしい。
更にサバ缶さんもロボの兵器として使う気満々だった。みんなから評価が高い武器だったから高値が付いて俺の財布はふはふはだ。まぁ、すぐに消し飛ぶことになるんだけどね。その理由は午後に分かる。というわけでログアウトすることにした。
ついに普通の宇宙人まで出してしまいました。
原因は著作権でして、クトゥルフ神話はかなりギリギリのラインで引っかかる物もある神話なんですよね。それ以外で宇宙の敵を考えた時にどうしても普通の宇宙人になってしまいました。




