#1029 黄金林檎を守りし百頭竜とヘルメスの神託
結局家に帰ってからストラの進化をすることにした。まずは進化先の確認からだ。
ラードーン
まぁ、予想通りだよね。それじゃあ、説明を見よう。
ラードーン…百の頭を持つと言われているドラゴン。黄金の首と巨大な体を支えるための巨大な翼を持ち、飛行することも出来る。元々は守る事に特化しているドラゴンだが、攻撃に回ると国中を一瞬で焼き払ってしまうほどの危険なドラゴン。
ここで俺は家で進化させるのは不味いと思った。どれだけ巨大かは知らないが俺たちの巨大記録は間違いなく更新して来そうだからな。というわけで島で進化させるとしよう。
島にやって来た俺は百頭竜の宝珠を取り出して、ストラの前に置く。
「それじゃあ、いくぞ。ストラ」
「「「シャー」」」
俺は進化を実行すると百頭竜の宝珠から黄金の光が放たれ、ストラの身体が黄金に輝くとみるみるうちに巨大化していく。そして首も次々数が増えて行くと進化が完了する。
『ストラがラードーンに進化しました』
『黄金障壁、金剛装甲、黒雷、雷轟、電弧放電、電磁操作、大気ブレス、炎ブレス、石ブレス、海ブレス、強激突、無我、堅固、噴火、火砕流、天候支配、炎熱操作、樹海操作、斥力場、爆魔法、時空魔法、星座魔法、荷電光線、放射熱線、石化光線、冷凍光線、日光、死滅光線、熱波、超連携、超集束、焼尽、土潜伏、瞬間再生、魔力超回復、戦闘高揚、肉体活性、不死身、流星群、超覚醒、女神の加護を取得しました』
『星座魔法【ドラコ】を取得しました』
名前 ストラ ズメイLv40→ラードーンLv1
生命力 238→288
魔力 332→402
筋力 295→355
防御力 145→195
俊敏性 291→341
器用値 160→210
スキル
飛翔Lv47 噛みつきLv35→嚙み砕くLv35 竜尾Lv35 竜爪Lv34 毒竜鱗Lv40
強襲Lv37 奇襲Lv28→先制Lv28 防風壁Lv18 黄金障壁Lv1 金剛装甲Lv1
猛毒Lv35→神魔毒Lv35 黒雷Lv1 雷轟Lv1 電弧放電Lv1 電磁操作Lv1
大気ブレスLv1 炎ブレスLv31 石ブレスLv1 海ブレスLv1 暗黒ブレスLv11→冥ブレスLv11
星ブレスLv1 雷ブレスLv29 氷結ブレスLv29 猛毒ブレスLv26→神魔毒ブレスLv26 腐蝕ブレスLv36
ドラゴンブレスLv1 竜眼Lv35→魔竜眼Lv35 強激突Lv1 無我Lv1 堅固Lv1
噴火Lv1 火山弾Lv39 火砕流Lv1 疾風Lv27→神速Lv27 天候支配Lv1
炎熱操作Lv1 樹海操作Lv1 多連撃Lv38→無限連撃Lv38 旋風刃Lv28→暴風刃Lv28 斥力場Lv1
疾魔法Lv12 爆魔法Lv35 雷魔法Lv43 時空魔法Lv35 星座魔法Lv1
荷電光線Lv1 放射熱線Lv1 石化光線Lv1 冷凍光線Lv1 日光Lv1
死滅光線Lv1 恐怖Lv7→重圧Lv7 騎乗Lv27→騎乗Lv27 衝撃波Lv19→空振Lv19 熱波Lv1
超連携Lv1 超集束Lv1 焼尽Lv1 土潜伏Lv1 瞬間再生Lv1
魔力超回復Lv1 戦闘高揚Lv1 肉体活性Lv1 不死身Lv1 復活Lv18→強化復活Lv18
逆鱗Lv9 流星群Lv1 超覚醒Lv1 女神の加護Lv1
進化したストラはドラゴンとしての姿はストラと変化していない。ただ身体が黄金になり、大きさは尻尾まで合わせると水樹の五倍ほど。首の大きさは数が多い分、小さくなってしまった感じだ。ここで言いたい事はざっと見た感じ頭の数は百はない。二十五ぐらいだろうか?
「どういうことだ?」
「シャー!」
ストラの頭の一つが空に向けて叫ぶ。
「あー…この超覚醒って言うのを使うと変化する感じか?」
「「「「シャシャ!」」」」
全部の頭が頷く。見事にシンクロしているな。どうやら正解らしい。しかしこれはどうなるんだろう?どうやら超覚醒には神格覚醒のようなデメリットは存在しないようだ。その分、ディアンよりスキルが多くなっている。
切り札があるディアンが強いのか、元々強いストラが強いのか判断が困る所だな。後、問題となるのがやはり魔力だな。大幅に上がってはいるが流石に無限に連射するには魔力が全然足りない。セチアのケリュケイオンと組み合わせてどこまで全力を出せるかがネックとなりそうだ。
ここでストラが自慢の大技を見せてくれた。各首同士が超連携で放つブレスの同時攻撃だ。全てのブレスを一点に集中させることでとんでもない火力を発揮していた。
純粋に強かったのが無限連撃。ブレスを撃つだけでなく、近接戦闘で全ての頭が次々頭突きをする技を見せてくれた。一見するとそこまでの火力はないように見せるがストラには金剛装甲と毒竜鱗があるからかなりの威力を誇っていた。
最後に謎の星座魔法がある。ドラコはりゅう座。もちろんラードーンが死後になった星座だ。ディアンの星座魔法が凄かっただけにこちらも期待したいな。
ここで折角聖域の島で来たので、生産作業をすることにした。するとストラはドラゴンフルーツゾーンに興味深々だ。
「これはみんなのデザートですよ! こら! ストラ! 止めて下さい!」
「そうなの! だから食べたらダメ…きゃ!? うぅ…べたべたなの」
イオンとアリナはストラの舐め舐め攻撃に会うが必死に止めていた。するとセチアが慌ててやって来た。
「タクト様! 杖が急に喋って大変みたいです!」
意味が分からない。するとケリュケイオンからヘルメスの声が聞こえて来た。
『僕がこの杖から君達に話しかけるのは変じゃないよ。元々この杖はそのための杖でもあるからね』
神託の効果か。セチアの様子からすると早速予定が狂いそうだ。
「何か起きているのか?」
『うん。暗黒大陸のガープ砦へ悪魔達が侵攻しているよ。急がないと手遅れになる』
「な!? そんなことはないはずだ。アスモデウスへの偵察は今もして…まさか」
『気付いたみたいだね。侵攻しているのはサタナキアだよ』
やられた!こっちが攻めてばかりいたから別の領地からの敵側の侵攻は考えていなかった!
『サバ缶さん、タクトです!』
『タクトさん、どうかしましたか?』
『ケリュケイオンの神託の効果で警告を受けました。どうやらガープ砦に敵が侵攻しているみたいです』
『な!? わ、分かりました。大至急ーーぐわ!?』
通信が途切れる。不味い…サタナキアの配下には潜入に特化していると思われるバルバルスがいる。しかもあいつらがキルケーの変身薬を盗んだんだ。いつ潜入されていても可笑しくはない。対策の一つである魔術殺しの魔導書は俺が持ったままだ。完全にミスしてしまった。
「みんな、急いでガープ砦に向かうぞ!」
「「「「おぉ!」」」」
俺たちが転移するとそこには燃え盛るガープ砦の姿があった。
「きゃ!? 爆発したの…」
「タクト殿、これは」
「イオン、リアンは水を操るみんなをそれぞれ率いて消火してくれ」
「「わかりました!」」
イオンたちはすぐにメンバーを選んで消火へと向かう。
「他のみんなは助かっている人を城から避難させるんだ。まだ敵がいるかも知れない。気を付けてくれ。アラネアとリオーネは消火しているイオンたちの護衛についてくれ」
ここでメルたちがやって来る。どうやらミライの元へもヘルメスの神託があったみたいだ。
「タクト君、これって悪魔の襲撃!?」
「そんな…早すぎる」
「恐らくバルバトスに予め潜入されて、侵攻がバレたことで先手を取られた。今、消火と無事な人を探している」
「お兄様、お城の中に沢山助かっている人の声が聞こえるの!」
アリナの探知能力は流石だ。ここで俺も冷静になる。
「空間索敵!」
これで周囲や城の中で生きている人が表示される。
「手分けしよう。レッカは今、ログインしている召喚師たちに連絡して、襲撃してくる敵を偵察を依頼してくれ」
「分かった。他の皆にも連絡しておくよ」
俺達は炎の城の中に入ると城が爆発し、瓦礫が落ちて来る。それをそれぞれが対処して、城の中にいた人達を外に連れ出す。ここで犯人の目撃証言を得ることが出来た。
「俺たちのエンブレムがある服を着ていたのか?」
「そうです…てっきり与一さん達の部隊の人だと思いました」
よりにもよって、俺たちの仲間に化けたのか。しかも俺たちのエンブレムがある服を着ていただと?これは許せそうにない。
「そうか…ありがとう。イクス、敵を見つけられるか?」
「いいえ。レーダーの範囲にはそれらしい姿はありません」
イクスのレーダーで見つけられないならどうしようもない。ここでチロルから連絡が入ったみたいだ。
「チロルが敵部隊を見つけたよ。かなりの数らしい。どうする? タクト」
「俺の独断になるけど、この砦を直す時間はないだろう。セーレの砦で迎え撃つしかない」
俺たちはこうしてセーレの砦へと引くことになった。そしてここでログアウトする。




