#1014 エクスマキナの母星、防衛戦
今回はみんなを俺の聖域の島に招待して、そこで皆のエクスマキナの船をマザーシップに搭載して聖域の島から直接エクスマキナの母星に行く手段を取ることにした。これなら恐らく補足される危険はないと思う。
全員の準備が整い、マザーシップをエクスマキナの母星へと発進させた。すると狙い通りに到着することが出来た。
「警戒し過ぎだったのかな?」
「警戒するに越したことはありません。わたしの装備も増えるので、マスターはどんどん警戒するべきです」
欲望が駄々洩れだ。エクスマキナの母星の格納庫に入ったところでマザーシップから皆の船を降ろして、皆が初めてエクスマキナの母星に降り立った。
「すっごーい!」
「ロボアニメというよりSF寄りだな」
「まぁ、侵略宇宙人と戦っている話でしたからね。こうなるのは当然じゃないですか?」
「いいや。ロボアニメも侵略宇宙人と戦っている作品はあるぞ」
皆テンション上がっているな。俺もそうだったけど、イクスと二人っきりだったからここまで上がってはいなかったと思う。
「あの時のマスターと皆さんの目は同じ感じでしたよ」
「あぁ…そこは同じになるだろうな」
そしてみんながアポに面会して、正式にバトルシップを受け取ることとなった。また動物タイプのエクスマキナであるベスティアマキナとアウィスマキナの契約者はここでエクスマキナと契約することが出来る事になった。
みんながズルいとか言っている中、俺は他の召喚師もエクスマキナと契約出来ないか聞いてみると流石に許可してくれなかった。そもそもここに来る条件がエクスマキナとの契約だったからね。どうしようもない。もちろん俺達の追加契約も許可されなかった。
ここで警告音が鳴り響いた。
「敵襲ですか?」
「あぁ。長距離亜空間レーダーが敵を補足した」
今回は待ち伏せが出来なかったから直接攻めて来たわけか。
「敵は分かりますか?」
「君たちのマザーシップにあるデータと一致した。この前君たちが戦った敵のようだ」
ま、この流れならそう行くよね。ここでアポが言う。
「不味いぞ。まだ戦力が整っていない。それに敵の数が多い」
俺たちの人数に合わせて増えたな。
「アインシュタインさん、ここの外で戦えると思いますか?」
「まだマナが復活しとらんから宇宙空間で戦える者以外は無理じゃ」
「それなら砂嵐が無い宇宙空間で戦った方がましですね」
「そうなるの。それにここにはわしが作ったマナ発生装置があるし、戦いを前にエクスマキナたちや船、施設を破壊されるのは不味いじゃろう」
敵の狙いが破壊工作の可能性もあるか。
「みんな、聞いての通りだ。これから宇宙とここの施設を守る戦いになる。宇宙戦闘が出来る者は俺と一緒に宇宙で戦う。残りは施設の防衛だ」
「おう!」
「質問!」
「なんだ? チロル?」
「タクトさんはイクスさんとエンゲージしますよね? その場合、ヒクスちゃんはどうするんですか?」
目ざとい。完全に乗って戦う気満々だ。
「はぁ…分かった。ヒクスは貸し出すよ」
「やった! それじゃあ、私が乗るね! 聞いたの私だから!」
凄い理論を言い出したな。俺はみんなにティンダロスの注意点を話す。
「ふへ~…痛そう」
「空間感知などが必須の敵みたいですね」
「アポさん、ここの空間対策はどうなっていますか?」
「万全だが、こちらの空間対策を破って来る可能性は十分にある。本来ならそんなことはさせないのだがな。ただ空間の異常を知らせる事は出来る」
エネルギー不足は深刻だね。これで配分が決まった。俺とチロル、裂空さん、タクマ、アロマが宇宙担当。他の皆は宇宙戦闘が出来る召喚獣を召喚し、ここの護衛をすることになった。
「マイノグーラの相手は俺がする。ティンダロスは恐らく普通の敵だ。そっちを頼む」
「「「「わかった!」」」」
「行くぞ!」
「「「「エンゲージバースト!」」」」
チロル以外の皆がエクスマキナとエンゲージバーストを使うと宇宙へと上がっていく。
俺はゼノ・ゲイボルグを取り出し、構える。
『敵、補足! 次元アンカー、射出します!』
ゼノ・ゲイボルグを構えていない手の甲から次元アンカーが射出されると空間の中へと消える。
「な!? きゃああ!?」
亜空間から俺を襲おうとしていたマイノグーラを次元アンカーは拘束し、俺が引くと強引に俺たちがいる宇宙空間に引きずり込む。
「この間の仕返しだ! 貫け! ゼノ・ゲイボルグ!」
「うそ!? く!?」
ゼノ・ゲイボルグがマイノグーラの障壁で防がれる。
『亜空間から攻撃、来ます!』
「ち!」
俺に時空切断の攻撃が次々飛んで来るがそれを躱して、次元アンカーを射出するとティンダロスを捕まえるとゼノ・ゲイボルグで仕留めた。
「やってくれたわね。人間」
「きゃああ。だってさ」
『今更可愛い子をアピールしても無意味だと思います』
「…殺す!」
俺達とマイノグーラの戦闘が勃発している中、皆はティンダロスの相手をする。やはり一番活躍したのがヒクスだ。次々ティンダロスの攻撃を避けて、現れた瞬間、爪でぶっ飛ばしている。
「エクスマキナとのエンゲージバーストを越えられると複雑だよな」
「ずっと最強のエンゲージバーストだと信じていたからな」
「口には気を付けた方がいいですよ。タクマ。花火さんに聞かれると」
「俺が悪かったです。花火には言わないで下さい。っとあぶね」
みんなも戦えているがやはり装備の弱さとまだデウスエクスマキナになっていないからティンダロスを相手にするのは厳しそうだな。
「空間圧縮!」
俺が腕をやられたスキルが使われる。あれは腕が捻じれた感じがあったが実際は圧縮された空間に腕が巻き込まれる事で捻じれていたのか。
「よ、ほ」
『そこです!』
「ち! ちょこまかと! さっさと死ね!」
マイノグーラの両腕が無数の牙がある口に変化した。
「『気持ち悪』」
「っ! 死ね! 冥波動!」
俺が躱すと追尾してきた。
「イクス!」
『目標補足、次元アンカー、射出します!』
次元アンカーで亜空間にいるティンダロスを捕まえると冥波動にぶつける。次元アンカーを作ってよかった。
「空間捕食!」
マイノグーラの腕の口が開くと危険を察知して避けると空間に穴が空く。避けにくい攻撃ばかりして来るな。こいつ。
「ゼノ・ゲイ…ちっ!」
俺がゼノ・ゲイボルグを投げようとするとティンダロスの攻撃が飛んで来る。完全に警戒されているな。しかしこれは逆に言うとゼノ・ゲイボルグがマイノグーラに対して脅威になっていることに他ならない。
『マスター! 四匹同時に来ます!』
上、下、後ろ、右からティンダロスが現れる。するとスピカ、サフィが後ろと右のティンダロスを攻撃してくれた。それを見た俺は後ろに下がると上と下から噛みつけて来たティンダロスが重なったタイミングで次元アンカーで拘束する。
『神波動!』
胸から放たれた神波動が直撃するとゼノ・ゲイボルグを投げて、30の鏃となって、二体のティンダロスを倒した。
「消滅弾!」
今度は両手だった口からマイノグーラは消滅弾を飛ばしていた。俺はそれを避ける。
『こいつ…ナイアーラトテップより弱いな』
『はい。どの攻撃も単調ですね。力はあるんですが』
『たぶん戦闘経験があまりないんだろうな』
イクスが知っていたという事はエクスマキナの母星に攻め込んだ戦争には参加していたはずなんだけど、弱すぎる。するとその原因に思い至った。
『もしかしてこいつ、亜空間からの攻撃しかしていないんじゃないか?』
『なるほど。しかしそうなるとデウスエクスマキナとの戦闘を避けていた可能性が高くなりませんか? マスター』
装備が完璧のデウスエクスマキナなら間違いなくマイノグーラと戦える。というか圧倒しそうでもある。こうなるとマイノグーラは意図的に自分が勝てる相手だけを狙って来た可能性が高い。俺たちを最初に襲って来たのも他人を使った待ち伏せだったしな。
『小物だな』
『小物ですね』
必死に俺たちに攻撃をして来るこいつがとても惨めに見えて来た。するとマイノグーラが動く。
「この! ちょこまかと! さっさと死になさいよ!」
マイノグーラの腕が同じ口になると俺たち目掛けて伸びて来た。更に俺たちの周辺の空間からも襲い掛かって来る。これはいい攻めだ。しかし襲われる前に俺たちはその空間から逃げた。高性能ヘッドギアさまさまだ。そして俺たちは最後の新装備を取り出す。
「く! ティンダロス! あの兵器を破壊しなさい!」
とうとう命令をし出した。哀れすぎる。そして今更ティンダロスの攻撃が俺たちに当たるはずはない。
「あれを撃たせる訳には…そうよ! 亜空間転移!」
マイノグーラが亜空間へと逃げた。とことん小物だと思っているとイクスが警告する。
『アポから警告! マイノグーラ、わたし達の星に急接近中です!』
確かにエクスマキナの母星の施設内で放射熱線砲を使う訳にはいかない。しかし敵わないと気付いた時点で逃げるべきだったな。
『行けるな? イクス』
『もちろんです。マスター。光化!』
俺たちの体は光となって消える。その頃、亜空間ではマイノグーラが狂気の笑みを浮かべていた。
「あそこに入ればあいつは攻撃が出来ない! それにあそこを無茶苦茶にすればアザトース様は褒めて」
マイノグーラの体に次元アンカーが巻き付き、宇宙空間に強引に戻すとマイノグーラの目に放射熱線砲を構えた俺たちの姿が映る。
「残念だったな」
『放射熱線砲、狙い打ちます』
「なんでぇええええええ!?」
なんでと言われても亜空間を移動していても移動速度が遅ければ追い付く事なんて簡単だ。
『まだ生きてます。マスター』
『なら止めを刺すぞ』
『イエス、マスター』
俺たちが放射熱線砲をしまい、ゼノ・ゲイボルグを構えてマイノグーラとの距離を詰めようとするとそうはさせまいとティンダロスが次々襲い掛かって来た。しかしスピードに乗る俺たちはティンダロスたちの攻撃を捌き切り、マイノグーラの体をゼノ・ゲイボルグで貫いた。
「ガハ!? ふふ、ふふふ。捕まえたぁ」
『光化』
マイノグーラが俺たちを捕まえようとした瞬間、俺たちはゼノ・ゲイボルグを残していなくなるとマイノグーラの背後に回り顔をデウスツインエネルギーブレードでバツの字斬りをした。
「死ぬのはお前だけだ。死棘!」
マイノグーラの体の内部から死棘が飛び出し、マイノグーラを完全に倒した。その証拠にティンダロスたちは攻撃を止めて、周りを見渡すと亜空間の中に消えた。ここでインフォが来る。
『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント3ptを獲得しました』
『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント3ptを獲得しました』
『イクスのレベルが10に到達しました。光速激突、虹星、電弧放電を取得しました』
流石に第五進化の敵を沢山倒したから、レベルアップが沢山来たな。これで俺のスキルポイントは163ptとなり、ステータスポイントは全て筋力に回した。
ここでみんながやって来ると召喚師も召喚獣たちも部位破損状態だ。無傷なのはチロルとヒクスしかいない。流石としか言いようがないな。
「みんな、まだまだだね」
「ヒクスさんは凄いですね」
「だな。俺たちも速く進化させたいぜ」
「今回の戦闘に参加させられていればな~」
完全にヒクスの戦果だと全員が分かっていた。みんなの冷たい対応にチロルは抗議するが最初に挑発したのはチロルだ。それで文句を言うのは間違っていると思う。
「とにかく戦利品を解体するか。時間が無かったら、行ってくれ」
まずティンダロスの解体結果がこちら。
異次元狼の宝珠:レア度10 重要アイテム 品質S
異次元に生息している狼の力が宿った宝珠。ヘルハウンドが進化するために必要なアイテム。
時空性石:レア度10 素材 品質S+
時空の力を宿した鉱石。現実世界で手に入れるのはかなり困難とされている石で時間と空間が歪んでいるような場所で取ることが出来る。
異次元狼の牙:レア度10 素材 品質S+
空間を食べる能力が宿っている牙。空間の力を宿した素材は滅多になく、その中でも特殊な力を宿している牙であることからかなりの価値がある。
チロルは異次元狼の宝珠に大喜びするがタクマが言う。
「それ倒したのタクトのヒクスだろ? タクトが持つべきじゃないか?」
「そんな!?」
「俺はヘルハウンドいないし、上げるよ。余った物もギルドのみんなに回すか」
「「「「第五進化の素材を渡す!?」」」」
みんなが驚くが持っているにしても一つで十分だ。
「他の宝珠と交換は無理だよねー。タクトさんだし」
「武器の交換とかも無理だろうな。タクトだし」
「そうなるとお金しかないがいくらするんだよ。これ」
「財産が消し飛ぶくらいの値段はすると思います」
ここはルインさんに相談送りだな。次にマイノグーラを解体するとアザトースのコアと新しい素材が手に入った。
コールドダークマター:レア度10 素材 品質S+
宇宙の構造形成で関わったと推測されている漆黒の物質。決めて強い暗黒のエネルギーを内包しており、触ると冷たい事から名付けられた。それ以外は詳細が不明の物質。
エクスマキナの武器素材だ。倒した甲斐があった!
『よし!』
「イクス?」
『何でもありません。マスター』
思いっきりよしって言ったぞ。まぁ、つっこまないでおくとしよう。そして俺たちはアポの所に行くとみんな、身体の一部が無いボロボロ状態だった。エクスマキナの船にも被害が出たが重要な物はなんとかみんなが守ってくれた。
皆のレベルは確実に強くなっている。それでもなおこの惨劇という事はティンダロスがそれだけ強いと物語っていると言うべきだろう。その結果、みんなが治療を受けることになった。そして改めて、皆がバトルシップを手に入れた所でマザーシップに全ての船を搭載して、俺たちは帰ることになった。




