#1009 セチアの結婚式と全属性の魔法杖
遂にセチアたちとの結婚式当日を迎えた。しかしリリーとイオンとの結婚式をしているからだいぶ余裕がある。そのせいでリリーとイオンの結婚式の時に自分がどれだけ緊張していたか分かってしまう。
「俺が本当に結婚する日が来たときはどうなっているんだろうな」
そう思わずにはいられない俺だった。のんびり朝食を食べた俺はログインするとセチアから髪を整えて欲しいとお願いをされて、櫛で梳かしているとリリーとイオンがセチアに文句を言う。
「どうしてリリーたちの時に言ってくれなかったの! セチアちゃん!」
「そうですよ! セチアだけズルいです!」
「気付かない方が悪いんですよ。そもそも身だしなみを整えることは女性として当然の事です」
「「むー!」」
それからセチアとの結婚式を迎える。待っている時にふと思ったことだけど、結婚の報告とかしなくて大丈夫だったのだろうか?イヴリーフ様に言っておけばよかったと今更ながら思っていると呼ばれる。
そして結婚式が始まり、セチアが現れる。セチアのウエディングドレスはエメラルドグリーンのウエディングドレスでフリルに胸元には花がデザインされているミュウさん渾身のウエディングドレスだった。
セチアがサラ姫様に連れられてやって来る。その道中でリリーとイオンを見る。
「ふふ」
「「む!」」
あれは私は失敗しませんよ?という笑顔だったな。リリーたちが何か怨念のようなものを放っている中、セチアが俺の所までやって来る。ここでサラ姫様からバトンタッチし、二人の時と同じように結婚式は進んで普通に指輪の交換をするとインフォが来た。
『セチアとマリッジが結ばれました』
するとセチアが背伸びをすると俺はセチアを抱きしめて、結婚式は終わった。ぶっちゃけ普通の結婚式だったな。
「つまんなーい!」
「セチアはそれでいいんですか?」
「えぇ。私は大人の女性ですからこれで良いんですよ」
「「…」」
二人が物凄く睨んでいる一方で恋火はまた固まっていた。
「まぁ、完璧な結婚式を見せられた後に結婚式をするわけどすから緊張するのも無理ないと思います」
「それもそうか」
「さて、タクト様、エルフの森に行きましょうか。この格好で」
「え? この格好で行くのか!?」
「もちろんです。ユグドラシル様に晴れ姿を見せないわけには行きません。今から準備をしますから逃げないで下さいね」
そういうとセチアは布でくるまれた二本の杖を持ってくる。どうやらこれを渡す場所にユグドラシルの前をセチアは選んだようだ。俺よりしっかりプランを考えているよ。
そして俺とセチアの姿にエルフたちは歓迎してくれた。一部ぶっきらぼうな奴はいたけどね。そこら辺はしょうがない所だろう。イヴリーフ様の所に行くと祝福してくれた。そしてユグドラシルの前でセチアが布を捲ると杖が現れた。
「あ、間違えました」
「ぷ」
「あぁ!? 今笑いましたね! タクト様!」
「ごめん。ここでミスするとは思ってなくて」
「それでもあんまりです! 仕方ないじゃないですか! タクト様とお揃いにしたくて似ているデザインにしたんですから!」
それは間違えても仕方が無い事だな。俺が謝るとセチアからこのミスの一件はリリーたちには秘密にするように釘を刺された。気を取り直して俺の魔法杖をセチアは見せてくれた。
「これは七芒星?」
「はい。六芒星や八芒星が一般的に使われますけど、エルフではこの七芒星を使っているんです。七芒星は御覧の通り、星としては形が歪になっています。しかしその星の姿には不可能を可能にするという意味があるんですよ。まさにタクト様にはぴったりのデザインだと思います」
なるほど。本来星になれないがそれでも星の姿をしている七芒星にはそんな意味があるのか。悪魔で有名な逆五芒星があるから同じ奇数だから悪いイメージがあったけど、違うんだな。勉強になった。
そしてセチアの方を見ると確かにデザインがそっくりだ。ただ俺の方は口金付近に太陽がデザインされていて、セチアの方は三日月があった。これでは全部見ないと分からないな。
さて、名前を決めるとしよう。情報が無い中、頑張って決めましたとも。
エターナルソウルラバー:レア度10 魔法杖 品質S+
重さ:120 耐久値:3000 攻撃力:1000
魔法杖効果:無詠唱、英気、詠唱破棄、妨害無効、英雄障壁、遮断結界、魔力超回復、全反射、乱反射、魔力支配、魔力解放
宝玉効果:全属性アップ(究)、魔法再時間短縮(究)、天候支配、炎熱支配、物理支配、海流支配
、粒子支配、魔素支配、空間支配、宝玉解放、全宝玉解放
刻印効果:無限のルーン、スキル発動速度アップ(究)、状態異常無効
最強の宝石を六つとアレキサンドライトを七芒星の頂点に置いたデザインの魔法杖。圧倒的な支配能力を有しており、あらゆる効果を攻撃を無力化し、また操ることが出来る。その力はエルフの秘宝に匹敵している。
エターナルマウニラバー:レア度10 魔法杖 品質S+
重さ:120 耐久値:3000 攻撃力:1000
魔法杖効果:無詠唱、英気、詠唱破棄、妨害無効、英雄障壁、遮断結界、魔力超回復、全反射、乱反射、魔力支配、魔力解放
宝玉効果:全属性アップ(究)、魔法再時間短縮(究)、天候支配、炎熱支配、物理支配、海流支配、粒子支配、魔素支配、空間支配、宝玉解放、全宝玉解放
刻印効果:無限のルーン、スキル発動速度アップ(究)、状態異常無効
最強の宝石を六つとアレキサンドライトを七芒星の頂点に置いたデザインの魔法杖。圧倒的な支配能力を有しており、あらゆる効果を攻撃を無力化し、また操ることが出来る。その力はエルフの秘宝に匹敵している。
鑑定して思ったことはセチアに伝えよう。
「凄いの作ったな」
「はい。最高の素材を集めてくれた皆さんとパンドラのお陰です」
正直欠点が見当たらないがそれはこの支配能力を使いこなせればの話だ。支配系のスキルや念動力は結構扱うのが難しいんだよな。それを差し引いても十分強い。なによりこれから更に強くなると言うんだから意味不明レベルだ。
ここでイヴリーフ様から警告を受ける。
「素晴らしい物を作ったわね。けど、分かっているわね?」
「はい…強い力は争いを呼ぶ…ですね?」
「その通りよ。この武器を使う時はそれに相応しい敵と戦うことになった時にしておいた方がいいわ。それと人目に触れるのも危険でしょうね」
「分かりました。最後の切り札として使わせて貰います」
一応お互いに支配能力がある場合の戦闘について、聞いてみた。その場合は魔力や器用値で優越が決まるが基本的には通常の戦闘になるそうだ。
例えば相手が放った攻撃を支配で操ろうとしても相手も支配能力があると支配能力同士がぶつかり合って、結局無効化されて、攻撃は通常の攻撃になるという話だった。そうなると攻撃した側が有利になるね。
まぁ、支配能力を打ち消せて普通の戦闘が出来るならだいぶ楽になる。最もあまり杖で戦わない俺だけどね。俺たちはこれで帰ると着替えてからセチアに次の依頼としてミストルティンの矢を依頼した。
ヘーパイストスとパンドラにはアダマントとメテオライトを使った不死殺しの剣を注文する。
「作れるか?」
「ハルパーを剣にする感じですから作れると思います。どれくらい必要ですか?」
「取り敢えずリリーとイオンの分になるかな? 二人共不死に対抗する手段が無いから」
これが注文した理由がこれからの戦いには不死スキル持ちが結構関わってきそうなんだよね。第五進化のヒュドラももちろんそうだけど、ストラの進化先のテューポーンもそうだ。こう考えるとどうしても不死対策は考えないといけない。
「なるほど。分かりました。それじゃあ、最初にイオンさんの武器から一緒に作ろうか。パンドラ」
「うん!」
ヘーパイストスと一緒に作れるからパンドラは嬉しそうだな。ここからは途中にしているうみへび座の試練の続きに挑むとしよう。




