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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
オリハルコン鍛冶クエストと色欲の魔王
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#1007 ヒュドラの住処とダゴンたちの過去

学校で昨日のセーレの砦攻略について海斗から自慢される。どうやらセーレの砦には宝箱があって、そこには空間歪曲の指輪や空間歪曲の剣など結構いい物が出たらしい。個人的には空間転移の弓がかなりやばい気がしている。


ただ数には限りがあり、戦力の底上げをするために上位ギルドは辞退し、参加してくれたギルドに回すことになった。そこからはくじでの抽選で、武器を売るとしてもそこは個人の判断だ。俺たちが関わるところじゃない。


「そうだ。裂空さんたちが早速エクスマキナの母星に行きたがっていたぞ」


「だろうな。でも、敵の待ち伏せを受けたばかりだし、ちょっと考えないといけないと思う」


ちょうどセーレの砦を攻略したことだし、そこで今後についての話し合いが出来るだろう。というわけで学校が終わり、スーパーで買い物を済ませた俺はゲームにログインするとセチアたちが集まって来た。


「ギリギリ結婚式前に間に合いました」


「それじゃあ、作れたんだな?」


「はい。私とタクト様の二本とも完成しました。パンドラのお陰です」


「えへへー」


しかし当然見せてくれなくて、結婚式当日のお楽しみにされた。しかし次は違う。ユウェルが如意金剛錫杖を取り出す。伊雪に渡してチェックする。


「見事な錫杖ですね。ありがとうございます。ユウェルさん」


「当然だ。タク」


「分かっているよ。でもちょっと待ってくれ。和狐たちのも調べるからな」


というわけで和狐たちが作った靴を調べる。


ウガルルムの靴:レア度10 靴 品質S+

重さ:30 耐久値:800 防御力:400

効果:熱無効、寒無効、紅炎、溶岩歩行

ウガルルムの毛皮を使った靴。溶岩の上を歩くことが出来、熱さによるダメージも無効化することが出来る。寒さにも強く、極寒のフィールドでも足が冷たくなることはない厳しい環境に対応している靴。


完璧だね。これを和狐とアラネアがそれぞれ二人分作ってくれた。ここで次の生産を決める。


「ユウェルは約束通り鎖鎌を作ってくれ。それと昨日無くしたモーニングスターの代わりになるのも作っていいぞ」


「やったぞ! ありがとう! タク!」


「セチアにはトライコーンの角を使った槍を頼む」


「任せて下さい」


ずっと気にはなっていたんだよね。和狐たちには火山島で手に入れた素材をお願いすることにした。最後に聖杯でイオンの武器をお願いする。


エウロペトライデント:レア度10 槍 品質S+

重さ:800 耐久値:1500 攻撃力:650

効果:帰還、海流操作、海波動、間欠泉、万雷、雷霆、黒雷、雷光、水圧切断、神撃、神威解放

ザウスからエウロペに贈られた槍。雷属性と水属性の槍で例え無くしても手元に戻って来る槍として知れられている。追跡能力は無いが投げると雷速の速度が出る事から投槍としても優秀な槍。


エウロペトライデントはみんなが交換出来たからやはり聖杯で作り出すことが出来た。するとヘーパイストスが聞いて来る。


「あの、タクトさん、僕たちはどうすればいいですか?」


「それなんだが、どうやらヘーパイストスを連れて今までのクエストの中でも最大級に危険な所へ行くことになった」


「え…」


事情を説明する。


「炎の神の力が宿ったハンマーと風の神の力が宿った炉…確かにそれならオリハルコンを鍛冶することが出来るかもしれませんね」


「もう心は決まっていそうだけど、どうする?」


「もちろん挑みたいです。僕は鍛冶師でフリーティアの英雄たちが付いているなら恐れる必要はありません」


「言ってくれるな。俺としても世界一の専属鍛冶師を失う訳にはいかないし、パンドラに泣かれるのも困る。だからもう少しだけ準備に時間をくれ」


そこでヘーパイストスは心配そうにしているパンドラの姿を見た。そして安心されるために優しく語りかけていた。いい父親をしていると思った。


そして今日、俺が狙うのを皆に伝えて、やって来たのはアクアスの町だ。ここの大瀑布にあるうみへび座の試練が今日の狙いだ。内容は以前のミノタウロスの迷宮と一緒で出て来るモンスターがうみへび関係となっており、迷宮内が水路になっていた。ちゃっちゃと進んでいくとしよう。


まず最初の敵がリザードマン。相手をするのは新しい武器を確かめたいセフォネだ。


「シャー!」


「ぬん!」


「シャ!?」


水路から飛び出してきたリザードマンをセフォネがサウィンデスサイズの鎖でリザードマンを拘束するとそのまま振り回して壁にぶつけると最後は鎌で首を飛ばした。このクエストで一番強いのが最後に出て来るスターヒュドラだ。今の俺たちのレベル差は決定的なクエストだった。


というわけでどんどん行こう。次に出て来たのはレッサーヒュドラ。相手をしたのはクリュス。水中戦をするが尻尾の吸血刃でレッサーヒュドラの胴体を串刺しにすると動けない所にディオメーデースの槍で顔を貫いて、倒した。ブレス攻撃も再生すら許さない圧勝だった。


三体目はシードラゴン。相手をするのは蒼穹。最初にお互いの爪がぶつかり合うとシードラゴンの両手が引き裂かれ、悲鳴を上げるシードラゴンに蒼穹を噛み付き、そのまま締め付き、倒す。力で圧倒したな。


四体目はヒュドラ。流石に強いので、リアンとサフィのコンビに加えて、ダーレーとルーナが参加した。結果は当然ボコボコボコボコ。サフィの体当たりが直撃したヒュドラにリアンとルーナが魔法を打ちまくり、最後はダーレーの隕石が落下して死んだ。


そして最後は先程言った通りでスターヒュドラ。相手をするのは俺とイオン。


「「マリッジバースト!」」


更に俺の手には神剣グラム。俺は勝つためには手段を選ばない男なのだ。それでもスターヒュドラはやっぱり強い。容赦なくブレスを撃ちまくって来るからね。最もイオンの速度に時間遅延まである今の俺には当たる可能性は無い。


ブレスを掻い潜り、神剣グラムを横一閃するとスターヒュドラの首が全部飛び、体中が斬られる。しかしすぐに再生し、首も復活する。だが、俺達が目の前にいるという事実は変わらない。


折角なのでエウロペトライデントの使い心地をチェックすることにした。俺が投げ込むと高速回転する水流の槍が雷光の効果で雷速でスターヒュドラの胴体に突き刺さった。


『万雷!』


更に追撃でスターヒュドラは体内から万雷に焼かれた。そして帰還で戻す。必中や自動追尾は無いけど、良い槍だな。チェック出来たので、神剣グラムでスターヒュドラの生命力を削り切り終わる。


『特殊クエスト『ヒュドラの住処』をクリアしました。称号『瀑布の突破者』を獲得しました』

『マングローブの森の異常が解消されました』


称号『瀑布の突破者』

効果:うみへび座の塔に挑戦出来る。

ヒュドラの住処をクリアした者に贈られる称号。


これで次はディアンの進化素材が手に入るクエストだ。早速ダゴンの住処へと向かう。ダゴンにはどうしても聞きたいことがあったのだ。


「うみへび座の塔に挑みに来た! いるんだろう? ダゴン、ハイドラ」


俺の前に海水が盛り上がり、二人が姿を見せた。


「久しいな。あの時と比べると見違えるほど、強くなったものだ」


「そうね。私の正体を見て終わったのにあの時が懐かしいわ」


「思い出させないでくれるか? ドラゴンに食べられるのはトラウマなんだよ」


この原因はスカアハ師匠の特訓によるせいだけどね。


「それで今日は我が妻の試練を受けに来たのだな?」


「あぁ。だけどその前に二人に聞きたいことがある」


「アザトースのことね?」


話が速い。この二人はクトゥルフ神話にも登場している。アザトースとの関係性を知っておきたかったのだ。


「そうね。あいつと敵対しているあなたなら話す資格はあるわね。私は元アザトースの部下よ」


「勘違いするなよ? あいつとハイドラは既に縁を切っている」


「つまりもう味方ではないと?」


「えぇ。ダゴンと戦って負けた私はダゴンに恋をして、アザトースとはすぐに縁を切ったわ。それでアザトースよりもずっと早くにダゴンと共にこの星へやって来たのよ」


そこから二人の苦労話を聞かされた。当然外からやって来た二人はこの世界の神にいい顔されず、人間にも支持されなかった。しかし二人は対話を続けて、人間にも根気よく干渉し、神として祀られるようになる。


人間が祀るならばこの星の神々も認めない訳にはいかない。しかし無条件という訳にも行かず、この星の神々とは戦わない契約を結ぶことでこの星の神となったそうだ。


「苦労したんですね」


「あぁ。その苦労を全く知ろうとしなかったのが、ナイアーラトテップだ」


ここでこいつの名前が出て来るのか。


「あなた達の戦いは見させて貰ったわ。あいつの逃げ出すときの顔は最高だったわね」


「見てたんですか?」


「お前たちと戦う前にナイアーラトテップがここに来てな。人間を襲うのに手を貸せと我が妻に命じて来たのだ」


「私はもうとっくの昔に縁を切っているのに上から目線の態度にダゴンが怒ってね。結局お互いに手を出さないということで決着したのよ」


あの戦いでこの二人が参加していたら、難易度が滅茶苦茶になっていただろうな。少なくとも海での戦闘は全滅していただろう。交渉が下手な奴で良かった。


「その手を出さないというのはアザトースにとってもですか?」


「そうなる。相手と敵対すれば我は妻を失うことになるだろうし、あいつと戦っても勝ち目はない。それだけアザトースという魔神は強いのだ」


ダゴンとハイドラでも勝てないのか。まぁ、アザトースは主神クラスの魔神だからな。それも当然だと思った。


「分かりました。取り敢えずお二人がアザトース側ではないと終わっただけで良かったです」


「最初から分かっていたのに聞くのね」


「すみません。性分でして、気を悪くされたのなら謝罪します」


「いいわよ。それより試練を受けに来たんでしょう? 案内してあげるわ。こっちよ」


ハイドラが水に潜ると俺も潜る。すると海底に無数の石化した蛇がデザインされている塔があった。


「あれが試練の場所よ。アザトースを倒すと言うならこの試練くらいは突破して見せなさい」


そう言うとハイドラはいなくなり、俺が塔に入るとインフォが来る。


『特殊クエスト『うみへび座の試練』が発生しました』


特殊クエスト『うみへび座の試練』:難易度SS

・5階までの塔で階ごとにボスモンスターがいる。ボスモンスターと戦えるのは最大6人。

・階に挑むと編成を変えることはできなくなる。

・一度戦った者はボス戦ができなくなる。迷宮では編成可能。人数が30人以下だと連戦可能。

・奥に進むにつれて、敵の強さが上がる。

・道中には罠や宝箱がある。

・ログアウトと休憩は可能。ログアウトした場合、その地点からスタートとなる。

・この試練は全て水中戦闘となります。


基本的にはこの前と一緒でこの塔全体が水中となり、モンスターのレベルだけは跳ね上がった感じだ。ただそれでもヒュドラの進化クエストと比べると難易度は低い。


ここで時間を確認すると残り少なかった。このクエストに挑む為の準備としてアトランティスで人魚の雫石を買う。これでリリーたちでも水中戦が可能だ。


その後は帰って生産作業をしてから星熊童子を二回倒して、星熊童子の毛皮を手に入れると和狐にグローブを注文して、ログアウトした。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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