#1002 火山島洞窟ルート
学校が終わり、速攻で家に帰宅し、ゲームにログインする。何故なら早く聖杯を使いたいからだ。というわけでゲームにログインした俺は早速聖杯を使う。作るのはノーサンバスタードだ。鑑定するとこんな感じ
ノーサンバスタード:レア度10 大剣 品質S+
重さ:250 耐久値:3000 攻撃力:3000
効果:聖剣殺し、大物殺し、人間特攻(究)、王特攻(究)、万物破壊、英気、英雄障壁、戦闘高揚、肉体活性、強激突、加護無効、破壊の加護、王の加護、伝説解放
円卓の騎士ペリノア王が使っていた大剣。聖剣エクスカリバーを折った剣でペリノア王の熟練された剣技と共に無類の強さを誇ったとされている。斬り裂くよりも破壊に特化しており、特に聖剣や神剣に強い武器でそれでありながら魔剣に堕ちていないペリノア王の生き様を証明しているような大剣。
これをリリーに渡す。
「わぁ! ありがとう! タクト!」
「リリーにこんなの渡していいんですか? タクトさん」
「たぶんこれから聖剣使いとか増えて来ると思うからさ。一応その時の対抗策を用意しておきたかったんだよ」
「なるほど」
イオンは納得しているが尻尾に落ち着きがない。
「心配しなくても明日はイオンに使うよ」
「そ、そうですか…なんですか? タクトさん」
「いや、嬉しそうだなと思っただけ」
「べ、別に嬉しくなんてないです! 順番的に当然ですから!」
そう言いながらも尻尾が揺れているイオンだ。ま、素直じゃない所もイオンの魅力の一つだ。とはいえ、剣はあまりイオンに向いている剣は無かったりするんだよね。
「タクト! 早く冒険に行こう!」
「もちろんそうするけど、火山の洞窟に行くからリリーはたぶん無理だぞ」
「えぇ~」
「まぁ、大物が現れる可能性が高い所だからいつでも呼ばれる準備だけはしといてくれ」
「「「「それはいつもしてる」」」」
今まで突然呼んだりしていたからな。余計な指摘だったか。ということで洞窟探検メンバーは恋火、和狐、ユウェル、燎刃、クリュスを選んだ。ユウェルとクリュスは熱さに耐性はないけど、本人が問題ないと言ったので、任せることにした。
一応二人には今まで使った事が無かったレジストヒートを掛けてみる。
「おぉ~! 凄いぞ! タク! 熱くない!」
「えぇ。これなら全然問題ないわ」
「あの…これを使えばリリーお姉ちゃんも来れたんじゃないですか?」
「そうだけど、洞窟内で大剣を振り回されるとな」
「あ、納得しました」
恋火も脳内でリリーが暴れる姿を想像して、非常に邪魔だと思ったようだ。というか離れていないと危ない。
「それじゃあ、行くか」
「「「「はい!」」」」
洞窟の中は熱風が襲い掛かって来る洞窟だった。熱さ対策を取らないと相当ダメージを受けそうだ。そう思っていると敵が現れた。
サラマンドラ?
? ? ?
リザードマンの第五進化だ。鎧や盾、サーベルを持っており、こいつが沢山いた。するとサーベルに黒炎を宿して襲い掛かって来た。
「む!」
「恋火、あかんよ。数が多すぎどす」
「あぁ。クリュス」
「えぇ。封鎖!」
俺達に襲い掛かろうとしたが封鎖の壁に阻まれて、サラマンドラ達はこちらに来れない。一生懸命放射熱線やドラゴンブレスを放ったり、連続斬りやシールドタックスをしてくるが破れない。
「分かっていたことだけど、やっぱり強いな」
「どうしますか? タクトはん」
考える。そしていい事を思いついた。パラス・アテナの槍を取り出す。
「海流操作!」
海水が封鎖された壁に貯まっていく。それを見たサラマンドラ達は逃げ出し、恋火達は俺の作戦を理解した。
「クリュス! 解除しろ!」
「えぇ!」
クリュスが封鎖を解除すると海流操作で操った大量の水がサラマンドラ達に襲い掛かる。そして水から顔を出したサラマンドラ達に恋火の姿が映る。
「雪月花!」
これでサラマンドラ達は地面ごと凍り付いた。
「やりました!」
「いや、どうやら簡単に凍ってはくれないみたいだな」
サラマンドラは身体を真っ赤にすると氷結を解除した。そして恋火に襲い掛かろうとすると氷の上を滑って、恋火に向かって来た。強いんだけど、ここでドジするのか。
「えぇ!? えーっと…えい!」
そして滑って来たサラマンドラを恋火は水薙刀で刺した。恋火の行動に酷さを感じているとこちらにも滑って、やって来たので、全員が恋火の真似をする。
それを見ていた空を飛んでいるサラマンドラが襲い掛かって来た。サラマンドラは飛べるんだな。すると燎刃が太刀を肩にかける独特の構えを取る。
「千磨百煉!」
燎刃が飛び出すとサラマンドラに太刀の一撃が放たれるが盾でガードされる。すると燎刃はすぐさま太刀を引くと再度盾に攻撃するとサラマンドラは盾でガードしているが燎刃の攻撃に押される。そして三度目の攻撃ではガードしているのにぶっ飛ばれる。
四度目の攻撃は今までとは反対側からの攻撃。これをサラマンドラはサーベルで受けるがサーベルは壊されて、太刀に攻撃を諸に受けて洞窟の壁にぶつかる。更に燎刃の五度目の攻撃。これを必死に盾でガードするが盾が壊れる。ここからはボコボコにされるだけだった。
燎刃の太刀の武技、千磨百煉は連続攻撃の武技で攻撃をするたびに威力と太刀を振る速度が上がっていく武技だった。しかもこの武技の恐ろしさはここからが始まりだ。
サラマンドラを倒した燎刃は別のサラマンドラに襲い掛かり、一撃で盾を破壊して吹っ飛ばした。それを見た別のサラマンドラが炎ブレスを燎刃に放つがそれを受けながら燎刃は接近しサラマンドラを吹っ飛ばす。
燎刃を止めようと複数のサラマンドラが襲い掛かるが全員ガードしているのに纏めて盾を破壊されて、吹っ飛ばされた。千磨百煉は連続攻撃を止めない限り、再現なく威力が上がっていく技だったのだ。ここまで威力が上がってしまったら、もうサラマンドラには遠距離攻撃しかない。
しかし俺が回復とアクセラレーションを燎刃にかけてサラマンドラは蹂躙された。
「ふぅー…あれ? どうかしましたか?」
「いや、随分暴れたなと思ってね」
「燎刃ちゃんには第二のリリーお姉ちゃんの称号を上げます」
「えぇ!? えーっと…ありがとうございます?」
首を傾げる燎刃の姿につい笑ってしまう俺たちだった。そしてインフォが来る。
『燎刃の太刀のレベルが5に到達しました。太刀【受け流し】を取得しました』
この大きさの太刀で受け流せるのは大きそうだな。少なくとも俺には出来そうに無い。次に解体結果がこちら。
炎精蜥蜴の鱗:レア度10 素材 品質S
炎を全く寄せ付けない鱗で非常に軽いのが特徴。速さを失いたくない職業に非常に人気がある耐火の素材。
炎精蜥蜴のサーベル:レア度9 剣 品質A-
重さ:60 耐久値:100 攻撃力:40
効果:溶断、紅炎、炎輪、炎竜の加護
炎竜の加護が宿ったサーベル。サラマンドラが愛用しているサーベルで金属を溶かす程の熱量を帯びている。武器を壊すことに特化している。
炎精蜥蜴の盾:レア度9 盾 品質A-
重さ:20 耐久値:200 防御力:80
効果:火属性無効、炎竜の加護
炎竜の加護が宿った盾。サラマンドラが愛用している盾でどんな火属性の攻撃も防ぐ能力を持っている。
これが結構手に入った。これを見たユウェルが聞いて来る。
「食べていいか? タク」
「どうぞ」
「頂きます!」
ユウェルが食べる中、クリュスに聞く。
「盾があるけど、どうする? 火属性の攻撃にしか使えないっぽいけど」
「貰えるものは貰っておくわ。火属性の攻撃を防げるようになったわけだしね」
そして炎精蜥蜴の鱗をチェックしていた和狐が溜息を漏らす。
「どうかした?」
「いえ、最近火属性の素材が沢山増えて来たので、選ぶのが大変なんどす」
「あぁ…確かにな」
しかしこれは火山の島にいるんだから当然と言えた。
ユウェルの食事が終わったところで先に進むことにした。




