#994 暖房器具とハロウィンイベント報酬会議
夕飯を食べ終えて、ログインするとシルフィ姫様がいた。凄く嫌な予感がする。
「お帰りになられたんですね。タクト様」
「え、えぇ…」
「リリーちゃんが見たこともない可愛い服装をしていたようですけど、説明してくれますよね?」
「は、はい…」
シルフィ姫様の謎のプレッシャーの前に完全敗北した。それをリリーたちも見ており、笑っている。これはまたカボチャ料理だな。正直、出て来る料理は全て興味深かったからね。俺がそう思ったことをリリーたちは察して必死に止めて来た。
シルフィ姫様にベイカーの町の説明すると案の定ずるいだの行きたいだと仮装したいだの言い出した。正直シルフィ姫様の仮装には興味はあるが今はギルドの会議を優先されて貰う。するとシルフィ姫様が何故かついて来た。
「お城に帰らなくていいんですか?」
「丁度タクト様たちのギルドに用事があるんですよ」
はて?何かあっただろうか?俺が疑問に思っているとその理由がギルドに到着して判明した。
「炬燵ならうちだよー! 人間サイズから召喚獣サイズまでなんでも売っている! 数量限定だから早い者勝ちだよ!」
「遠赤外線ヒーターだ! これならうちの中でも外にいる召喚獣にもオススメだぞ! 買った買った!」
「あったかい絨毯に布団はどうですか? 家が快適空間になりますよー!」
「冬服ならうち! 可愛い服が目白押しだよー!」
生産職が暖房器具や布団など大売り出しをしていた。ギルドもまだ完成していないのによくやるよ。
「あ! ギルマスがやって来たよ! みんな!」
生産職が一斉に商品を出す。どれもサイズが大きい。完全に俺の召喚獣たちを狙って作った商品だった。そして期待の眼差し攻撃だ。
「あぁ~…分かった。買いますよ。買えばいいんでしょ」
「「「「毎度あり~!」」」」
するとシルフィ姫様が前に出て言う。
「私の分もくれませんか?」
「「「「いぃ!? シルフィ姫様!? ちょ、ちょっと時間をください!」」」」
完全に予想外の事態だったらしい。結局俺の商品をシルフィ姫様と分け合うことにした。一応シルフィ姫様は王族だからな。ここでシルフィ姫様は満足そうに帰って行った。
そして報酬について話し合うとどうやらいくつかのアイテムの使い道にみんな心当たりがあるようだ。
「冥星の鍵、オルペウスの竪琴、ヘカテーの松明はプルトンケルベロスが守っているヘルズゲートの所に使うアイテムですね」
「あれ? みんな知っているの?」
「あぁ…タクト君は掲示板見ないから知らないんだね。マザーズレイクの周辺の森で洞窟が発見されて、そこにプルトンケルベロスが守っているヘルズゲートが見つかったんだよ。因みにその洞窟の近くに木の家があってね。そこにはプシュケがいることが確認されているんだよ」
知らなかった。プシュケはケルベロスにクッキーをあげて、その間にケルベロスを通り抜けたことで知られている人間の娘だ。当然そこではケルベロスを突破するためのクッキー作りのイベントが発生するらしいのだが、今のところ成功者がいないらしい。
「ハデスのケルベロスはきっとギルマスのクッキーを待っているに違いないと掲示板で噂になっているよ」
「因みにシフォン、ミランダ、メルさんたちは」
「「「アーレイ(君)?」」」
アーレイが黙るが挑戦したことだけは確実となったから惨敗したことは明白だ。しかしそうなると俺でも厳しい気がする。恐らくメルたちは材料に手抜きは無かったはずだ。そうなるとケルベロスが求めているクッキーが違っているから拒否されたと考えるのが普通だろう。そこで俺はケルベロスの神話からケルベロスが欲しているであろうクッキーを思いつく。
「その森にもしかして蜂のモンスターがいたりしないか?」
「え? どうなんだろう? 全然探索してないから分からないけど…あ」
そこで全員が気が付いた。ケルベロスはクッキー以外に蜂蜜たっぷりのお団子にも飛びついた神話がある。お菓子の内容がクッキーで固定されているなら作るべきクッキーはハニークッキーだろう。
「なんで思い付かなかったんだろう…有名な神話なのに…」
「メルがクッキーで料理勝負とか言うからでしょ…」
「あれは! だって! 仕方ないと言うか…皆も反対しなかったよね?」
皆も楽しそうに冒険しているんだな。しかしこの攻略法はイベントアイテムで台無しとなる。それがオルペウスの竪琴。オルペウスは竪琴の演奏でケルベロスを眠らせることに成功しており、その効果はゲームでも反映されている。神の加護、加護無効、睡眠スキルがあるオルペウスの竪琴で恐らく突破が可能になったはずだ。ただし演奏者が必要だけどね。
冥星の鍵はヘルズゲートの鍵で確定でヘカテーの松明は棍棒の武器となっているが武器以外に灯火スキルがあり、これがあるとどうやら冥府の暗闇を照らすことが出来るらしい。
「この説明を見る限り、ヘルズゲートの先では魔法のライトとか使えない感じでしょうか?」
「少なくとも桜花の地獄は明るいそうだよ。恐らく天国も地獄もそれぞれの神話体系で構成が変化しているんだろう」
「そういえばエデンとオリンポス山は確かに違っていましたね」
こうなるとギリシャ神話の冥府は暗闇のフィールドだと思っておいた方がいいだろう。
「場所も攻略法も分かっているんだし、早速行ってきていいかな?」
「…姉様、約束」
「あ…そうでした。でも、すぐに行かなくても」
「…兄様。姉様が聖杯クエストに挑ませてくれないから待ってもらっていい?」
「ダメ。メル、約束は守らないとダメだぞ」
メルは机に沈んだ。メルは明らかにミライとハロウィンイベント後に聖杯クエストをやることを約束していた。ここは後でいいとは言っちゃいけない所だと思う。その結果、シフォンたちが先に行くことになった。メルが恨みの目で見て来るが悪いのは約束をしたメルだと思う。
取り敢えずヘカテーの松明はギルド共有にしてハロウィンの魔導書は雫ちゃん、シャルーアは満月さんが貰うことに決まった。十階に挑んだ皆が推薦したから文句はない。
「一応聞いておくけど、タクト君はいいのかしら? 十階は攻略していないけど、九階を攻略しているし、五階と八階を初見クリアもしているわ。十分に貰う資格はあるわよ?」
「俺はいいですよ。みんなが推薦するならお二人は相当頑張ったってことでしょう? なら報酬は当然じゃないですか?」
「まぁ、タクトさんは聖杯を狙ってますからね。欲しいなら聖杯で出してしまうでしょう」
そういう事になる。そして俺たちは最初に修練の塔に向かい、追加された人を確認する。
ユーサー・ペンドラゴン
ギルガメシュ
項羽
呂布
アレキサンダー大王
三蔵法師
孫悟空
ソロモン
カルナ
アルジュナ
アキレウス
ヘクトール
アイアス
ペルセウス
ヘラクレス
テセウス
シグムンド
フィン・マックール
ヤマトタケルノミコト
織田信長
坂上田村麻呂
さて、誰が一番強いでしょう。答えは…分かりません!まぁ、普通の人間より神様の子供などの英雄たちが強いことは確かだと思うけどね。問題は彼らがどれほど強いかだ。
「「「「ギルマス、ギルガメシュを」」」」
「絶対嫌だ」
公正を期すためにいつものくじで挑む人が決まる。そしてカイが引き当てた。
「や、やってやるぜ! ユーサー・ペンドラゴンと戦ってやるよ!」
数秒後、帰って来た。
「ウェルシュドラゴンと出て来るなんて反則だろ…」
しかもアーサー王の装備をどうやら全て貰っているらしく、実力も試練で戦ったアーサー王より格段に強かったそうだ。この分だとギルガメシュもアーレイが言っていたギルガメシュとは異なっている可能性があるな。
「「「「ギルマス」」」」
「分かった分かった。挑めばいいんだろう? その代わり皆にも他の英雄たちに本気で挑んで貰うからな」
こうして俺はギルガメシュと戦うことになった。
取り敢えず死んでいる設定で有名な英雄たちを並べて見ました。




