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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
魔王討伐同盟とハロウィンイベント
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#987 イベントアイテムを探せ

トラブルが起きたが俺たちは八階での戦闘を話す。するとサバ缶さんが質問してくる。


「リッチは不死身スキルを持っていたんですよね?」


「間違いありません」


「それならこれは何処かにこのイベント専用のアイテムがありそうですね。不死殺しの装備がないと勝てないことになりますから」


そこは俺も気にしていたところだ。マテリアルリングでは不死身スキルは無効化出来ないからな。ルインさんが推理する。


「あるとするなら怪しいのは町ね。ダーウィンに聞いてみて、あの町で聞き込みをしてみましょう。私の考えが正しいならあの町では過去に魔女狩りが行われた歴史が見つかるはずだわ」


確かにそんな印象を受けたな。魔女狩りの被害者ならリッチになっても可笑しくはない。するとセフォネが聞いて来た。


「タクトよ。魔女狩りとはなんじゃ?」


「魔女は悪魔と契約した人間とされて、一方的に追い出されたり、罪を裁こうとしたんだ」


「つまり妾たちヴァンパイアが人間に受けたことが魔女と呼ばれる人間にも起きたという事か?」


「そういう事になるのかな? まだ調べてないから本当に起きたことなのか分からないけど…やっぱり気になる?」


「うむ…それならあ奴の憎しみも理解できるのじゃ」


セフォネが辛い顔をする。俺はそんなセフォネを頭を撫でて言う。


「俺も復讐する気持ちは理解できる。もし本当に魔女狩りが行われているとしたら、俺が想像しているよりもずっと苦しんだはずだからな…だけど俺はあいつがしていることを否定するよ。あいつの復讐は明らかに歪んでいる。少なくともあの町にいる子供たちは何の関係もないはずだ」


「それは確実そうでしょうね。あいつが呪った時には既に子供だったわけだから関わっているはずがないわ」


「そうか…うむ! それは間違いじゃな! タクトよ! あ奴の間違いを正してやろうではないか!」


「もちろんそうするつもりだよ」


セフォネは復讐をする気持ちを関係がない他者にぶつけるのは間違いだと判断した。俺はその決断が嬉しかった。そして鉄心さんたちは九階に挑み、俺たちは町で情報集めをすることにした。まずはダーウィンさんに事情を説明する。


「あの魔女にそんな過去があったかも知れないのか…しかしこの町に本屋は無いはずだ」


「では、この町の過去に詳しい人はいませんか? もしくは古い建物とか」


「それならやはりこの町の町長だろうな。建物で言うなら時計塔だろうね。時計自体は新しいが建物の下を見ると結構古いことはすぐにわかるぞ」


これを聞いた俺たちは時計塔を調べる人と町長に話を聞く人、町の年寄りに話を聞く人、サウィンリッチに関係がありそうな建物を調査する人に分かれることにした。俺とセフォネは時計塔を管理している青年のところに向かった。


「ダ、ダメだ! 時計塔は関係者以外立ち入り禁止なんだ! 絶対に中には入れないぞ!」


「タクトよ。こ奴、物凄く怪しいぞ」


「だな」


汗を流して、視線がこっちを見ない。これは当たりを引いたな。


「どうして関係者以外入っちゃいけないんだ?」


「そ、それは…時計塔には色々な部品があるから」


「なら触らなければいい訳だな。約束するから案内してくれ」


「ダメだって言っているんだろ! 魔女の命令なんだよ!」


はい。この人が魔女と関りがあることが確定しました。


「その話、詳しく話を聞こうか」


「あ…えっと…その~…」


「完全に悪役じゃな。タクトよ」


仕方ないじゃん。時間は有限なんだよ。と言うわけで話を聞くことが出来た。そこで彼の先祖が魔女の復讐対象であることが判明し、やはりサウィンリッチは魔女狩りの被害者であることが分かった。


「あいつを魔女狩りしたのは僕よりずっと過去の先祖なんだ。どうして僕が罪を償わないといけないんだ? 僕は関係ないだろう!」


「そうだな。だけどあんたは先祖がしたことを謝ったのか?」


「はぁ!? なんで関係ない僕が謝らないといけないんだ!」


この気持ちはどうしてもあるだろうな。俺は復讐を否定しない。そしてその復讐を関係がない人にぶつける行為も否定する。しかし多少でも関わりがあるなら謝罪の気持ちは最低限持つべきだと思っている。


「確かにあんたには関係がないことだ。でも先祖が悪いことをしたことは事実なんだよ。だったら、一言、被害者に謝る言葉があっても良かったんじゃないのか?」


「そ、それは…そうかも知れないけど…」


まぁ、これで許して貰えるかは被害者次第だ。許して貰えないなら許して貰える条件を聞いて、償いをする。ただ話し合いが上手くいかないと泥沼化して結局何も解決できないまま終わってしまうことは現実世界でもある話だ。


「俺からはこれ以上は何も言わない。後はあんたがよく考えてくれ。それで時計塔には本当に何もないんだな?」


「あぁ…毎日整備点検させられているから間違いないよ」


話は聞けたけど、当たりとは言えないかな。他のみんなの話を聞くとまず町長の所に行ったルインさんからは町の歴史の本が発見され、そこには確かに魔女狩りの歴史が描かれていたそうだ。更に記録も残っており、魔女が裁かれた場所が判明する。俺たちはルインさんと合流し、その場所に向かったが何もなかった。


「ここまでフラグを残して外れは考え辛いわね…となると地下の町が怪しいかしら?」


俺たちはダーウィンさんに地下の町を案内して貰い、その場所に向かうと周囲を家で隠されている小さな教会を発見した。


「「「「見つけられるか!」」」」


「まぁ、ここをヒントに見つけるためのヒントだったんでしょ? さぁ、行きましょう」


俺たちが教会に入るとそこには教会というより裁判所の光景が広がっていた。そして裁判官の机には一冊の本があった。


「裁判記録かしら? あぁ…これは裁判官の冤罪の告白文というか謝罪文ね。魔女狩り時代の裁判は全て冤罪だったことを認めていて謝罪しているわ。どうやら年を取ってから自分の過ちに気が付いて、謝罪文を書いたみたいね」


「なるほど。ところでイベントアイテムは何処にあるんだ?」


「あんたは間違いなく呪われるわね。アーレイ」


流石にデリカシーがないが俺たちが探しに来たのは間違いなくアイテムだから取り敢えず探すことにした。


「こう言う所には隠し通路とかあるものだと思いましたが無いですね。トリスタンさん」


「えぇ。何も反応しないわ」


さて、俺が隠すとするならこの法廷の何処に隠すか…やっぱり怪しいのは裁判官が座っている椅子と机だ。しかしここには何もないことは分かっている。


「ルインさん、記録ではここで裁判がされたことになっているんですか?」


「いいえ。話したけど、この上のはずよ。たぶん忌まわしい過去を忘れるために地上では建物を無くして、当時の裁判官は贖罪の気持ちでここを作ったんじゃないかしら?」


そういう事なら俺が冤罪の判決を下した裁判官ならその判決は間違いだと正して欲しいと思う。ならイベントアイテムの場所は想像が付く。


俺は裁判官の机を持ち上げて思いっきり振る。


「「「「ギルマス!? あ」」」」


全員俺のとんでもない行動に驚くが振ったことで発生した音で机の中に何かがあることを確信する。つまり判決を下す机を壊して自分の冤罪の判決を止めて欲しいと願った訳だ。


「裁判官の机を壊すなんて前代未聞でしょうね」


「もし経験があったら、死刑になるんでしょうかね?」


「やりたい人はいますか?」


意外にも希望者多数。犯罪にならないなら初めての事だからやってみたいという感じみたいだ。くじの結果、アーレイがすることが決まった。


「よっしゃー!」


「なんでこういう時に運を使うんだろうな。あいつ」


「現実でしないことを祈るばかりね。新聞記者にゲームでしていたからいつかすると思ってましたなんて言いたくないわ」


「聞こえているぞ! そこ! そんなことしねーから」


アーレイだけに信用出来ないだよな。まぁ、そんなことをしないことを祈るばかりだ。


「ロードカリバー!」


まさかの大技でド派手にアーレイが破壊すると中から宝箱が出て来た。早速トリスタンさんが宝箱を開けるとそこには槍があった。


アトーンメントランス:レア度9 槍 品質A-

重さ:50 耐久値:80 攻撃力:200

効果;不死殺し、加護無効、幽霊特攻(究)、浄化、痛覚無効、魔力切断

贖罪の気持ちが込められてる槍。悪霊になってしまった者を痛みを与えることなく成仏させることを目的に作られたとされている。


これで槍が使える人がいればサウィンリッチは倒すことが出来るようになった。するとここでダーウィンさんからこの町の結末を教えられる。


「やっぱり不老不死の呪いが解除されると全員死んでしまいますか」


「まぁ、当然と言えば当然の流れね。それでダーウィンさん、あなたはこれを知っていて、私たちに協力してきたということはこのまま呪いの解除を祈っているということでいいのかしら?」


「あぁ…我々は既に死んでいるべき人間だ。町の皆がどう思うか分からないがほとんどの人が生にしがみつく人はいないだろう。それにこれまで苦しんで来たからか呪いの解除での死は安らかな死になるはずだ。出来ればこのまま呪いを解除して欲しいが君たちはどうする?」


俺はみんなを見ると頷く。そして俺が代表して答える。


「俺たちはこのまま呪いを解除します。それが死ぬことになったとしても、永遠に苦しめる復讐の呪いを放置することなんて出来ませんから」


「そうか…君たちのようなギルドが現世のフリーティアにあって、ホッとしたよ。では、君たちは呪いの解除に集中してくれ。町の人たちへの説明や嫌われ役は全て私が引き受けよう」


「いいんですか?」


「もちろんだとも。私の最後の仕事だ。しっかりこなして見せるさ」


ここで九階の攻略に挑んだ鉄心さんたちから攻略成功の知らせが届いた。しかし時間がもう遅いため、十階の情報と一緒に明日の朝教えて貰うことにして、俺はログアウトした。

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