表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
魔王討伐同盟とハロウィンイベント
1034/1718

#983 六階の情報と三位一体の正義の幻獣

再度ログインすると俺たちは呪いを受けていた。そして倒されてしまったイオンたちに俺は謝る。完全に俺の作戦ミスだったからだ。


「タクトさんが謝る必要はありませんよ!」


「そうです! あたしたちが負けてしまっただけの話ですから!」


俺はお礼を言いながら二人の頭を撫でた。そして詳しい話をギルドの皆と聞く。


「あの砂嵐で動きを封じられてしまったんです」


「しかも同じ気配があちこちから感じられて、天言も発動せず襲われちゃいました」


攻撃された後も必死に抵抗したみたいだが、倒されてしまったようだ。


「ムシュマッヘより先に天候支配を使うべきですね」


「そのためには最初のムシュマッヘの奇襲を防ぐ盾役。残りで攻撃役となりますね。フィールドから見ても攻撃役は竜騎士の皆さんかアスカロンがあるメルさんが最適でしょう」


「じゃあ、姉ちゃんとレッカで決まりだね! 私が四階担当だから!」


リサよ…そこまで経験値に差を付けられたくないのか。


「後、道中で道連れスキル持ちの敵がたくさん出て来ます。これの対策も考えないと行けません」


「あ、それなら我々が何とか出来ますよ。エクソシスム・フォースという技で道連れや呪い、憑依を無効化出来ることをゴネスで確認しています」


ジャンヌ親衛隊の人たちから詳しく話を聞くとエクソシスム・フォースは時間内味方に付与するスキルらしい。つまりその時間中は道連れを気にすることなく戦えるらしいのだ。


「助かります。これならある程度人数を掛けた方がこちらが有利になりそうかな?」


「人数が少ない状態で挑んで無いから何とも言えないがあのボスに変化がないことを考えると大人数で挑んだ方がいい気がするな」


ここで俺は気になっていることを聞く。呪いを受けていたということは負けてやり直しをしていると言う事だ。


「やり直しているみたいですけど、六階はどんなのだったんですか?」


「フィールドは夜の街でジャックオランタン、ジャック・ザ・リッパーが出て来るフィールドだったよ。ジャック・ザ・リッパーが色々な暗殺攻撃をして来てね。それでもボスまではなんとか行けたよ」


「ボスで出て来たのはサウィンリッパーとジャック・ファトゥスでね。どうやらこちらの数と同じ数のサウィンリッパーが登場するみたい。ジャック・ファトゥスの姿はシルクハットを付けた人間サイズのカボチャ頭の敵だったよ。武器はランタンと暗器と言えばいいのかな? 神魔毒の投げナイフや神魔毒の針、炎のベルトに銃に隠し杖を使って来たね」


ジャック・ファトゥスは愚者のジャックと言った意味だろうな。ジャックオランタンの伝説のモデルになった人物の事だろう。ジャックは悪魔を騙して死んでも地獄には落ちないという契約をしたのだが、悪さをしすぎて天国にも行くことが出来ず、この世を彷徨い続けているという話だ。暗器使いなのもこの悪さを反映しているからだろうな。


「ジャック・ファトゥスで一番厄介なのは占いスキルだ。あれの恐怖は俺たちはよく知っているからな」


「しかも自分とサフィンリッパーは占いの効果を受けないみたいなんだよ。まぁ、バフ効果も弾いてしまうみたいだが、死神のカードを引かれるとほぼ詰みだ」


「先に潰せば良いんじゃないか?」


「無論我々も考えたが、サフィンリッパーが立ち塞がる上にシルクハットの効果で逃げられる」


こうなるとサフィンリッパーと対戦しながら町のどこかに隠れているジャック・ファトゥスを見つけて倒さないといけないようだ。その間に死神のカードを引かれたら、アウト。運もかなり要求される階だな。


因みにこの階に挑んだのは、メルや満月さん、鉄心さんたち、アーレイを含む総力戦で挑んだ。普通の敵が相手ならすぐにジャック・ファトゥスを見つけることが出来るメンバーなのだが、サフィンリッパーは物凄く強かったらしい。


まず重りが付いた鎖鎌が透過で防御を擦り抜けて来たそうだ。これだけならまだ対処出来たのだが、念動力で縛ってきたり、側面から攻撃してきたり、変幻自在な戦闘をしてきた。


更に魔法や属性のスキル攻撃は全然効果がなく、物理攻撃で挑むしかないようだ。こうなるとメルや鉄心さん、アーレイたちもいるから大丈夫な気がしたんだが、サウィンリッパーは甘くなかった。


鎖で武器を拘束されると武器封印が発動し、武器を使う事が出来なかったそうだ。


「重りを防ごうとすれば念動力で操って縛って来る。しかも即死持ちで空間転移で一人を集中攻撃もしてきていた。正直言って、数が少ない方が有利だと思うよ」


「これは格闘家の出番じゃない!?」


「リサちゃんが相手だときっと接近戦をしてくれないよ」


「空間転移で逃げられて空から魔法やスキルを使って来るだろうね」


リサが口をへの字にする。そうなると空中で飛行戦闘を挑んだ方がいいな。


「相手が死神となるとアロマが有利か?」


「だな。スターペガサスがいるし、天使たちもいる。エクスマキナならジャック・ファトゥスを見つけることも出来るからかなり有利だと思うぜ」


「タクマさん、プレッシャーを掛けないで下さい。でも頑張ってみます」


ここに空中戦のスペシャリストであるアルさんと雷電さんが参加することが決まった。俺は次の出番まで時間があるので、カボチャ集めという名のレベル上げとスキル上げをすることになった。ソウルケーキで呪いを解除して、進化した燎刃の強さを確認する。


燎刃の戦闘を見た感想はやはり太刀が無いためかまだ本調子ではないというイメージだ。今は迅雷を装備しているからまだそれほど酷くはないが太刀を装備すれば間違くなくリリーを超える突撃ファイターになるだろう。それを戦闘から感じ取ったリリーは負けられないとやる気を出し、イオンは二人目のリリーと呟きながら頭を抱えている。他のドラゴニュートは我関せず。


「はぁ…はぁ…ど、どうでしょうか? タクト殿」


「どうと言われても強くなっていることは間違いないけど、カボチャとは相性が悪かったな」


「う…はい」


逃げるカボチャと追う燎刃という構図の戦闘だった。燎刃の強さの根底を支えているのは強激突だ。これで強制的に接近戦を挑むことで燎刃の真の力が発揮される。しかしゴールドパンプキンは無我でシルバーパンプキンは無視で激突効果を受けず、結果追いかけっこ戦闘になってしまった。燎刃が息切れしているのはこれが理由だ。それでもシルバーパンプキンは倒しているから強くはなっていると言う評価となった。


ここからはずっと戦闘していないリリーたちとスキル上げとレベル上げが急務の皆を編成する。ゴールデンパンプキンキングと対戦とするとここでノワがある機転を披露した。


「…空間歪曲」


暴走状態のゴールデンパンプキンキングが突撃してくるとそれに合わせて空間歪曲を使うとゴールデンパンプキンキングはその中に飛び込んでしまう。そして現れた先には恋火がいた。ゴールデンパンプキンキングは慌てて自爆しようとするが先制スキルを持っている恋火のほうが速かった。


「雪月花!」


「ゴール」


ここでゴールデンパンプキンキングは凍ってしまう。しかし脱出スキルですぐに氷結から抜け出てしまうが虎徹はそれを持っていた。


「ガァアアア!」


虎徹の時雨がゴールデンパンプキンキングに襲い掛かり地面に墜落すると上段に迅雷を構えた燎刃が力を発揮する。


「覇撃!」


とんでもない覇撃をくらったゴールデンパンプキンキングは地面に埋まってしまう。最後にみんなの魔法が降り注ぎ、インフォが来た。


『恋火の妖術のレベルが20に到達しました。妖術【夢幻陣】を取得しました』

『ブランの連続詠唱のレベルが20に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』

『ブランの同時詠唱のレベルが20に到達しました。同時詠唱の最大数が1増加しました』

『ファリーダの時空魔法のレベルが35に到達しました。時空魔法【テレポート】、【アクセラレーション】を取得しました』

『白夜の疾魔法のレベルが10に到達しました。疾魔法【トルネード】、【エクスパンション】を取得しました』

『ルーナの海魔法のレベルが10に到達しました。海魔法【ハイドリックプレス】、【マリンスロウ】を取得しました』

『ヒクスのレベルが40に到達しました。進化が可能です』

『ディアンのレベルが40に到達しました。進化が可能です』

『クリュスの海魔法のレベルが10に到達しました。海魔法【ハイドリックプレス】、【マリンスロウ】を取得しました』

『ジークの光魔法のレベルが30に到達しました。光魔法【リフレッシュ】、【フラッシュバン】を取得しました』

『ジークの光魔法が神聖魔法に進化しました。神聖魔法【セイント】、【ブレス】を取得しました』

『千影の闇魔法のレベルが30にに到達しました。闇魔法【シャドールーム】、【ダークレイ】を取得しました』

『千影の闇魔法が暗黒魔法に進化しました。暗黒魔法【ナイトメア】、【カース】を取得しました』


レベルアップは計算通り。予想外なのはノワの戦い方だ。基本逃げてばかりいるゴールデンパンプキンは難しそうだけど、倒し方が一つ増えたのは収穫と言っていい。どうしても現状優牙に頼ってしまうから優牙のレベルがどんどん上がって行っているだよね。グレイたちも編成してなんとかレベルのバランスを取ろうとしているんだけど、難しい。ま、これは暗黒魔法を重要視してこなかったつけが回って来たという事だ。反省して暗黒魔法も上げて行こう。


気を取り直してヒクスの進化。もちろんヒクスの進化素材である馬鷹の宝珠も持って来ていますとも。というわけで進化行ってみよう。進化先はもちろんこれだ。


ヒポグリフ


一応説明を確認してみよう。


ヒポグリフ…グリフォンに馬の要素が加わった幻獣。圧倒的な速度と機動力を併せ持っており、一匹でチャリオットを引く程の筋力も持っている。また宇宙空間でも飛行することが可能でぶれない正義心を持っていることから神々から注目されている幻獣。


おや?ゼウスやアポロンの車を引いているのは確かグリフォンだったはずだけど、このゲームでは違っているのかな?注目されているだけで終わっているからグリフォンのままなのか?うーむ、謎だ。


「ピィ!」


「あぁ…悪い。進化だったな」


「ピィピィ」


ヒクスは進化する気満々だな。まぁ、ヒポグリフを見ているから興奮するのも仕方が無いのかも知れない。それでは馬鷹の宝珠を置いて、進化を実行する。


馬鷹の宝珠から燦々(さんさん)と輝く紅の光に包まれると紅蓮の竜巻が発生し、それが弾けるとその中から進化したヒクスが現れた。派手な演出だな。ここでインフォが来た。


『ヒクスがヒポグリフに進化しました』

『星間行動、神瞳、無我、第六感、他心通、神足通、念動力、神感覚、堅牢、大気壁、超加速、溶断、時空切断、黄金障壁、黄金装甲、時間遅延、魔力回復、脱出、空間歪曲、空間転移、空間感知、空圧操作、炎魔法、爆魔法、大気ブレス、熱波、荷電光線、放射熱線、烈日、先制、超連携、紅炎、光分身、光球、雷轟、雷化、神威解放を取得しました』


名前 ヒクス オピニンクスLv40→ヒポグリフLv1


生命力 160→210

魔力  272→322

筋力  328→388

防御力 110→160

俊敏性 432→502

器用値 185→235


スキル


飛翔Lv52→高飛翔Lv52 星間行動Lv1 雷爪Lv41→荷電爪Lv41 羽投擲Lv33 騎乗Lv36 

神瞳Lv1 無我Lv1 第六感Lv1 他心通Lv1 神足通Lv1 

念動力Lv1 神感覚Lv1 堅牢Lv1 暴風Lv38→暴旋風Lv38 防風壁Lv26→暴風壁Lv26 

大気壁Lv1 旋風刃Lv33 疾風Lv38→神速Lv38 超加速Lv1 溶断Lv1 

時空切断Lv1 黄金障壁Lv1 黄金装甲Lv1 雷放電Lv30→電弧放電Lv30 残像Lv44 

時間遅延Lv1 魔力回復Lv1 脱出Lv1 光速激突Lv40 空間歪曲Lv1 

空間転移Lv1 空間感知Lv1 空圧操作Lv1 疾魔法Lv2 炎魔法Lv10 

神聖魔法Lv12 雷魔法Lv37 爆魔法Lv35 時空魔法Lv37 虹雨Lv31→天雨Lv31 

大気ブレスLv1 雷ブレスLv27 炎ブレスLv28→ゴッドブレスLv28 虹光Lv24→星虹Lv24 空振Lv1 

熱波Lv1 光線Lv33→日光Lv33 荷電光線Lv1 放射熱線Lv1 極光Lv27 

烈日Lv1 風輪Lv26→暴風輪Lv26 連撃Lv34→多連撃Lv34 集束Lv24→超集束Lv24 騎手強化Lv36→共栄Lv36 

先制Lv1 超連携Lv1 紅炎Lv1 光分身Lv1 光球Lv1 

雷轟Lv1 雷化Lv1 狂戦士化Lv7→逆鱗Lv7 神威解放Lv1 虹の加護Lv36→太陽神の加護Lv36


まぁ、強いよね。そしてこのステータスで更に神威解放があるってどういう事だろう?そういえばグリフォン島でグリフォンについて調べた時にゼウスやアポロンがグリフォンに馬車を引かせている話があるんだったな。さて、どうなることやらだ。


「ピィー!」


雄叫びを上げたヒクスはじゃれて来た。うん、進化しても変わらないようで何よりだ。それでは早速乗って戦闘をしてみよう。


俺がヒクスに乗って戦闘して最初に感じたことはアストルフォがあの戦闘で全然本気を出していなかったということを思い知った。体を回転させるだけで複数の竜巻を発生させる姿を見ると天候支配なくても既にしているじゃんと凄く今更な感想が出て来るほどだ。


特出しているのがやはり飛行戦闘。機動力が段違いな上に回避能力もずば抜けている。再生系の能力が無いから心配していたけど、ヒクスはダメージを受けることを前提としていないことがはっきり分かる。背後を取られても空間転移で相手の背後に逆に回れるし、攻撃をされても脱出スキルで簡単に回避してしまう。


ここでどうしてもスピカと比較してしまう俺だが、恐らく正面からのぶつかり合いではスピカに分がある。しかし飛行戦闘では恐らくスピカを上回り、騎乗戦闘でもスピカやダーレーをある意味超えた。


その原因が新スキルである共栄(きょうえい)だ。これによって、ヒクスに乗ると俺とヒクスのステータスとスキルが二人ともに上乗せされることが判明した。つまりこれでヒクスは俺のスキル、俺はヒクスのスキルを使うことが可能となった。ただし装備はこの効果の対象ではないみたいだ。これは当然だろうな。ただでさえ強すぎるスキルだからね。


この事から現状ではヒクスがスピカよりかなり強くなってはいるがスピカにはもう一つ進化があるから単純比較はまだ早いだろう。


ここで新しいスキルである電弧放電を試して貰った。ヒクスの体が青白く輝いた瞬間、青い稲妻がヒクスの周囲にいるカボチャたちに命中するとカボチャたちが溶けて、墜落する。烈日の雷バージョンってイメージだな。ただし烈日は全体攻撃技に対して、電弧放電は短距離から中距離の攻撃のようだ。その分、烈日より威力が相当高くなっているみたいだね。


まだ呼び出しが掛からないからヒクスに乗りながらみんなのレベルとスキルを上げるのを再開するとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ