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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
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#98 新作ハチミツジュース

決闘に負けた騎士達は城に帰っていったが、騎士以外の人は残ってる。この人たちのことをアンリ王女様に聞くと彼らは必要であるらしい。


そして、再び家の中へ入る。アンリ王女様とリーゼ様に椅子を勧めるとアンリ王女様の態度が変わる。


「やっとうるさい騎士達がいなくなったー! 私は自由です! タクトさん。感謝します」


「ひ、姫様。気持ちは分かりますが市民の前ですぞ!?」


「残念だけどもう手遅れですよ。タクトさんもこの事は他言無用でお願いします」


これって脅されている気がする。だけど自然体が一番だと思うし、姫様にも自分が出せるところは必要だと思う。


「そちらが素ですか……わかりました。この事は秘密にしておきます」


「リーゼが言っていた通りいい人ですね」


「そうじゃろ? わらわの見る目は確かじゃからな」


この二人はどうやら世代が同じで仲がいいみたいだな。そこでアンリ王女様が先程の戦闘を評価する。


「それにしても見事な強さでしたね」


「剣の腕前は以前拝見させていただきましたが格闘術までこなすのは器用ですな」


「そうでもないですよ。格闘術は見様見真似です。プロにはとてもじゃないですが勝てないでしょうね」


「確かにあなたは何かを極限まで極める人には勝てないでしょうな。しかし戦闘においては厄介極まりない。どんな手を隠し持っておるのかわからない相手ほど恐ろしい相手はいませんからな」


この執事さんにそう評価されるのは、光栄だね。さて、話の本題はこちらから振ってみるか。


「それでハチミツジュースの件ですよね?」


「そうです! あの飲み物は素晴らしいです! 王宮にいる私もあのような美味しい飲み物は初めて飲みました! しかし味よりも重要な効果が」


「姫様、そこからは私がお話しいたします」


白衣の初老の男性がアンリ王女様から代わって話し始める。格好からして医者っぽい人だね。


「私は第一王女シルフィ・フリーティア様の主治医をしておりますヒポクラテスと申します。以後お見知りおきを」


はいはい。聞いたことがあるお名前ですね。というか現代医学の父とも言える人だ。何せ呪いや神々の仕業と考えられていた病気の考えを捨て、臨床実験や観察、すなわち経験科学で病気を直そうと最初に考えた人物だといわれている。


「ヒポクラテスは凄いんですよ? この国で一番腕が立つお医者様です」


でしょうね……現代医学の父を越える医者はそうそういないだろう。しかし、なぜそんな人がハチミツジュースに興味を持つんだ?


「この国で一番のお医者様が私に何用でしょうか?」


「率直に申します。ハチミツジュースのレシピを売って欲しいのです」


え?ヒポクラテスがハチミツ好きなんて設定聞いたことないが……俺が疑問に思っているとヒポクラテスが説明をする。


「シルフィ姫様の病気は私達、医者でも治すことが出来ない不治の病なのです。様々な薬を試しましたが治すことが出来ませんでした。どうしようもない状態でしたがあなたのハチミツジュースを飲んだ姫様に僅かに病気の進行に効果があることを確認いたしました」


マ、マジで!?


「それは…本当でしょうか?」


「事実です。ハチミツジュースの持つ毒耐性が姫様の病気に対抗していると我々は考えています」


ハチミツジュース、スゲー!あ、ひょっとしてあの時リーゼ様が慌てて帰ったのはその姫様に効果があるかも知れないと考えたからか。納得した。


「それでこの国のために是非レシピを売って貰いたいのです」


ハチミツジュースのレシピで話が重すぎるわ!そこでアンリ王女もお願いしてくる。


「当然それにふさわしいお金をお支払いいたします。レシピも公開しないことをお約束いたしますので、どうかお願いいたします」


王女様が頭を下げるのはダメだろ!?しかもただのハチミツを水で薄めたもので!


「頭をお上げください。レシピはお教えいたしますから!」


「ありがとうございます」


満面の笑顔でお礼を言ってくる。この娘……完全に俺の行動を計算したな。流石は一国の王女か。


では、レシピを教えるついでに新しいハチミツを試してみますか。


コップにスプーン一杯のハニービーのハチミツを入れて、水で薄めて完成。


「え? それで完成ですか?」


「はい、完成です」


俺が鑑定してみる。


ハニービーのハチミツドリンク:レア3 料理 品質D

効果:満腹度10%回復、一時間病気耐性(大)

ハニービーのハチミツを薄めて作ったジュース。甘くて美味しく、体にとてもよい。


おや?効果が変わったな。


「毒耐性が病気耐性に変わったな」


俺の発言にその場にいた全員がこっちを向く。ちょ、怖いって!


「ほ、本当ですか!?」


「え、えぇ。こちらがそうです」


俺はアンリ王女に出来上がったハニービーのハチミツジュースの鑑定結果を見せる。そして効果を確認すると「本当です……」と呟く。慌てて、ヒポクラテスも自身で鑑定してみる。


「お姉様に効果はありそうですか?」


「申し訳ございません。実際にお飲みいただかないとわかりません。ですが納得出来ました」


「納得?」


「はい。恐らくこのハチミツジュースには元々病気耐性の効果があったのでしょう。ですが普通のハチミツジュースでは本来の効果が発揮されず、毒耐性になったのでないかと」


「では、普通のハチミツジュースにも病気耐性の効果が残っていて、お姉様に効果があった?」


「そう考えれば話の筋は通ります。しかし普通のハチミツジュースの時にも思いましたが効果が異常に高いですな」


あれ?ひょっとして、リーゼ様から聞いてない?


「それは称号の効果ですよ。これでも三ツ星シェフの称号を持っているので」


『……はい?』


事情を知らないその場の全員に意味が分からないという反応をされる。そんなリアクションされてもね。


「えーっと、タクトさんは召喚師ですよね?」


「そうですよ?」


「召喚師なのに三ツ星シェフなのですか?」


「そうですけど? どこか変ですか?」


「い、いえ。変というか……異常です」


変より酷い言い方された。そういえばアウラさんにも言われたな。


「あー……獣魔ギルドの人から餌付けして召喚獣を増やす人は珍しいと言われたことがありますね」


「召喚獣の餌付け!? え、成功しているのですか?」


「はい。先程もシープを仲間にしました。そこにいますよ」


「メ~」


ロコモコが返事をする。


「あのシープって餌付けしたんですか!?」


「信じられない……」


「逃げ出さなかったのか?」


あぁ、確かに倒そうとすると逃げ出すね。だがロコモコは違った。


「逃げ出すどころか、料理作って、食べていたらシープから近付いて来ましたが」


『……』


俺が事実を告げると絶句するお姫様一行。


「変ですか?」


『変です!』


うむ。改めて、自分に起きていることが変な事だと認識した。


「と、とにかくこのハチミツドリンクを頂いてもいいですか?」


「いいですよ」


俺はハチミツドリンクをアンリ王女に渡す。そしてあることを思いつく。現実でも蜂蜜は病気対策にいいと言われているが冷たい物より暖かいほうが効果がある。保温効果があるからね。ちょっと試してみるか。


「すみません。少しお時間頂いてもいいですか? ちょっと閃いたことがありますので」


「いいですけど、閃いたこと?」


アンリ王女が不思議がっているとイオンが説明する。


「タクトさんはいつも新しい料理を考えています。恐らく新しい料理を思いついたのだと思います」


新しい料理は大袈裟だぞ。イオンよ。俺は現実の料理を再現しているだけだからな。とりあえず鍋で水を沸騰させ、先ほどと同じようにハチミツジュースを作る。ただし薄める際に使ったのはお湯だ。さて、どうなものになるかな?出来上がったものはこちら!


ハニービーのホットハチミツドリンク:レア3 料理 品質D+

効果:満腹度10%回復、一時間毒耐性(大)、一時間病気耐性(特大)

ハニービーのハチミツをお湯で薄めて作ったジュース。暖かく甘くて美味しい。体にとてもよい。

30分以内に飲まないとハニービーのハチミツドリンクになってしまう。


「毒耐性が追加されて、病気耐性が特大になったな」


30分限定だが、特大の効果は初だな。やったぜ!


『……』


俺が喜んでいる一方で姫様一行は再び絶句したのだった。その一方で久々に料理スキルがアップした。


名前 タクト 中級召喚師Lv4


生命力 38

魔力  76

筋力  28

防御力 18

俊敏性 24

器用値 55


スキル


格闘Lv3 蹴り技Lv12 杖Lv15 片手剣Lv8 投擲Lv1 召喚魔術Lv19 

錬金Lv9 採掘Lv12 伐採Lv10 解体Lv19 鑑定Lv9 識別Lv15 風魔法Lv19 

火魔法Lv19 土魔法Lv18 水魔法Lv19 闇魔法Lv18 光魔法Lv22 雷魔法Lv15 

爆魔法Lv15 木魔法Lv15 氷魔法Lv15 時空魔法Lv13 読書Lv5 

料理Lv19→Lv20 餌付けLv6 釣りLv5 シンクロLv2


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