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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ウィザードオーブ戦争
1007/1718

#960 タクトVS強欲の魔神

俺たちがマモンの所まで上がろうとするとマモンは玉座の肘掛けに手で合図をすると俺たちに謎の波動が襲い掛かり、胸が苦しくなるがそれだけだ。


「ほぅ。我が強欲の波動をも無力化するか」


精神攻撃は事前にセチアが作ってくれた健康ポーションを飲んでいたから無効化出来た。セチアに感謝しているとマモンが言う。


「しかし甘いな」


今度はとんでもない重圧を受けて、俺たちは全員墜落する。すると地面ではディアドラ姫とノイシュさんが魅了状態となり、エイナル・スクーラソンを奪い合っていた。


「これは妾の物じゃ!」


「いいや! 私のだ!」


いやいや。俺にくれたんじゃないの?まぁ、これが強欲スキルの効果と言う事だろう。叡智で見るとはっきりわかるがマモンはどうやら三回倒さないといけないらしい。これを知った俺は攻略プランを完成させる。本当に叡智をくれたアテナ様には感謝だ。まずはこの重圧を何とかしないとな。するとリリーが仕掛ける。


「うぎぎ~! 天域!」


「む!」


一瞬だが、重圧が緩み、イオンとユウェル、アリナが武器を投げつけるとマモンは障壁でガードに動いた。それで完全に重圧が解除される。


「やるぞ! みんな!」


「「「「うん(はい)!」」」」


「「「「エンゲージバースト!」」」」


リリーたちの光が俺のエンゲージリングの上で一つとなり、七色の光になると指輪に吸い込まれる。そして七色の光が天を貫く。そして降臨するのは七色の鎧を纏った竜騎士。


これが俺たちの切り札の一つ目!俺が獲得した神の力とリリーたちの力が合わさった全属性の神竜騎士だ!これを見たマモンが言う。


「なるほど。それがしたいがためにドラゴニュートのみ選んでここに来たわけか。いいだろう。私も本気を出してやる。来い! 黄金の盃よ」


マモンがそう言うと黄金の盃がマモンの手に現れる。ほら、クロウさんとルインさんが言ったせいだ!


俺たちが襲い掛かるとマモンが持っていた黄金の盃から黄金が湧き出して、止められる。天言が危険を知らせ、俺はすぐに距離を取る。


「私に攻撃を当てるのは至難の業だぞ。金属支配!」


マモンがそういうと黄金が流動し、俺たちに襲い掛かって来た。これに触れると黄金の像にされてしまうようだ。しかしスピードはそこまでない。


『天雨!』


『…黒雨』


『火雨!』


翼から各雨技がマモンに降り注ぐ。


「黄金壁」


また黄金の盃から黄金が沸き出し、黄金の壁を作り上げた。うざったいな!この黄金!


「踵落とし!」


俺が黄金壁に踵落としをお見舞いすると砕ける。


「金属支配」


殴りかかろうとすると黄金の盃からまた黄金があふれ出し、俺たちを呑み込もうとしてくる。背後からも向かって来て、包み込まれた。


『風のドラゴニュートを捕まえようなんて百年早いの! 脱出!』


一瞬で黄金の外に出た俺たちはマモンの背後に回ると近衛で斬りかかる。


しかしまたしても黄金に止められる。隙間を狙うが全て黄金に止められた。攻めてばかりいると天言が危険を知らせ、俺は距離を取ると黄金から剣山が飛び出した。あれでは安易に攻め込めないな。


ここでマモンが動く。


「黄金では捕まえられんか。ならば魔神技! ゴールドスプラッシュ!」


マモンを守っていた黄金から黄金の礫が飛んできた。しかも全方向攻撃。つまりエイナル・スクーラソンを奪い合っている無防備状態のディアドラ姫とノイシュも攻撃されている。俺たちはすぐさま守りに入る。


『光化!』


『金属壁!』


負けじとユウェルがアダマントの壁を作る。しかし相手は勢いよく降って来る黄金の礫だ。いつまでも耐えられるものじゃない。俺たちがどうするか考えていると背後からディアドラ姫とノイシュが襲い掛かって来た。


「「全部よこ」」


『『…スリープ』』


「「ぐー」」


どうやら俺たちが展開している武器を欲しがったらしいがノワが眠らせた。これはグッジョブだ。戦いまで邪魔されたわけだから流石に文句は言わせない。俺たちはマモンと様々な攻撃を撃ち合いながら攻略法を探る。


『アリナ、この礫は電磁操作で防げるよな?』


『もちろんなの! でも全部防げるかは自信が無いの…黄金全てがあの魔王の支配されているから飛び込むつもりなら防御スキルも使う事をオススメするの』


『わかった』


流石にアリナだけでは無理があったか。イオンが聞いてくる。


『後はあの黄金のガードですね。アリナの能力では厳しそうです。どうしますか? タクトさん』


『この黄金は恐らく動いている時は液体でガードする時に固体になっている。その隙を狙おう』


俺は作戦を指示、ディアドラ姫とノイシュさんを金属壁で隔離するなど、準備を整えてから仕掛ける。


『電磁操作なの!』


ありったけの防御スキルを導入して更にアリナが黄金の礫を出来る限り排除する。それを見たマモンは呆れた様子だ。


「結局それか? 興醒めだ。黄金壁」


俺たちは黄金の球体となっているマモンに蹴りを入れて、破壊する。そして手を伸ばそうとすると黄金がガードに動く。ここだ!


『時間遅延!』


『『『『…アクセラレーション』』』』


イオンが黄金の速度を遅くし、ノワがエンゼルファミーユを使い、俺たちの速度を上げる。そして俺は右手に隠し持っていたゴールデンイーグル改を構える。そして引き金を引くと液体の黄金を貫いて、マモンに直撃する。


「ぐ…!? これは!? ぐぅううう!?」


セチアとユウェルの特製の銃弾を耐えるか。ならおかわりをあげよう!


『武装創造!』


ユウェルが銃弾を再装填してくれる。この結果、俺はゴールデンイーグル改を連射し、マモンにダメージを与え、厄介な黄金の盃を狙い撃った。その結果、黄金の盃がマモンの手から離れる。貰った!


「閃影!」


俺は左手で鞘に収まっていた近衛を握るとマモンを斬った。その瞬間、神瞳が魔素化して逃げたマモンの動きを捉えた。逃がさん!


『『『『ドラゴンブレス!』』』』


「何!?」


マモンに七色のドラゴンブレスが襲い掛かり、爆散する。しかしまだ生きている。


「大黒雷!」


マモンの前に黒雷の壁が出現する。そんなもので俺たちを止めれるか!


『『『『ドラゴンウイング!』』』』


『電磁操作なの!』


『光速激突!』


俺たちは七色の大きなドラゴンの翼のオーラを出現させるとアリナのサポートを受けて、光速でマモンに翼をぶつける。それを何度も繰り返し、上空へと跳ね上げていく。そして俺は近衛を突きに構える。


『『『『ドラゴンダイブ!』』』』


七色のドラゴンのオーラを纏った俺たちは近衛をマモンの胸に突き刺す。そして追撃を加えたまま地面に叩きつける。


『氷獄!』


俺が近衛を抜くとイオンがマモンを地面ごと凍らせる。これで逃げ道はない。俺は離れると皆が仕掛ける。


『…影創造!』


『超電磁!』


『武装射出!』


氷を突き破って、ノワの影の剣山がマモンを貫くとアリナとユウェルが俺が手に持っているレガメファミリア以外の展開されていたの武器をレールガンでマモンに浴びせる。


『ドラゴンクロー!』


『これで終わり! 天涯両断!』


巨大なドラゴンの爪のオーラが発生するとイオンたちが武器たちを回収するとマモンに叩き込んだ。これで鬱陶しかった玉座も壊れただろう。ここでエンゲージバーストが解除される。


「タクト、大丈夫?」


「あぁ。みんな、回復しておいてくれ」


俺はリリーたちにMPポーションを渡し、自分も回復すると文明神竜の封印杖を構える。


俺たちが警戒していると潰したマモンから魔素が噴き出し、巨大化する。流石にここには大きさ的に入らないから胸ぐらいまでしか見えてないけど、ほとんど黄金の体をしているからきっと全身金ぴかなんだろう。ここまで金ぴかだと気色悪いな。


「よくもやってくれたな! もう絶対に許さない! ここで死ねぇえええ!」


マモンの拳が迫る。俺の切り札その二を発動する!さぁ、出番ですよ!


「神召喚! アテナ!」


俺たちの前に眩い光が発生した瞬間、マモンの拳が光の中から出現した盾にぶつかるとマモンの拳はあっさり押し負けて、盾で顔面を殴られ、空にぶっ飛ぶ。


「アテナちゃん! 華麗に登場!」


現れたのは完全武装した女神アテナ。言葉使いと姿にギャップがあるな。


「とう!」


アテナが跳躍すると空にぶっ飛んでいるマモンに槍を構える。


「神槍技! クイーントリートーニス!」


神威解放なしであっさり神槍技を使い、クイーントリートーニスの直撃を受けたマモンがウィザードオーブの町に落下する。


「がは!? 女神アテナだと!?」


「大気壁!」


巨大化したマモンを超える大気壁が次々降り注ぎ、マモンを潰しまくる。それはいいんだが、建物まで潰している。弁償しないとダメかな~。いや、神様がしたことだし、既にグレイたちの戦闘でボロボロだったはずだ。だからきっと弁償の対象外だな。そう思うことにした。


「ぬぅううう! 舐めるな! 魔神ブレス!」


禍々しい赤褐色のブレスが天に向かって放たれる。俺たちだったら、無事ではまず済まないブレスをアテナは盾で絶対防御を使わずあっさりガードした。あれが最強の盾と呼び声高いアイギスか。


「神魔波動!」


アイギスから光輝く紫色の波動が放たれる。これをマモンは障壁を何枚も貼り、ガードしようとするがその全てを破壊され、大爆発する。それでもアテナの攻撃が終わらない。今度は槍を振ると空に巨大な魔方陣が描かれる。


「ぐ…させるかぁああ! 開け! 強欲門! 超電磁! 武装射出!」


「残念! 五秒遅い! 神魔法! アテーナイ・アステール!」


魔方陣から不規則に放たれる無数の光線が強欲門から撃ち出されたレールガン武器の全てを撃ち落とし、マモンに降り注ぐ。それはウィザードオーブの町にも同じでこれで町の建物はほぼ全滅してしまう。それでも上機嫌のアテナ様は止まらない。


「久々の現世での戦闘だからね! おまけをしてあげる!」


アテナ様はそういうといなくなる。しかし俺の神瞳はアテナ様がどこに行ったのか捉えていた。アテナ様がいるのはここの遥か上空。大気圏外だ。


「神技! ディアトン・ネーソス! よ!」


アテナ様の手に巨大な島が現れるとアテナ様はそれを振りかぶって、投げた。すると一瞬でマモンに直撃し、その衝撃波で建物の瓦礫までも遥か遠くに飛んで行った。


大気圏外から島が光速で落下する衝撃だから隕石の比ではない。その威力に絶句しているとアテナ様が俺たちの前に現れる。


「これでおしまいっと。まだ生きているけど、後は頑張ってね」


「はい!」


「うん! いい返事! それじゃあ、バイバーイ」


アテナ様がいなくなる。俺は回復しながらつい独り言を言う。


「あれと戦うことになるんだよな…」


「タクトとリリーたちなら勝てるよ!」


「え…えぇ! よ、余裕です!」


「流石です! お姉様たち! 某にはとても勝てるとは思えませんでした」


燎刃の素直な回答にリリーたちは気まずそうだ。誰でもあんなの見たら、勝てないと思うだろう。するとまたボロボロになったマモンが今度は巨大な悪霊となって、現れる。


「貴様ぁあああ!」


「…影創造!」


ノワがマモンと同じ鎌を影創造で作り、受け止めるが押される。


「…んんん!」


「ノワちゃん!? 天波動!」


リリーが天波動を放つが魔霧に防がれる。イオンたちも波動技を繰り出すがマモンに届いていない。


「絶対に許さない! 貴様らに絶望を教えてやる! 魔軍!」


無数のマールス・ゲニウムが現れる。大ピンチだけど、俺はマモンに言う。


「強欲さは何処に行ったんだ? そんなんだからお前は負けるんだよ」


「何だと!」


イオンとユウェル、燎刃がノワが受けていた鎌を引き受けて、リリーとノワが仕掛ける。


「この状態なら! 聖櫃!」


「…冥府鎖!」


「おまけで天鎖!」


リリーの聖櫃でマモンは弱体化し、二人の鎖がマモンとマールス・ゲニウムたちを拘束する。


「こんなものすぐに壊してやるぅううう!」


もがいているマモンにみんなが追撃を加える。これで時間が出来た。切り札その三!悪霊にはやっぱり太陽だろう。


「封印石召喚! 来い! ケツァルコアトル!」


天空よりケツァルコアトルが降臨する。


「太陽の神竜だと!?」


「いかにも。私は太陽を冠する神竜。悪霊となった哀れな悪魔どもよ。我が光の前に散るがいるいい」


「舐めるな!」


マモンが鎖を引きちぎる。とんでもない力だな。ノワが押されるわけだ。マモンがケツァルコアトルに向かうとケツァルコアトルは息を吸い込む。


「太陽ブレス!」


「魔霧!」


太陽の熱線を魔霧で受けながら、マモンは距離を詰め大鎌を振りかぶる。


「太陽風!」


「ぐぅうう!? あぁあああ!」


ケツァルコアトルが翼を羽ばたくと灼熱の風が発生し、周囲のマールス・ゲニウムが燃え上がる。それはマモンも同じで風で魔霧を浮き飛ばされ、身体が燃えながらマモンは大鎌を振るう。


しかしケツァルコアトルは爪で大鎌を受け止めるとマモンの背後から長い尻尾を体に巻き付けて、地上にマモンを投げつける。


「光球!」


ケツァルコアトルは周囲に八つの太陽を作り出す。それを見たマモンの視線が俺たちを見る。


「貴様さえ死ねばそれで終わりだろう! 魔神技! アワリティア・マーグヌス!」


天から城の大きさを超える禍々しい魔剣が俺たち目掛けて落下してくる。判断するのが色々遅かったな。


「リリー、弾けますか?」


「大きすぎてちょっと無理そうだよ。イオンちゃん」


「落ち着け。あれはあくまで技だ。なら防ぐ手はいくらでもある」


折角の機会だから頂いたスキルを試して見るか。


「恩恵! 絶対防御!」


リリーに絶対防御を与える。


「これでリリーが防げば問題ないはずだ」


「流石タクトさんです! リリー!」


「うん! 行ってくる!」


リリーは大剣に突撃すると絶対防御を発動させて、マモンの必殺技を防ぐ。その間にマモンには連続でケツァルコアトルが作り出した太陽がマモンに落下する。これでマモンは死んだかに思えたが蘇生し、俺たちに襲い掛かろうとしたがケツァルコアトルの長い体に拘束される。


「ぐ…何のつもりだ! 貴様!」


「この戦争を終わらせるのは私ではなく、人間こそ相応しい。そうは思いませんか?」


「何? っ!?」


俺は止めを刺すべく、最後の切り札を使用する。


『やるぞ! みんな!』


城の入り口を守っていたグレイたちが俺の言葉を聞き、雄叫びを上げる、すると城の中で戦っていたセチアたちと同様に光を放ち、俺が掲げた文明神竜の封印杖へと集まる。最後にリリーたちも消えて、準備完了。


「な!? その技は!? 馬鹿な真似はやめろ! 何が望みだ? 金か宝か? なんでも用意」


「だからお前が死ぬことだよ! 消し飛びやがれぇえええ! ユニゾンバースト!」


俺がユニゾンバーストを使う瞬間にケツァルコアトルがいなくなる。タイミング完璧だな。流石、文明神竜様だ。


「ぐぅうううう! ぎゃあああああ!? サタン様ぁあああ!? サタナキア様ぁあああああ!?」


ユニゾンバーストの超特大の七色の閃光は俺の視界にいたマールス・ゲニウムたち全てを呑み込み、障壁や魔霧でガードしようとしたマモンだが、問答無用で呑み込むと全てを消し飛ばした。


そして空から金銀財宝が降って来た。


「派手な演出だな」


俺がそう思っていると残っていたマールス・ゲニウムたちが撤退し、インフォが来る。


『おめでとうございます! 強欲魔神マモンの討伐に成功しました! ワールドイベント『ウィザードオーブ戦争』をクリアいたしました』


『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント6ptを獲得しました』

『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント6ptを獲得しました』

『ノワの竜技のレベルが30に到達しました。竜技【ドラゴンダイブ】を取得しました』

『ダーレーの竜技のレベルが10に到達しました。竜技【ドラゴンテイル】を取得しました』


久々に2レベルアップしたみたいだな。これで俺の残りスキルポイントは146ptとなった。ステータスポイントは巨人の加護を得たから全て俊敏値に回す。


「勝ったぁ~」


正直勝てる自信はあった。まだ竜化や近衛の神威解放など切り札は隠していたからね。それでもまぁ、心臓に悪い。すると目覚めたディアドラ姫とノイシュさんがやって来た。


「終わったのか?」


「はい。何とか倒しました」


「まさか本当に一人で魔神を倒してしまうとはな。兄弟子として誇りに思うべきか。それとも実力の差が付きすぎて悔しく思うべきか」


ノイシュさんに呆れられてしまった。


「一人じゃありませんよ」


「そうじゃぞ。ノイシュ。これは全員の勝利なのじゃ!」


「そうだな。それでも全てのウィザードオーブの国民を代表して感謝の言葉を言わせて欲しい。ウィザードオーブに住み着いた魔神を討伐してくれて、ありがとう」


それは今回死んだウィザードオーブの国民を代表しての言葉だった。そしてこれがウィザードオーブ王ノイシュの最初の言葉となった。


これは余談だが、ユニゾンバーストでリリーたちが戦闘不能になったことで俺は散らばった財宝の中からリリーたちが奪われたアクセサリーを探す羽目になった。俺にはそれがマモンの最後の嫌がらせに感じられた。



その頃、ベリアルの部屋では変化したフィールドが元に戻り、悪魔たちが元の強さに戻る。そしてみんなはインフォで自分たちの勝利を知る。それはベリアルも同様で舌打ちをする。


「マモンの奴が負けやがったか…はぁ~…確かに今回はお前たちの勝ちだな。次に会う時は俺様を失禁させるほど、強くなってな。お前たちが勝った褒美に騎士の嬢ちゃんは元に戻してやるよ」


ベリアルは指を鳴らすとサラ姫様は元に戻り、ベリアルは消えた。ここで全員が地面に倒れ込む。


「「「「疲れたぁ~」」」」


みんな疲労困憊だけど、その顔は達成感に溢れていた。そして全員が勝鬨を上げる。


「「「「勝ったぁ~!」」」」


その後、ディオドラ姫とノイシュさんがみんなの前に国王と女王になることを宣言し、シルフィ姫様たちに直接敗北宣言したことでウィザードオーブとの戦争はここに終戦した。



その頃、暗黒大陸のパンデモニウムではサタンがベリアルから報告を受けていた。


「そうか…マモンが負けたか。それでどうだった? 私が話した男の強さは? お前の期待通りのレベルだったか?」


「それが召喚獣ばかりが相手でよ。あいつの強さはほとんど確認出来なかったんだよ。あいつはかなり性格悪いな。俺様が断言してやる」


「それはお前の相手をするのが嫌だっただけだろう。その性格を変えない限りずっと相手にして貰えないかも知れないな」


「それは無理な話だな。今度はあのお姫様でも人質に取るか? いや、でもあの女には召喚獣もいるしな」


ぶつぶつ呟きながらサタンの前からベリアルは姿を消した。サタンは窓から景色を見る。


「遂に神の領域に手が届いたか。他の者はまだのようだが、このイベントで一気に挑む者が増えるだろうな」


「サタン様」


「ルキフグス。マモンが人間に敗れたことを他の魔王たちに伝えよ。マモンの領地にはアスモデウスを配置しろ」


「は! すぐに手配いたします」


サタンは再びを外を見る。


「時期はハロウィン。次の相手は彼女か…彼女相手にどんな戦いを見せてくれるのか。楽しみだな」


そういうとサタンは玉座に戻るのだった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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