#95 火の精霊と蜂軍団
インフルエンザでダウン中。更新は予約しているので、大丈夫ですが誤字チェックなど出来そうにないです。酷かったら、すみません。治ってから修正いたします。
森を捜索していると遂にハニービーを恋火が発見。木の枝のところに巣がある。さて、どう攻めるかな…基本は火や炎魔法で遠距離攻撃による殲滅が理想だが、ハニービーはとにかく速いことが予想される。恐らく魔法のみでは詰むだろう。となるとやはり重要なのはアラネアの罠設置だ。相手は空飛ぶ虫。もしこれがクモの巣を作るスキルなら保険としたら、十分だろう。
アラネアにお願いすると俺達の前面にクモの巣を作っていく。このスキル、今までの狩りの概念を変えるぞ。
アラネアが魔力を使いきり戻ってきた。お疲れ様。後は俺達の仕事だ。
「セチアは精霊召喚を頼む」
「お任せを」
「恋火は最初にトリッドヘルを頼む」
トリッドヘルは広範囲に効果を及ぼす、俺の火魔法の威力を上げてくれるならやはり最初にこれを使うべきだろう。
「が、頑張ります!」
「俺はその後、ファイヤーシャワーでダメージを与える。コノハは風魔法で攻めてくれ。大丈夫だとは思うが、アラネアのクモの巣には気をつけてくれ。そこから先は状態をみて、判断する。ロコモコとアラネアは俺の側にいてくれ」
「ホー」
「メ~」
コノハとロコモコが返事をする。アラネアは喋れません。
ではやるか。セチアが精霊召喚を発動する。
「精霊召喚!」
地面に赤い魔方陣が浮かぶとそこから手のひらサイズの燃えている女の子が現れる。これが精霊。俺たちが彼女を見ていると彼女がセチアに話しかける。話せるんだな。だが内容がダメだった。
「チッ。呼ばれて出てきたら、ペチャパイの雑魚エルフかよ」
セチアからキレる音が聞こえた気がした。
「…誰のことを言ってるのかわかりませんね」
セチア、イオンに言ったことを忘れたのか?こういうのは答えたら、負けだぞ。だが無視しても結果は変わらないことを知った。
「お前の事だよ。お・ま・え」
セチアのおでこを叩きながら言う。セチアの怒りが爆発するかと思いきやセチアが倒れこむ。ステータスを見ると魔力がつきている。リリーたちと同じだな。
「なんだ? お前。魔力切れか? ダッセー」
「…~っ!」
悔しそうな様子のセチア。地面の草を握りしめている。散々セチアをボロクソに言った精霊がこちらに来る。
「あんたがあのエルフの主かい?」
「あぁ。召喚師のタクトだ」
「ふーん」
精霊が俺を見ながら俺の周りを飛び回る。さっきとリアクションが違うな。
「うん! あんたはいいね! 気に入ったよ!」
何故か気に入られた。
「それであたいはどうすればいいんだい? 攻撃もサポートもできるよ」
へ~。それは便利。だが今回は攻撃だな。
「今からあのハニービーを倒すんだ。協力してくれるか?」
「任せておきな! ハチの100匹ぐらいチョロいもんさ」
「それは頼もしいな。最初は俺たちの範囲魔法を撃つからそのあとは自由に戦ってくれ」
「いい指示さね。そう言われたからには火の精霊の力、たっぷり見せてあげないとね!」
なんとなくセチアがダメで俺が気に入られた理由がわかった気がする。この火の精霊は好戦的みたいだ。セチアは自分から好き好んで戦おうとしない。その性格の不一致がこの結果になった気がするな。
因みに火の精霊はサポート枠でパーティーメンバーとは別枠だったので、問題ない。では始めようか。
「トリッドヘル!」
恋火がトリッドヘルを使用する。地面に魔法陣が描かれ、地面や木々が火に包まれ、言葉の意味通り炎熱地獄が出来上がった。しかしこれ、環境問題だよな。木々とか大丈夫なんだろうか?
恋火の魔法を察知してハチの巣からハチがたくさん出てくる。俺の識別スキルが捉える。
ハニービーLv3
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
オオスズメバチLv15
テイムモンスター 討伐対象 アクティブ
クマバチLv15
テイムモンスター 討伐対象 アクティブ
キラービーLv5
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
ちょっと待って!おい!だからトラウマになるからそういうのはやめろって!しかもあの小さい巣にどんだけいたんだよ!?オオスズメバチとか何仲良くこっちに向かってきているんだよ!おかしいだろ!
と、とにかく近づかれたら終わりだ!刺されるのは断固阻止だ!
「ファイヤーシャワー!」
ハチの巣を中心に火の粉が降り注ぐ。焼かれていくハチ軍団だが死なずにこちらかに向かってきた。ハチの大群。トラウマだって!
その様子に喜ぶ火の精霊。
「あはは! いい火と炎の魔法さね! じゃあ、次はあたいの番だね!」
そう言いながら火の精霊は前に飛び出す。あ、クモの巣。と思ったが火の精霊はクモの巣をすり抜けた。そういえばセチアが自然の霊って言ってたな。霊だからクモの巣に引っかかるわけがないってことか。
火の精霊はそのままハチの大群に突貫する。そして魔法か何かを発動させる。
「ファイヤーダンス」
火の精霊がそう言うと火の精霊が空を舞いながら火の粉を撒き散らす。そしてその火の粉に触れたハチ共が次々燃えていく。地面に黒こげのハチの死骸が量産されていく。つ、つえー…あの言葉本当だったんだな。
そして無事に全滅させる。ふぅ…助かった。火の精霊には感謝しないとな。
俺がそう思っているとハチの巣が光るとモンスターに変わる。ハチの巣を抱えている人間サイズの巨大なハチだ。識別すると。
クイーンスズメバチ?
? ? ?
うん。女王バチだと思ったよ!しかし火の精霊の火の粉は健在だ。クイーン・スズメバチを焼いていくがクイーンスズメバチは燃えながらこちらにきた。
夢に出てきそうだ…しかし、俺にはまだ安全策がある。クイーンスズメバチがクモの巣に引っ掛かる。まさかこうなるとは思って無かったが結果オーライだ!
「フレイムサークル!」
「レッドレイ!」
地面から燃え上がる火柱と赤い閃光がクイーン・スズメバチを捕らえ、爆発する。それが止めとなり俺達は大勝利した。
当然レベルアップがあるわけだが先に解体していく。しかしそこでどうやら火の精霊とお別れみたいです。
「ここまでみたいだね…久々に暴れられて楽しかったよ」
「そっか。君がいなかったら危なかった。本当にありがとう」
「ふふ。まだあんたとは話していたいが限界だね」
そう言うとセチアに近付く。
「じゃあね。その貧乳、成長させときな」
そういって火の精霊は消えた。セチアの心の叫びが森に響き渡ったのは言うまでもない。
そんな事件はあったが無事に解体終了。ふぅ。大変だったぜ。だが苦労したかいがあった。解体スキルがレベルアップだ。そして解体結果だが、普通のハチから。
ハニービーの蜂蜜:レア度3 食材アイテム 品位E
ハニービーが作る蜂蜜。非常に甘く、健康にもいい。
スズメバチの毒針:レア度3 素材アイテム 品位E
スズメバチが攻撃に使う毒針。猛毒の毒針なので扱いに注意が必要。
クマバチの毒針:レア度3 素材アイテム 品位E-
クマバチが攻撃に使う毒針。猛毒の毒針なので扱いに注意が必要。
キラービーの毒針:レア度3 素材アイテム 品位E-
キラービーが攻撃に使う毒針。猛毒の毒針なので扱いに注意が必要。
そしてクイーンスズメバチ。それがこちら!
猛毒女王蜂の毒針:レア度4 素材アイテム 品位E+
スズメバチの女王が攻撃に使う毒針。猛毒の毒針なので扱いに注意が必要。
ハニービーの巣:レア度4 素材アイテム 品位E+
スズメバチの女王が守っている巣。巣箱を用意し、養蜂スキルがあると蜂蜜が獲得できる。
スズメバチの子:レア度4 食材アイテム 品位E+
スズメバチの幼虫。食べるとナッツのような味がして、美味。
ただし食べるのには勇気が必要。
ハニービーのローヤルゼリー:レア度4 食材アイテム 品位D-
スズメバチの女王の食べ物。蜂蜜より栄養があり、また白くクリーム状なのが特徴。
ローヤルゼリー!?めちゃくちゃ嬉しいぞ!更にハニービーの巣はどうやら養蜂で蜂蜜が採れるようになるみたいだな。ビーを召喚するべきか真剣に悩むぞ。
そして問題のスズメバチの子…つまりははちのこだね。確かに食べられると聞いたことがある。実際に売られているのも知ってる。ナッツのような味がして美味らしいというのも聞いたことがある…でもね、それはそれ。これはこれ。食べるかどうかは別問題だ!
しかしこの蜂軍団はツッコミどころ満載だな。スズメバチの女王がクマバチやハニービーを育ててるみたいな話になっている気がするし。そもそもキラービーのカテゴリーにスズメバチとクマバチが入っているはずなのだ。何がしたいのかわからないな。
とりあえずアイテムをインベントリに放り込む。色々使い道を考えないとな。だがとりあえず無事にクエストクリアだな!
レベル上げと進化は次回に持ち越します。
今回はボス戦になりましたが、タクトが偶然ボスの巣を発見したことで起きたことです。リーゼの依頼イベントとは関係ないです。