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リバースデータ  作者: Dec
3/4

異動先は極寒の埠頭

小屋は静かだった。

相変わらず、埠頭の清潔感溢れる、

白を基調とした景観には似合わない。


ドッカーはソファーの上で、

毛布を被って唸っていた。


「あぁどうしよう…

日本支部に裏切り者がいたって事でしょ?

リバースデータは僕の手元にあったはず…

僕もそうなると手が出せないよ…」


本部長はというと、

低反発クッションの上で

日課の映画鑑賞をしていた。

「ノルウェーの映画は日本人に分からないこともあって

だからこそ面白いよねぇ」

そこに、通信機の電子音が鳴り響く

「うるっせぇ!音量調節もできねぇ無能め!」


「は~い本部長です」

「ドッカーです」

「お前かよ…で?何?映画鑑賞の最中」

「リバースデータの件で話が

取り合えず僕のRES管制室に来てください」

「管制室ってさぁ

あのチビな小屋かい?」

「その地下に部屋があるんだなぁ」

「あーかったよ仕方ないなぁ」


その頃、津田達はノルウェーに着いていた。

「ぁ…時差ボケで…吐きそう…」

「全くもう杉浦ぁ…根性無いなぁ」

「るせぇお前が言うなよ」

「まあまあ…」


「あーそうだそこだよ

空港から近くて良いねぇ」

「まあ、空港だしな。海に作るだろうな」

「そこが受付だよ、そこでこの許可証を見せるの。分かるかな?清水さん」

「なんでいつもこういう役回りあたしなんですか…」


清水はキレイなノルウェー語で受付と会話をした。

「キミ、日本支部の人?」

「ええ、そうです」

「埠頭の人にね、

あんたらは無償で通せって言われたんだ」

「今から船出すね。」

「わざわざありがとうございます」

「そんなぁ 良いんだよ」


「お前がそれだけノルウェー語うまいからねぇ」

「あの許可証いらなかったじゃ無いですか!」

「まあまあ…船に乗れるんだし

良いじゃないか」


「すまん…俺ホントに乗り物酔い激しいんだ…

自分で運転しないと本当に怖い…」

「無茶言うなよ…杉浦お前…

車とバイク以外ダメだろ」

「うん…ホントに震えが止まんなくてさぁ」

「ほらぁ!」

「ダメですよ杉浦さん…

社内で一番ワイルドとうたわれた男が…」

「いや俺マジホントに無理だって…」


「船出すヨ」

受付の男が片言でそう言った。

漁船くらいの大きさの舟がそこにはあった。

船の中で、船員に紙袋を渡される

「これネ、ナコトさんに渡してネ」

「ナコトさんって、ドッカーのことですか?」

「そうそう」

「これはリーデルスって人に

あぶないから気をつけてネェ」


「あの…あんまり刺激的な話すると

この男がヤバいんで…」

「って杉浦もうパニック症状起こしてる…」

「もう駄目だ…危険物…

そこの男は確かにそう言ったんだ…

この船はここで沈んでしまうんだ…」



「で?例のリバースデータとやらの

話を聞かせてくれ」


「単刀直入に言いますと…

日本支部にありました。

リバースデータ…

あれは僕が発見した

重力子グラビトンのデータが

ありったけ詰まった機密事項です」

「日本支部に裏切り者がいた…と。」

「何故分かった?」


「あのUSBには、太陽光電池とGPS装置がついているんです」

「そしてその時、

確かにパソコンに地図が表示されました…

初めは津田辺りが

位置情報を送ってきたのだと

思っていました…

ですが僕のパソコンのメールアドレスはあなたしか知らないはず…

それで気づいたんです」


「え?じゃあなんで今まで気付かなかった?」

「おそらく…長い間引き出しかポケットに入れてあって…太陽光発電が停止したのかと」

「なるほどねぇ」



「あっ…ゲホッ…死ぬかと思った…」

「そんな簡単に死ぬわけ無いだろ」

「リーデルスさんによろしくネェ」

「ありがとうございます!」

彼らの目の前に、

白い巨大な建物がそびえたっていた。


「ノルウェーまだ暖かいから油断してた…」

「馬鹿かよ俺でもスキー用シャツ着てるぞ」

「いよいよ…着いたな…」

「行きますか」

「だな…早く寝たいよぉ…」


彼らはのびをしながら、

白い建物の群れへと入って行った。

書いてて思った。

自分もこんな寒い所…

行った事あるんだよなぁ…


寒すぎるとね、冷たいんじゃなくて、

痛いんだよ。


心が折れたんだよなぁ…

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