信頼の有り様
「ぶふっ!」
いきなりなんじゃ!
「いきなり何言ってんだよ、御田」
「な、なにがじゃ!別に良いじゃろ、そのくらい」
気になったら何か悪いのかの。
「いや、俺の好きな人なんて聞いてどうすんだよ」
「うっ・・・それはじゃの、、、」
そのくらい察せないのか、このものは!
「・・・いねぇよ」
「いないのか?」
「いや、いなかったら悪いのかよ」
「そんなこと誰も言うておらんじゃろ」
むしろ逆じゃよ。
「そうか、玄野は好いておるものがおらんのか。そうかそうか」
「何ニヤニヤしてんだよ。ったく」
喜んでしまうのも無理はないのじゃ。
わらわは玄野が・・・
「なんか、灰山とか紗羅も興味ありげに聞いてたな。女子ってそう言うもんなのか?」
なぬ?灰山と白河もとな?
「それはいつのことじゃ」
「え?ほら例の事件の時の」
例の事件?
「あー、そなたが裸を晒したとかいう」
「俺じゃないっての!」
「わかっておる。玄野はそんなことせんじゃろ」
「いや、その言い方だと柳はそんなことするみたいに思われてそうだけど」
そんな誤解が生まれるほど東雲は女子が好きじゃからのう。転校して来てすぐじゃが、あやつが女好きなのは分かる。
悪い奴じゃないんじゃがな。
それにしても
「あやつらもなのかの」
「ん?なんの話だ?」
未だにわらわの会話の意図が汲み取れない様子の玄野。
ここはやはりはっきりいうべきかの。
「く、玄野よ」
「どうした?」
「実はじゃの、わらわはその・・・」
いや、これは告白なのでは?
今更ながらに気づいてしもうた。
いやいや、でも玄野にはやはり・・・
ガチャ!
「いやぁここのお掃除忘れてたー。これじゃあエレンお嬢様にまた怒られ・・・」
「「・・・」」
智慧がホウキなんかを持って部屋に入って来た。
「やっぱり智慧さん、そっち系だったかぁ〜」
「玄野様!そっち系ってなんですか」
「いや、それよりあなたのご主人凄い形相だけど」
「あ・・・」
ん〜〜〜〜、、、、
「どんなタイミングで入って来るんじゃ〜!」
「わー、申し訳ありませーん」
その後智慧をなんとか捕まえ、バイトリーダーに指導を任せた。
玄野はポールに送ってもらい帰ってもらった。
なぜこうなったのじゃ。
不満に思いながらも、わらわは少しホッとしていた。
「告白はまたの機会じゃの」




