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ランチボックス同盟  作者: ORCAT
第2章 信頼
36/41

信頼の有り様

「ぶふっ!」


 いきなりなんじゃ!


「いきなり何言ってんだよ、御田」


「な、なにがじゃ!別に良いじゃろ、そのくらい」


 気になったら何か悪いのかの。


「いや、俺の好きな人なんて聞いてどうすんだよ」


「うっ・・・それはじゃの、、、」


 そのくらい察せないのか、このものは!


「・・・いねぇよ」


「いないのか?」


「いや、いなかったら悪いのかよ」


「そんなこと誰も言うておらんじゃろ」


 むしろ逆じゃよ。


「そうか、玄野は好いておるものがおらんのか。そうかそうか」


「何ニヤニヤしてんだよ。ったく」


 喜んでしまうのも無理はないのじゃ。

 わらわは玄野が・・・


「なんか、灰山とか紗羅も興味ありげに聞いてたな。女子ってそう言うもんなのか?」


 なぬ?灰山と白河もとな?


「それはいつのことじゃ」


「え?ほら例の事件の時の」


 例の事件?


「あー、そなたが裸を晒したとかいう」


「俺じゃないっての!」


「わかっておる。玄野はそんなことせんじゃろ」


「いや、その言い方だと柳はそんなことするみたいに思われてそうだけど」


 そんな誤解が生まれるほど東雲は女子が好きじゃからのう。転校して来てすぐじゃが、あやつが女好きなのは分かる。

 悪い奴じゃないんじゃがな。

 それにしても


「あやつらもなのかの」


「ん?なんの話だ?」


 未だにわらわの会話の意図が汲み取れない様子の玄野。

 ここはやはりはっきりいうべきかの。


「く、玄野よ」


「どうした?」


「実はじゃの、わらわはその・・・」


 いや、これは告白なのでは?

 今更ながらに気づいてしもうた。

 いやいや、でも玄野にはやはり・・・


 ガチャ!


「いやぁここのお掃除忘れてたー。これじゃあエレンお嬢様にまた怒られ・・・」


「「・・・」」


 智慧がホウキなんかを持って部屋に入って来た。


「やっぱり智慧さん、そっち系だったかぁ〜」


「玄野様!そっち系ってなんですか」


「いや、それよりあなたのご主人凄い形相だけど」


「あ・・・」


 ん〜〜〜〜、、、、


「どんなタイミングで入って来るんじゃ〜!」


「わー、申し訳ありませーん」


 その後智慧をなんとか捕まえ、バイトリーダーに指導を任せた。

 玄野はポールに送ってもらい帰ってもらった。


 なぜこうなったのじゃ。


 不満に思いながらも、わらわは少しホッとしていた。


「告白はまたの機会じゃの」

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