番外編:紗羅と登校
私の名前は白河紗羅。今年から高校生になった女の子。好きなものはトマトで、嫌いなものはブロッコリー。なによあれ、ミニチュアの森じゃない。なんであんなもの食べなきゃいけないの?
って、私の好き嫌いの話じゃなくて。大事なのは私は今、高校生だということだ。そして高校生といえば、、、やっぱり、、そのーーー
「何さっきからうつむいてもじもじしてんだよ」
「周には関係ないわよっ!」
ーーー恋愛だ。と思う。
ただ私の場合、この、
「何指差してんだ、、、ぐはっ!」
決まったわ、、私の回し蹴り。
私の場合、この幼馴染みのせいでなかなか難しいことになっている。何せこのアホ、
「バカにアホなんて言われたくはない、、、ごふっ!」
決まったわ、、今度はかかと落とし。
このアホが鈍感なせいで色々と苦労している。しかも多感な時期と相まって、私は周を目の前にすると本音を言えなくなっている。
・・・もっと素直なら周に女の子としてみてもらえるのかな?
「はぁ〜。あのな、暴力振るうのはいいとして」
いいんだ。
「そんなに足あげてるとパンツ見える、、ぐふっ!」
やりました!紗羅選手!見事な飛び膝蹴りです!
「これなら文句ないでしょ!」
全く。なにが下着が見えるよ、よ。普通そんなこと女の子に言う?
「普通なら女はそんなに暴力振るわないんだ、、、うん、分かった。もうなんも言わないから、その拳を引っ込めろ」
はぁ。私なにやってるんだろう。周も自分の過去を話したんだから、私も勇気を持って、、、告白なんてしたいけど、、
ーーーもし告白したらこいつ、どんな顔するかな?
滅多に照れるところなんて見ないけど、照れたりしてくれるのかな。それともいつも通りかな。
「何だよ、そんなに睨んで」
「な、なんでもないわよ。寝癖がついてるから観察してただけよ」
「観察せずにさっさと教えてくれ、ったく。どの辺だよ」
「こ、この辺よ」
あ、近づくと周の匂いが風に混じってる。髪も相変わらず硬いのね。
「うわ、本当だ。サンキュー、紗羅」
「べ、別にお礼とかはいいけど」
「誰が礼するって言った。ったく・・・夕飯なにがいい?」
「え?」
夕飯?
「おかずだよ。今日買い物するから、好きなもの作ってやるよ」
好きなもの。
「じ、じゃあ、、、ボンゴレ・ビアンコ」
「そんなのでいいのか?」
「・・・うん」
だって周が昨日教室で、久しぶりに食べたいって言ってたの聞こえてたから・・・
「ちょうど良かった。久しぶりに食べたくなってさ」
「そ、そうなの」
「あー。やっぱ幼馴染みは似るのかね。じゃあ買い物も付き合ってくれよ?」
「・・・うん」
ほらまた、好きになる。
一緒だと、嬉しくなる。
今夜の夕食は楽しみだな。
こうして私と私の好きな人との登校は他愛もない話で終わってしまう。でもそういうのが1番幸せだったりする。
また明日もいっぱい話せるといいな・・・
「ちなみにボンゴレってどんな意味が知ってるか?」
「知らないけど」
「だろうな。紗羅ってバカだし、、、ぐはっ!」
今日一番のボディが入ったわ。スッキリスッキリ。




