第二話「今年のクリスマスもこのメンツ…っ!」
「…って叫んでた時期もあったけど……。」
「あ、歩先輩!おかえりなさいです!!」
「遅かったな、歩。」
「全く、たかがコンビニにアイスを買いに行くだけで、何でこんなに時間がかかるんです?」
―――今年も通算18年目となる彼女無しのクリスマスを迎えるようです。
20XX年12月24日11:00
「畜生…!なんだって高校最後のクリスマスを、またこの(ムサイ)メンツで過ごさなきゃならねえんだ……。」
「人徳。」
「日頃の行いの結果でしょう。」
「え…っと、嫌、でしたか……?」
今年もけんもほろろなメンツ(約一名除く)に心で涙してコンビニアイスに齧り付く。
「ううう、今年は今までの反省も活かして絞ってアタックしてたのに…!」
「ああ、優樹菜だっけ?」
「あれ?榛名さんじゃなかったんですか?」
「確か愛奈先輩って聞きましたけど…。」
「何で全員直前で彼氏なんかできんだよ!優樹菜!榛名!愛奈ぁぁぁ!!」
「…それ、“絞った”って言いませんよね?」
いつになく真剣にアタックしてたのにこの結果…!
涙するも頼みの綱も慰めてはくれず、ひたすら悔し涙で炬燵を濡らしていると―――。
ピロピロリンッ
「メール?…って、明美からじゃん!」
昨年のクリスマス以来疎遠気味になっていた明美からのメールに、知らず心が躍る。
今日この日にメールがくるなんて、もしや18年目にして初の彼女あり(この際交際してる、してないは関係無い!取り敢えず女の子と)のクリスマスを迎えられるのでは…!
そう淡い期待を抱いて開いたメールの先には―――。