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Advent Calendar 2015  作者: 葉月 未兎
第五幕 始まりのクリスマス
22/25

第二話「賑わう人々」

開かれていた扉が古めかしい音を立てながら動いていく。

そしてゆっくりと閉まった瞬間―――。


「お疲れ様でしたーーー!!!」


歓声が沸き起こった。



20XX年12月24日23:45



「これは…。」

「思ったより人でいっぱいだな~。」

「だね、もう深夜なのに。」


予想よりも人の多い駅前に、俺達三人は暫し固まってしまったのだった。


事の発端は今から30分程前に遡る。


「終わったなあ…。」

「終わったねえ~。」


一年の締めくくりとも言えるイベントが終了し、いつになく緩み切った顔の未谷と広猟と共に帰路を急ぐ。

それにしても、もうこの三人でこの日(イヴ)に並んで帰ることも最後かと思うと感慨深い。

本当、いくら学園の目玉イベントだからって反強制参加はやめて欲しい。


「そういえば、今年は駅前でクリスマスマーケットやってるらしいぜ。」

「クリスマスマーケット?」

「…あのドイツで主にやってるアレか?」

「そーそれ!この間山鉄の駅が立て直されたじゃん?

 で、そのスポンサーの一つにビール会社があって、ビールとかワインとかの即売会も兼ねて今年開催されたらしい。

 駅前だから飲酒する可能性は低いから、ってことで。

 で、出来うる限り本場らしく!ってコンセプトで開催されてるから、見るだけでも面白いって母さんから聞いてさ。

 帰り道には遠回りだけど、最終日だし行ってみないか?」


広猟の提案に、いつもの俺ならさっさと帰ろうと促すか、ここで分かれて帰っていただろう。

しかしその時は何故かそれがとても魅力的な提案に思え、未谷と共に一も二も無く頷いたのだった。

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