1-3 入学式
柊太は今学園の講堂で入学式に出ていた。入学式では新たにこの学園に入る300名の新入生が入っていた。
「すごいな~。これみんな僕と同じ新入生なんだ。みんなに負けないように頑張らないと」
僕がひっそり気合を入れている中で、壇上には一人の生徒が上がっていた。
彼は『紅蓮の業火』の隊長で、『赤火 猛』である。
「新入生のみなさんご入学おめでとうございます。
この学園に夢や希望をもち入学されたことだろうと思います。
しかしみなさん浮かれないでください。ミナトを高め己の能力を極限まで高めてください。
浮かれれば魔物に食われて死にます。学園に入学することで強くなるのではありません。
入学して努力することで強くなれるのです。
日々の精進こそ強くなる秘訣です。みなさんが強くなり、魔物と戦えるようになれることを祈りま す。・・・」
「すごいこというな~」
僕は感心していた。
これほどまでにはっきり言う挨拶を僕は聞いたことがなかった。
これが学園1位の人なんだと思った。
「・・・最後に、1つだけ言いたいことがあります。
私たち『紅蓮の業火』は隊員を3人募集するつもりです。
その気がある人はまた後程。・・・5年代表 赤火 猛。」
彼はそういうと静かに壇上を降りた。
そして僕たち1年生は、彼がいった最後の言葉を思い出していた。
≪隊員を3人募集します≫
僕でももしかしたら入れるのでは?
そう考えて僕は考えるのをやめた。
・・・いや、無理でしょ?僕みたいな生徒が。
それからいくつかのプログラムがあり、無事入学式は終わった。
「赤火さんすごかったね。壇上であんなこというなんて」
「ああ、さすが学園代表の人だっておもったぜ」
僕は教室に帰るまでの道を勇人話しながら帰っていた。
「教室に帰ったらなにがあるんだっけ?」
「多分まずは自己紹介で、その次あたりに簡単に学園の説明が妥当だろうよ」
「自己紹介か~。あんまり得意じゃないんだよね~」
「おまえあがり症だもんな~。」
勇人はニシシと笑う。
「はぁ~。憂鬱だ。」
そうこう言っているうちに教室についた。
「え~担任の今田だ。これから1年よろしく頼む。」
担任となる人が教壇の前に立ち、自分の紹介を行った。
「じゃあ左端から順に自己紹介でもしてもらおうかな」
先生がそういうとクラスの一番左端の生徒から自己紹介が始まった。
「○○学園から来ました、○○です。今年1年よろしくお願いします。」
左端の生徒から淡々と自己紹介が行われていく。そしてついに僕の番が回ってきた。
「水上学園を卒業してきた神谷 柊太といいます。みなさん仲良くしてください。」
無事自己紹介を終えることができた。
「同じく水上学園卒業の北野 勇人だ。よろしく。」
勇人が自己紹介を終え、席に着く。そのとき周りからちらほら何か言っている生徒がいた。
「あいつが北野か。学園8位の『紅の丘』に入るって予定の。」
「やっぱり強いのかな?」
・・・勇人が紅の丘に入るかもしれないって話結構知ってる人いたんだな~
それからは何の音沙汰もなしに自己紹介は進んでいった。最後の一人を残して
「龍帝学園卒業の『倭堂院 帝』だ。
はっきり言おう。
俺は馴れ合いをするつもりではない。
よろしくしてくれなくて結構だ。
俺は最強を目指す。そのためにこの学園に入った。
俺の最強の座を邪魔するものは誰であろうと退ける。
それは貴様ら弱者であってもだ。だから俺の邪魔をするなよ」
彼は言うだけ言うと、自分の席についた。
「「・・・・・」」
教室には静寂が訪れた。
「え、え~とみなさん。仲良くするように。
で、ではいったんHRは終了します。
この後は自由にしていてください」
先生はそういうと教室を出て行った。教室にいるみんなはどうすればいいかわからず、困り果ててしまった。