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2-7 粘りの依頼

赤火さんは『紅蓮の業火』隊舎にちゃんといた。

最初隊舎に入ろうとしたら、門番役の人たちに止められたが、木景さんの名前を出すと、顔を青くして通してくれた。

・・・・・一体木景さんはあの人たちに何をしてきたんだろう・・・。

僕は赤火さんの部屋に案内され、入ってみると、赤火さんは大量の書類を前に悪戦苦闘していた。

そして僕の存在に気付くと、いったん手を止めた。


「何の用だ?手短に済ませろ」


睨むようにして、僕を見ながらそういった。

正直赤火さんの事は苦手で、怖いのでこっちさっさと用件だけ言って済ませてしまおうと思う。


「『闘牛の突撃』のリーダーの住所を調べていただけませんか?」


「・・・なぜだ?」


「ミッションで必要だからです」


僕は正直にいうことにした。


「ミッションでだと?」


「はい、そうです」


「・・・・・今別の仕事でいそがしいんだが?」


赤火さんは自分の机の上にある大量の書類を見る。

・・・うん、アレを処理しないといけないと考えると僕も気が遠くなりそうだ。


「大量の書類ですね?やっぱり時間かかりますか?」


「当然だ、これを今日中に片付けないといけないんだ。

 お前の要件にさいてる時間はない」


赤火さんはそういうと、再び机の書類に目を通し始めた。

調べてもらうにはミッションの内容を説明しないとダメなのかな?

でもミッションの内容を関係者以外に口外することは禁止されてるし・・・・・


「どうしてもやっていただけませんか?」


頼み込んでみるが・・・


「ダメだ」


やっぱり駄目だ。

こうなったら・・・


「僕も手伝います。」


あくまで自分のミッション内容は言わない。

赤火さんなら言っても大丈夫なんだろうけど、万が一という場合がある。

こういうことは日ごろからしないようにしておいた方がいい。

じゃないと他人に頼る癖をつけてしまうことになる。


「邪魔だ、帰れ」


赤火さんは僕の提案を一蹴する。

僕、この人にお願いして一度もうなずいてもらったことがないような気がする。


「じゃあ、調べてください」


「忙しいと言っているだろう」


「だから手伝うって言ってるじゃないですか」


イタチごっこが続く。

どちらかが折れないと終わらないが、僕は絶対に折れるつもりがない。

だから赤火さんが折れないとこのイタチごっこは終わらない。


しかしそんなイタチごっこにも終わりが訪れる。


「ええい!!貴様とこんな言い合いをしていたら時間がもったいない。」


お?これは・・・折れてくれるか?


「誰かいないか!?

 こいつをつまみ出せ」


事態は最悪の方向に傾いたようだ。

赤火さんの声を聴き、隊員の人が入ってきた。

まずい、このままでは『闘牛の突撃』のリーダーの家がわからないままになってしまう。

・・・仕方がない。


「このミッションは家村さんのミッションの手伝いです。

 このミッションに学園の生徒も巻き込まれました。」


僕がそこまでいうと、今まではなしながらも手を進めていた赤火さんの手が止まり、僕の方をみた。


「・・・・少し待て、そいつともう少し話がしたい。

 急に呼びつけてすまなかった。

 もとの場所に戻ってくれて構わない。」


赤火さんは部屋に入ってきた隊員にそういうとまた部屋の外に出るように促した。

そして隊員が出て行ったことを確認すると僕の方を見た。


「さっきの話・・・どういうことだ?

 家村のミッションを手伝っているだと?

 貴様がそんなミッションを受けられるように見えないが?」


「そこの話をすると長くなるのでいいませんが、僕が家村さんのミッションの手伝いをしているのは事実です」


僕がそういっても赤火さんには僕に対する疑いがあるようだ。


「では、家村が今受けているミッションについて一言で言ってみろ。

 あまり話すな、その理由はわかるな?」


もちろんわかる。

だから僕はさっきから『闘牛の突撃』のリーダーの住所を教えてくださいとしか言わなかったのだ。


「リベルテドラッグ」


赤火さんは目を見開いた。

その薬のことはもちろん知っているのだろう。

そしてその言葉が僕の口から出てきたこといびっくりしたのだろう。


「貴様が家村のミッションを手伝っているというのは、事実なようだな。

 ・・・・・わかった。少し待ってろ」


赤火さんはそういうと一度机を立ち、近くにある本棚に向かって目的の物を探し始めた。

そして一冊の本を手に入れると、その本を開き、目的のページを探す。

そして赤火さんの手が止まった。

目的のページを見つけたのだろう。

そして僕の方に近づいていると、そのページを見せてきた。


「ここに書いてある。

 持ち出しは禁止だから、覚えていけ。

 メモも禁止だ。」


赤火さんは僕に本を手渡すと、机に戻り無言で残りの書類に目を通し始めた。

僕は渡された住所を覚える。

・・・・・うん、ここなら僕の知ってる場所だ。

確か結構な豪邸のある場所だけど・・・。


「ありがとうございます。

 この本どうすればいですか?」


「その辺に置いておけ」


僕は近くの部屋の端にあった小さな机に置くと部屋を出て行こうとした。

その時赤火さんが一言僕に言ってきた。


「気をつけろ、ただで済むようなミッションだと思うな。

 家村が受けているミッションだ。絶対に油断するな。」


僕はその言葉を聞いて部屋を出た。



どんどん更新スピードが遅くなっている気がします(^_^;)

でも頑張って更新していくので応援よろしくお願いします。

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