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2-3 全選択の理由


最初の授業が終わった瞬間僕は囲まれた。

その原因は昨日の騒動と隊についてだ。

校舎の中ではその噂でもちきりで、クラスのみんな気になっていたらしく、いろいろ質問された。


「昨日の競技棟での騒ぎの原因の張本人って本当?」

「先に手を出したのって神谷君なの?」

「『銃弾の帰る場所』に入隊したって本当?」

「どういう手段で入隊したの?」

「君って本当はめっちゃ強い?」

「6組の宮野さんと桜澤さんをもう手籠めにしたとか?」

「いっぺん死んでみる?」


僕は立て続けに行われる質問に頭が混乱してしまう。

そんな時・・・


「そんなに一気に聞いたら柊太も混乱しちまうだろ?一人ずつしてやれよ」


僕の様子を見ていた勇人が助け船を出してくれた。

勇人がそういうとみんなは静かになり、一人ずつ順番に質問してきた。

僕は1人ずつちゃんと答えを返していった。

おかげで、そこまで大きな騒ぎにもならず終えることができた。

・・・しかし噂ってこわいな。なんかすごい誤解があった気がする。


「ありがとう、勇人」


僕は助け船を出してくれた勇人にお礼を言う。


「おう、気にすんな。しかしよかったな、入隊できて」


「うん。勇人はどうだったの?」


僕だけ入隊できて、勇人はできなかったということは避けてほしいところだ


「無事入隊できたぜ!!」


勇人は僕にガッツポーズを見せる。


「しかしお前の方が俺よりも上にいるっていうのが気に食わないな~。

 まあそのうちオレが追いついてやるよ」


勇人はニヤッとする。


「ははは。僕が強いわけじゃないよ。

 僕なんかよりも勇人の方がずっと強いじゃないか。

 でも僕もいつまでも負けなていように頑張るよ」


僕らは拳と拳を突き合わせる。

それと同時に次の授業のチャイムが鳴った。

午前の授業は主にミナトの基礎知識を座学で勉強だった。


「・・・・・・・・」


教師の話が続く。正直今話されていることは、小過程や中過程でも習ったことなので正直に言って退屈だ。

なのでてきとうに話を聞きつつ、窓際のほうを見てみた。

真っ先に僕の視界に入ってきたのは、僕の方を見ていた倭堂院君の姿だった。

目が合ったので、とっさにずらしたが、向こうはまだこっちをずっと見ている・・・気がする。


(僕なにか悪いことしたのかな?それとも朝の噂とかで気になることがあるとか・・・。まあそんなことはどうでもいいけど、とりあえずなんでこっちをジッと見てくるの!?)


とりあえず気を紛らわすために、授業に集中することにした。授業はちょうどミナトの相性についてだった。


「ミナトには相性が存在します。火のミナトは風には強いが、水には弱い。水のミナトは火には強いが雷には弱い。すなわち水→火→風→土→雷→水という関係が成り立つわけなんですね」


ミナトの相性は先頭において、非常に重要になってくる。


・・・・・以前は本気でそう思っていた。

しかし昨日の水瀬隊長と赤火さんの戦いを見ていたら、相性も重要だが力の使い方次第じゃないのかな~って思えてくる。

結局努力して強くなることが一番の近道だ。

僕はそう自分に言い聞かせる。

そうだ!努力することこそ重要なのだ!!


・・・・・何も倭堂院君の視線が気になるからおかしくなっているんじゃないよ?



昼休みは勇人と奏佳と食べることになっていた。

僕は勇人と一緒にあらかじめ決めておいた昼食場所まで行く途中いろんな噂が聞こえてきた。


「『闘牛の突撃』なんかやばいことやっていて、それが学園にばれて解隊になったらしいよ」

「マジで!?あの隊やばい人多かったもんな」

「昨日も騒ぎ起こしたらしいし」

「今日の朝も気絶した隊員が大量に林で見つかったそうだよ」

「怖いよね~」

「俺らも気をつけないとな」


昼食場所には奏佳の方が早かったみたいだ。

しかし気になったことが1つ。


「桜澤さんも一緒にきたんだ?」


そう、奏佳の横には桜澤さんがいた。


「うん。お邪魔だったかな?」


桜澤さんはシュンとした表情になる。


「そんなことないよ、一緒に食べよう」


僕は笑顔で返す。


「ありがとう」


桜澤さんも笑顔で返してくれた。

うん、天使のような笑顔だ。

僕の心は癒される。

・・・・・午前は視線による拷問だったからな~

その際、奏佳がジッとこっちを見ていた気がしたが気にしないことにした。



「本当今日はもう嫌になるわよ!!」


昼食が始まって奏佳がいきなり言い出したことはこれだった。

奏佳も朝から質問攻めにあったらしい。

実際、騒ぎを起こして、『飛天の双翼』に入ったということは僕の入隊と同じぐらい話題性があった。

しかも奏佳が入隊して、もう『飛天の双翼』は誰も入隊させないようになったから余計に話題になる。


「まあまあ、落ち着いて、奏佳ちゃん」


「楓は嫌にならないの?

 楓も今日シュウと一緒に登校しただけで手籠めにされてるって言われたのよ」


「あれ!?そっち!?」


「当り前よ!!他に何があるっていうのよ!!」


「ドウドウ」


桜澤さんがなだめにかかる。・・・・ん?奏佳ちゃん?楓?


「二人とも、そんなに仲良くなってたの?」


お互いを名前で呼び合うぐらいに仲良くなってたんだ。


「まあね。シュウは勇人以外の友達はいないの?」


奏佳がニヤニヤとこっちをみる


「う~」


僕は返せなかった。


「まあそのくらいにしておけって、宮野。

 これ以上柊太の傷をえぐってやるな」


「それもそうね。

 シュウって意外にもろいし・・・」


「そ、そんなわけないだろ。僕はいつも平常心を保っているさ」


「・・・柊太が哀れにみえてきた」


そんな僕らを見て桜澤さんも笑っている。

このまま何事もなく昼休みを・・・


「あ、そうそう。シュウ!!」


突然奏佳が怒った顔をして僕を見てきた。


「え、え、なに?」


なぜいきなりそんな怒った表情で睨んでくるのか全くわからなかった。


「あんた形態の授業で『全選択』選んだそうじゃない!

 どういうことよ、なんでそんなむちゃくちゃなことしたのよ!!」


ああ、そのことかと思った。

そういえば、桜澤さんにはっきり言ってしまっていたことを忘れていた。

おそらく桜澤さんが奏佳に言ったのだろう。


「それは、その、僕にも考えがあって・・・」


「なによ、その考えって」


「確かに俺もそれには興味があるな」


奏佳に加えて勇人も参戦してきた。

・・・どうしよう、この2人を納得させることができるか不安になってきた。


「え~とね、理由はね。その・・・」


「何よ、はっきり言いなさいよ!

 ごまかしたらただじゃおかないから」


・・・やばい、怖い。

奏佳と目を合わせ続けると僕の実が持たないので、勇人のほうを見てみる。


「今回ばっかりは逃がさないぞ」


逃げ場なしっと・・・・・

はぁ~、正直に話すしかないか・・・


僕は思い切って言った。


「僕は将来、2人と一緒に仕事がしたいっておもってたんだ!!」


僕がそういうと2人はあっけにとられていた。

それもそうだろう、こんな話をするのは初めてなのだから。


「二人って典型的な攻撃型でしょ?

 で、僕は性格や水のミナトであるってことから防御、補助型の方が向いている。

 攻撃2人、防御&補助1人。

 これだけ聞くとなかなかバランスが取れているように聞こえるんだけど・・・」


ミナトは特性上その形態はかなり限定されるっていう話は前にしたことがあると思う。

詳しく言うなら、

火のミナトは攻撃特化

水のミナトは防御&補助

風のミナトは攻撃&補助

土のミナトは防御特化

雷のミナトは補助特化

(※雷が補助特化なのは、自身のスピードを上げて高速の戦いを行うのに向いているからである。補助と言っても回復系となると、水のミナトの方が向いており、その次には風及び土が向いている。)


「それなら、なんで防御&補助にしなかったのよ」


その、意見はごもっともだ。

そしてその意見を上回る説得力のある意見をいわなければならない。

そうでなければ、勇人も奏佳も納得してくれない。


「しなかった理由は、『僕も2人と一緒に戦えて守れる強さ』が欲しいんだ」


僕がそういうと、2人は目を見開いて僕を見た。


「僕の防御&補助じゃ、2人を相手からの攻撃から守ったり、回復させることができるようになれるかもしれない。

 でも、それじゃあ僕は2人がいないとい戦えない。

 攻撃ができないと勝つことはできないからね。

 でも全選択なら攻撃も学べる。

 僕も2人と肩を並べて、前線で戦えるようになりたいんだ。」


「それじゃあ結局全部中途半端になって、余計戦えなくなるでしょ?

 全部できるようになるってそんな無茶なことできないわよ?」


奏佳のいうとおりだ。

実際選ぶときに勇人からも言われた。

でも・・・


「僕は欲張りかもしれないけど、全部を均等に強くなる。

 中途半端でなくて、完璧に。

 ・・・昨日水瀬隊長たちを見て思ったんだ。

 頑張れば絶対に不可能ではないかも知れないって。

 1%でも可能性があるなら僕はそれに賭けたい。

 いや賭けるんじゃなくて、絶対にする」


僕は2人を見て言う。


「勇人や奏佳の隣に立って僕も2人と一緒に戦う。そして守りたいものを守る!!」


僕は決意を口にする。

2人は黙ったままだ。

・・・しかしそんな中、口を開く人が一人。


「そういう考えは私も好きですよ?」


桜澤さんがそう言う。


「でもそれほどの決意を持つなら、中途半端な考え方はだめですよ?

 すなわち・・・その目標、絶対に達成しないとダメですよ?」


桜澤さんがにニコと笑う。

僕も無言でうなずく。


「そうよ、できないと許してあげないんだからね!!」


「そうだな、もしできなかったら死刑だな。・・・待ってるからな」


「うん、頑張るよ」


僕ら4人は笑った。



こういう風に笑っていると、朝起きたことは少なくともこの間だけは忘れることができた。


駄目文で申し訳ありません。

ほんと、小説を書いていると、文才ってやつが欲しくて仕方がありませんね。

話は変わって最近アクセス数も少しずつ伸びてきました。

これも読者様のおかげです。

今後も飽きずに読んでくださると幸いです。

これからもがんばって更新していきます。

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