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コーズ  作者: ランタン
9/12

第八話 選択

「・・子孫?」

少年は、こくりと頷いた。

「ま、大体の『監視者』はコーズの子孫なんだけどさ。」

なんだか面白そうにくすくす笑われた。

「・・・」

「あ、もしかして、ついていけてない?」

図星だったから、何も言わなかった。

「やっぱそうなんだ・・・」

少年は、にやにや笑いながらも、目は笑っていなかった。


「それで?」

いきなり質問されたので、私は少し驚いた。

「え、何?」

「だから、君はどうするの? こんな『爆弾』抱えてさ。」

言われてみればそうかもしれない。


やがて自分は、このままだと『追う者』になるのだ。

それか、『取引』をして『監視者』・・・つまりはこの少年とあの女の人だろう・・・に殺されるか。


どっちにしろあまり快い死に方ではない。

「あなたは何か方法・・知ってるの?」

「まあ、ないわけじゃないけど、誰も実行したことなんかないし・・・それに、『×』書けば済む事じゃん。」

「そうじゃなくて! 私は・・・こんな手紙に振り回されるのは嫌なのっ・・だけど」

「何?」


私は少し思いとどまった。

本心をこの人に知られていいことがあるかどうか、少し考えてみたのだ。


考えた結果、その可能性はとても低いと見た。

「・・・やっぱり、なんでもない」

でも、少年は私の話し方やしぐさに何か感じたらしく、

「幸せなんだ?」

と言った。


そうだ。

この手紙が私の手元に届いた時から、不幸な事なんか1つもない。

誰も私を嫌ったりしない。

その状態に慣れかけている自分がいた。


「・・・そう。 でも、その手紙は君だけのものじゃない。未来の人・・・何億人って人のためにある。」

わかっている。

だから、判断に迷った。


「・・・わかりました。」

「何が?」



「私、『×』を書きます。」

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