第七話 新たな人物
それだけ言うと、女の人は一瞬で消えた。
「・・・」
本当に、頭がついていかない。
間近で感じた事とか、見たこととか、全てが信用できない。
神が手紙を書いた?
そして、それが私の手に届いた?
私はこれからそれに振り回される?
嫌だ。
どうしようもなく、否定したくなる。
「どうしたの?加奈。」
早速仲良くなった智恵子が、私を心配そうに覗き込む。
「あ、何もない・・・」
「なんかあったら言ってよ。心配だし。」
智恵子は何でもさらりと言うけど、言葉の一つ一つが信用できる。
「・・うん。」
もしこの世が消えるって言うんだったら、私はまずこの手紙に『×』を書くだろう。
もう二度とこのような悲劇が起きないように―――・・・
誰もこんな一枚の紙に振り回されないように。
それが今私に唯一言えることだった。
それほど自分って信用できないものだったんだ。
手紙を見てみた。
多分・・・いや絶対、『監視者』が来た事で文章が変わっているに違いない。
私のそういう憶測は正しかった。
『野沢 加奈様
このたびは本当に調査協力ありがとうございました。
さて、今回文章を変えてみたのは、ちょっとしたイタズラ心からです。
貴女がこの文章を読んでいる間にちょっとした仕掛けをしてみました。
どんな仕掛けをしたかは見てからのお楽しみと言う事で――――・・・ 』
そこまで読んで、だいたいの状況がわかったから、読むのをやめた。
振り返ってみると、1人の少年がいた。
『男』と言うには若すぎた。
「あなたは――――・・・誰?」
私が不安げに聞くと、少年は微笑みながら言った。
「コーズの子孫だよ。」