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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
95/130

<3>~救出者達、その裏側。~ (染山&十島編、2)

最近前書きに書くことがありません。


ネタ切れってやつなのです。

「えっと、ここの壁か」

 地下駐車場から通路に入った染山と十島は、黒服の話から壁に手をつけた。


「“体温自在(カロリーコントロール)”、発動じゃん!!」

 染山の当てている壁の部分から、煙が噴き出だす。

 そして赤く光りだす。

 ズブリとその赤くなって柔らかくなった壁に手を突っ込むと、横にクパァと広げた。

 ゆっくりとその壁が開かれていく。その奥には通路が続いていた。


「本当にありやがったじゃん……。隠しのエレベーター」

「信じてなかったのー?」

「そりゃ、半信半疑ってやつじゃん」

 通路の先まで進むと、エレベーターの扉を発見した。

 そのままB4のボタンを押し、下降する。


「で、この先に牢屋ってやつがあるんだったじゃん?」

「そうなんだよー」

 エレベーターから降りた先は、すこしだけ曲がっている先の見通せない通路だった。


「さっさと行くじゃん」

「長居はー、無用ー」

 走り出す二人。

 それでも、一応の警戒は解かない。


 走り出して数分ですぐに牢屋は見つかった。

 その扉を溶かして開ける。


「染山君と十島君!?」

「どうして二人が!?」

 そこにいたのは篠崎と紅だった。


「篠崎に紅……、助けられて本当によかったじゃん」

「あれ、でもー」

 染山は二人を発見できて安堵したが、十島は少し違っていた。


「赤井君はー?」

 そう、赤井が居なかった。


「そうなのよ、赤井は私と一緒にここに連れてこられたはずなんだけど……。ここには居ないわ」

 一緒に来たという紅は知らないようだ。

 篠崎も首を横に振る。


「今その手錠を外してやるからな」

 染山が手錠に近づく。

 指の温度を上げて変形させて穴を広くさせようとしたのだ。


「無理だよ、染山君」

 篠崎は苦い顔で言う。

「この手錠はどうやら才能を封印しているらしい。この手錠に触れたら才能を使えなくなっちゃうんだ」

 その話を聞いて、篠崎の顔もかげる。


「マジじゃん……。じゃあ、俺達がここに来てもどうしようも出来ないじゃん……」

「そうかー、だからあんな風に人が捕まって抵抗できなかったりしたんだねー」

 望みを失った染山を対照的に、十島は冷静に考えていた。


「ところで、どうしてあなた達はここに来れたの?」

 篠崎が素朴な質問をする。


「それがな――――――――」

「それが――――――――」

 染山と十島が同時に言う。


「ってあれ、俺達、どうしてここに来れたんじゃん?」

「んー、そういえば、どうして僕達はここに来れたんだろう?」

 染山と十島は今までのこと、助言を、何故か忘れて(・ ・ ・)しまって(・ ・ ・ ・)|いた。


「ちょっと、おちょくってんの?」

 紅がジトーっとした目で見つめてくる。

「いや、よく考えたら、どうして俺達はここまで迷わず来れたんじゃん?」

「全然わかんないよー?」

「本当に、わからないの?」

 篠崎が二人の態度を見て、本当に忘れているのだと気づく。

「不思議な話じゃん……」

「摩訶不思議アド○ンチャー?」

「それは曲名じゃん」

 人間として、生理的に目を逸らしたくなる様な、血だまりのことは覚えているというのに。

 その後からが思い出せない。


「本当に訳がわかんないわよ、あんた達」

「確かに、俺もそう思うじゃん」

「そうだ、染山君と十島君に言っとかないと」

「何を?」

「何じゃん?」

「何ー?」

 篠崎が何かを思い出し、紅に話を振るが紅に問い返されてしまった。

 染山と十島もこちらを見てきた。


「紅は覚えてるでしょ。相馬君が、私達を助けるって行ってここから脱出したのよ」

「そうだった!!」

「は!? どうやってじゃん!!」

「手錠、かけられてなかったのかなー?」 

 紅は思い出し、篠崎の物言いに染山と十島は訳が分からなくなった。

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